放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第2章 放射線による被ばく
2.5 身の回りの放射線

診断で受ける放射線量

診断で受ける放射線量
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放射線検査による被ばく線量は、検査の種類によって異なります。歯科撮影のように局所的にごく僅かな被ばくをするものもありますし、X線CTや核医学検査等、被ばく線量が比較的高めの検査もあります。また、同一の検査の種類でも、線量は医療機関によって大きな違いがあり得ます。そこで、診断にとって線量が高すぎるかどうかを判断する目安として、診断参考レベルの利用が推奨されています。その医療機関の平均的な放射線量が診断参考レベルと大きくかけ離れている場合、検査における照射条件の見直しを国際放射線防護委員会(ICRP)は考慮すべきとしています。
欧米等の諸外国では、診断参考レベルを既に利用している国もあります。日本では日本診療放射線技師会が、診断参考レベル相当の値を独自に取りまとめ、平成12年に「医療被ばくガイドライン(低減目標値)」を発行しました。その後、平成18年に、「医療被ばくガイドライン2006」として改訂されています。さらに、医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)は、参加団体が実施した実態調査の結果に基づいて、日本で初めて診断参考レベルを策定しました。(医療放射線防護連絡協議会他「最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベル」平成27年6月7日(平成27年8月11日一部修正))
注*:医療被ばく研究情報ネットワーク(Japan Network for Research and Information on Medical Exposures: J-RIME)は、学協会等の協力を得て多くの専門家の力を結集し、医療被ばくに関する国内外の研究情報を収集・共有して、わが国の事情に合致した医療被ばくの防護体系を確立するための活動母体として平成22年に発足しました。J-RIMEの活動目的は、放射線診療における被ばく線量・リスク評価等医療被ばくに関するデータを収集し、我が国の医療被ばくの実態把握を行うと共に、国際的な動向を踏まえて医療被ばくの適切な防護体制を国内に構築する点にあります。(出典:国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所ウェブサイト、http://www.nirs.qst.go.jp/rd/structure/merp/j-rime.html

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成29年3月31日

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