保健・化学物質対策

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 第3回議事概要

日時

平成26年2月26日(水)17:00~19:15

場所

東京都内(TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14C)

出席者

(専門家)
明石委員(座長代理)、阿部委員、石川委員、遠藤委員、大久保委員、春日委員、佐々木委員、鈴木委員、長瀧委員(座長)、中村委員、丹羽委員、伴委員、本間委員
(環境省)
浮島大臣政務官、塚原部長、桐生参事官 他

被ばく線量に係る評価について

(1)小児甲状腺被ばく調査のバックグラウンド測定等について
(第2回会議でのコメントへの回答について)
事務局(環境省)より資料1-1-1について説明し、京都大学の新山雅之氏より資料3をもとに実際の測定状況について説明。委員の主なコメントは以下のとおり。
  • 個々人の衣服表面でバックグラウンド(以下「BG」)を測って甲状腺の測定値から差し引いた正味値を被ばく線量(Sv)とするには甲状腺からの放射線と衣服のBGとの区別がつかないため精度の問題がある。しかし、基準値の0.2μSv/hを超える被ばくはいなかったとは言える。
  • 体表面のBGにはゆらぎがあり、例えば3シグマ(σ)の幅で検出限界を定めて検出限界以下であってもゼロ(0)としない評価方法を取り入れてもいい。
  • 実測値から全体の傾向を把握する必要がある一方、今回の測定対象に含まれていない方について慎重に対処すべき。特に水道水などの飲食物の経口摂取による内部被ばくのデータなどできる限り集めるべき。
  • 全体の3分の1の測定値に関する分布状況から残り70%の予測はできるか否か、統計学の観点からは、3分の1から傾向は分かるが、極端に外れる数値の個人がいないかも視野に入れるべき。
  • ホールボディカウンター(WBC)結果とセシウム・ヨウ素(Cs/I)比から被ばく線量を推定する方法では、WBCによる実効線量の結果だけでなく,被験者に関する他の情報も必要。全体の傾向を把握するには、様々な角度から調査する必要がある。不確実性についてはその幅を定量化して見ていくことも重要。全身スクリーニングのデータが初期の頃のものが残っているのであれば、目安に使える。
(2)I-131以外の短半減期核種の寄与割合の違いについて
事務局より資料1-2-1について説明。委員の主なコメントは以下のとおり。
  • I-131以外の核種の寄与割合については、引き続き検討が必要。
(3)飯舘村住民の初期被ばくの線量評価について
事務局より資料1-3-2について説明。委員の主なコメントは以下のとおり。
  • 福島県の県民健康管理調査の基本調査の推計手法は、検討委員会の検討に基づいて実施しているので問題はない。

今後の線量評価・再構築に係る事項について

(1)平成25年度環境省委託事業に関する紹介について
事務局より資料2-2-2,2-2-3について説明。長瀧座長から各委員に今後の事業について発言を求めたところ、主なコメントは以下のとおり。
  • Cs/I比は仮に3として評価しているが、地域ごとにデータが異なる。I-129で測ると、分布の精度が上がり、Csでは甲状腺の内部被ばく線量の精度が上がるので、大規模な調査もお願いしたい。
  • 小児甲状腺被ばく調査について飯舘村、川俣町、いわき市以外の他の自治体でデータがないため、このデータの精度を上げるためには県民健康管理調査の行動記録と他のデータとの照合により推計すべき。他省庁の環境モニタリングのデータなど環境省が一元化してまとめてもらいたい。
  • UNSCEARとWHOの報告書で評価が出たら食品摂取の内部被ばくの寄与を明らかにすることが重要。
(2)委員提供の「放射性ヨウ素と甲状腺」に関する紹介ついて
遠藤委員より提供資料「放射性ヨウ素と甲状腺」をもとに放射性ヨウ素I-131の医学利用の状況等について説明。委員の主なコメントは以下のとおり。
  • 日本人は食生活でヨウ素を摂取しているが、若い年代の方は毎日の食生活によって甲状腺のI-131uptake率に多寡があるか否かについては、昆布を食べてヨウ素を摂取したときの効果は1,2週間続くため、長期間の未摂取でない限り短期間であれば甲状腺のI-131uptake率は十分押さえられる。
  • 子供の甲状腺のI-131摂取率は甲状腺のマス(体積)から逆推計できるか否かについては、子供の甲状腺のI-131摂取率の正常値のデータは得られていない。ただ、ヒトでは分からないが、動物実験では成長過程で甲状腺I-131摂取率はほとんど変わらない。
(3)個人被ばく線量に関するデータの一元化について
事務局より資料2-3-1~2-3-3について説明。委員の主なコメントは以下のとおり。
  • 帰還住民が自分達の被ばく線量を個人で管理できるので、主体的に帰還する意識が高くなっていいと思う。実際の線量値を見て環境を改善する機会を与えることとなる。

その他(全体を通じてのコメントについて)

甲状腺スクリーニングの測定データについては、実際に測定に関わった者として有効に活用してもらいたい。全体の傾向を把握するのに適しているものの、個人の被ばく線量を推計することは難しい。BGについては、脇から来るBGが避けられないため測定部位の頸部からの測定値からBGを差し引くことが大事。測定データが無駄にはならないようにしていただきたい。

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