放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第3章 放射線による健康影響
3.8 こころへの影響

支援者支援:ケアの三段階

支援者支援:ケアの三段階
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行政職や医療職等の被災者に対する支援業務者は、被災住民の苦悩を最も間近に感じ取る立場にあることが多く、また問題が長期化していることから無力感や罪責感情を抱きやすい状況になっています。
そのような支援者のこころのケアは、本来は組織のラインによる対応が最も肝要であり、そうしたケアにより組織の安定性や恒常性が守られます。しかし、福島県においては、あまりにも広範囲で長期的、複雑な問題が引き起こされているため、あるいはそれらの問題の収束点や解決プロセスが見えにくいため、ラインケアのみで支援者をサポートすることが難しい状況になってきています。
このような支援者のケアは、まず、自らがそのような状況になる可能性のある状況の中で活動していることを認識し、ストレスの軽減に努める等のセルフケアが重要です。次に、上司、管理職、あるいは周囲の同僚等が早期に兆候を把握し、組織のラインにおいてケアの対応をとることが最も重要です。また、支援を行うべき専門的部署をライン外に設ける等の工夫も必要になります。さらに、このようなケアシステムの構築のためにも、とくに管理職に対する(管理職自身も含めた)心理教育や啓発的活動は非常に大切です。
また、県や国は、被災者のこころのケア支援事業等を通じて直接的、間接的に被災者のこころのケアに関する支援を行っています。

本資料への収録日:平成28年3月31日

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