放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第3章 放射線による健康影響
3.2 人体影響の発生機構

臓器・組織の放射線感受性

臓器・組織の放射線感受性
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細胞分裂が盛んで、分化の程度の低い細胞ほど、放射線感受性が高い傾向にあります。例えば、骨髄にある造血幹細胞は盛んに分裂しながら、血中の各種血液細胞に分化する細胞です。幹細胞から分裂(増殖)が進んだ未成熟(未分化)な造血細胞の放射線感受性は極めて高く、分化した細胞よりも少量の放射線で細胞死が起こります。
その結果、血液細胞の供給が止まり、血中の各種の細胞の数が減少します。また消化管の上皮も常に新しい細胞に置き換わる新陳代謝が激しい臓器なので、放射線感受性が高くなります。
一方、成体では細胞分裂をしない神経組織や筋組織は放射線に強いことが知られています。

本資料への収録日:平成25年3月31日

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