放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第3章 放射線による健康影響
3.2 人体影響の発生機構

DNA の損傷と修復

DNA の損傷と修復
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細胞は生命の設計図ともいえるDNAを持っています。DNAは糖・リン酸そして4種類の塩基を持った2本の鎖からできています。塩基の並び方に遺伝情報が組み込まれているので、並び方を保つために塩基は互いの鎖がいがたになるように組み合わされています。このDNAに放射線が当たると、当たった量に応じてDNAの一部が壊れることがあります(上巻P84「放射線によるDNAの損傷」)。
DNAを傷つける原因は、放射線以外にも、食物の中の発がん物質、たばこ、環境中の化学物質、活性酸素等があり、一日1細胞当たり、1万から100万箇所の頻度でDNAは損傷を受けているといわれています。細胞には、DNA損傷を修復する機能があり、DNAが損傷を受けると、修復酵素が駆けつけて、こうした傷を修復します。修復には、完全に修復される場合と一部が不完全に修復される場合があります(上巻P83「DNA→細胞→人体」)。

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成28年3月31日

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