放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第3章 放射線による健康影響
3.7 がん・白血病

チェルノブイリ原発事故と東京電力福島第一原子力発電所事故との比較(甲状腺線量)

チェルノブイリ原発事故と東京電力福島第一原子力発電所事故との比較(甲状腺線量)
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東京電力福島第一原子力発電所事故により、子供たちの甲状腺が放射性ヨウ素によりどのくらいの被ばくをしたのか、正確に評価することは大変難しいですが、事故後約2週間の時点で行われた小児甲状腺被ばく線量のスクリーニング調査の結果を用いると、おおよそのことが推定できます。
この事故後2週間の時点でのスクリーニング調査は、甲状腺線量が高いと予想された川俣、いわき、飯舘の15歳以下の1,080人の子供たちに対し、サーベイメータを用いて行われたものです。
その結果、原子力安全委員会(当時)が設定したスクリーニングレベルを超える子供はいないこと、検査を受けた子供全員の甲状腺被ばく線量が50ミリシーベルト以下であることが分かりました。
国連科学委員会(UNSCEAR)によるチェルノブイリ原発事故での甲状腺被ばく線量に関する解析では、50ミリシーベルト以下の線量域は最も小さい線量域として扱われています。小児甲状腺がんの発生の増加が見られたベラルーシでの小児甲状腺被ばく線量は、特に避難した集団で0.2~5.0あるいは5.0シーベルト以上といった値が示されており、福島県で調査された甲状腺被ばく線量より二桁も大きい値となっています。
(関連ページ:上巻P132「チェルノブイリ原発事故と東京電力福島第一原子力発電所事故との比較(被ばく時年齢)」

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成29年3月31日

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