保健・化学物質対策

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 | 第11回議事録

日時

平成26年9月22日(月)

場所

環境省 第一会議室

議事次第

1.開会

2.議事

(1)健康不安対策について  

<ヒアリング>   

川上憲人先生(健康不安に関する研究報告)   

大久保淳子先生(地元保健師からみた健康不安対策)

3.

(2)健康管理のあり方について

4.閉会

                                               

                                       午後5時00分 開会          

 得津参事官 それでは、定刻になりましたので、会議を始めさせていただきます。  本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。  定刻になりましたので、ただいまから、第11回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議を開催いたします。  まず、出欠状況でございますけども、本日は、明石委員、荒井委員、清水委員は、事前のご欠席のご連絡をいただいております。また、伴委員におかれましては、先ほど急遽出席できなくなった旨の連絡が入っておりますので、お伝えさせていただきます。  次に、議事開始に先立ち、本会議傍聴者の皆様へ留意事項を申し上げます。  円滑に議事を進行させるため、事務局の指示に従ってくださいますよう、お願いいたします。  傍聴中は静粛を旨とし、発言・拍手などの賛否の表明や、これらに類することにより議事の進行を妨げる行為はご遠慮ください。  また、ご質問やご意見等のある方は、お配りしております用紙にお書きいただき、事務局に提出してくださるようお願い申し上げます。  また、携帯電話等は、音が出ないようにしてください。  その他、事前にお配りした内容につきましてご注意いただきたいと思います。これらをお守りいただけない場合には退場していただくこともありますので、よろしくご理解をお願いしたいと思います。  それでは、福山政務官より開会の挨拶を申し上げます。

 福山環境大臣政務官 皆さん、こんにちは。今月4日に環境大臣政務官を拝命いたしました、福山守でございます。私は、中間貯蔵施設の整備、除染の着実な実施、放射性汚染廃棄物の処理、そして放射線健康影響を踏まえた住民の健康管理などを担当しております。一日も早く実現をするために、しっかりと取り組んでいく所存でございます。  この専門家会議は、これまで10回にわたって開催され、線量把握、評価について重点的にご議論をいただくとともに、健康影響などに関する検討を重ねていただいてきたと伺っております。  長瀧座長を初め、委員の先生方へまず厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。  また、本日ご議論いただく、健康不安対策と健康管理のあり方は、非常に重要なテーマと認識しております。委員の先生方におかれましては、専門的、科学的な見地から、ご議論いただきたいと思います。  本日もどうぞよろしくお願いを申し上げます。

 得津参事官 福山政務官は、公務の都合上、これにて退席をさせていただきます。  続きまして、本日お配りした資料について確認をいたします。  お手元に資料をお配りしておりますけども、資料1につきましては、環境省における健康不安関連施策の概要、資料2といたしまして、原発事故による放射線の健康影響及びそれを踏まえた住民の健康管理のあり方に係る論点整理等(案)、それから、本日ヒアリングでお越しいただいている川上先生提出資料、こちらを資料としてお配りさせていただいております。また、参考資料として、本会議の開催要綱、こちらをお配りしております。  資料がそろっていますことをご確認いただきまして、過不足などございましたら、事務局までお申し出いただきたいと思います。  それでは、これより議事に入ります。  以後の進行につきましては、座長にお願いいたします。よろしくお願いします。

 長瀧座長 本日は、11回の委員会になります。委員の先生方におかれましてはご出席いただきまして、本当にありがとうございます。  本日は、前半で健康不安対策について議論する、後半では、健康管理に関する議論を行うことになっています。  本日も専門の方々をお呼びしておりますので、後ほどお話を伺いたいと思います。  まず、資料1について、事務局からご説明ください。

 佐藤参事官補佐 では、お手元に資料1をご用意ください。  環境省における健康不安関連施策の概要となってございます。  現在、政府が実施しております、リスクコミュニケーション事業につきましては、復興庁が中心となり、環境省も支援して、帰還に向けた放射線リスクコミュニケーションに関する施策パッケージとして取りまとめられております。  これを踏まえまして、環境省では、この資料1にお示ししております四つの分野ごとに事業を実施しております。  まず①として、統一的な基礎資料の作成、②として、リスクコミュニケーションに携わる人材の育成、そして③として、住民の方々の理解をサポートする事業、そして④として、帰還を支える相談員の支援拠点の整備となっておりまして、これらに加えて個人線量の把握を通じたリスクコミュニケーションや健康不安に関する委託研究事業も実施しております。  以降の資料でそれぞれの施策について具体的にご説明いたします。  2ページをご覧ください。  まず一つ目の統一的な基礎資料についてです。住民の方々の健康不安や悩み相談に対応できる人材を育成するに当たっては、対象者や用途に合った研修用教材が必要となるため、それらの教材のもととなる資料と位置づけて作成しております。  具体的には、左側にお示ししております、三つのテーマで章立てした包括的な資料となっております。この資料が、当初平成24年度委託事業として放射線医学総合研究所が作成してくださったものですが、関係省庁等の協力も得まして、1年に1回改訂しております。  資料は、環境省ホームページ上でも公開しておりまして、このような冊子としても活用をしているところでございます。  3ページをご覧ください。  二つ目の分野であります、人材の育成についてです。環境省では、さまざまな研修事業を実施しております。この対象は、現場でリスクコミュニケーションを担当いただく保健医療福祉関係者、教育関係者及び自治体職員等の方々になります。  まず、福島県におきましては、講義形式の基礎研修、3ページの左側の部分です。それと、ロールプレイング等の実践的な演習を加えた応用研修、3ページの右側のところです。これを実施しております。  事業の開催実績、口頭でご紹介させていただきますが、基礎研修は、1回当たり100名程度を対象として、24年度に3回、25年度に3回、そして26年度は4回実施しております。  また応用研修は、1回当たり20名程度を対象としておりまして、24年度に9回、25年度に12回実施しております。26年度は14回程度実施予定です。  4ページをご覧ください。  福島県近隣県におきましても、1回20名程度を対象とした研修を、福島県内でも応用研修と同様に開催しております。24年度の18回、25年度に12回実施しており、26年度は12回程度実施予定となっております。  5ページをご覧ください。  このほかの人材育成政策として福島県及び近隣県を対象としたコーチ研修を実施しております。この研修会では、現場のリスクコミュニケーション担当者に対して指導的な立場で情報提供や助言を行えるような人材やコーチと称しまして、このコーチの育成を目的としております。そのために必要な放射線やコミュニケーションに関するより高度な知識の習得を目指す内容となっております。24年度、25年度とも3回実施しており、26年度も3回程度実施予定です。  さらに、同じページの右側ですが、コーチ研修を終了された方々に対するフォローアップ研修や活動支援を実施しております。  ①のフォローアップ研修は、25年度に2回実施し、26年度は1回実施予定です。  ②のコーチの活動支援につきましては、コーチが研修会などを開催する際の経費や会場設営等の支援を行うものですが、25年度に1回実施し、26年度は3回程度実施予定となっております。  続いて、6ページをご覧ください。  三つ目の分野であります、住民の理解増進といたしましては、まず、福島県内外において住民セミナーを開催しています。1回当たり50名程度を対象とし、24年度に4回、25年度に8回実施しております。26年度は15回程度実施予定です。そのほか、車座集会ということで、住民参加型プログラムに基づく意見交換会を実施しております。この6ページの右側にあります。これは10名程度の住民の方々に4回程度集まっていただきまして、ファシリテーターの議事進行のもとで意見交換を進めていくものですが、住民同士の悩み事や不安、疑問などを話し合い共有することから始まる、その軽減や改善策を検討し、実践方法を考え、学んだ知識を今後の生活にどのように生かしていただくのかということをまとめていただくという流れになっております。  24年度に3カ所、25年度に5カ所実施しておりまして、26年度も5カ所程度で実施予定となっております。  続いて、7ページをご覧いただけますでしょうか。  福島県立医科大学で実施していただいているものがございます。行政職員研修、帰還困難区域等の住民の個別健康相談会(よろず健康相談会)と称されておりますが、また、グループセミナー、甲状腺検査説明会などがあり、環境省はこうした取組を支援しております。  一つ目の行政職員研修は、25年度に52回、延べ236名を対象に実施し、26年度は60回程度実施予定です。  二つ目のよろず健康相談会は、24年度に83回、25年度に158回実施しておりまして、26年度150回程度実施予定となっております。  3番目のグループセミナーは、今年度から開始したもので、今年度5回程度実施予定です。  4番目の甲状腺検査説明会は、24年度に8回、25年度に88回実施しておりまして、26年度も50回程度実施予定となっております。  続きまして、8ページをご覧いただけますでしょうか。  四つ目の分野といたしまして、相談員支援の拠点の整備というものがございます。まず、この相談員についてですが、昨年12月20日に閣議決定されました「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」において、帰還する方々の被ばく低減に向けた努力等を身近で支える相談員制度の創設というものが明記されたことに端を発するものです。  この相談員には、帰還する住民の方々の放射線に対する不安の解消を身近で支えるということが期待されておりますが、このような活動を行っていただくためには、科学的・技術的な面からの組織的で継続的な支援が不可欠ということで、本年度から、いわき市にその拠点を整備いたしました。  現時点では、市町村が相談員の人選等を行っておりますので、今後、相談員の活動実態に合わせて本格的な運用に入るという段階となっております。  ここまでリスクコミュニケーションの4分野の事業についてご説明してまいりましたが、このほか、環境省では、個人線量に基づく放射線健康不安対策事業を実施しております。それが9ページ、10ページにございます。  これは個人線量を測定して、その結果を活用し、リスクコミュニケーションを図ろうというものになっております。  このようなリスクコミュニケーションを図ろうとしますと、まずは、個人線量計等の測定や評価の方法について一定のガイドラインを整備する必要があるということで、本年度から10ページにお示ししておりますような事業を実施しているという状況でございます。  以上が資料1のご説明ですが、環境省では、このほか、健康不安に関する委託研究事業を公募する形で実施しております。それらの研究のうち、健康不安の実態把握を行っておられる研究について、後ほど研究代表者の東京大学の川上教授からご説明をいただくこととなっております。  また、もうお一方、大久保先生には、この川上先生の研究班で開発に取り組んでいただいております住民支援プログラムに直接的にご協力をいただいておりまして、地元の保健師から見た健康不安対策についてお話をいただく予定です。  事務局からは、以上です。

長瀧座長 ご丁寧なご説明、どうもありがとうございました。  ご質問を、一つか二つご質問を受ける時間はあると思いますが、何かございますか。 (なし)

 長瀧座長 では、最初にご講演を伺って、その後で質問を伺うということにしたいと思います。  本日は、川上憲人先生、それから大久保淳子先生にお越しいただきまして、本当にどうもありがとうございます。  最初に、健康不安対策を今後どのように取り組んでいくかということについて考えていきたいと思いますが、川上先生、福島における健康不安の実態把握という立場から、お話をよろしくお願いいたします。

 川上憲人氏 ありがとうございます。東京大学の川上です。  今日は、ヒアリングに呼んでいただいて大変光栄に存じますし、専門家会議の先生方のご議論に多少でも私どもの研究成果を役立つことは大変うれしく思っています。  また、私どもの、私自身やっております研究の結果だけではなくて、今日は一緒にいろいろと福島市でプログラムを進めている大久保さんにもおいでいただいていますので、恐らくよいお話をしていただけるのではないかと私自身も期待をしています。  資料を事務局に準備いただきましたので、そちらに従って、まず私どもが環境省の研究費で行っています、福島県における放射性健康不安に関連する研究の概要を、途中経過ではありますけれども、ご紹介をしておきたいと思います。  1ページは、タイトルと研究組織が書いてありますので、これはご覧いただければ結構かと思いますが、福島県立医科大学と連携をしながら、国内・国外の研究者で連携を進めてきています。  2ページ目をご覧いただきまして、研究の背景でございますが、これまで原発事故の後、あるいは原爆被爆者の方において、放射線の曝露への不安が、長期にわたって住民の方の軽度の抑うつ・不安と身体的な不調に関連しているという研究がいくつございまして、私どもは、この点に関心を持って、あるいは懸念を持って研究を進めているところであります。  福島第一原発事故後の福島県住民の精神健康への研究におきましても、避難住民及び一般住民の方も大変放射線の健康不安を持っていらっしゃるということで、同じようなことが起きて、福島県の一般住民の方たちの抑うつ・不安や不調が非常に長期にわたって続くことを防ぎたいというのが私どもの研究の一番の大きな動機でございます。  その下に、2011年11月時点での放射線レベルを文科省のホームページからいただいて、お示ししておりますけれども、浜通り、中通りとも避難区域以外の地域でも多少放射線レベルが増加した時期がございまして、こうしたことが福島県の住民の方にどのような影響を与えているかというのが、関心事でございます。  3ページの上に、研究の目的を書いてございますが、今日は、特に避難区域の方ではなくて、福島県の一般住民の方の放射線の健康影響に関する不安についてお話をしたいと思いますし、ここで私どもの考え方を申し上げますと、一般住民の方の放射線の健康影響に対する過度の不安、ここでは放射線ストレスと私どもは呼んでいますが、過度の不安のために、本来ならできる生活ができなかったり、あるいは本来なら楽しめることが楽しめなかったりということを、どうやって実態把握するか、また、改善するかということを基本に置いてございます。  また、今申し上げたように、この改善のためのプログラムをつくって評価をすることが目的の2になってございます。  まず、目的の1の実態調査の結果を簡単にご説明したいと思いますが、3ページ目の下半分には、調査のやり方が書いてございます。簡単に申しますと、福島県の一般住民の方と、それから関東地方の一般住民の方を調査いたしまして、この二つの群を比べることで、福島県の一般住民の方にどういう問題が起きているかということを明らかにしようというデザインでございます。  進めさせていただいて、4ページ目の上に、調査にご回答いただいた方たちの簡単な基本属性を書いておりますが、福島県では、約450人ぐらい、回答率が45%ぐらい、関東地方の方は650人ぐらいで、40%ぐらいの回収率で回答をいただいています。  調査項目につきましては、まず、4ページの下ですが、一番最初に心身の健康度をさまざまな側面から測定をしています。心理的ストレスや、PTSD症状、抑うつや、そして身体症状などを伺っています。  それから、放射線ストレスについては、次のスライドでご説明するように、9項目からなる尺度を新しくつくっておりますので、これは次でご説明をいたします。  それから、震災後に放射線のことを気にしたり、さまざまな理由で活動が低下するということが報告されておりますので、そういうものをはかる震災後の活動変化という尺度も新しくつくっています。そのほか、基本属性、このようなものを聞いてございます。  5ページ目にまいりまして、今度の研究で比較的で大事なポイントの放射線ストレス尺度の開発ですが、こちらは、福島県立医大の県民健康管理調査にご協力いただきまして、こちらが調査を行っています「こころの健康度・生活習慣に関する調査」の欄外にたくさんの避難区域住民の方から思いがつづられた自由記述が挙がってきています。これは物すごい数に及びますが、これを、私どものスタッフが拝見いたしまして、その自由記述から問題点を分類するという作業をいたしました。  また、県民健康管理センターでは、調査・相談事業を職員が行っていらっしゃいますので、この方に避難住民の方で抑うつが高い方に電話したときに、どんなお話が出てきたなどのお話を聞いて、調査項目の候補をたくさん収集します。  そのほか、文献に示してありますような、先行研究からも、さまざまな項目を選びまして、7側面、この①から⑤までのものを項目としまして新しい尺度をつくりました。  5ページ目の下には、9項目版をお示ししています。1番から6番までは、主に放射線のために健康影響があるのではないかというご心配、7から8、9は、放射線と関連して、人間関係や差別といったものが起きたという側面をはかる。大きく分けると二つの側面からできている調査票になっております。合計の得点を出して、放射線ストレスの程度をはかるという仕組みです。  6ページ目の上半分には、今申し上げました9項目の回答がどのようになっているかということを福島県一般住民の方の分をお示ししています。これは、今日は本題ではありませんので、またご覧いただいて、ご質問があれば別途いただけたらと思います。  それから、震災後の活動の変化については、6ページ目の下にあるような項目について、震災後に増えたか、減ったのかということを伺って、震災後の活動の変化をはかるようにしています。  駆け足でございますが、7ページから結果をご説明したいと思います。  福島県と関東地方を大きく分けて比較しましたところ、心理的ストレス、PTSD症状、抑うつ、身体症状とも福島県の住民の方が高くなっておりまして、関東地方と比べて、統計学的に有意な差があるということであります。  7ページ目の下には、もう少し細かく福島県を浜通り、中通り、会津に分けまして、関東地方も北と南に分けまして比較を行っておりますが、これも基本的には、浜通り、中通りで特にこうした心身の不調の得点が高く、つまり調子が悪く、北関東、南関東が低いという、こういう結果に一貫してなってございます。  8ページ目に進ませていただいて、福島県と関東地方で、放射線ストレスの尺度の得点を比較したものを示しておりますが、まず、青と黄、赤で福島県と関東地方を大くくりして比べた場合では、福島県の方が、放射線ストレスが高く、また、細かい場所に分けました場合には、浜通り、中通りの方で高い傾向が認められております。  それから、8ページの下には、震災後の活動の変化を比較したものですが、これも福島県と関東地方では、福島県の方が震災後に活動も減少しており、この傾向は、浜通り、中通りの方に顕著だという結果になってございます。  9ページの上までまいりますが、今ご覧いただきましたように、福島県と関東地方では、心身の不調、青色の部分に中程度の差があることがわかりました。  これらを説明する要因について、少し詳しい分析をしました。ここでは結果を図だけで示しておりますが、福島県と関東地方における心身の不調の差は、三つの要因、震災による被害、放射線ストレス、震災後の活動の変化のこの三つでほぼ説明されてしまいまして、これらを除くと、福島県と関東地方の間に心身の不調に差はなくなってしまうということがわかりました。  今日の発表では、時間の関係で福島県の仮設住宅にお住まいの方たちの調査結果については、触れておりませんが、ほぼ福島県の住民の方と同じような数値となっておりました。  9ページから2番目のことについてご紹介を進めさせてください。  放射線健康不安あるいは放射線ストレスの改善に関するプログラムの開発とありますが、私どもの研究グループでは、三つのプログラムを開発していますが、今日は1番と2番についてご紹介をしたいと思います。  1)は、情報提供と話し合いというものでありまして、2)は、行動活性化健康教室プログラムというものでございます。  次のページ、10ページの上を見ていただきますと、「情報提供と話し合い」プログラムの簡単な概要が書いてございます。まだ研究が進行中で、今日1枚で概要だけお話ししたいと思いますが、講演を45分した後、集まっていただいた住民の方に小グループに分かれていただいて話し合いを45分するということで、講義を短くして、グループでの話し合いを増やすというのが、このプログラムのポイントでございます。  このプログラムは、福島県で、これまで行われた良好実践事例、例えば、臨床心理士の成井先生が行われているような母子のプログラムの話し合いでありますとか、あるいは、先ほど事務局からもご紹介があったような車座集会のようなものと非常によく似ていると思います。ここで使う情報提供には、福島県立医科大学の出前講座で使われているような資料を使っておりますが、こうした話し合いの時間を多くしたプログラムを実行することで、放射線ストレスの軽減ができるのではないかと考えておりまして、9月30日から、福島市の保健師の方々にファシリテーター研修を行い、大規模にモデル事業を行う予定になってございます。  それから、次ページの下は、行動活性化プログラムについて簡単に書いてございますが、こちらは、福島市の恐らく放射線で一番ご心配だと思う就学前の子どもを持つお母さんたちに昨年度は参加していただきまして、少数ではありますけども、事前事後に調査をして、間にこのプログラムを実施して、どのぐらい改善したかということを確認しました。本年度は、無作為比較試験をやっておりますので、さらに信頼できる結果が出るかとは思います。  11ページに、行動活性化プログラムの簡単なパンフレットを示しておりますが、体と気持ちと行動がそれぞれ関係いたしまして、気持ちが落ち込んでいると、行動も内側になって余計気持ちも落ち込むという悪循環が発生しますので、むしろ行動を変える、つまり少し気持ちが落ち込んでいるかもしれないけども、やると楽しいことを探してくださいということを健康教室で受講者の方たちにご説明をして、自分たちでやりたい、本来なら自分がこうすべきだ、するんじゃないかという行動を増やしていただくという原理のプログラムであります。1週間置いて2回の健康教室を実施していまして、11ページの下にありますように、7人のお母さんでは、心理的ストレスが中等度に減少したというよい結果を得ています。あまり放射線健康不安は減少していないのですけども、抑うつ・不安は低下することがわかりましたので、こういうプログラムが効果的ではないかと思っています。  12ページの上には、プログラムについてのアンケート結果がございますが、これは単に大変好評で、後でファンレターも届くぐらい非常によいプログラムだったということをお示ししたいだけでございます。  要約させていただきます。12ページの下ですが、まず福島県一般住民の方の心身の健康ですが、心身の不調、放射線ストレスなどが高くなっておりました。特に浜通り、中通りが顕著でございました。特にこうした福島県の一般住民における心身の不調の増加は、放射線ストレスなどによって、説明されるのではないかということを考えております。  13ページの要約2でございますが、福島県住民の心身の不調への対応について、まだ研究途上ではございますが、情報提供と話し合いのプログラムが放射線ストレスを緩和するのではないかと期待しています。  また、行動活性化プログラムは、住民の心身の不調を改善することが期待をできるかと考えておりまして、これらのプログラムは、教育研修を受ければ、保健師などのスタッフや、NPOのスタッフでも利用できますので、応用可能性が高いと考えています。  13ページの下には、多少僣越ながら、行政施策への提案について二つだけ書かせていただきましたが、福島県の避難区域住民及びこれ以外の一般住民においても放射線ストレスと関連した軽度の心身の不調が増加していることに着目した対応が必要ではないかと考えておりまして、今回検討していますような方法を普及していくことがよいのではないかと感じております。  私からは、以上でございます。ありがとうございました。

 長瀧座長 本当にありがとうございました。  非常にまとめてお話しいただきまして、十分討論の時間ができたと思いますが、では、続きまして、大久保先生に震災前から今に至るまで、地元の地域の方々に接してこられた保健師さんの立場ということでお話しいただきます。  よろしくお願いいたします。

 大久保氏 こんにちは。福島市で保健師をしております大久保淳子と申します。今日は、本当にお呼びいただいてありがとうございます。  私のところは、福島市ということで、避難地区ではございません。今、川上先生のお話にもあったように、中通りというところで、震災後に県内でも浜通りの次に線量が高くなったところです。  そういうところで主に子育て中のお母さんたちと、震災後いろんな機会を捉えて接してきた立場から、現状について少しお話をさせていただきたいと思います。  何より福島市は、第一原発から60㎞以上離れておりますので、通常何もないときには、放射線だとか、放射性物質だとか、原発だとかいうことは全く話題にのぼらないようなところでございますので、事故が起きたときに、一体何が起きてどういうことになっているのかというのは、全くわかりません。  放射性物質が降下して、空間線量が上がったということについても、それは一体どういうことなのということも全くわからない、知識が全くないところで、いろんな情報だけが錯綜しまして、チェーンメールみたいなものがたくさん流れて、もう今すぐ逃げたほうがいいだとか、甲状腺が心配だから、うがい薬を飲んだほうがいいだとか、いろんなものが情報としてめちゃくちゃに入りまして、一瞬パニックな状況があったと思います。  何か私もよく思い出せないところがたくさんあるんですけれども、そんな中で、とにかく従来の母子保健事業、乳幼児健診だとか、家庭訪問だとか、育児の相談会など、お母さんたちと私たちが向かい合ったときに何がお母さんたちの不安の軽減につながるのかなというのを、私たちも全く知識のないところで手探りの中、情報提供を始めたという経過があります。  地元の小児科の先生の協力のもと、福島医大の公衆衛生学の先生方だったり、放射線の先生方などから、いろいろ勉強させていただきながら、平成23年度は地域での講演会を予算が全くないところでいろいろ工夫をして、20回講演会を行いました。それから、心理士会の先生方にお願いをして座談会をやったりだとか、個別相談会をやったりだとか、そんなことをしてきたところでした。  お母さんたちは、とにかく情報が知りたかったので、いろんなところで、いろんな人が講演会をしました。私たちもしましたけれども、NPOの方たちだったり、いろんな団体の方たちも講演会をしました。市民の皆さんは、そういうところへあっちこっち聞きにいかれたと思います。私たちが企画した講演会にも20回講演し、1,000人以上の方たちが来てくださいました。とにかく何でもいいから情報が欲しかった時期だったのかなと思います。  私たちは、本当に何も知識がなかったので、先生方に協力いただきながら、早くにパンフレットもつくりまして、どういうところに気をつけたらいいか、どうなのかということでお配りしたと今思い出します。本当にわらをもすがる思いだったのかなと思います。  福島市は、避難地区ではございませんので、避難を勧めるということはありませんでしたが、避難したほうがいいのか、しなくていいのかというところでお母さんたちはすごく悩みました。避難ができた方、それから避難したかったんだけどできなかった方、避難はする必要はないと選択して福島に残られた方、本当に一人一人いろんな方がいらっしゃいました。いろんな相談があっても私たちも十分答えられなくて、つらかったなと思います。  平成24年になりましては、講演会を同じように企画しても、本当に参加者が激減しました。それはどういうことなのか、私たちももうわからなくて。もうそういう情報は要らないということなのか、あるいはもう放射線の話は聞きたくないということなのか、とにかく激減して、せっかく予算化したのに本当に来ていただけなくて。そういう事業をいつまでもやることは私たちもできませんので、じゃあどういうものを皆さん、求めているのか、出会うお母さんたちにいろいろ聞きながら、座談会をやったり、あととにかく外遊びが本当にできない、お母さんたちが心配でできない状況でしたので、市もあちこちに 屋内遊び場をつくりましたけれども、親子で遊ぶということが、お母さんたちは求めていましたので、そういった企画をしました。そういうところには、たくさん来ていただいて、皆さん本当に清々とした顔をして帰っていかれたかなと思います。  あと、通常育児相談会というのをやっておりましたので、そういう時にもお母さん方を対象にしたストレッチ教室など、お母さんたちがリラックスできるような企画をして、話し合いを入れたりとかしてきましたね。  その中で、特徴としては、講演会に来なくなったというのもありますけれども、放射線についての話を皆さん避けるようになりました。「心配なことない」と聞いても、「ううん、心配なことないです」と皆さん本当におっしゃって、本当なのというのがありました。でも実際いろんなアンケートだったり、いろんなことがあると「不安だ」という声がたくさん出ました。福島市も市民にアンケートを24年にとりましたけれども、内部被ばくや外部被ばくについて60%以上の方たちから、「大いに不安だ」という声がありました。  では、なぜ講演会に来ないんだろう、座談会に来ないんだろう。「心配ない」と聞いても「心配ないです」というのか、とてもとても不思議だったし、私たち自身が不安でした。でも聞きたいと思うときに、聞けるような体制は必要だよねということで、講演会も少ない人数でしたけれども、続けました。  それから、既存の事業の中で、声かけをしていきました。特に赤ちゃん訪問では、「どう?」と言ったときに「心配なんですよ」という声があったときには、個別で支援をするという形に切りかえてきました。  平成25年も同じような状況で、個別支援を大切にしていきたいなと思って、そんなことで通常の保健業務の中で一人一人の声を聞く、話を聞くということにシフトしてきたところです。  それから、自主避難をしていった人たちが、今福島に戻ってきています。それは決して心配がなくなったから戻ってきているのではなくて、経済的な状況だったり、子どもさんの進学など、いろんな状況で、どうしても家族と話し合って、福島に戻ったほうがいいよねということになって戻ってこられた方たちが、多いのかなと思います。  そうすると、不安なまま戻ってきているので、うまく福島になじめない方たちもたくさんいるのではないかなと思い、25年からは戻ってきた方たちへの支援というのを何かしたいなと思っていました。  ただ、私たちもなかなか、人口も多く、1年間に2,000人ぐらいが出生するので、いつ、どこに、どういう方が戻ってきたのかもよくわからないところで、どうやってやろうと思っていたところ、福島県の事業で、避難先でもやっていた「ままカフェ」をNPOの方たちに委託をし、県内で始まりました。そこに私たちも乗っからせていただいて、一緒に戻ってきたお母さんたちにPRをして、話を聞いたり、そういうことを25年から始めたところです。  福島にいなかった間は、時が止まっています。ですので、福島で行きつ戻りつしながら大丈夫なんだろうか、いや大丈夫なんだ、いやいや心配なのかなという時間を過ごさなかった人たちなので、また戻ってきたところから、そこが始まるんですね。  ですので、言い方は本当に失礼な言い方になりますけど、リハビリが必要です。福島でちゃんと生活していくためには、時間が必要だし、きちんと話を聞いてくれるところが必要なんだというのをそこで勉強させていただきました。平成26年も引き続きやっています。  そういう中で、本当に私たちは一体何ができるんだろうということをずっとずっと考え、やっぱり寄り添って話を聞いてあげるということが一番いいのかなという結論に達しました。情報は、ネットでもいろんな情報があります。ですけれども、それが自分にとってどうなんだろうということ、皆さん一人一人自分はどうなんだということを聞きたいんです。大きな話ではないんです。どこかの話ではないんですね。  ですので、一人一人に寄り添って、今あるデータをお示ししながら、本人の不安がどこにあるのかということを丁寧に聞いていくということが大事なのかなと思って、24年、25年はやってきまして、今に至っている状況かなと思います。  リスクの判断というのは、もう非常に難しいです。専門家の方たちはこうこうだから大丈夫だよとか、いろいろおっしゃいますけど、それが本当にその人が納得いくまでには、すごく時間がかかります。ですので、その不安に寄り添うということが大事なのかなと思ってやってきました。  とにかく初めてのことなんですね。前例がないことなんです。ですので、いろいろ学術的に影響はこうだと言ったとしても、それが自分のこととして考えられるまでには、すごく時間がかかります。子育てというのは、先輩たちもみんなやってきたことなので、子育てはこうなんだよ、ああなんだよということは、先輩たちも話ができます。ですが、放射線については先輩はいませんので、本当に一から自分たちで納得するまで、考えたり勉強したりするしかないんですね。そこに誰が寄り添っていくのかということが、すごく大事なことなのかなと思います。  十分説明ができなくて、私がどこまできちんとお話しできたのかなということも、不安なんですけれども、安全というのと安心というのには、差があるということを私たちは自覚をしなくちゃいけないんじゃないかなと思っています。   何が大事なのか、自分たちが一体これから何を勉強していかなくちゃいけないのかも、まだまだ課題ですし、住民の方たちとどういうことをやっていったら、いつ安心に至るのかはわかりませんけれども、生活していくということができるのかというのは、まだまだ課題なのかなと思っています。  避難地区じゃないというところが、また何か大きなポイントなのかなと思うんですね。避難しなくてもよかった地域なんだけれども、不安は不安、そこのところが違うのかなと思いますね。  十分福島のお母さんたちの様子、市民の皆さんの様子がお伝えできたかどうかは、私も不安なんですけれども、一区切りさせてください。

 長瀧座長 どうもありがとうございました。  また後で、質問にも十分あると思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、今のお話も含めまして、資料1も、それから今のお話を踏まえて、健康不安対策を今後どのように取り組んでいったらいいかということを、今まであまり具体的に取り組みませんでしたので、今回かなり時間もとってございますので、ぜひ委員の先生の忌憚のないご意見を伺いたいと思います。  どなたからでも結構です。どうぞお願いします。

 石川委員 講師の方たちに質問よろしいでしょうか。いろいろと福島市で、お母さんたちのご意見を聞いたというお話なんですけれども、保健師さんの立場でいろいろと横の連絡があると思うんですけれども、例えば、避難地区じゃなかったから結構不安がこうだったということがあると思うんですけれども、逆に避難地区の方の不安だとかというのを聞いた保健師さんのいろいろと連絡だとか、そういうので何か比較みたいなものはございますでしょうか。避難地区の方のお話と、それから避難地区じゃなかった福島市のお母さん方の不安の状況の違い、何かあったら教えていただきたいんです。

 大久保氏 具体的には、そういう交流は本当にないです。目下それぞれの自治体ごとに市町村ごとに、もう本当に少ない人数で、目一杯のところで取り組んでいるんです。なので、交流というんでしょうか、情報交換みたいなものは本当にありません。  ですので、たまたま出会った人に聞いたりすることはありますけれども、それがどんなふうに違うのかということまでは、私も十分ここで申し上げられるほど情報としては持っていないというのが、正しいところだと思います。  ですから、一くくりに、例えば福島のお母さんたちの不安とか、住民の不安といっても、本当におっしゃるように、浜通りの皆さん、それから中通り、私たちがいるところ、避難地区ではなかったけれども比較的線量が高かったところ、それから会津の皆さんとか、もうそれぞれ住んでいるところによって、不安の度合いだったり、生活の様子だったりは、本当に違うと思うんですよね。  ですけれども、行政間でそういう情報交換だったり、そういうことは本当にされていないので、私もわからないところがたくさんあります。私は、もう福島の人しかわからない、そんな状況です。申し訳ありません。

 川上氏 少しだけ追加させていただくと、私どもも仮設住宅の方たちの不安調査もしているので、そこについては、大きな差はないんじゃないかと思います。避難区域の保健師の方たちの包括グループインタビューも私どもでやっていまして、そのお話を聞くと、情報は混乱していて何が本当なのか、自分たちも責任を持ってみんなに伝えることができなかった、非常に悔いの思いとか、あるいは住民の方の怒りにどう対応するかということを随分苦労されたというお話を聞いています。  でも、そういう意味では、福島市も多かれ少なかれそういうことはあって、程度問題かなという感じはいたします。

 丹羽委員 ご苦労さまでございます。川上先生のお話とそれから大久保先生のお話で、川上先生のアクション・実際行動をとって、それは非常によかった、7人の方の結果が出ており、それで大久保先生に特にお聞きしたいのは、まず勉強を続けてやっておられると。ただ、ご自分のそれぞれの方の状況を、それぞれの方がどう把握されるかというアクションですね。例えば、実際、当然食べ物が不安ですから、ご自分のお食べになるものをきっちりはかる、それから、実際セシウムが入っていないかどうかというのは、ホールボディカウンターできちっと数値を出していただく、あるいは個人線量計を装着して、実際ご自分の線量を確認して、それの上で、じゃあ線量高かったらどう下げるのか、あるいはその食品に見つかったらどういうアクションをとれるのかとか、自分で捕まえて、それに対して対応できるというアクションがとれないと、非常に難しい状態が制限するという感覚を持っております。  だから、そういう中で、例えば、行政なり、地域がやっておられるホールボディカウンターで調べましょうとかいうのと、どうつなぐかということですね。  だから、行政側との連携なんかがもっと大事になってくるし、そういうような意味では、最初環境省のプレゼンテーションでお聞きしたのもそれに絡むんですが、例えば、ガイドラインを策定する、ガイドラインだけ策定されても何にも起こらんわけですね。数値が単にそこにぽんとあるだけで、そうするとガイドライン以上にご自分の状況を把握するということをこれは入れ込まないと、相談員システムなんかでも機能しない。しかも、それを行政にくっつけて、行政が地域の行政、国の行政がアクションをとっていただく、それに適当な、適切なアクションをとっていただくということとカップルすることで、ようやく状況が改善したと、ああよかったとなるんじゃないかと感じました。その辺り、ご意見をいただければと思います。

 川上氏 ありがとうございます。私自身は、それほどこの放射線の健康やリスクコミュニケーションが専門というわけではありませんので、私の言っていることが正しいかどうか、私もそれほど自信がありませんが、私には、測定の対策というのは多分あってもいいと思うんですが、それが、放射線ストレスや不安の軽減につながるかどうかはよくわからなくて、どなたかに見せていただきたいなと、いつも思っています。  測定したい方には、結構なことかなと思いますが、不安は多分測定した後もふわふわとまとわりついて、ホールボディカウンターで測定した夜になると、また不安になるようなことを行きつ戻りつを繰り返して、皆の話を聞きながら、自分の何か腑に落ちるところへ持ってくるような、そういうプロセスのような気がいたします。誰かと話し合ったりするような、こういう講義と話し合いプログラムのようなものが、どこかに必要なんだろうなという感じがいたします。  それから、私どものもう一つ提案しています、行動活性化は、これは放射線不安とは全く関係なくて、もう福島の方たちのQOLを全般的に取り戻すための別のプログラムとして入れることができないかというような発想で進めております。  大久保さん、そうしたら。

 大久保氏 今、川上先生がおっしゃったように、行きつ戻りつしておりますので、例えば、個人線量計を使ってデータが出て、窓口に来て相談をしていったときに、「ああ、そうなんですね」とそのときは安心するんですね。だけど、一日二日たつとまた不安になるんですね。そういう行きつ戻りつを繰り返しながら、自分のものにしていくというプロセスが大事なのかなとは思っていて、丁寧にいつでも相談できる体制をつくっておくということが必要なのかなとは思っています。  まさに、窓口にそうやって相談に見えた方たちも言います。「大丈夫だとも思うんです。でも、うちに帰ると不安になるんです」というのです。それは科学的に大丈夫ということと、その気持ちというのは違うのかなという感じがします。

 丹羽委員 もう一つだけ、その辺りが一番多分個人線量計、ホールボディカウンターの数値の扱いの大事なところだと思うんです。それで、福島医大に宮崎誠先生がおられまして、彼が一生懸命やっていることは、数値だけでは全く意味がない。その数値が個々人の方の生活の中で位置づけられなければならないということで、それを個人の方と1対1で、生のデータを見ながら、あなたの線量はこの線量と。例えば、夜の線量が高いのは、おうちの周りがどうも高いんじゃないですかとか、あるいは昼の線量が高ければ、野良仕事がとかいうような話で、自分の生活の各々のエレメントと線量、外部線量なり、内部線量なりということを位置づけして、それで例えば、軽減させるには、さあどうなんだという形で、その場合は、多分行政までつながるんではないかと思うんですが。ともあれ、ご自分の生活の中で位置づけできていないと、必ずふらふらして、非常に行きつ戻りつの時間が長いんではないか。これは抽象的な言い方なんですけど、それこそ宮崎先生が福島市におられますので、一緒に議論など一度なさったらいいんじゃないかなと思います。

 大久保氏 宮崎先生とは、やりとりをしていまして、本当にそのとおりだとは思っております。一人一人丁寧にやっていくのがいいのかなとは思います。  ただ、線量が高いか低いかという判断というんでしょうか、リスクのイメージというのは、もう本当にお一人お一人違いますので、低いのか高いのかというのは、何をもって高いというのか、低いというのかというのがありますので、高いからどうするとか、低いから安心なのかとか、そういうレベルの話ではないんですよね。  ですので、もちろんデータをもとにやりとりをするということは大事ですけれども、それはあくまでも本人が自分なりに納得するということが大事なのであって、高いんだよとか、低いんだよとかでは、もちろんありませんし、そこはすごく難しいところだと思います。  じゃあ、どこまで下がれば安心なのかというのは、逆にありません。ないと思います。

 鈴木委員 川上先生に一つ質問なんですが、10ページの1の情報提供と話し合いの中で、他の住民との相互サポートによるエンパワーメントという言い回しがあるんですが、具体的なイメージというのは、どういうものなのでしょうか。

 川上氏 そうですね。具体的なイメージというのは、雑駁な感じになるかもしれませんが、ある知識をいただいて、自分がこんなふうに生活をしている、例えば、キノコを食べるのは怖いかもしれないとか、あるいは出歩くのが怖いかもしれないみたいなお話を、それをほかの住民の方と話をすることで、何だ僕はこう考えるよと、私はこう考えるとか、私はそんなこと関係なくて、多少放射線高くてもキノコはおいしいから食べるみたいな人もいらっしゃったりとか、あるいはいや本当に怖いから、出歩くのもすごい気をつけているんだよという方もいらっしゃると、そういういろんな意見が自分の中で交わされることで、自分の位置づけ、ああ私はこの人の考えに近いし、こういうところに何か自分のポイントというか、見方を持つんだなみたいな、そういうものかできていることをこのエンパワーメントと今呼んでいるつもりです。

 鈴木委員 ありがとうございます。  それから、もう一つ、実際今、福島で甲状腺の検査は一回り終わった後ですが、甲状腺検査自身が今不安とか、健康不安、そういうものに対してどう影響してきたか、それをいろいろメディアによっては、いろんな取り上げ方があるので、そういうものがどういう影響を与えているか、コメントをいただけませんか。

 大久保氏 甲状腺検査は、県で実施しているということもありまして、福島市が直接的に甲状腺検査についてどうこうと、例えば、事後指導的なことだとかは、今のところやっておりませんので、私たちは、例えば、もし受けていないという方がいたら、受けてみたらという相談には乗りますけれども、結果についてどうこうは、そういう業務はしていないので、コメントはできないと思います。

 川上氏 これも私の研究からはお返事ができないのですが、福島県に行って、いろんなところを歩いていますと、甲状腺のがんが増えている、増えていないという、いろんなご意見を言う方が、いろんな方がいらっしゃって、いろんな専門が違うことを言うので、とても困るし、となると不安だな、でも大丈夫かな、不安だな、そのような何か揺れるところの中に位置づけられているようでありますが、すみません、私自身も今大久保さんが言われたように、あまり福島の方はそれ以上の話をされないので、気持ちの奥はどうなのかというのは、なかなかわかりにくくなっているというのが正直なところです。

 長瀧座長 どうぞ。

 佐々木委員 佐々木でございます。  川上先生のお示しになった6ページの上段の回答の頻度を拝見して、感想を申し上げた上で、川上先生、大久保先生に伺いたいことが2点ほどございます。  まず、拝見して、5、6、報道を見ると不安になる、不快になるという方たちが非常に多いというのは、驚きであったわけですが、これは報道だけれども、これを専門家の話を聞いた後だとどうなるのかなと、そういう疑問を持ちまして、専門家の話を聞かれても、同じように、かえって不安になられたり、不快になるのか、逆に安心されるのかという、そこのところがもし何かご意見がありましたら伺いたい。  それから、それに対して、7と8、差別感とか、地域の住民であることをあまり話したくないという方たち、よく国際会議なんかでは、スティグマという言葉が使われているかと思いますが、そういう方たちが、私の感じとしては、意外に少ないなという思いがいたしましたが、これは場所によって違う、もっと被災地の汚染の強いところだと違ってくるのかどうか、あるいは、こういう差別感というのは、そんなにないものなのか、その辺りのことをお聞かせいただければと思うのですが。

 川上氏 少しシンプルにお答えしたいと思いますが、専門家の話を聞いた後に、項目5、6、7の気持ちが改善するかどうか、実はまだテストをしておりませんので、よくわかりません。7人の福島のお母さんたちのプログラムでは、あまり変化をしなかったので、それほど変化しない気持ちなのかもしれないと、思っています。  もう一つ、7、8、9の差別や人間関係に関する問題は、20%ぐらいの方がお感じになっているということで、意外と少ないなとも思いますが、これらの問題は、インパクトが大きいので、なかなか無視できないかなと感じます。  場所によってなんですが、すみません。これもそこまでは詳しく分析をしていませんが、恐らく、地域によっての大きな差はあるだろうなとは思います。

 大久保氏 5ページ、この5番と6番については、触れたくないというか、何かそういう気持ちはあるのかなとは、すごく思います。  7、8、9については、何か差別されたとか、そういうことは、そういうところに住んでいない人と話す機会がないと、そういうことは感じないのかなと思うので、必ずしもそれが経験のある人だけだったらどうなのかなとか、そういうことで違うのかなと思います。  あと9番については、もめた経験とありますけれど、私たちも家族の中で意見が違うという方は、結構乳幼児健診なんかでもいて、数は確かにこのぐらいかもしれません。ただ、すごく深刻ですよね、つらいと思います。

 長瀧座長 よろしいですか。  じゃあ春日先生、どうぞ。

 春日委員 川上先生、大久保先生にそれぞれお伺いしたいことがございます。  まずは、川上先生からお願いしたいと思います。  このスライドの7ページの下の段で、心理的ストレスや抑うつのところは、浜通りよりもむしろ中通りが多い有意差があるという結果をお示しくださっています。次のページを見てみますと、一般住民の放射線ストレスについては、これは有意差があると書かれていますけど、あまり大きな差ではなくて、むしろ浜通りが少し高い、それに対して下の図、生活の活動の変化が中通りで落ち込みが大きいという結果になっていますけれども、このこと以外にも、中通りが、むしろストレスが大きいということを説明できるような、そういう要因はあるんでしょうか、これが1点目です。

 川上氏 ありがとうございます。  今、春日先生、ご指摘いただいた部分が、つまり浜通りと中通りの比較は、あまり有意なといいますか、偶然を超えるような差ではないのではないかとは思っていますが、もう一つは、浜通りは、どうしても避難区域を除いていますので、相馬と、それから、いわきにかなり偏ってしまっていて、特性が出ている可能性はあるかと思います。  ただ、それを除いても、私自身も多少中通りで不調が多かったり、出不精の方が多かったりするのは、どうしてなのかなというのは、多少問題意識というのは持っていまして、もう少し分析をしてみたいと思います。

 春日委員 それから、活動の変化について詳しく分析されているので、これは生活習慣病との関連を検討されると、これはトータルでの健康増進に大きく役に立つと思うんですけれども、そのような活動はもうされているでしょうか、あるいはそういう計画はお持ちでしょうか。

 川上氏 まだ生活習慣病とのリンクはしていません。行動活性化と申し上げたプログラムも、いずれは保健師やいろんな方にお伝えすることで、健康増進にも役立つとは思っています。

 春日委員 ありがとうございます。  最後のご質問というか、コメントなんですけれども、研究の目的の1ポツのところで、健康影響に対する過度の不安の実態を明らかにすると書かれていますけれども、お話を伺いますと、過度のという意味が、体調に影響があるような形での、そういう強い不安という意味で使われているように理解したんですが、ここだけを読みますと、例えば、指標に使われたような項目を感じること自体が、それが思い過ごしですとか、過度ですよと決めつけているようにも誤解されるといけないと思いましたので、そこをもう一度ご説明いただいたほうがよろしいかと思いました。

 川上氏 ありがとうございます。今回指標ではかっていること自体を過度の不安と言っているわけではなくて、こうした不安で自分らしい生活ができなくなっている状態を過度の不安と定義して、それを防ぎたいというのが私どもの目的ですが、その点はありがとうございました。補足したいと思います。

 春日委員 ありがとうございました。  それでは、続いて、大久保先生にお伺いしてもよろしいでしょうか。すみません。時間をとりまして。  福島県内で仕事をされている保健師の皆様、私もまだ数人だけですけれども、お話を伺うたびに、ご自身もいろいろな家庭の事情をお抱えでしょうし、それから、先ほどお話しになりましたように、本当に直接いわれのないことまで引き受ける形で、住民の方の声をお聞きになるということで、本当におつらい思いをされてきたかと思うんですけれども、それを表に出すことなく、お一人お一人の住民の方と温かい目で、一緒に向かい合われているということをどの方のお話からもお聞きすることができて、本当に深く心に響いております。  これからどの方でも、子どもが成長していくに伴って、生活の様式や、それから生活自体がいろいろ変わって、不安の内容にも変化が出てくるんじゃないかと思うんですけれども、そういうことで、長期的に見守るということについて、具体的にどのようなご意見をお持ちでしょうか、これが一つ。  もう一つは、自治体を超えた連携が十分に図られていないということをご指摘になりましたけれども、自治体間の情報ですとか、それから先ほど事務局からご説明がありました、相談員制度の活用について、国や、特にここは国ですので、国に対してどんなご要望をお持ちでしょうか、その2点についてお聞かせいただけますでしょうか。

 大久保氏 今すごく緊張しているので、うまく答えられるかどうかわかりませんので、もしすごくずれていたら、申し訳ありません。  不安は、事故の前に生まれている、あるいは事故当時生まれている子どもたちを持つ親、それから事故後に赤ちゃんを産んでいる人たち、そうそれぞれ違います。違うというのをすごく感じています。  事故当時にもう既に小学生やら中学生だった子を持つ親、それから事故当時に赤ちゃんを持っていた親、それから事故当時に妊娠していた親、それぞれ思いが違うんじゃないかなと思っていますので、長期的に見守る具体的な方法というのも、できれば、そう細かくその年代年代に合わせた支援の方法が必要なんじゃないかなとすごく思います。  というのは、最初に私が申し上げたように、私たちは、母子保健という立場で今、仕事をしておりますので、例えば、学校保健、それから当時は、中学生や高校生だった方たちも卒業して、社会人になっていて、そして赤ちゃんを産むような、子どもを産み育てる年齢にこれからなっていくとなると、年代年代でそのやり方、具体的な方法というのは、当然違ってくるんだろうと思いますし、そのときに、その子の親たちがどう考えたかというのでもすごく違ってくると思いますので、そこは対象ごとに丁寧にやっていかなくちゃいけないのかなと思っています。  というのは、私たちが学齢期の子どもたちを持つ親たちに手が届かないから、そう私が申し上げるんです。どうしても行政は縦割りで、教育は教育、私たちは乳幼児期と妊婦ですけれども、私たちがお母さんたちに出会いたくても出会えない世代というのは、当然あるんですね。ですから、全てそういう人たちに関わる者たちは、共通理解を持って関わっていかなくてはならないんじゃないんでしょうか、縦割りではなくというふうに思います。いずれ、その子どもたちが、また子どもを産み育てる年齢までずっと見守っていけたらいいのかなと思っています。  というのは、福島市は、去年25年は出生が増えたんですね。増えたといっても、もともとどんどん下がっていったところなので、何もなくても、もともと少しずつ減ってきていたところですので、増えたといってもすごく増えたわけでは決してないんですけれども、23年、24年。24年は出生がすごく落ち込みました。でも25年は少し増えたんですね。その人たちは、私たちが、例えば乳幼児健診で出会っても、事故当時、赤ちゃんを持っていた親とは印象が違っています、と本当にその年代年代で違いますので、そこはきめ細やかに一くくりにはできないと思ってやっていかなきゃいけないと、私は今そんなことを考えているところです。  あと相談員制度についてなんですけど、何か私もどういうのがいいのかがよくわからないです。なので、何かあまりコメントできないかなと思います。どういう人に、どういうことをやっていただくのかも、具体的に各市町村によってイメージとか、取組が違うような気がして、一体この相談員というのは、何を目指して、どうしていくのかというのが、見えないなと思っているところなんです。何だか答えになっていなくてすみません。私は個人的にそんな感じがしております。

 長瀧座長 では、遠藤先生。

 遠藤委員 保健師さんたちの活躍で、福島県の里帰り出産が以前より増えたと聞いて、本当にご活躍されているんだと思います。  福島市の活動で不安の解消には、寄り添って話を聞いてあげるのが一番ベストじゃないかというお話でしたけども、保健師さんも忙しくて大変だと思いますね。多くの方に寄り添って話を聞くというのは、本当に時間もかかることでしょうし。  お二人にお聞きしたいのは、環境省として何をしてほしいのかなというのが、一番知りたいんですけどね。というのは、環境省としては、今健康不安対策で四つ書いていますね。正確な情報発信、人材の育成、それから住民の理解増進、それから相談員の活動を支援する拠点の整備とかいって四つ書いているんですけどもね、もちろんこれでもいいですし、これ以外にも、環境省として何かやってほしいこと、あるいは川上先生のご研究もこれは平成25年度の研究ですか、これはいずれ期間が来たら終わりますわね。こういう研究をもっと活発にさせなきゃいけないかとか、それに何か秘策があれば、今日環境省の方もおられますので、何をすればいいか、現場でもしお気づきの点がありましたら、お教えいただければと思うんです。

 宍戸委員 実は私、福島市と伊達市のアドバイザーをやらせてもらって、大久保さんといろいろ話をしたりしています。その中で、彼女たちの仕事を見ていて、一番なのは、マンパワーが少ないというのが、一番私が感じたことです。私は医者の資格を持っていますので、私が話に行きますかといっても、患者さんたちはというか、住民の人たちは、医者の話よりは、保健師だとか、より身近な人たちの話を聞きたい、あるいはそういう人たちと話をすると、みんな納得して、多分そういう努力があったおかげで、里帰り出産が増えたりするというような傾向が出ているんだと思います。  ですから、保健師を含めたそういう相談員という大きなくくりをしていますけども、その相談員の中のマンパワーをいかに増やしていくかというのが、一つ私たちとしては、あまり力になっていないかもしれませんけど、いろんなお話をアドバイザーという立場でお話をさせていただいて、すごく感じていることだと思います。  それから、もう一つ、伊達市と福島市と両方を見ていますと、それぞれ問題点がかなり違います。ですから、やることは一緒なんですけど、問題点が違いますので、ただし、こちらでやったことを、本当はこのことを、例えば伊達市でいろんなうまくいったことを福島市でもやったらどうという話のが、私は両方にあれなんで、少し時々こっちでこうだよと話はできますけど、それをできたら組織的に、忙しいから会議が増えるとまた保健師さんたちが大変なのかなという気もしないでもないですけど、何かの形で、そういう意味では、初期の23年度、24年度と25年度、26年で大分違ってきているところもあると思いますので、そろそろそういう全体をまとめるような県の仕事と自治体の仕事と、実はかなり違いますので、そこをうまくつなぐということを、これは国の仕事かなという気がしますので、そういうことをやっていただければ、より私がやらされているアドバイザーの仕事も少しは役立つんじゃないかなという気はしていますので、多分、大久保さんもその辺のことを思いながらやっていらっしゃるんじゃないかなと思いますので、代弁みたいな形ですけど言わせていただきます。  以上です。

 長瀧座長 どうもありがとうございました。  今の代弁した、とおっしゃっていますけども、何かつけ加えることはございますか。

 大久保氏 そうですね。本当に情報交換というか、今は本当に余裕がなくて、隣の町でどんなことをやっていて、何をしたら効果があって、どうなのかという情報交換の時間は確かにないですね。そういうのがあると、もう少し形になっていくのかもしれませんね。  私は、特別に放射線に関しての事業を組むというのではなくて、母子保健だったり、学校保健だったり、通常の事業の中でプラスアルファ、例えば相談者が力をつけていくだとか、何かそういう今までの保健業務の中で寄り添っていけるというのが自然なのかなとは思っているんですね。  というのは、放射線の何とかといったら、もう人は集まらないです。だけども、皆さん心配なんです。それで行きつ戻りつしているんです。  ですから、通常の健康管理の仕事や保健業務の中でスタッフが力をつけていくだとか、マンパワーを少し増やすだとか、何かそういうことが大事なのかなと思います。  それで、行きつ戻りつしているので、何かこの時期にこれをやればいいというのはないんです。一人ずつ聞きたい時期が違うんです。何かがあると聞きたくなるので、必ずしもこちらで講演会をやったからそこに来るわけではないんです。ですから、どこまでいっても、母子保健事業、学校保健事業の中で欲しい情報が欲しいときに得られる、あるいは相談したいときに相談できるという体制が大事なのではないのかなと思います。何かうまく言えなくて申し訳ないんですけれども。

 川上氏 私もこういうすばらしい立場に呼ばれながら、環境省にこれからこれをしましょうという政策提言ができるほどのバックがないのが非常に残念に思っていますが、私どもがやっています研究は、基本的には、福島の方たち、福島県の200万人ですかね、の住民の皆さんたちが軽い抑うつだけども、これが何十年も続くことで、長期にたくさんのQOL、幸せを失うことがすごく心配でして、ここに何かしたいという思いで研究をさせていただいております。そういう意味では、環境省として、つまり放射線に、大久保さんの言われた放射線に関して何かというよりも、福島県全体を元気にするためのいろいろな方策に人とお金とシステムが投入されることが大事ではないかなと個人的には感じていますし、これをヘルスセクターといいますか、厚生労働省だけでやるのでは、多分それも追いつかないと思いますので、地域づくり何かほかのものと一緒にしながら、支援できるようなものができるといいなと思うんですが、そのぐらいしか今は思いつきません。

 長瀧座長 川上先生、本当に大久保先生、ありがとうございました。  非常に貴重なお話を伺うことができました。大体時間ですが、特に質問が残っている方いらっしゃいますでしょうか。

 石川委員 お二人の、本当に今日ご意見で、私もかなり勇気づけられたところがございます。特に、子育て中のお母さん方、いろんな不安がある上に、今回のこういう放射線ストレスというので、さらに、漠然とした不安が蓄積しているんじゃないかなと思うんですよ。そういう点では、直接お話を聞いているという大久保先生のお話というのは、すごく説得があったと思うんです。特に、私なんかは、放射線量やリスクは測定するのは大事なんですけれども、それとは関係なく、不安を持っているというのは、私も県外のホットスポットのお母さん方と対面していますと、そのとおりの話だなと思います。  それが簡単には、大丈夫ですよとか、今までのデータであんまりこの病気になった方はいないですからというお話だけ言っていても、それは全く解決にはならないというのは、そのとおりでして、それだったら、子育て中のいろんなよもやまの不安と一緒に寄り添って解決するというのが一番大事だというのを痛感しているわけですね。  それと、こういうのは、新しく大人になる子どもたちにも、学校保健の立場から、これは普及するべきだと思っていまして、そのために、震災の年のもう既に夏には、文科省の方に子ども用の教本と小中高、三つに分けた教本と、それを教える先生用の教本、このグレードを変えた3段階のやつをつくってくれということで、秋にはもう既にできたんですね。それで、生徒用ぐらいの生徒へ配布するぐらいの数までつくっていただいたんですけど、それは実際には配布していないんですね。配布していないんです。残念なんですけど、理由があってなんですけれどね。  ただ、学校のところで、きちんと日本の子どもたちが、この問題に、要するに、大きくなってからも誤解がないように知識を持っていただくというのは、すごく重要で、実際に、私たち学校保健の場では差別があるんですよね。子どもたちの間に。だから、それを、日本中でそうならないようにするべきだと強く今日聞いて感じました。どうもありがとうございます。

 長瀧座長 貴重なご発言ありがとうございました。  それでは、ここで今の第1の議題を終わることにいたして、次に移りますが、先生方、続けてどうぞ、次の議論にもぜひご参加くださいますようにお願いいたします。  次の議題は、福島県における健康管理についての議論であります。  本日は、加えまして、福島の近隣県における健康管理というものが議題になります。  まず、事務局から資料2についてご説明ください。

 佐藤参事官補佐 では、お手元に資料2をご用意いただけますでしょうか。  原発事故による放射線の健康影響及びそれを踏まえた住民の健康管理のあり方に係る論点整理等の案としてお示しをしてございます。  まず、この資料のご説明ですが、論点を四つ挙げておりまして、それぞれの項目ごとに、これまでの委員の先生方のご意見を整理したものを白丸で記載をしてございます。それ以外の二重丸のものは、UNSCEAR2013報告書の記載内容、そして黒丸のところは、WHO健康リスク評価報告書の記載内容となっております。そのようにしてご覧いただければと思います。  また、ここに議事録から起こしてこのような形で整理しておりますが、漏れているという点がございましたら、また適宜事務局にご指導いただければと思います。  ざっと資料2を一緒にご覧いただきまして、ご議論に入っていただければと思います。  まず論点1です。  事故による放射線の健康への影響が見込まれる疾患についてです。  まず1、甲状腺がんについてです。想定されるリスクの大きさということで、これまでのお話をまとめてございますけれども、まず、UNSCEARから甲状腺がんについては、ほとんどの線量推計値は、疫学的に被ばくによる甲状腺がんの発生率の上昇が認められる水準ではなかった。仮に推定値の上限の被ばくを受けた人間が相当数いたとすると、甲状腺がんの発生率が増加する可能性があるといったようなご指摘です。そして、しかしながら、少し飛びますが、チェルノブイリ事故後のように、甲状腺がんが大幅に増加するとは予想されないというのが報告書に記載があるものです。  これに対しまして、UNSCEARの健康リスクの評価に同意するといったご意見、また全体では、疫学的に識別できるかどうか、甲状腺がんが増加するかどうかというのは、そのぎりぎりのところだというご意見、甲状腺がんの増加は自然発生のリスクと比べて、追加被ばくによるリスクが小さければ、検出できないというご意見、一方で、甲状腺がんが増加するか否かはこれから検証していくものではないか、あるいは線量推計に不確実性があるなら、健康影響が予想されないとは言えないのではないかというご意見がありました。  また、地域での疾病頻度のモニタリング等ということで、(2)にまとめておりますが、まずこれにつきましては、UNSCEARでは、福島県の甲状腺検査においては、比較的多くの甲状腺異常が見つかっているが、事故の影響を受けていない地域と同等の調査と同様の結果である。今後このような集中的な検診がなければ、検出されなかったであろう甲状腺異常が比較的多数見つかると予想されると。  また、続いてですが、徹底的な検査による甲状腺がんの見かけの発生率について解析し定量化することや、甲状腺個人線量が適切に評価できている集団からなる疫学的な研究のためのコホートの確立を検討することが提言されております。  また、WHOでは、疫学的追跡調査の目的は、被ばくと関連する可能性のある疾患の、放射線による影響を明らかにすることにあるとして、それ以下、具体的なプロセスが記載されております。  2ページおめくりいただけますでしょうか。  この項目につきましては、後半ですが、こうしたWHOやUNSCEARの報告書も踏まえまして、委員の先生方からは、健康リスクの評価のためには、目的を持った、目的を明確にした上でデータ収集を行うべきであるといったご意見、また、対照群の議論がありますが、対照群に相当する方々としては、福島県外でというよりは、県内、特に事故後に生まれた子どもさんたちを対照群とするのが科学的に望ましいのではないかというご意見がありました。  続きまして、2ポツの甲状腺以外の固形がん及び白血病のリスクについてです。想定されるリスクにつきましては、二重丸でお示ししているようなUNSCEARの報告の内容がございます。  それに対しまして、委員の先生方から、被ばく線量が低ければ、がんの罹患リスクは証明できないほど小さくなると、対象人数を増やしても統計的に検出できるとは限らないといったご意見が個々の事例について放射線の影響でがんになったかどうかという議論は、科学として決着はつかないというご意見、また低線量被ばくによる健康影響は誰もわからないから検診が必要という議論があるが、何もわからないのではなく、観察しようにもできないほど小さいということだというご意見がございました。  (2)の地域での疾病頻度のモニタリング等については、福島県では、震災前からがん登録のデータの収集が開始されており、震災後は、がん登録の精度が向上していると、また、がん登録が法制化されたということに伴ってがん登録の精度が全国的に向上しているということを踏まえて、これがモニタリングに活用可能なのではないかというご意見がありました。  続いて、3のその他の疾病のリスクについてです。  こちらにつきましては、UNSCEARから、不妊や胎児への影響、確定的な影響は認められない。遺伝性の影響の増加が観察されるとは予想されないという報告がありました。  これに対する一方で、不確実性がある中で、遺伝性影響は予想されないと言い切れるのかというご意見もございました。  引き続きまして、論点2、3ページ目をご覧ください。  論点2は、福島県における対応の方向性です。  県民健康調査の「健康診査」について、まず整理してございます。  (1)の検査内容につきましては、特にがん検診については、利益・不利益バランスをよく考える必要があるというご意見。  福島で始めた健康調査の中で、甲状腺検査も後ほど出てまいりますが、血液検査、(血算)について、繰り返し検査することの不利益をよく考えて、個人の意思を尊重し、任意で行うことが望ましいとするご意見。  一方で、検診の内容に、例えば、尿検査については、尿潜血や血算なども、労働者に対する通常の検診や特定検診に上乗せして、もっと充実させるべきというご意見もありました。  一方で、必ずしも健康診断というのは、健診項目を多くすればよいわけではないと、健診項目を増やすことで不安を増長させるおそれもあり、むやみに項目を増やすべきではないのではないかというご意見もありました。  対象者や頻度としましては、全国的に推奨している特定健診やがん検診について、受診率を高めることが重要なんだというご意見がございました。  その他の意見としましては、データを一元的に管理する必要があるということ、あるいは既存の法定健診についても、国が関与して一元的に実施すべきではないかということ。  また、直接放射線とは、関係がない、被ばくとは直接関係ないというようなものについても、懸念するご意見がございました。  続きまして、2ポツの県民健康調査の「甲状腺検査」についてです。  こちらにつきまして、検査内容としましては、どれだけ熱心に甲状腺検査をするかによって、甲状腺がんの発生頻度は大きく異なるという意見。  甲状腺超音波検査は、約50%の人に所見が出るため、その結果に不安を感じる人もいるのではないかというご意見がございました。また、それを踏まえまして、サポート体制を含めた議論が必要なのではないかと。  また、検診が最善の回答ではないのではないかというご意見。  検診の不利益として、過剰診断や偽陽性という問題ある。甲状腺検査のA2判定によって不安になった人が多くいらっしゃるということは不利益と見なされるのではないかというご意見がありました。  また、韓国などの例も踏まえまして、甲状腺検診につきまして、甲状腺がんについては、放置しても本人の害に至らない可能性があるものもあると、個人のどれがそうかは特定できないが、不利益が多数あったことを認識して、それに見合った利益があったのか議論して、適切な判断をする必要があるのではないかというご意見がございました。  (2)対象者・実施頻度のところですが、受診率維持をすることが重要で、そのために個人のフォローアップ体制を整えていく必要があるというご意見、また、検診の頻度を上げるほどに偽陽性の数が増えるということへの注意喚起もございました。  また、先ほどのご意見の繰り返しですが、甲状腺検査についても繰り返し検査をすることの不利益をよく考えて、任意で行うことが望ましいのではないかというご意見がありました。  一方で、検診をして安心したいという住民の期待には応えるべきなのではないか、偽陽性が多くなってしまうのは、偽陰性を少なくするためにはやむを得ない部分があるが、住民の希望に応えて検診を行うことで安心につながるというご意見もありました。  その他といたしまして、ここでは甲状腺がんが見つかった場合の治療についての意見をまとめて整理してございます。  見つかったがんに対しては、適切に対応していく必要がある。経過観察する場合も綿密に行う必要がある。きちんとした記録をしていくことが重要だというご意見などでございました。  おめくりいただきまして、5ページ目をご覧ください。  論点3として、福島近隣県における対応の方向性でございます。  この論点につきまして、これまで直接的なご議論がまだされておりませんので、事務局からは項目のみ挙げてございます。  (1)福島近隣県の住民に対する健康管理について。  想定される健康リスクについて。  住民への対応、その中として、健康管理の具体的施策についてとその他。  そして、それ以外に関することということが論点としては挙げられるかと思います。  おめくりいただきまして、6ページ目をご覧ください。  論点4は、健康不安についてまとめてございます。  この論点4につきましては、本日、先ほどの議題1でご意見をいただくことにもともとしておりましたので、ここでは、これまで出てきておりましたご意見を参考程度に記載としてとどめております。  本日の議題2では、主に論点1から3についてご議論いただければと考えております。  最後に、それ以降のページですが、参考資料をおつけしてございます。  まず、参考1、7ページをご覧ください。  こちらUNSCEAR2013年の報告書から抜粋をしておるものでございます。出典は、ページの下に記載をしてございます。  ここでは、本日のご議論いただきます論点3に関係して、近隣県に関する線量のUNSCEARでの推定値をお示ししてございます。後ほど論点3のご議論の参考にしていただければと思います。  この中で、表の中段にございます、グループ3の県というところで、注釈をご覧いただきますと、宮城県、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県、岩手県の住民となっておりまして、この実効線量と甲状腺の吸収線量がこちらで記載をされております。  おめくりいただきまして、8ページ目、9ページ目につきましては、それのより詳しい資料でございます。こちらは事務局で仮分けをしたものでございますので、参考ということでご覧いただければと思いますが、先ほどの参考1、7ページ目にあった資料のより詳しいものとして、8ページ目では、実効線量、9ページ目では、甲状腺吸収線量ということで、それぞれ同様の表になってございます。  近隣県につきまして、このような推計値がUNSCEARの報告書では、示されているということで、議論の参考にしていただければと存じます。  資料2のご説明は以上です。

 長瀧座長 どうもご説明ありがとうございました。  大体、委員のご発言をまとめているものでありますけれども、これは今日、ある程度また議論しまして、つけ加えるところがあれば、ぜひつけ加えていただくということで、また最終的なまとめは、また今日のご発言をいただいた上でということになります。  どうぞ、ご自由にご発言ください。  まず、論点1から始めましょうか。4ページまでの最初は論点1、事故による放射線の健康への影響が見込まれる疾患について、ご意見ございませんでしょうか。  どうぞ。

 阿部委員 論点1だけに限らないことなんですけれども、福島県の県民健康調査については、この検討委員会でも発言をさせていただきました。この放射線原発事故による放射線の直接的な健康影響だけではなくて、それから派生するさまざまな問題、例えば、避難された地域の方々の生活環境、それから経済環境、社会環境も、がらっと変わってしまった。  避難されていない方も、原発事故によって、先ほど、川上先生からお話があったとおり、心の問題等を初め、いろんな問題を抱えている。  ですから、放射線の直接的な健康影響だけではなくて、それから派生するさまざまな問題に対して、福島県住民全体のQOLを上げる、改善する、そういう方向でぜひご議論していただきたいと思うし、特に、心の問題というのは、かなり私は問題なのかなとは思っております。

 長瀧座長 どうもありがとうございます。  これは事務局から何か、お返事ございますか。  

 得津参事官 今ほどのご指摘につきましては、どういう形で議論できるか考えてみたいと思いますけども、恐らく、環境省の政策だけではカバーし切れない部分はあるので、そこをどうしていくかということを次回までにまた考えていきたいと思います。

 長瀧座長 阿部委員がおっしゃるように、この間の福島の会議でも、放射線の影響よりももっとソーシャル、社会的な心理的な影響が大きいんだということをより強調された印象もありましたけども、それをこの委員会でどう関連づけるかというのも、また今から続けて議論していただきたいと思うんです。  どうぞ。

 北島部長 今、大事なご指摘をいただいたかと思っております。この問題、健康問題については、非常にいろいろなことが起こっているので、省庁間の連携というのは大事だと思っております。また、この放射性影響については、恐らく、私どもの考え方でございますけれども、中長期的な問題が含まれておりますので、例えば、この報告書を取りまとめたといたしましても、現時点での中間的な取りまとめはできても、中長期的な問題について今述べることはできないんだろうと思っております。  そんなこともございまして、私どもとしては、なるべく早いうちに、今わかること、今できることについては、取りまとめを行いつつ、省庁間の連携で対応すべきこと、それから、中長期的に対応すべきことは、課題として整理をさせていただくのかなというイメージを持ってございます。

 長瀧座長 適切な、わかりやすいご説明ありがとうございます。  ほかに、まだどこでも。鈴木先生。

 鈴木委員 この項目立て、論点1が放射線の健康影響ということで、論点の4のところに、健康不安についてという項目立てになっているところが、もしかすると、放射線の健康影響と放射線以外の災害に伴う健康影響という形で項目立てしておいて、そこの中の対策として不安対策とか、そういうものが入るんじゃないかと思いますが、枠組みをもう一度事務局でも考えてもらいたいと思います。

 長瀧座長 最初の支援法案のところも、もう一度最後のまとめには、我々全体で勉強したいという感じもいたしますけども。  ほかにございませんでしょうか。  今日いただいたお話は、また議事録として整理して、どうぞ。

 中村委員 私は、健康影響は専門家ではないので、詳しくは分かりませんが、今日のお話とか、これまでのお話を聞いていて、要するに、放射線が直接影響を与えるということよりは、むしろ、それによる放射線ストレスとか、健康不安とかが非常に重要で、それには個人個人の、カウンセリングといいますか、メンタルなリスク対応というものが非常に重要であるということが非常によくわかってきました。そういう意味で言うと、ここで論点1だけを取り上げて、放射線影響だけを見た場合はどうかという点では、過去の結果からすると、遺伝的影響は、広島、長崎の原爆の影響から見たらそういうことは起こり得ないということは言えると思いますし、甲状腺がんに関してもチェルノブイリの結果から言ったら、50mSvを超えない限りは起こらないということはわかっています。けれども、それ以外のメンタルな問題で影響が出るかもしれないということなので、鈴木先生がおっしゃいましたように、論点4の健康不安というものの取り上げ方を少し変えたまとめ方にしていただくほうが、今後の施策を考える上で、よりわかりやすいのではないかと、これまでの話を聞いてそう思いました。

 長瀧座長 どうもありがとうございました。  今日の演者の先生、いかがですか、何かご意見。なお、つけ加えることがございましたら。  質問したかったのは、今までも原子力災害が一杯あるわけですね。原爆もあって、それからチェルノブイリもあって、そのたびに精神的影響ということが話題になります。  先生の共同研究者の方も書いておられますけども、ただ、そのときにチェルノブイリに関しては、我々具体的なことがわからなくて、ただ、メンタルなのか、サイコロジカルなんていう言葉から始まって、それがそのまま言えば、アングザイエティーなのか、PTSDなのか、精神症状もそれぞれ違う。ただ、そういうものの必ずしも今まで分析が十分でなかったような気がするんですが、今度福島で今話題になっている何か精神的な影響に対して、特に今までの経験を超えてやらなければいけないというものは、どんなもの、あるいは今まで既にこの3年間で何か結果は出ていますでしょうか。

 川上氏 難しい質問で、私の能力を超えている感はいたしますが、私がやっているものからだけ、そしてエベリンブロメット先生というこの問題の専門家のお話につけ、福島では、本質的にチェルノブイリと違うわけではありませんが、福島では、住民の方がグループで話し合うということが、すごく大事な鍵のような気がします。個人向けのカウンセリングというよりも、住民ごとに集まっていただいて何かする、話し合う、納得するとか、そういうものがどうしても外せない要素のような感じがしています。

 石川委員 今の論点1と論点4の捉え方、よくわからないので、もう一回ご説明いただきたいんですけども、私は健康不安というのが、放射線の健康への影響ということの中に、放射線の不安というのが多く存在すると思うので、この論点1のところに、私はその不安というのが入ってきても、もちろんよろしいと思いますし、ですから、そこの今までのご発言というのは、よくは理解ができないので、もう一回ご説明お願いしたいと思います。

 長瀧座長 今までも放射線に起因する疾患ということは、もう60年にわたって原爆でいろいろと議論されてきた、日本の中では議論されてきて、判例も一杯あるんですけども、これはもう非常に広い範囲の問題ですので、放射線によるという言葉を本当にこの委員会でどう考えていくか、大きなといいますか、大事な問題だと思います。  引き続いて、まだ続けて議論したいと思いますが、ほかにございませんでしょうか。  本当にご自由に何でもご発言していただければ、どうぞ。

 石川委員 私が言いたいのは、放射線で健康への不安があるということなので、例えば、今までのいろいろな被ばく者の方のいろんな調査、それからチェルノブイリの調査から、今それを福島に照らし合わせたときに、今までのずっと議論してきた線量の把握だとか、そういったことからは起こらないだろうという、いろいろな結論がここに出ているという、そういうような意見ありますよね。しかし、そういったことに対しての県民の不安というのが、まだあるんですと、私はそう思うんですよね。  ただ、それはこの論点1のところで、それは出てこないでおかしくはないですかと私は思っているんですけれども、いかがでしょうか。

 得津参事官 すみません。今の先生のご指摘は、論点の1の中に健康不安の部分も入れたほうがいいというご指摘でよろしいですかね。まとめ方をどうするかということだと思いますけども、そうすると、例えば、論点の3のところでも、当然そういう話が出てくるので、そういうまとめ方もあるかと思いますし、健康不安というのも別に分けてやったほうが、とりあえず今回整理したのは分けてやっていますけども、どういうまとめ方がいいかというだけの話だと思うんですが。

 石川委員 今、今日の二人のお話の中であったように、現在、例えば、実際に疾病が出てきたり、今後、あるんじゃないかと、すぐに、県民の方が不安を持っているというよりは、日本であんまりなかった事故による放射線の影響、健康への影響ということについて、大変深い不安があると捉えたほうがよろしいと思うんですよね。  そこに、それが、論点1の中で、僕は十分語られるべきだと思うんですけれども、それはどうなんでしょうかね。

 長瀧座長 今のご意見、ほかの委員の方でご意見があれば、どうぞ。  放射線によるということの議論は、本当に日本でもう今まで何度も何度もやられてきまして、つい最近もまたそういう議論がありましたけども、なかなかそこを議論するのは、非常に今までの習慣と違うところを議論するので、本当にこの委員会でゆっくりと考えて、どこに今すぐに論点の1に入れるというのは決められませんので、この次までにご意見がありましたらどうぞ、いただくということで。少なくとも無視しているんじゃないですね。本当に大事なことだから、特にどう考えていくか、精神的な影響ですね。  どうぞ。

 鈴木委員 さっき私言いかけたことと、もう一度繰り返します。論点1は、放射線の健康への影響と、放射線との起因性が科学的にはっきりしていることでいいんだろうと思います。  一方で、今論点の4が、健康不安についてとなってしまっているところを、少なくともまとめ方としては、事故による放射線以外の健康影響という形で、まず、いろんな健康影響が実際に起きている、という記述から始めないといかんのだろうと思うんですね。  いきなり不安対策と飛んでしまうので、まとまりが悪いんじゃないかと思っています。  ですから、その辺の論点の整理の仕方を考えていただきたいと思います。

 丹羽委員 賛成です。とにかく実際何が今起こっているかという事実を、例えば、阿部先生などの話を踏まえて、それじゃあ、その起こっていることの中で、実際直接の影響として見えるのは、そうではないところというのは、これ随分長い歴史がご存知のようにありまして、広島、長崎の原爆に関して言えば、これは、それの中から線量と直接関係のある健康リスクというものをいかにきれいに取り出すかというのが、ずっとこれまで放射線影響研究所がやってきたことであります。  でも今回の事故は、実際に起こっている影響から、まずスタートして、それで今の線量とかの関係以外に非常に広い広範な影響が実際あるということを見据えて、どうまとめるかという議論以前に、多分一番いいまとめ方がどうかというのは、テクニカルな問題はあると思いますけれど、そういうことで実際の現場の影響、それは今日お聞きした大久保先生、それから川上先生の話にも関係するわけですから、全体的にまとめていただければいいかなと思っています。

 長瀧座長 じゃあ、今日のこの議論は、また次の機会に続けて。  どうぞ。

 石川委員 私が言ってるのは、それ以外の例えば、論点4で言われているような健康不安への対応という、もしそれが、例えば避難して、それで違うところに住んでいるという、先ほど阿部先生のお話のようなことで不安があるとか、そういったことではなくて、放射線の健康への影響そのものに対しての不安があるんじゃないですかということを言っているわけです。  それが例えば、大久保先生が、先ほどお母さん方に実際にお話を聞いたという中の話の中にもそういうのがあるわけですよ。ですから、僕は、今は疾病が顕著になっているところというのは、ほとんど見えないかもしれないけれども、ただ、その中でも、不安というものがあるんだという放射線に対してですよ。それを論点1の中で述べる必要があるんじゃないかということを言ってるわけです。

 長瀧座長 一応、先生のお話をそのまま議事録にいただいて、この次のまとめの中に入れたいと思いますが、今日また新しく出る議題に移りたいと思いますけれども、今まで福島県内の議論だったわけですが、今度は論点3として、今日初めてこの委員会で具体的に出てまいりますけども、福島の近隣県における対応の方向性ということについて、ご議論いただきたいと思います。  これは近隣県、最初に大分アドバイザーの方から、それぞれの県のご発表をこの会でいただきましてまとめたところもございますけども、具体的に近隣県全体をどうするかというのは、今回初めて、かなり時間も準備してございますので、この論点3について、ぜひ忌憚のないご意見をいただきたいと思います。  どうぞ。

 石川委員 この論点3、取り上げていただいたことは、本当に感謝申し上げます。ありがとうございます。  私は、千葉県の北で実際に診療をやっていますし、南でも診療やっているんですけどね、千葉県は幾つかのホットスポットがあって、そのときに実際に浄水場に汚染があったということで、そのときに、自治体の幾つかでは、蒸留水がミルクをつくるために配られているんですよね。実際そういう現象があって、お母さん方大変心配しております。  実際には、子どもたちの体に何かあったわけじゃないんですけれども、先ほど言いましたような、そこはかとない育児上の不安の中に、この不安が加わりましたので、何回目かの会議で言いましたように、9市の市長さんのところに、それぞれの市のお母さん方が陳情して、検査をしてくださいと、甲状腺の検査をしてくださいという陳情が実際にあったことは事実です。  それは不安を裏返しと考えて私はいいんじゃないかと思うんですよね。私の診療のところにも実際に来ますし、それを市長さんたちが、それは国で負担をしてもらいたいというような形で、9市長の要望という形に実際なっているんだと思うんですけれども、それは実際にはまだ実現はされておりませんけども、そういう現象があったという中で、私はそういう不安を、一つ検査をやれば、全て解消するということじゃないのはわかっておりますけれども、要望があれば、その要望に行って答えるだけのその門戸は広げたほうがいいと思っておりまして、できれば希望するお母さんたちには、検査をするということ、その検査もいきなり超音波やらなくていいかもしれません。先生のところに行って、不安の話を述べていただいて、今大丈夫なのかどうかということも含めて話を聞くとか、そういうことをやっていただくようなそういう体制をつくることも大事ではないかと思っております。

 長瀧座長 遠藤先生、どうぞ。

 遠藤委員 私、震災の当時、群馬県に住んでおりました。群馬県は、もちろん放射線の影響といいますか、放射線の検出はもちろんされたんですけども、ただ、群馬県にしましても、福島県よりは、はるかに線量が少ないですね。したがって、放射線の影響で考える場合には、僕は近隣県は、福島県より少ないと考えるべきだと思います。  甲状腺がんについては、僕は、福島県で何らかの影響の傾向が出てからやったところで、対策がおくれると言うことはないと思います。といいますのは、非常にスローグローイングな、ゆっくり成長する疾患でございまして、だから検診がおくれたからこの患者さんの予後が悪くなるということはないと思っております。

 長瀧座長 どうもありがどうございました。  ほかにございませんか。どうぞ。

 大久保委員 今日は、大久保という名前がいっぱい出てきましたけれども、もう一人の大久保です。よろしくお願いします。  遠藤先生がおっしゃったことと基本的に同じですが、ただ不安を抱えている方が、いらっしゃる以上、それは行政側として、何らかの対応が必要と思います。全住民を対象とするのではなくて、個々不安を抱えている人に対しては、何らかの形で検査ができる機会与えてあげて、かつそこには、甲状腺は非常に難しい部分ですから、しっかりとした専門の方を配置をして、ここの場所に行けば検査ができるという、ある意味、行政側の積極的な検診ではなくて、希望者に対する限定的な検診というのは、あってもいいかなと思います。

 長瀧座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

 春日委員 私も地域ですとか、初期の被ばくの程度に応じて影響がどうこうということは、まだ十分に言えない状態であったとしても、一人一人の住民の方にとっては、自分のこととしての不安を持っていらっしゃることは確かなので、不安を解消する一つの手段として、希望があれば検診の機会をきちんと提供するということは、行政的にはやるべきことではないかと思います。

 長瀧座長 前にも検診のメリット・デメリットというお話もあって、ここでも議論したと思うんですけれども、希望があったときに検診することが、これは行政がどうこうとか、お金がどうだと、そんな問題ではなくて、本当にその方のことを考えたときに、検診をして、ずっと続けていくことが本当にその方のためになるのかということを専門家として考えようということを議論しましたね。その引き続きのラインの議論が。  どうぞ。

 大久保委員 検診することによるデメリットが結構あるかと思います。ましてや発症頻度も極めて少ない疾患に対して、全住民を対象とした検診に対しては、恐らくデメリットがメリットより多い可能性がある。  したがって、今回、希望する方もそういうお話をした上で、もちろん誰がデメリットになって、誰がメリットを受けるかはわかりませんけれども、確率論的にですね。そういうお話をした上で、納得した上で、受診をしていただくのには問題ないんじゃないかと。ですから、そういうことはちゃんと説明した上での受診であり、かつちゃんとした専門医のもとでしてあげるという、この二つの条件がそろう検診を希望者に対して行うことは大切なことかと思います。

 長瀧座長 ほかにございませんか。  JCOの経験は、鈴木先生何かございますか。

 鈴木委員 JCOは別にして、私、北茨城市とそれから牛久市で甲状腺の検査をやるというときに、事前の説明員として呼ばれて行きました。  まず、エコー検査とはどういうものか、そこでどのぐらいの頻度で所見が出てくるか、それから放射線のリスクとしてどのくらいが専門家から見たときにあるのか、そういうのを説明を受けた人以外はエコー検査を受けないでくださいというような、そんなシステムをつくりました。  もしやるんだったら、そういうことで納得してから受けていかないと、後から、所見があったといって、後から説明するというのは、非常に難しいことを引き起こす可能性があると私自身は思っていますので、もしぜひそういう体制を希望する方がいる場合、事前にそういう説明会というものをきっちりつくるというのが一番重要なんだろうと思っています。  その上で、もう一つ、最近、那須塩原市で、NPOが中心になって、101家族ほど甲状腺エコー検査をしました。それの結果について、アンケート調査が私ではないですが、宇都宮大学の清水奈名子先生がされています。そうしますと、解答のあった97家族のうちの7家族は安心もしないし、これからもずっと検診を受けたいと。それから4家族ですかね、これが今回来て安心したと、これからもう受けるつもりはない。それから残りの方が、今回は安心したと、でも検診を続けて受けていきたい。  要するに、安心したといっている中に二つありましてね、本当の意味で、健康リスクはあまり考える必要がないと納得された方というのは、本当に一部で、96%弱、89%の家族が、今回がんではなかったから安心したけども、いつかはがんが出るかもしれないから継続して受けたいという返事をしているんですね。  これは私の解釈なんですけど、そういうことを考えると、本当の意味で、エコー検査に頼って不安対策をするというのは違うんじゃないかと。もうちょっと住民と向き合って、いろんな話をしていくというほうが、むしろ重要なんじゃないかと私個人は思っております。

 春日委員 今のアンケートの結果は、希望があれば何度でも受けていただくという、そういうことを提供することで解消できないでしょうか。  つまり、ゆっくり発育する可能性のあるがんですので、福島県民に限らず、希望があれば長期的に受けることが可能なような、そういうことを提供することによって、マジョリティーだとおっしゃる不安については、1点その解消につながるのではないでしょうか。  それと事前に説明して納得した人だけが受けられるというのは、これはなかなか厳しい注文ではないかなと思うんですね。私自身もいろんなところで経験しますけれども、例えば、事前に銀行から説明を受けていたことでも、実際に預金を変えてみると、後からどうだったかなと心配になるなんていうことは、しょっちゅうあるわけで、検査についても、実際に検診の結果がくれば、前に聞いていたことを思い出しつつも、もう一回説明を聞きたいと思うことは、それは人情として理解できるのではないかと思います。そういうフォローアップの丁寧にしていくことも、検診を提供する上では、欠かせない体制ではないかなと思います。

 長瀧座長 心配だから検査をするというのは、非常に簡単にというか、格好いいわけというか、説明しやすいですけれども、それが本当に住民のためになるかというのは、価値観のお話。祖父江先生。

 祖父江委員 がん検診一般について言いますと、不利益が利益を上回るために受けないほうがいいと判断されているがん検診は幾つかあります。  専門家の意見として、この検診は受けないほうがいいということも判断としてあり得るということを多くの方に知ってもらいたいんですね。もちろん希望者の方に受けていただくというのが、一番何というのですかね、不安を解消するという意味では、いいのかもしれませんけれども、そのことでご本人が理解されない範囲での不利益というのが、そういう可能性があるということは、専門家としてきちんと説明をしたいと。ただ単に、希望者の方に受けていただくということが、あまり何というか、責任のある行為とは思えないような気がします。

 長瀧座長 どうぞ。

 石川委員 もう何回もこのことについて言っていますけれども、私が言っているのは要するに、今特殊な状況の中に置かれている方なわけですよ。福島の県民の方だったり、それから近くの近隣の方だったり、それから私が言いましたように、ホットスポットの方だったり、そういう中で不安を持っている方たちに対して、これは要するに、利益・不利益というのが、一つは、公衆衛生的に見たらそういうことはあるかもしれませんけれども、そもそもそのことを言い出すというのが、私は、だから検診ということについて、私は奨める方向で前向きに考えるべきだと思っておりますので、だから、そのことはおかしいんではないかと、何回も言っているわけであります。

 長瀧座長 結局、今日せっかくおいでいただきましたので、精神的な影響、今のお話は、要するに、心配だという住民の方がいらっしゃると、だから検査をしましょうということなんですが、検査をするということが精神的な不安をとるために有効なのか、あるいはかえって悪い影響があるのか、本当に安心させたいためにどうすればいいかという真剣なお話なんですけども、皆さん、みんな真剣に住民のことを考えておっしゃっている、精神的な意味からいかがでしょう。

 川上氏 今日、ヒアリングに来ただけの者には、重責過ぎるような質問かと思いますが、私自身のすみません、これはもう完全に研究というよりも、私自身の信念に近いところと、それはもう先に謝った上で、ですけど、希望者に健康診断を受けさせることというのは、あり得るんだろうと思います。あり得るんだろうと思いますというのは、つまりそれが健康不安を減らすか、減るのかではなくて、ニーズがあって、予算があって、そしてみんなが出してもいいという結論を出せば、行政的には当然動くべきことだと思います。  ただ、これまでを見ているすと、健康診断をするとそれで終わりになりがちです。この健康診断というのは、非常に思考停止になりやすいツールなので、私自身は優先順位は、本当に福島の皆さんのQOLを上げようと思ったら、住民が集まって話し合うというものをまず優先順位を1番として、2番として、希望者の健康診断を提案するのが、バランスとしてはいいような感じがしています。全く素人のご意見なもので恐縮です。

 長瀧座長 大久保先生も何か一言。

 大久保氏 検診はどの検診もですけど、事前の説明と事後の説明というのは、欠かせないと思いますので、何をやるにしてもちゃんと理解できるような説明が事前事後両方必要なのかなとは、それはどの検診でも大切なのかなと思って、今まで仕事をしてきました。

 長瀧座長 どうもありがとうございました。  どなたでもご意見いただきます。  どうぞ。

 阿部委員 これ福島県の近隣の住民の方が不安に思っている。そういう不満が非常に強いということであれば、それは何らかの対応をしなくちゃいけないと思うんですよね。行政としても。何らかの住民のために対応する。じゃあ、対応する方法が検診的なものを含めてやるのか、あるいは川上先生がおっしゃるように、まず情報の提供との理解と対話をしながらやっていくのか、その辺の問題だとは思うんですね。  もし検診等やる場合は、これ検診をやりっ放しというわけにはいきませんので、当然、検診をやればそれに対するサポート体制、その後どうするかというので、全て制度管理も含めて全てやらなくちゃいけないという問題に発展すると思うんですね。  ですから、その辺のことも十分考えながら、近隣の住民の方が不安があるという状況であれば、それは、何らかの対応をしなくちゃいけない。そこは皆さん多分対応しなくちゃいけないだろうと、全委員の方が思っているかどうかは、私はわかりませんけども、私自身はそういう住民の方が不安であれば、それに何らかの改善をする方法をとることは当然だろうと。そのやり方をどうするのかという話だと思うんですね。

 長瀧座長 ほかにございませんか。  どうぞ。

 大久保委員 こだわって申しわけないのですが、他県で不安に思っている方はいっぱいいらっしゃると思うんですけれども、恐らく、その人たちの多くは、個人で冷静に考えて検診をやるかやらないかといったら、恐らく、やるほうがデメリット大きいと思うんですね。だから、基本的には、全員を対象として行政側が強制的に首にひもをつけて受けさせる、来させるというのはやらなくていいと思います。  ただ、そういうことで不安がっている人に対して、いろんな説明した上で、それでも受けたいという人に対して拒否をする必要は、これは全くないんじゃないかと思います。

 長瀧座長 どうぞ、ご発言をどなたでも、もうこれはまだ本当に最初ですし、皆様の発言を事務局がまとめてくれますので、もうご自分の信念に従ってどうぞ。

 中村委員 私は、医者じゃないのでよくわからないんですけど、今までの話と今日のお二人の先生のお話を聞いて、ただ不安を抱いている検診希望者に対して、いきなり検診をやるというのではなくて、不安を取り除いてもらうような、きちんとした事前説明なり、そういうメンタルサポートというのを中心にまずするという方が良いと、私は今日の皆さんのお話を聞いていて思いました。

 長瀧座長 どうもありがとうございます。  ほかにどなたでも。  ただ何となく、ただ要求があるから検診するということだけではなくて、本当に後まで考えて、どうなるかということも、本当に住民のことを考えて、我々が専門家として何ができるかということだろうと思うんですね。  体制づくりもその中にあるし、精神的な問題の相談もあるし、それから何か検査をしてしまうと、それだけで責任を果たしたような気になってしまうけれども、それではとってもそんなものではないんだというような気持ちがあるものですから、どうぞ。

 石川委員 今日、大変ご意見は私も勉強になりました。そういう不安があるということについて、前向きに捉えていくべきだというようなお話があったと思います。  甲状腺検査を行ってみたいということで、そういう人々がいて、要求されているということで、盛り上がっているのは、やはりニーズがあるということだと捉えています。それから、不安があるということだと思います。  ですから、それに対して、今ここの会議で、そういうものを取り上げていただいて、じゃあ、前向きにどうしたらいいのかということを、いきなり検査じゃなくても、説明会でもということでやるということは、非常に僕は進歩だと思っておりますので、そういう方向で一つ方針を出していただいて、行政の方が、ここの地区は今までこんな十何回もお話しして、甲状腺線量についてはこうで、リスクはこうで、だけども不安がある方については、こう対応していきたいということで、きちんと方針を出すのは、よろしいんじゃないかと思います。

 長瀧座長 どうぞご自由に、まだもう少し時間がございますので。

 鈴木委員 この間、甲状腺の検査、県外でやっているというのは、みんなそれぞれの自治体が自分の予算でやる、あるいはNPOが援助を受けてやるというような感じでやってきているんだと思います。  今日ここで、国、環境省として、そういう検診を補助するというようなことになると、これはかなり大きな違いがあるんだと思うので、そこは十分理解した上で議論する必要があるんじゃないかと私は思っています。  それぞれの自治体に関しては、それぞれの大概選挙が関係していたんですが、住民の不安に応えるために、政治家がこういう公約をして、それを実行するという形でやられてきている場合が、私の知る限りは大部分かと思っています。  それは、それとしていいんですが、今、国としてそれを積極的に国のお金でやるというと、また全く違う政治的な意味合いを持ってしまうんではないかと思っているんですね。

 石川委員 それは先生のお考えだと思うんですよね。私たちは、ここで健康支援ということについて話をしてきて、今日、県民外や県外の方の健康診断のところまでつながってきたわけですね。そこで、こうするべきだ、前向きに不安があるんだったら、前向きに向かい合うべきだということを、これは我々の結論として出せるんであれば、それは国に要求しても僕はいいと思うんですよ。  なぜならば、こういう3.11という非常に大きな災害の後の、国策として進めてきた原子力発電所の事故であるからですよ。ですから、これは、そういう不安があって対応するということは、この会議で前向きにやりましょうということであれば、それは国に僕は新たなこの時点で、要求しても僕はいいんじゃないかと思うんですけど、どうでしょうか。

 鈴木委員 鈴木です。先ほどからの議論で、結局検診というもののデメリットとメリットをどう考えるかということで方針を出すわけです。個々の人にとって良い方針が、今ここの場で検診をやることがメリットが高いと判断できるんだったら、そういうリコメンデーションになると思うんですが、今はそれに関しては、今までの議論で、非常に頻度が低い甲状腺、小児甲状腺がんのスクリーニングを積極的にやるというメリットよりはデメリットが多いというのが、ほとんどの先生の意見ではないかと思っているので、それは後でまた確認していただきたいと思います。  その上で、不安のある方に関して個人的に甲状腺検査を受けるというものに関しては、これ妨げるものではないので、その場合、どういう説明とか、サポートが可能なのかというのは、また別の話になるんだろうと思うんです。  そこで、それをどういう仕組みで考えていくのかというのは、また、いろんな議論があるかと思います。私自身は、それを国としてやるのかどうかというのに関しては、個人としては反対の立場です。

 長瀧座長 まず、この委員会のタスクですけども、結局、放射線による疾患ということは、もう非常にはっきりと放射線によると書いてありますので、まず最初は、論点1で、放射線の影響がどこまであるかということは、ここで委員会として出すと、そして近県の人に関しても、放射線の......。  そこまで来たので、発言。放射線の影響があるかないかというプライマリーのこのデューティーとしては、はっきり言わなければいけないと思います。  そして、その上で、精神的な影響をどうするか、これはもうこの委員会を超えたようなところですけれども、この委員会としても、そういう発言をするということになるんではないかと、最後にまとめのときに、もう一度我々に与えられたタスクを相談しなきゃならないと思いますけども。  どうぞ、本間先生。

 本間委員 健康管理の専門家じゃないんですけど、私は一個人として、一般の市民としての感覚から言うと、今日、大久保さんがお話しされたように、きめ細かいテーラードなアプローチというのが、専門家として被害を受けられた方に一番いい対処の方法だということをおっしゃられていたわけですね。ただ、行政がやることは、そういう細かい全てをフォローすることはなかなか難しいと思うんです。  ただ、僕は、基本的に県と県外という、こういう仕切りは最初のころに言いましたけれども、少なくとも福島県は、県民健康管理調査ということ、全県民を対象としたやり方をとったわけですね。それを国がお金をサポートしているわけですね。  鈴木先生は、県外を国のサポートはあまりよろしくないというおっしゃり方をしましたけど、今この場は国のサポートがどういうやり方で、どういう程度ですることがいいのかという議論をしているので、僕は国のサポートの話をしていると、前提としてですね。そう思うわけです。  今日事務局が配ってくださった、この参考資料にこういう被ばく線量の冊子、先生言いましたように、科学的に線量ベースで何か物を言おうとしたときに、UNSCEARはあくまでもある地域の平均線量だけを言っているわけですし、そういう中に幅があるということも言っているわけです。福島県よりも県内よりも高い地域だってあるわけ、基本的に、福島県も低いところもたくさんあるわけですね。西はかなり低いわけですけど。  ですから、行政として最初のアプローチとして、県と県以外という、そういう仕切りをとって何かをするということは、いたし方ないことだと思うんですけれども、県外を一くくりにするのではなくて、そういう中で、ホットスポットがあったり、そういうところで心配されている方、そういう領域があるわけですから、それにどうオーダーメードというか、テーラードなやり方を考えていくのかということが、この場に求められていることじゃないかと思います。

 長瀧座長 この委員会のタスクですけども、行政がどうするこうするというのは、我々専門家会議として、そんなに大きな議論ではない。行政に対して専門家会議としてこう考えるということをここでまとめるのが我々の仕事であって、行政は、それはまた行政として考えてもらう、我々は専門家としての意見を出すということなので、そこのところですね。  ですから、私としたら、例えば、ホットスポットがあって、ホットスポットのこれぐらいのところは云々というのが、この専門家会議の話になるんではないかと思うんですが。  どうぞ。

 本間委員 今先生がおっしゃったような、何か数値でこのレベルだったら何かをするとか、しないというような、そういう線量レベルをここではっきり評価、いろんな評価が出ている中で、本当に言えるのかどうなのかというのは、僕がまず疑問に思います。  それから、さっき公衆衛生的なメリット・デメリットの話がありましたけど、いろんなそういうコスト・ベネフィットというか、リスク・ベネフィット的なアプローチの中には、いろんな要因があるわけで、個人個人によってそれを受けることによる不安の解消というのもあるわけじゃないですか。どれだけの要因を全て網羅して考えているのかによって、全く違ってくる側面というのはあると思うんですよね。だから何かすごいすぱっとしたクライテリアでは、とても切れないという印象を持つんです。

 長瀧座長 ご意見、どうぞ。

 祖父江委員 甲状腺の話ですけども、甲状腺の検査を30万人の方々に我々やったわけですから、その結果を、きちんと見る必要があると。A2と判断される方が約5割出てくるということと、それから30万人の方に検診を行えば、約100人の方々が甲状腺がんと診断されると、こういうことが事実として確認されているわけですから、今後、小児甲状腺超音波検査をする際には、この結果が、恐らく、再現されるということを、きちんと認識したほうがいいと思います。  もちろん、その福島で起こっていることは、放射線の影響ということが可能性としてはあるので、そのままが起こるかどうかはわからないところがありますけども、ただ、そういうデータを我々持っているわけですから、恐らく、同じ事象が起こって、そのことを本当に受け入れるのかどうかということを冷静に判断したほうがいいことを強く思います。

 春日委員 この専門家会議のタイトルなんですけれども、これは原子力発電の事故に伴う住民の健康管理のあり方なんですね。決して放射線被ばくによる健康管理の健康影響による健康管理のあり方を論じるだけの専門家会議ではないわけです。  もちろん検討内容の大きな柱として、これまでも論じてきましたように、被ばく線量の把握をして、それを評価して、それに基づいて健康影響を予測するということも含まれましたけれども、本来の全体をカバーする大きな目的は、事故に伴う健康管理のあり方をもっと広く考えなければいけないわけです。その中には、例えば、甲状腺がんもあるかもしれませんけれども、メンタルの影響というのは、これは決して放射線だけの不安に対して、それを起因として不安が生じるわけではなくて、事故に伴って生活が大きく変わった、避難しなければいけない、あるいは職を失ったことによって、それが原因として、不安、精神的な症状を起こしている方も多いわけです。  それから、この専門家会議で、これまであまり扱ってこなかったことに生活習慣病もあります。そういうことをトータルで考えたときに、では、これからの健康管理はどうしたらいいかということに結びつく議論をしていかなければいけないと思います。  その意味では、検診のあり方は、先ほどから座長がおまとめになっているように、不安だから検診すればいいなんていうことを言っている委員は誰もいないと思います。あくまでも、一つの健康管理の方策、あるいは不安解消の方策であって、きちんと事前と事後のフォローが必要で、説明も事前にも事後にも行うことは、もちろん大前提となっての一つの方策として申し上げているだけなので、もう少し丁寧なおまとめをいただきたいというのは、座長に対するお願いです。  それから、今後の論点の整理に当たっても、決して今の論点1であるように、放射線による直接の健康影響と、それから論点の4にある健康不安について、これを切り分けるのではなくて、健康影響というものをもっとトータルに捉えてこの論点を整理してはいかがでしょうというのは、もう一つ事務局に対するお願いです。

 長瀧座長 私自身も全くそのつもりで座長をしてきたつもりなんですけども、もう一度、まとめの点で読み直していくと、我々の与えられている13条の範囲が、まず最初に放射線によるということが一番最初に書いてあるんですね。それから、国民の理解とか、今我々のお話ししてきたような国民の理解というようなことで、不安を感じている人たちにどうするかということは、4条にまとめてありまして、極端に言えば、我々はそこまで、この検討会は13条をどうするかという検討会であるということで、そこの切り分けをある程度考えた上で、中間取りまとめにいかないと、ほかのところまで入っちゃうのか、あるいは我々が依頼された範囲でこの中間報告をやるのか。13条のところで、放射線によるというのが最初に書いてありますので、そこは頭に入れて議論しなければいけないかなと思って、さっきから何回かお話ししているところです。  ここは全然別の項目として、この支援法案の中に入っているんですね。  時間になりまして、時間切れで終わるのもあれですけども、まだこの次は主に議論を続けていきたいと思いますので、今までの議論は、また事務局でこの議事録を見ながら整理していただくということで終わりたいと思います。  それから、今日は、清水先生お休みなものですから、甲状腺がんの議論は、またお伝えするということで、またご意見もいただきたいと思っております。  ここで事務局から何かございますか。

 得津参事官 すみません。今日いろいろご意見をいただいたことにつきましては、資料2を整理して、次回は文章にして、中間取りまとめといいますか、議論できるたたき台としてお示ししたいと思っています。  本日は、清水委員がご欠席でありますので、本日の甲状腺の検査についての意見、こういったものもお伝えして、清水先生のご意見も伺ってきて、反映させるようにしたいと思っています。  また、これまでの議事録からご発言いただいたことは、今回、例とさせていただいておりますけども、文章にまとめる際には、この言い方とか、そういったもので、その都度、ご照会をさせていただくこととか、そういうことがあろうかと思いますので、その節は、よろしくお願いしたいと思っています。  以上です。 ○長瀧座長 それでは、本日の議論はこれで終わりとしてよろしいですか。 (異議なし)

 長瀧座長 最後に、事務局から何か。

 佐藤参事官補佐 最後に、事務連絡でございます。  次回の第12回目の専門家会議の開催につきましては、10月20日、月曜日を予定しております。会場につきましては、三田共用会議所大会議室で開催する予定としております。  また、本日の議事内容及び議事録につきましても、後日公開とさせていただきます。  先生方には、事務局からお送りいたしますので、後日ご確認をお願いいたします。  事務局からは、以上です。

 長瀧座長 ありがとうございました。  本当に、今日は、お二人先生にご意見いただきまして、ありがとうございました。  それでは、本日の会は、閉会といたします。  どうもありがとうございました。

                                       午後7時34分 閉会

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