放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成29年度版、 HTML形式)

第2章 放射線による被ばく
2.4 線量測定と計算

預託実効線量

預託実効線量
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放射性物質は、体内に摂取された後、一定期間体内にとどまります。その間、人体は放射線を受け続けることになります。そのため内部被ばくによる線量としては、1回に摂取した放射性物質の量から、将来にわたって受ける放射線の総量を考えます。これを預託線量(単位はシーベルト)といいます。
体内に取り込んだ放射性物質は、時間と共に体内から減少します。その原因の一つは放射性物質の壊変によるものです。もう一つは、尿や便等により排泄されることによるものです。体からの排泄の速度は、元素の種類やその化学形態、年齢によって異なります。預託線量はこのような違いを考慮して、ある放射性物質により人体が受ける放射線量の一生分を積算した量を、その年に受けたものとみなします。
特に、実効線量に着目して一生分を積算した線量を「預託実効線量」と呼びます。このときの一生分とは、大人は50年、子供は70歳になるまでの年数です。放射性セシウムの場合、体外へ排出される速度が早いことから(実効半減期がセシウム134で64日、セシウム137で70日)(上巻P31「原発事故由来の放射性物質」)、摂取後2~3年の間に、預託線量のほとんどの被ばくを受けるとしています。

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成27年3月31日

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