放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第3章 放射線による健康影響
3.8 こころへの影響

子供の精神医学的影響

子供の精神医学的影響
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チェルノブイリ原発事故時に胎児であった子供たちを対象とした研究では、神経心理学的影響について調査が行われているものもあります。
必ずしも研究結果は一致していませんが、原発事故の影響により子供の情緒障害があったとする報告でも、放射線による被ばくが直接の影響ではなく、保護者の不安等そのほかの影響が要因として指摘されています。
福島県の放射線医学県民健康管理センターでは、将来の子どもたちの世代に向けて、自然災害時や緊急時における「こころのケア」のより良いあり方を受け継ぐことを目的に、こころの健康度・生活習慣に関する調査を実施しています。
この調査では、子どものこころの健康度を評価する指標としてStrengths and Difficulties Questionnaire (SDQ)を用いています。SDQは、大きい点数(16点以上)の割合が高いほど支援が必要とされています。調査結果によると、平成23度調査ではかなり高い(悪い)数値を示していましたが、平成26年度調査ではかなり改善し、被災地以外での調査結果に近づいています(詳しくは、下巻P141「こころの健康度・生活習慣に関する調査 わかってきたこと(4/4)」を参照) 。

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成30年2月28日

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