放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成28年度版、 HTML形式)

第10章 健康管理
10.3 甲状腺検査

甲状腺検査 先行検査と他県調査の比較

甲状腺検査 先行検査と他県調査の比較
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検査開始当初、A2判定の方の割合が多いのでは、と不安の声が多く挙がったことから、平成24年度、環境省が、長崎県、山梨県、青森県の3県で、約4,300人の子供たちを対象に、福島県と同じ方法で甲状腺検査を実施しました(以下「三県調査」という。)。
福島県の調査は0~18歳が対象であったのに対し、3県の調査では3~18歳が対象にされ、3歳未満は対象になっていません。また、三県調査の場合、母数が少ないため、両調査結果だけを見て単純に比較することはできません。しかし、福島県の子供たちに際立ってA2判定が多いわけではないことが分かりました。図では福島県のA2判定は三県調査に比べ9ポイントほど小さく、逆にA1判定は9ポイントほど大きい結果を示しています。三県調査の報告書では、「一般的に、3~5歳の集団では結節性疾患の有所見率が、6歳以上の集団に比べて低く、また女性は男性よりも有所見率が高いことが知られている。このため、今回のような単純な記述統計に基づく有所見率は、本来の値よりも高めに集計されている可能性がある。」と考察されています。福島県の場合と3県の調査結果におけるA1判定とA2判定の割合の違いについては、調査対象母数の大小及び調査対象年齢の違い(3県では3歳未満が調査対象外)等が考えられます。

※:出典 特定非営利活動法人日本乳腺甲状腺超音波医学会「平成24年度甲状腺結節性疾患有所見率等調査成果報告書」(環境省委託事業)平成25年3月

本資料への収録日:平成26年3月31日

改訂日:平成29年3月31日

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