保健・化学物質対策

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 第2回議事録

日時

平成25年12月25日(水)

場所

イイノカンファレンスセンター Room B

議事次第

  1. 開会
  2. 挨拶
    1. (1)井上環境副大臣
    2. (2)浮島環境大臣政務官
  3. 議事
    1. (1)被ばく線量に係る評価について
    2. (2)その他(第1回専門家会議の主な意見に対する補足説明)
  4. 閉会
  • 桐生参事官 本日は、お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまから、第2回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議を開催いたします。
    本日は、荒井委員より欠席の連絡をいただいております。また、丹羽委員からは、少し遅れる旨の連絡をいただいております。石川委員はまだ来られていないようですけれども、進めさせていただきたいと思います。
    また、開催要綱に基づきまして、本日は委員以外に専門家として、放射線医学研究所から栗原先生にご出席をいただいております。栗原先生は、昨年度の環境省の委託事業において、事故初期の被ばくの調査を行っていただいたところでございます。
    あと、事務的な連絡でございますけれども、本日は、カメラによる撮影は、冒頭の挨拶部分に限らせていただいておりますので、よろしくお願いします。
    また、会議全体の動画配信をしたいとのご希望を報道機関からいただいておりましたが、委員の皆様の意見や会議の趣旨等を踏まえて、省内で検討させていただいて、次回、第3回までに方針を決定したいと考えております。そのために、報道機関には恐縮ですけれども、本日はご遠慮いただきますように、よろしくお願いしたいと思います。
    また、傍聴の皆様方についても、会議の進行に支障を来すために、会議中は静粛にお願いします。また、ご質問やご意見がある場合には、お渡ししてあります用紙に記載して、お帰りの際に受付にお渡しいただきますように、よろしくお願いいたします。事務局のほうで、検討させていただきたいと思っております。
    それでは、まず井上環境副大臣より、ご挨拶を申し上げます。
  • 井上環境副大臣 環境副大臣の井上信治でございます。
    委員の先生方には、この年末の大変お忙しいところご出席をいただきまして、感謝を申し上げます。
    先日、12月20日に、原子力災害対策本部の議論を踏まえ、「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」が閣議決定をされました。そこでは、帰還住民による個人被ばく線量の把握や、被ばく線量結果に対する相談体制の整備が重要であるとされております。環境省としては、一昨日閣議決定をした平成26年度予算案の中で、帰還後のきめ細やかな被ばく線量の把握に必要な予算を計上したところであり、しっかりと取り組みを進めてまいります。
    さて、今後も引き続き被ばく線量の把握に努めていくことが重要となりますが、原発事故から現在までの被ばく線量についても的確に把握していく必要があります。本日は、被ばく線量の把握、特に事故初期のヨウ素による被ばく線量に着目して、どのようにその把握を進めていくかをご審議いただきたいと思っております。
    私も、福島県民の皆様のお話を聞く中で、セシウムによる長期的な被ばくと同等か、それ以上にヨウ素による事故初期の被ばくについて、大きな不安を持っておられる方が多いと認識をしております。この不安は、初期の被ばく線量の把握がどれくらいなされているか、十分にご理解いただいていないことにも起因しており、環境省としても、科学的な知見を整理し、しっかりと周知をしていくことが重要と考えております。
    本日は、この重要なテーマについて、活発なご議論をいただき、次回には今後の線量把握のあり方についてご意見もいただきたいと考えております。どうぞ、よろしくお願いいたします。
  • 桐生参事官 続きまして、浮島大臣政務官よりご挨拶を申し上げます。
  • 浮島環境大臣政務官 皆さん、こんばんは。政務官の浮島でございます。本日は、年末の本当にお忙しい中、また夕刻からの時間にもかかわりませず、ご出席を賜りましたこと、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
    今、副大臣からも申し上げさせていただいたとおりに、本日は、被ばく線量の把握をどのように行っていくかの点について、ご議論をいただくこととなっております。被ばく線量の把握は、放射線による健康影響をご議論いただく前提となる重要なものと承知をいたしております。これからも忌憚のないご意見をいただきながら、今後予定をしております健康管理、医療に関する施策のあり方のご議論につなげていっていただけるように、今日は忌憚のないたくさんのご意見をいただきたいと思いますので、どうか、よろしくお願い申し上げます。
  • 桐生参事官 ありがとうございました。
    なお、副大臣からのご挨拶にありました原子力災害対策本部決定の「原子力災害からの復興の加速に向けて」の資料につきましては、参考3にございますので、後日参考にしていただければと思います。
    それでは、井上副大臣と浮島政務官におかれましては、用務によりここで退席ということになりますので、ご了解いただければと思います。
    それでは、カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
    続きまして、本日お配りした資料について確認をしたいと思います。
    資料につきましては、議事次第、座席表、委員のリスト、それに加えまして資料1、2、3、また委員提出の資料が、石川委員からと春日委員からの提出資料の2種類ございます。加えて、参考資料として1から5までございますので、それぞれご確認していただきまして、過不足などがありましたら、事務局へお願いいたします。
    なお、参考資料5が、前回の議事録になってございます。既に各委員に内容を確認させていただいておりますけれども、もし訂正等がございましたら、会議終了までにお願いいたしたいと思います。
    それでは、これより議事に入りますので、以降の進行については、座長にお願いしたいと思います。長瀧先生、よろしくお願いします。
  • 長瀧座長 第1回の専門家会議では、幅広く全体像についてご説明いただきました。第2回目の今回は、これまでの被ばく線量に関する評価から開始することにいたします。
    実は、説明の前に、前回、傍聴者の方から聞こえにくいというお話もございましたので、ここで事務局に聞こえるようにしてくださいとお願いしようと思っていたのですが、今日は非常によく聞こえておりますので、本当によかったと思っております。
    では、最初に初期ヨウ素被ばくのうち、実測データ関係についてご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  • 桐生参事官 それでは、資料についてご説明させていただきたいと思うのですが、まず初めに、線量評価に入る前に、今回のこの専門家会議の趣旨、目的を再度、改めて確認させていただきたいと思います。参考資料4をご覧になっていただけますでしょうか。
    参考資料4、開催要綱がございますけれども、ここに書いてございますように、今回の事故に伴う健康管理について、医学的な見地から専門的に検討するということでございますけれども、3番目の検討内容のところにございますように、この会議では、大きく(1)被ばく線量把握・評価に関すること、(2)健康管理に関すること、特に健康調査とか健康診査を想定しておりますけれども、(3)として医療に関する施策のあり方、特に医療費の減免策、そういったものを検討するということになってございます。本日の会議については、主に、(1)線量評価・線量把握についてご議論いただきたいと思います。特に線量評価・把握については、2回に分けて考えておりまして、今回は今までの被ばくの現状を把握するためのご議論をいただいて、次回は、副大臣からのご挨拶にもありましたように、今後の把握をどういうふうにしていくかということのご議論というふうに考えております。そういったことで、今回は、被ばく線量の今までのデータの現状把握ということで、議論をお願いできればと思っております。
    それでは、資料1がその資料でございまして、それに合わせて参考資料1に各種のモニタリングデータ等がございます。冒頭から参考資料で恐縮ですけれども、参考資料1の、ページ数にして、62ページをご覧になっていただきたいと思います。
    これは、アメリカのトモダチ作戦の資料の一部を抜粋したものでございますけれども、この62ページの左側のFigure D-1という、線量に関するスキームがございます。簡単にご説明させていただきますと、被ばく線量の把握に当たって、右側に緑のボックスが幾つかございますが、それがいわゆる被ばく線量の実効線量等の実測のデータということで、Best Dose Dataと書かれております。左下のほうに、茶色のボックスが幾つかありますけれども、それがNext Best Dataということで、Environmental Measurements等のデータからの推計ということかというふうに思います。それで、真ん中の下のほうにHelpful Dataとございまして、そこにはEnvironmental Modelingがあるという、そういう大きく三つのデータを総合して評価するようなものになっているかと思いますので、これを念頭に置きながら実測データと環境モニタリングデータ、またシミュレーション等のデータ、そういったものについて事務局より説明させていただきたいと思います。
    それでは、資料1をご覧になっていただきたいと思います。
    この資料1を中心にご説明させていただきますけれども、1枚めくっていただいて2ページ、3ページございます。これがこの資料1の目次になっておりますので、ちょっと全体的なものを説明させていただきたいと思います。
    大きくは、1.、2.、3.とございまして、1.が事故初期のヨウ素等短期半減期核種による内部被ばく関係、いわゆるヨウ素関係になります。2.が初期の外部被ばく関係のデータ、3.はちょっと参考的なんですけれども、今年度の環境省の事業についての資料がございます。そのうちのまず1.ヨウ素等による内部被ばくについてですが、大きく(1)から(4)までございまして、(1)が小児の甲状腺のスクリーニング検査、(2)がその他の実測データなど、(3)が大気拡散のシミュレーション、(4)がホールボディカウンタの、特にヨウ素/セシウム比について、そういった構成になってございます。資料が幾つかのテーマに分かれておりますので、まず初めに1.の(1)と(2)、小児のスクリーニングの検査とその他の実測データ等、そこについてまずご説明をさせていただきたいと思います。
    それでは、資料の5ページ、肩番号に1-1-1とございます。これは前回お示しした資料と同じものになってございますけれども、再度掲載させていただいております。小児の甲状腺のスクリーニング検査についての資料でございます。当時の原子力安全委員会のものでございます。
    また1枚めくっていただきまして、通し番号の7ページとなっているところが1-1-2とございます。これも原子力安全委員会の平成23年9月5日のデータ資料でございます。これは、前回一部資料を提供させていただきましたけれども、前回参考資料1と参考資料2がない資料で、参考資料3だけ前回提示させていただいておりましたけれども、バックグラウンド等について書かれている資料ということで、追加させていただいております。
    9ページにございますように、この測定についてバックグラウンド0.2μSv/h以下の場所で行うというような条件で測定してございます。
    また10ページ、11ページには、その測定方法についてマニュアルがございます。
    続けてご説明させていただきますけれども、14ページをご覧になっていただければと思います。
    14ページ、資料1-2でございますけれども、これは昨年度、平成24年度の環境省の委託事業で、初期のヨウ素等による被ばくについての評価の事業を行ったものの報告書で、今回の個々の小児の甲状腺のスクリーニング検査に関係する部分の抜粋の資料でございます。主に3点について説明させていただきたいと思います。一つは暴露のシナリオのことで、2点目は係数効率もしくは校正定数、3点目はバックグラウンドという3点についてご説明させていただきます。
    資料の15ページご覧になっていただきたいと思います。
    摂取のシナリオにつきまして、シナリオ1として3月15日の一回摂取シナリオと、[2]シナリオ2として3月12日から測定前日までの連続の摂取のシナリオ、そういった2つを試算してございます。そして、詳細については省略いたしますけれども、現実的なシナリオというものについては、このシナリオ1と2の間の範囲におさまるものと考えられるというような考察をしてございます。
    次の17ページをご覧になっていただきたいと思います。
    17ページは、サーベイメータの係数効率もしくは校正定数についてでございますけれども、スクリーニング検査当時については、この17ページのグラフにございますようなオレンジのグラフ、一番上のグラフですが、年齢に応じた係数効率を使ってございましたけれども、今回、昨年度の委託事業では、真ん中の赤の三角のドットのもので試算を行っているところでございます。下のほうに行けば行くほど保守的になると伺っております。
    次のページからは、その係数効率の見直しの各種のデータがございますけれども、19ページにございますようなファントムを用いた係数効率の計算をしているということでございます。
    20ページをご覧になっていただきたいのですけれども、バックグラウンドについてでございます。バックグラウンドについては、当時の事故直後で空間線量率が高かったということがございますけれども、そのバックグラウンドについて考察しているものでございます。20ページの下のところにございますように、今後も継続して進める必要があるけれども、本スクリーニング検査の検出限界値は甲状腺の線量で10mSv相当であると見積もられていること、検査の目的としては、必要十分な感度を有していたと考えられるのではないかというふうな考察をしてございます。
    次の22ページをご覧になっていただきたいと思います。
    これも当時の原子力安全委員会の資料でございますけれども、調査対象のうちのいわき市で測定されたデータのうちの数値が比較的高かった方について、そのバックグラウンドを、平均をとったものと個別のバックグラウンド値を差しい引いたものの対比の表でございます。ここに書いてございますようなおおよそのバックグラウンドの値ということが見てとれるかというふうに思います。
    以上が、小児甲状腺のスクリーニング検査に関する資料でございます。
    続きまして、24ページをご覧になっていただきたいと思います。
    先ほどのスクリーニング検査以外に甲状腺の線量についての実測データの文献を集めたものを一覧にさせていただいたものでございます。対象者や測定方法ございまして、一番右のカラムに線量値というのがございます。それぞれ発表によって中央値や平均値、最大値、そういったものはみんなばらばらでございますけれども、線量としてこういった報告がなされているところでございます。
    続きまして、25ページの1-5でございますけれども、これは実測ではなくて、環境モニタリングデータからの推計の論文でございます。
    JAEA、原子力機構の核燃料サイクル研究所、これは場所は茨城県東海村にございますけれども、そこで大気のダストサンプリングを行っておりまして、当時のヨウ素の化学系も含めて分析してございます。それをもとに東海村での被ばく量を推計したものでございます。数値につきましては、飛びますが、30ページの右カラムの下から4、5行目にございますけれども、小児の甲状腺の預託等価線量は1.8mSv相当というふうに推計してございます。これも各種パラメータ等についてはテーブルのところにございますけれども、1歳児の行動が比較的に屋内にいたということ等も勘案した試算になってございます。
    続きまして34ページから資料1-6でございますけれども、これは前回に提示させていただいた資料でございますけれども、35ページに一覧の地域別の集計がございます。前回、委員からの90パーセンタイルについてシミュレーションと実測では意味が違うのではないかというご質問がございましたけれども、このシミュレーションについては厳密な90パーセンタイル値という意味ではなくて、保守的に高い値を設定してこのぐらいだという意味だということと伺っております。
    以上、事務局から初期のヨウ素の被ばく、特に小児甲状腺のスクリーニング検査とその他の実測データ等についてご説明させていただきました。
  • 長瀧座長 丁重なご説明をありがとうございました。
    最初に1-1-1からでありますけれども、2011年3月26日から30日にかけて行われました対策本部の甲状腺、いわゆるスクリーニングを取り上げてみたいと思います。
    この報告に関しましては、信頼できないという批判がございまして、その理由は、バックグラウンドが高いところで測定されたとか、あるいはサーベイメータによるスクリーニングであるとか、あるいは当時の安全委員会が簡易モニタリングで健康の影響やリスクを評価するのは適切ではないと評価しているなどと、いろいろな背景がございます。
    しかし、福島の事故で甲状腺の131の測定に関する大規模測定は、この1,000人のデータしかない、非常に残念なのですが、この1,000人しかないという現実がございます。そして、これは避難地域の子供の甲状腺のヨウ素131を直接測定した非常に大切な資料であります。さらにその後いろいろ科学的に検討されたデータも、ただいまご説明いただきました。
    この測定が、福島の甲状腺の放射線ヨウ素摂取に関しましての唯一の直接的なデータであるということでありますので、ここでこの専門家会議の専門家として厳密な評価をしていただくと。そして、信頼する部分があれば積極的に福島の測定として取り上げるし、国際的にも報告する、子供たちの将来にも関係する大事なことであります。どうぞ、ここで忌憚なく十分に議論をしていただきたいと思っております。今のご説明に対して何でも結構でございます、どうぞご質問くださいますようにお願いいたします。
    それと、今日、先ほどもご紹介がございましたけれども、栗原先生に来ていただいておりますので、何か具体的なこともお答えできると思いますので、よろしくお願いいたします。
  • 石川委員 日本医師会の石川ですけれども、ちょっとその内容ではないのですけれども、ご質問したいと思います。
    これは、発災後、3月中に行われた検査ですけれども、これ発表が8月17日、参考3という右上にある、ここが概要についてということで一番明らかにされたデータなのですか、これは。
    それで、私もそういうふうに記憶しているのですけれども、基本的には、これは、すごく5カ月という間があって、この間、1,000人の子供さんを対象にやって、お母さん方の中、あるいはそのことを知っている関係者の方から、何でこれを公表しないのだというところで、大変不安だとか、心配が募ったという事実があります。これが初期に行われたので、こういうことが初期にあったので、大変住民の方たちの、ただでさえ大変な状況の中で、大変な不安を煽ったということで認識しているのですけれども、その事実は間違いないのでしょうかね。
  • 長瀧座長 そのとおりだと思います。この報告書がこうなっておりますし、それから、その報告が直接もらえなかったということに関して、あるいは時期がおくれたということに関して、いろいろと不安が大きくなったということも事実だろうと思います。ただ、この会議では、過去の経緯というよりは、現在、出てきたデータを専門家の目で見て、どこまで信頼できるかということを議論したいと思っておりますので、先生のご質問は、そのとおりだと思いますということで次に移ってよろしいでしょうか。
    バックグラウンドが高いところでというお話で、低いところを探していったという話がありますけれども、これは、どなたかその場でいらした、その当時の現場をご存じの方、いらっしゃいますか。
    このバックグラウンドが高いところで測定したということに関して、何かご意見ございませんでしょうか。
  • 中村委員 バックグラウンドが高いところでという話が出ているんですけれど、そもそもこのシンチレーショサーベイメータを甲状腺にピタッと当てて測定されているんですね。それで、バックグラウンドというのは周りから来ていますので、距離は離れていて、しかもできるだけ低いところで測っておられますので、甲状腺に非常に近いところに設置して測定した値というのは信用できると私は思います。
    ですから、バックグラウンドの影響があるとしても、このシンチレーショサーベイメータというのは非常に感度が高いですし、iodine131というのは非常に測りやすい核種ですので、甲状腺に近いところで測った値で、あるレベル以上の線量というのは、科学的に見れば精度が高く、バックグラウンドが高いから測定精度が悪いということは言えないと、私は思います。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
  • 中村委員 物すごく低いレベルをはかるのは非常に難しいですけれども、このスクリーニングのレベルというのはかなり高いレベルを測っておられるわけですから、その意味では問題ないと思います。
  • 長瀧座長 そうすると、ここに書いてあるのは、0.1μSvぐらいのバックグラウンドで、そして100mSvが0.2だとしますと、直接当てて測定するのだったら、そのレベルは十分に正確だと考えてもよろしいというお話でよろしゅうございますか。
    ほかにご質問ございませんでしょうか。
    これは論文で読んだだけなのですが、その当時、ちょうどSPEEDIの結果が出たときに、オフサイトセンターも20キロ圏内にあって、すべてが避難したので器械が手元になかったと、甲状腺用のスペクトロメータがないのでやむを得ずサーベイメータでお測りになったということですけれども、それでよろしいのでしょうか。
    あとは、なぜ1,000人でやめたかというのは、非常に残念です。正確さは別としても、何万人という単位でチェルノブイリのときに報告が出ているところで、日本という国で、これだけいろいろわかっているところで、ここで測定を中止したのかは、非常に痛恨の極みなのです。そんなことを言っていても仕方がありませんので、今ここで得られるデータが、どこまで科学的に評価に耐えられるのかということを、本当にここの会議でご意見いただきたいと思っております。
  • 鈴木委員 私も、これは簡易測定と言っていますけれども、測定値そのものは信頼していいのだろうと思います。
    この測定方法でうまく測定できなかった核種が、当然より短半減期のヨウ素とかテルルとかがあります。その寄与をどのくらい、このデータをベースにして上乗せするかということが、少し議論してみたいところだろうと思います。例えばチェルノブイリ事故のときで、原発から一番近い避難住民で見ていきますと、テルルとかヨウ素132、133、あの辺の寄与というのがプラス30%ぐらいというふうな評価になる。これは文献的にそのような報告になっています。
    日本の場合ですと、環境中のデータからある程度短半減期の比率があるので、それをどういうふうにここのベースに上乗せするかというのが、今持っている私たちのこのデータの、より少し下目に見積もっていても、どのくらいになるかという幅が見えてくるのではないかと思っています。
  • 長瀧座長 その短半減期というのは、ヨウ素132とかTe-132などのことですね。その短期半減期の物質についてご意見ございますでしょうか。
    私もチェルノブイリのときは、随分議論いたしまして、確かチェルノブイリの報告書全部の中で、ヨウ素132の甲状腺摂取をはかったのはミンスクから帰ってこられた日本の旅行者を放医研ではかった結果だけしかないように記憶しています。たしかテルルとヨウ素132は放医研で測定して、それが唯一の実測したデータと記憶しています。私もヨウ素132は随分議論して、サイエンスなんかにも書かれているのですが、だんだん時間がたつうちにヨウ素132の話が消えてしまって、ほとんど131の線量だけで議論されるような状況でありました。私自身はまだ、鈴木先生おっしゃったように非常に強いガンマ線ですから、何らかの寄与があったのじゃないかと思っているのですが、チェルノブイリでは今まで余り話題にならなかったという印象です。
  • 鈴木委員 私自身が、UNSCEARレポートのどれだったか、ちょっと今ナンバーは何年報告というふうには言えませんが、そこに書いてあったのは、原発の作業員たちの住居があります。あそこの子供たちが避難して、その人たちはちゃんとスペクトロメータで測っていて、そのデータが書かれてあったかと思います。それが、ヨウ素131で評価するもの+30%増ぐらいの効果だというふうな文章が、UNSCEARのレポートには書かれておりました。実際の現物の生データを私自身も見ておりませんが、そういう記載があったということです。(註: UNSCEAR 2008 Report, Volume II. Annex D, Paragraph B41)。
  • 長瀧座長 もう一つは、記載されていることから言えば、半減期は非常に短い、2時間ぐらいですから、離れたところには行かないだろうと思う。そして、がんの分布が原発からうんと離れたところにもあるということで、非常に短い半減期、例えばヨウ素132は余り甲状腺がんの発生には、チェリノブイリで関係していないというような論文もかなり有力であったと思います。
  • 本間委員 今の、この評価、昨年度環境省でやられた委託事業の評価では、サーベイメータを、甲状腺にあるものが131であるとして評価をされたと。その短半減期核種の寄与については、全くその事業の中では評価を、まずされていなかったのか、検討はされなかったのかというのが、一つ質問したいのと。
    もう一つは、今、中村先生からも、多分その測定としては信頼できるのではないかというふうにお話があったわけですけれども、正味のバックグラウンドを引いた値がかなり検出限界に近いような値であるという意味では、それから最初に座長が言われたように、安全委員会もこれはスクリーンニングのためだからというような文言があるという意味でも、確かにこのデータから算出された線量が不確実さを持つということは確かだろうと思うのですね。それが大きいか小さいかというきちっとした不確実さの評価というのが重要だと思うのですけれども、その意味では、今資料のご説明ではなかったのですが、35ページに、私もこの委託事業の検討会やコンファレンスに参加させていただいたのですけれども、この35ページの推定結果のところを見ると、この甲状腺検査を使った自治体の部分は、同時にホールボディカウンタでセシウムから推定したデータもあるわけですよね。ですので、国際会議のときにも国外からきた専門家も指摘していたように、今回データが非常に少ないので、ありとあるゆる角度から見なさいと、一つだけのデータを使うのではなくてですね。
    そういう意味では、この同時に用いられている場所のこの甲状腺の検査とホールボディによるものがつじつまの合うものなのかと。そういうことの検討というのは非常に重要だというのが言えると思うんですね。それをご指摘したいということと。
    もう一つは、これも二つ目の質問ですが、この甲状腺のスクリーニングを受けた子どもたち1,000人余りの中で、はっきりその線量が正味値として推定できるレベルの人たちが何か、いわゆる外部でやっているような行動様式的なもので、どこに、どの場所にいて、ある種特殊な環境にあったのかというような、そういうような情報はないのかと、それがちょっと知りたいところなのですけれども。
  • 栗原氏 今のご質問の点、ちょっとお答えします。
    初めに、ヨウ素131以外の核種の寄与ですけれども、こちらは一応検討しておりまして、昨年度の委託事業の中では10%と仮定しています。これは、実測された空気サンプリングのデータ、これは数少ないんですけれども、そういったデータですとか、あとはインベントリの情報からも一応評価をしているということでございます。一番不確かさが大きいと考えられるのは、ヨウ素の化学形も大分その線量係数に影響するので、そちらのほうの不確かさも今後詰めていく必要があるかなというふうに考えています。
    あと、小児甲状腺の計測については、確かにこれはスクリーニング検査の目的でやられるものですから、その細かな数字、あなたは数ミリ何点、細かい数字を出す線量ではなくて、集団としてどういう線量バンドにあったのかということを評価する意味では、非常に有意義だったか。もちろん、個々に見ると過大・過小評価あるいは誤差だったりするものだと思うのですが、これだけの人数をはかっていて、そういう線量分布だったということで、大まかな線量把握、少なくとも50mSvは超えていないだろうというようなことは、言えるかなというふうに思っております。
    それから、サーベイの推計で、いろんな評価をしなくちゃいけないということですけれども、昨年度は本当に限られたデータの中で、何とかこの線量を推計したということでございます。その基礎となるのが、甲状腺のデータだったりとか、あるいはホールボディのデータだったりとかということでございました。当初は、拡散シミュレーションのデータ、拡散シミュレーションに基づく線量推計というのを軸として考えていたんですけれども、やはり人の実測データを軸にして線量推計したほうがいいということで、方向を転換してやってきたと。その中で、そこの甲状腺のデータというのは非常に限られていますので、ホールボディのデータを使うということをいたしました。
    ホールボディの結果というのは、幸いなことにというか、甲状腺の検査結果よりも多くの市町村のデータをいただけたので、こちらを使って線量推計をしたと。ただ、ホールボディのデータというのは、セシウムのデータ、セシウムによる実効線量のデータだけですので、ヨウ素/セシウム比というものを仮定しなくちゃいけないと。その中で、小児甲状腺の結果と、それからホールボディの結果が得られた飯舘村と川俣の結果を使って二つの線量分布、小児の甲状腺の線量分布、それから成人のセシウムの実効線量分布、こちらの二つの分布を組み合わせて線量推計を出したということで、ここが大きな不確かさを持っていると思われます。
    昨年度の推計では、そのヨウ素/セシウム比というものを3ということで一律に仮定して、ホールボディをやられた結果の市町村のデータから甲状腺推計をしたのですけれども、この3というデータは、これから確かに議論することがあると思うのですけれども、最近出されました細田氏の論文によると、ヨウ素/セシウム比というのがイコールだということで、その環境のデータと大きく違うということが今後の議論すべきことだというふうに考えております。
    私からはあともう1点、行動ですね。行動に関しましては、確かにご指摘のとおりでございまして、今後の線量推計によって精査すべきだと思っております。つまり、実測データを有する方が何でこの結果になっているのかということを調べるには、その行動を追うしかないというふうに考えております。行動を追って、例えば類似した行動の方がこういう結果になっていたんだとか、こういう分布になっていたのか。あるいは、その行動がわかれば、今後期待される精度向上化された拡散シミュレーションを用いて摂取シナリオ、いつ取り込んだのかというところをかなり精査できると思いますし、あるいは経口摂取の影響についても、これは今後十分精査する必要があるというふうに考えております。
    以上でございます。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    もう既にその他の実測データまでお話がいっておりますけれども、直接被ばくに関して、今のお話では、例えば0.1とか2とかの低いところがどこまで正確かは別として、少なくとも50mSvに相当するかどうかというレベルで、それ以上ではないということは、このデータ自身でも信用してよろしいとのお話だったと思います。それはそれでよろしいでしょうか。
    それからもう一つは、本間先生おっしゃったように、ほかのデータで、特に弘前大学とか長崎大学で直接ヨウ素131を測定した結果も、やはり50mSv以上の人はいなかったと。それは大体この委員会として、認めてもよろしいのですか。
  • 伴委員 全体の代表値といいますか、それはいいと思うのですけれども、今、栗原さんあるいは本間さんからお話があったように、分布として、さらにいろんな角度から見ていく必要があります。例えば、測定値とSPEEDIの推定値が合わないという現実があります。そうすると、なぜ合わないのかを丁寧に見ていくことで、どういう被ばく経路が重要であったのかが、ある程度浮かび上がってくるのではないかと思います。こういう被ばく経路が重要であるということになったときに、たまたま測定対象者には含まれていなかったけれども、極端な例がなかったかどうか。そこまで考えることが必要ではないでしょうか。
    ですから、全体の代表値としての傾向としては、長瀧先生がおっしゃったとおりだとは思いますけれども、やはり、かなり高い例も、もしかすると存在するかもしれないということは念頭に置いておくべきだと思います。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    今、とりあえずは1-1-1とか、2の議論であって、今後まだそれに関係してのほかの方法があるかどうか検討するという議論がありました。まだシミュレーションのところまでいってないですよね。
    それでは、どなたか発言はありませんか。
  • 春日委員 春日です。先ほど中村委員のおっしゃったことが、ちょっとよく理解できなかったのですが、バックグラウンドの値を今回考えなくてもいいのではないかというふうにおっしゃったのですか。そうではなくて。
  • 中村委員 バックグラウンドに比べて、甲状腺に密着して測定した値というものは、あるレベル以上であれば十分精度良く測定できますということです。
  • 春日委員 そのときにバックグラウンドはどう考えればよろしいでしょうか。
  • 中村委員 差し引きます。差し引いても十分精度のあるデータが得られると、そういう意味です。
  • 春日委員 わかりました。こちらの資料を拝見する限り、実際にどのようにバックグラウンドをはかったのか、マニュアルと同じだったのか、そうでなかったのかがわからないのですね。なので、まだそのバックグラウンドの評価のところとして、この委員会がまだ十分に検討できていないのではないかというのが、私の印象なのですけれども、いかがでしょうか。
  • 長瀧座長 さらに議論といいますと具体的には。
  • 春日委員 バックグラウンドの測り方がどうだったかということを確認していないのではないかという気がするのです。先ほどのご説明では。
  • 長瀧座長 この報告書には平均が0.1μSvと書いてありまして、その後はそれぞれの場所で測ったものを引いたと書いてありますが。
  • 春日委員 その測り方がどうだったかということは、委託事業のほうで詳細に検討されたのかもしれないのですけれども、ちょっとご説明が足りなかったと思うので、今回、どういう測り方をしてのバックグラウンド値を引いた結果として、この最終的な表ができているのか。それをもう一度ご説明いただいて、その上でないと、ちょっと私としてはこのままの数値を納得できないところなので。
  • 長瀧座長 わかりました。ここはわかるまで、委員の一人一人が納得するまで議論していただいたほうがいいと思いますので。バッググラウンドの測定、今のご質問に答えられますか。
  • 栗原氏 実際、私のほうは測定はしていないのですけれども、実際に測定をされた先生方にお聞きをしたところ、甲状腺の測定をまずしたということと、バックグラウンドに関しては、肩口に当てて測ったということで、これは例えばもし仮に体の中にセシウムが入っていたりすると、体の中も多少なりその線量を帯びることになるので、その体の部分でバックグラウンドとして差し引いたということで、体の遮へいも込みにした影響をきちんと差し引いたということを聞いております。
  • 春日委員 肩口は、皮膚に直接じかに当てたのでしょうか。それとも洋服の上からだったんでしょうか。甲状腺は、当然皮膚にじかに当てたと思うのですけれども、そこの違いは大きいと思うのですね。
  • 栗原氏 そこまで詳しく聞いていないのですけれども、一応、体表面のサーベイをして測定をしたということは聞いております。
  • 長瀧座長 首は濡れた布で拭って、皮膚の付着したものをなくして測ったと書いてありますけれども、バックグラウンドもそのようなことは書いてあるというか、今、洋服の上からか、直接かというご質問でしたので。
  • 栗原氏 実際に測定された写真が論文等に写真として一応出ているものがありますので、そこらを参考にしていただければと思います。21ページの写真とかが実際に測定されたときの写真で、実際に論文に掲載されているものでございます。
  • 長瀧座長 ここでバックグラウンドを測っているところは、どういう格好で測ったかというのを、今のご質問なんですが。
  • 栗原氏 すみません。これは測定をしている状況ですね。このような形で肩口に当てたときにバックグラウンドとし計測をしていたということでございます。
  • 春日委員 すみません。21ページでは、お子さんは洋服を着ていますので、このままだと肩口もよく拭いて直接測ったようにはちょっと見えなかったものですから、心配になりました。万一ですけれども、洋服の上からバックグラウンド値をはかったとしますと、着衣に付着したもので、大分大きな値になるだろうということは想像できるわけですね。それを引いてしまったとなると、その値はどう解釈したらいいんだろうというのが心配になります。
  • 長瀧座長 そうすると今の質問は、バックグラウンドを測るときに、洋服に付着したものも一緒に測ったのではないか。それをはっきりさせたいというお話ですか。
    じゃあ、そこへ絞って、どうぞ、お答えいただければと思います。
  • 栗原氏 私も聞いた情報でしかないので、実際はわからないのですけれども、身体サーベイをして、汚染がないということを確認して、それでサーベイをした。甲状腺の検査をしたというのは聞いています。
  • 長瀧座長 どうでしょうか。どうぞ、中村先生。
  • 中村委員 普通は、こういう放射線の測定をするときは、必ず体表面が汚染していないかどうかは確認するのが普通なのですね。それが常識ですから、それは多分しておられるはずなのです。それで、汚れていないことを確認してそういう測定をしている。これは放射線測定をやる人にとっては常識ですから、当然、こういう非常に混乱している状況でも、それはやっておられると私は思います。
  • 長瀧座長 私も、洋服の上から測定して、付着物があるのをバックグラウンドにするということは、あり得ないと思うのですけれども。
  • 鈴木委員 この次までちょっと調べもらいたいのですけれど、確かデータとしてその現場の空間線量率と、それから個々人の今の肩口でのバックグラウンドと甲状腺と、三つデータあるはずなのです。そこの中で、体の大きい子は体の遮へいが入るので、少し一般の空間線量率は低いバックグラウンドになっているというようなことが議論されていたと思いますので、先生は逆を心配されて、むしろ、個々人のバックグラウンドとしているのがより高目にはかっていたのではないかという懸念だと思うのですが、実際のデータはその逆になっていたように、私は聞いております。
  • 春日委員 実際にその測定に当たられた専門家の方に失礼なことを申し上げたら、本当に申しわけないのですけれども、この委員会として評価をするに当たっては、一応そこまでさかのぼって確認するということが必要だと思いましたので、申し上げました。
  • 長瀧座長 ありがとうございました。そこはこの次までに具体的に、バックグラウンドをどう測ったかということを、事務局として調べて、ご報告するということでよろしゅうございますか。
    それから、仮に時間を過ぎても、疑問が残らないようにと思っておりますので、少し時間をとりますが、その他の実測データについても、大体先ほどお話を伺いましたので、甲状腺の実測データについての議論をもう少し続けます。
  • 本間委員 先ほど栗原さんから、ほかのヨウ素の核種の寄与を検討されたと言われたときのご説明は、要するに、空気中に存在していたテルルの寄与が多分大きいと思うのですけれども、Te-132で放射平衡でヨウ素132が存在していて、その寄与は大きいと思うのですけれども、それを、ヨウ素131との空気中でのratioというか存在比から検討、どのぐらいの寄与をするか検討されたということなのかというのを確認したいのですが。
    というのは、測ったデータはそもそも中に存在するのが131だけではない可能性があるわけですね。132がテルルから崩壊してある可能性があるわけですね。そういう寄与分というものの検証というか、その寄与分を言っているわけではないわけですよね。131だと思って、131をベースにしてこの線量評価をやっているわけですから。さっきおっしゃった10%というのは、空気中に存在したであろうと、ほかでもし仮に131以外を吸っていたら、そのぐらいの、10%ぐらいの寄与があったということで、よろしいのですか。
  • 栗原氏 小児甲状腺の測定地点では、Te-132とかヨウ素133とかという核種はもう形にはないはずなので、それから甲状腺計測からの線量評価に関してはヨウ素131としてみなしてやっていると。もちろん、測れなかった核種については、例えば原子力機構で測られたような空気中濃度のデータとか、炉心ではかれたようなデータとか、そういったものを使って、あとは炉心検査のこういったデータからも参考にして、大体10%ぐらいだろうというふうに考えています。
  • 本間委員 わかりました。それからもう一つ、これはさっき不確かさの要因として、ヨウ素の化学形についておっしゃったのですけれども、これは線量を換算するときの係数としては多分I2が一番大きくなるのですかね、この評価ではI2としてやられたというふうに了解してよろしいのですか。
  • 栗原氏 甲状腺の計測からの甲状腺等価線量、直接測定からの線量評価に関しては、これはヨウ素の化学形というのは余り関係ないです。ホールボディからの線量推計のときに、ヨウ素の化学形、セシウムとヨウ素の割合+ヨウ素の化学形を仮説にしたかったのですけれども、その際には、ヨウ素の化学形として60%を元素状ヨウ素、40%を粒子状ヨウ素として扱っています。ただ、実際、その揮発性としてみなされている放射性ヨウ素は、ほとんどヨウ化メチルとして存在していると思われますので、そうすると、元素状ヨウ素よりもヨウ化メチルの方が線量係数は低くなりますので、多分その辺は保守的な数字になっているかなと思っています。
    それから、揮発性分と粒子状の成分というのは、これは東京電力あるいは原子力機構のサンプリングのデータから決定したものでございます。
  • 長瀧座長 よろしいですか、先生。
    確かに、先ほど最初に事務局のほうから説明がありましたけれども、シミュレーションも含めていろんなデータから仮定に基づいて計算した値と、直接甲状腺のヨウ素131をはかったというものとの、その信頼性が非常に違うものですから、特にこの1,000人に関して、最初に議論いただいたということであります。
  • 遠藤委員 ちょっと話が変わりますけれども、35ページにホールボディカウンタの測定を書いていますけれども、ホールボディカウンタでは、ヨウ素131は全く検出されなかったかどうかお尋ねします。私、二十数年前ですか、チェルノブイリに旅行していた日本人数人ほどをホールボディカウンタではかりましたら、セシウムは検出されずに、一人からヨウ素131だけが検出されました。このホールボディカウンタで測定したのは、子供どもですか大人ですか、セシウムはもちろん検出されているんですけれども、ヨウ素131は検出されたかどうか、その値がどのぐらいの調査だったか、おわかりでしたらお教え下さい。
  • 栗原氏 いただいておりますホールボディのデータは、成人の方の実効線量分布だけなのですけれども、ヨウ素に関しては検出、全員されていないという状況です。
  • 長瀧座長 長崎大学の事故直後のホールボディカウンタの値もそうですか。
  • 栗原氏 すみません。環境省の委託事業で使いましたホールボディのデータに関しては、セシウムだけの実効線量分布になっています。
  • 遠藤委員 放医研には随分高感度のやつがありますよね、ホールボディカウンタが。それでやっても検出されなかったのですか。
  • 栗原氏 検出されていません。
  • 伴委員 多分、使ったのは福島県の膨大なデータですよね。ですから、測定は6月の末以降だったはずです。その時点ではヨウ素は検出できないというのが現実じゃないかと思います。
  • 長瀧座長 長崎大学のはもっと早い時期の測定でヨウ素が測定できていたと思いますが、後で調べて頂きます。
    だいぶ進行が遅れまして申し訳ありません。それじゃ、次のシミュレーションのところに移ります。
  • 桐生参事官 それでは、資料に基づいて、大気拡散シミュレーション等についてご説明させていただきたいと思います。
    資料1の37ページをご覧になっていただきたいと思います。この37ページは、この資料は昨年度の環境省が委託事業で行った資料のうちから、大気拡散シミュレーション関係の部分についての抜粋でございます。
    また、中身に入る前に少しめくっていただきまして、43ページからですけれども、これは環境省から放医研に委託してやった事業でございますけれども、その放医研から特にまたシミュレーション部分については、JAEAに再委託した形でやっておりまして、その資料の抜粋が43ページからでございます。お時間もないので、簡単に大きくシミュレーションに影響する要因を幾つかかいつまんで、ソースタームの問題、気象データの問題、また化学形・物理形、屋内・屋外の割合、甲状腺のアップテイクの割合、そういったことについて簡単にかいつまんでご説明させていただきたいと思います。
    まず、ソースタームでございますけれども、47ページをご覧になっていただきたいと思います。表でございますけれども、これがシミュレーションに使ったソースタームでございます。委託した当時の一番新しい情報を使ったというふうに聞いてございます。
    ヨウ素の放出を見てみますと、15乗オーダーのものが3月12日と14、15日に放出があるということがございます。また、Te-132につきましては、同じぐらいの桁数の放出が、やはり3月12日と14、15日と、そういった設定になってございます。
    気象データについては、詳細については私ども承知していないのですけれども、46ページをご覧になっていただくとスキームがございまして、その中でアメダスとドップラーソーダなどを使ったというふうに書いてございます。
    また、ヨウ素の化学形や屋内・屋外の比、また等価線量の係数につきましては、38ページをご覧になっていただきたいと思います。年齢別の呼吸量や、また先ほど栗原先生からご説明ありましたように、元素状と粒子状のヨウ素の比、また粒子状のヨウ素については吸収タイプのFを用いたというような資料がございます。また、屋内・屋外については、屋外に24時間いたという仮定で計算しているというふうに聞いております。また、ヨウ素の甲状腺のアップテイク、摂取率につきましてはICRPに基づいて3割、30%で計算したというふうに聞いております。
    以上がこのシミュレーションに基づいた主要なパラメータでございます。
    また、続きまして、52ページからでございますけれども、先ほどのヨウ素/セシウム比でございますけれども、これの設定につきまして、54ページをご覧になっていただきたいのですけれども、先ほど栗原先生からご説明がございましたように、飯舘村と川俣町のデータにつきまして、甲状腺の線量と摂取量のデータを対比させて、飯舘村については、ヨウ素/セシウム比が2~3ぐらい、また川俣については2~4ぐらいということで、そのデータからヨウ素/セシウム比を3として設定したというふうに理解しております。
    以上、事務局のほうから説明させていただきました。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    このシミュレーション、特に日本の場合は、昆布を食べるということが相当影響するということもあって、仮定の誤差が多くなりますけれども、それでもできるだけいろんな方法で仮定の測定をしたほうが良いと思います。何か、ご質問ございませんでしょうか。
  • 本間委員 これ、さっき栗原さんが、事業の中ではシミュレーションは基本的にベースとはしなかったというふうにおっしゃったので、私としては、最初に桐生さんが米国の参考資料で言われたように、線量再構成をシミュレーションでするというのは、ほとんど不確かさが大き過ぎて、僕は無理だというふうに思っています。だから、アメリカのあれでも、まずメジャメント、個人の測定をベースにしてやるというのが基本で、それが仮になかった場合には、環境中における測定データをベースにして推定するというのが基本で、せいぜいシミュレーションはヘルプフルというふうに書いてあったような位置づけだと思うのですが。
    ただ、さっきのところで、今回の中でシミュレーションを使われている部分というのが、いわき市と、いわき市は甲状腺のデータがありますからそれがメーンで。ですので、基本的にはこの自治体以外のところで何かしらのシミュレーションを補足的にお使いになったというふうに理解してよろしいでしょうか。
  • 栗原氏 そのとおりでございます。やむを得ずその実測データが全くない地域も存在していましたので、そこに関しては拡散シミュレーションの値を使っているということでございます。
    拡散シミュレーションによる精度検証に関しては、小児甲状腺からのスクリーニング検査から評価した線量分布と対比をさせたりとかということで、拡散シミュレーションのおおむねの精度を実測値の比較ということを一応試みでやっております。
  • 本間委員 あともう一つよろしいですか。先ほど言いましたように、甲状腺をダイレクトに測ったデータの不確実さ埋めるのがこのホールボディ、セシウムから推定した部分なのですが、そうなると、私が思うのは、これセシウムのホールボディのデータは結構後ですよね。時間的に後なのと、セシウムがどういうふうに取り込まれたかという経路として、吸入の部分と、それから食物、つまりホールボディで高いデータが出ている人の場合は、ある種食物で出ている可能性もないわけではないというふうに想定されますね。多分そのratioをベースにratioを出すときの仮定というのは、連続摂取のインハレーションからの寄与というふうに想定しているというふうに思ってよろしいですか。
  • 栗原氏 いただいたデータというのは、ホールボディに関しては、これは生データではなくて、既に評価された実効線量のデータです。これはもう福島県のほうで3月12日の急性摂取シナリオでやっておりますので、これは測定時期が遅めの方に関しては追加摂取の可能性というのは否定できないところがあります。ただ、そういったところをアボイトする意味で、95パーセンタイルとか99パーセンタイルではなくて90パーセンタイルを使ったと、そういうところでございます。
  • 本間委員 最後に一つだけ。その90パーセンタイルの値を使ったとおっしゃるのは、要するに、いろんなファクターの不確実解析のかわりに、そういうある種最適評価的なものをやって、その集団に関する90パーセンタイルはある種の不確実さを包含しているだろうと、そういうふうに理解してよろしいですか。
  • 栗原氏 全ての方々の線量を評価することが最終的な目標ではあるのですけれども、やはり、どうしても不確実性がある中での評価ですので、90パーセンタイルというそういう代表値的なところを推計することが去年できたことでございます。
  • 伴委員 すみません。ホールボディからの甲状腺線量の推定のときに、要はヨウ素/セシウム比を使っているわけですが、地表面沈着のデータでいくと、南側のほうがヨウ素/セシウム比が高くなっていると思うのですが、その点についてはどのように考えておられますか。
  • 栗原氏 ヨウ素/セシウムは、確かにおっしゃられるとおり、南のほうが高いということは存じ上げています。ただ、表面沈着量で見ると、北西方向が高いということになっていて、そこでの、例えば浪江町ですと、床次先生のデータがありますし、今回、飯舘村に関しては小児甲状腺データがありますし、そういったところで90パーセンタイルで30mSvというような推定結果を去年得られました。
    やはり、南の方向に関しては、小児甲状腺データ、いわき市にはあるのですが、さらにそれを補完する意味で拡散シミュレーションでも推計をしておりまして、これらを勘案して30mSvということで評価をしております。
    ただ、ご指摘のように、表面沈着量としては北西方向が高いのは確かなのですけれども、プルームの通過時期、時間、こういったものと行動調査を兼ね合わせて考える必要があると思っていまして、そこは課題だというふうに考えています。
  • 長瀧座長 ヨウ素とセシウムの比というと、時間によってどんどん変わってくるわけですよね。ホールボディで測定した時間がそれぞれの方でばらばらなのですが、それを全部補正した時間で比率を計算しているのですか。
  • 栗原氏 そういうことは昨年度できなかったので、生データをいただければ今後そういう展開、より事故初期に得られたようなホールボディのデータだけを抽出したりとかということができると思うので、今後、さらにそういう方向を検討していきたいと思っています。
  • 長瀧座長 どうしても最初ご説明があった直接はかった値を何とか少しでも信頼できるような格好にするということが大切な感じがしますので、先ほどご質問のありましたバックグラウンドに関してこの次ご報告いただいて、またこの次、議論するということでよろしゅうございますか。
  • 鈴木委員 甲状腺の直接測定した1,000人に関するホールボディカウンタのデータというのがあると、お互いの関連性が少しわかりますし、この直接摂取にしても、そのときの摂取比をどうするかというものが、北西方向と南方向でどう違っているのかと、そういうことのヒントになるのかと思うので、ぜひ、そういうデータを探し出していただきたいなと思います。
  • 長瀧座長 そうすると、宿題ばっかりで申しわけないのですが、そのバックグラウンドと、それからこの1,000人に関してのホールボディカウンタの値があればということと、そうなるとやっぱり行動記録の、特に早い時期の行動記録ですね。外部被ばく線量がかなり高い時期はヨウ素は多いですから、そこら辺に限った行動記録からの被ばく線量というのも、もし相関があるかどうか、そこら辺がわかると、またそれなりに強みがあると思いますので、ぜひ、よろしくお願いいたします。
    それでは、次に移らせていただきますが、事故初期の外部被ばく関係に移ります。
  • 桐生参事官 それでは、事故初期の外部被ばく関係ということで、お手元の資料1の56ページからご覧になっていただきたいと思います。
    56、57ページは、前回お示しした資料の新しい更新版でございます。前回の会議の翌日に福島県の検討委員会が開催されました。そのときの資料を添えております。傾向としては、大きく変わってございません。その測定方法について、58ページから資料を添えさせていただいております。これも福島県の県民健康管理調査でその基本調査はどういうふうにやっているかという資料で、過去の検討会で出されたものでございます。
    また、時間もございませんので、かいつまんでポイントとなるところをご説明していきたいというふうに思います。
    まず、61ページですけれども、線量率のマップの作成方法についてございます。上のほうのスライドについては、3月12日から14日までの線量絵図マップでございますけれども、簡単に言いますと、当時の保安院のソースタームを用いてスピーディの計算をもとにしているものでございます。メッシュについては、2㎞メッシュで作成しているということでございます。
    61ページの下でございますけれども、これは3月15日から7月11日まででございますけれども、文科省公表のモニタリングデータをもとに作成しているものでございまして、その中には文科省測定のデータのみならず福島県が測定したデータも含めて、計算しているということでございます。
    それ以外に関連するパラメータについてご説明いたしますと、1枚戻っていただきまして、59ページでございます。
    まず、遮へいの効果でございますけれども、59ページの上の資料にございますように、左側上の資料の右下にございますように、平家もしくは2階建ての木造については、15日以降は0.4というふうに計算しておりまして、それ以外に建物の構造等に合わせて計算しているということでございます。
    また、それ以外のパラメータで、62ページをご覧になっていただきたいと思います。
    これが、周辺線量当量から実効線量への換算係数でございますけれども、62ページの上のスライドの右下にございますように、それぞれの核種を計算して、最も保守的な値ということで0.6を採用しているということでございます。下のスライドには、小児への換算ということで、年齢に応じた補正を行っているところでございます。
    63ページの上、バックグラウンドの値でございますけれども、バックグラウンドの値については、空間線量率にして0.04μSvという値を採用してございます。
    以上のような設定で計算したということでございます。
    それ以降の資料については、行動パターンとの対比等で検証しているという資料でございます。
    続きまして、70ページをごらんになっていただきたいのですけれども、70ページが環境省の今年度の研究事業で行った事業の一つでございますけれども、京都大学の今中先生が飯舘村での被ばく線量の推計を行っているものでございます。これもポイントだけご説明いたしますけれども、80ページをご覧になっていただきたいと思います。
    80ページ上のスライドに県民健康管理調査との比較がございます。グラフの左側が県民健康管理調査で3,000人、平均3.6mSv。右側が今中先生の調査でございますけれども、平均7mSvということでございます。その違いについてですが、スライドの下にございますように、一つは使ったデータが違うということでございます。県民健康管理調査は線量モニタリングのデータを用いているのに対して、飯舘村のこの調査では土壌沈着のセシウムの放射能から計算しているということでございます。また、行動記録については、県民健康管理調査は時間単位で計算してございますけれども、今中先生のグループは1日単位でどこにいたという調査をしているということでございます。また、ちょっと細かいことですけれども、測定の期間が県民健康管理調査は7月11日まで、この調査では7月31日まで推計しているということでございます。
    それ以外のパラメータにつきましては、77ページに戻っていただきたいと思います。
    77ページの下のほうのスライドでございますけれども、まず、家屋による透過逓減係数については0.4を採用しているということ。また、屋内・屋外の比につきましては、8時間が屋外として計算しているということでございます。また、グレイ(Gy)からシーベルト(Sv)への換算値については、10歳未満は0.9、10歳以上は0.8ということで計算しているということでございます。以上のようなパラメータを用いて推計したということでございます。
    以上が今中先生の調査でございます。
    また、それに続きましての資料で84ページ以降につきましては、詳細についてはご説明しませんけれども、文部科学省が事故当初にやった航空機モニタリングの測定結果で、福島県外のデータについて添えさせていただいております。
    以上です。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    かなり急いでご説明いただきましたけれども、県民健康調査の基本調査はもう我々何度もいろいろ伺っておりますし、ホームページにも繰り返して出ておりますので、もう皆様ご存じのとおりだと思いますが、特にここで、行動調査による福島県の県民健康調査の基本調査の値について、何か専門家としてのご質問ございませんでしょうか。
  • 本間委員 私は、この外部被ばくの線量、実効線量で書かれているのですけれども、先ほど、今までの説明の中で甲状腺のインハレーションの初期の寄与の推定があったわけですけれども、じゃあ、その外部被ばく分は甲状腺についてどうなのかという評価が、ある意味ないんですよね。それほど大きくはないと思うのですけれども、特にプルーム寄与の外部被ばくの甲状腺寄与というのは、ヨウ素だけではないですから、ほかの核種、特に希ガスの寄与が大きいと思うんですけれども、それは希ガスの成分についての情報というのはないわけですね。一部ありますけれども。この県民調査の評価の中では、たしか15日以前は、先ほど桐生さんから説明があったように、線量マップをシミュレーションでの値で使っているのですが、これは本当に不確実さは大き過ぎるのです。
    つまり、炉内のソースタームの時系列変化をベースにしていますから、これを使うというのは非常に不確実さが大きい。ですが、外部被ばくの主な寄与は15日の汚染があった後のそれは空間線量を使っているというふうに、今のご説明では承知しますから、そういう意味では、他核種、沈着した成分について今中先生のと若干違うのは、多分初期における土壌沈着の短半減期核種の寄与が、今中先生の評価ですと大きく出ているのではないかというような感じが、僕はするのです。詳細に見ていませんけれども。
    やはり、どこかで甲状腺の外部被ばくの寄与をきちっと示しておくということが、僕は必要じゃないかと思うのですね。これは使えるわけで、ある意味、県民調査は実効線量を勘定していますから。特に、15日については汚染があったデータをベースにしていますから。それ以前のところは不確かさは大きいのですけれども、そこの部分のシミュレーションの結果というのは、少なくとも他核種について、ほかの核種についても考慮しているという点では、ある意味、使えるんじゃないかと。全体として、甲状腺の被ばくが、外と内からどういう寄与であったかということを知っておく必要性というのはあるのではないかというふうに考えます。
  • 長瀧座長 これはどなたにお願いすればいいですか。
  • 本間委員 本会議が線量を把握するというミッションがあるわけですから、このデータを本当は使えればいいのですが、これは福島県がやっているものですから、どういうふうに使えるのかというのは、私はちょっと承知しないのでよくわかりません。
  • 長瀧座長 わかりました。
    今中先生のほうとの区別はまた次に議論しますが、まず県民健康調査に関して、そのほかにご質問はないでしょうね。
    それでは、今中先生の結果がいきなり倍も違うというと、何があるのだろうという気になってしまいますけれども、そこはさっき事務局のほうからご説明いただきました幾つかの違いがありましたですね。その空間線量と地上の線量であるということと、それから屋内の遮へいの条件を、今中先生のほうは木造家屋一本に決めてしまったけれども、県民健康管理調査のほうはいろんな家屋を計算して、コンクリートに入れば特に少ないと。その二つと、それから期間がちょっと違うのと、もう一つ屋外に8時間いるという条件もそこへ入って、県民健康調査のほうはそれぞれの人の時間を屋外・屋内を分けて考えた。それだけの違いがあるということで、別にそれを考えれば、例えば8時間外に全民がいたということを考えれば、かなり被ばく線量が多くなるだろうということは、当然予想されますね。だから、特に何か、根本的に違いがあるというようにも思わないのですけれども、それでよろしいでしょうか。
    要するに、推定して8時間外にいるとか、それから。
  • 鈴木委員 多分、これは放医研のほうでデータを持っていると思うのですが、例えば飯舘だったら、実際に時間単位で行動調査をやっているわけなので、外部に何時間いたというような分布は出ますよね。その辺が今中先生と随分違ってきているのではないかと思うのですけれど。
  • 明石委員 放医研の明石でございます。実は私たち行動調査のデータは全く放医研は持っていません。これ全部県が管理していますので。我々も、ちょっと話は戻りますけれども、甲状腺の子どものも含めて、あれがどの程度県の子どもたちを代表しているのかどうか、いろいろ行動調査を合わせることでかなりのことが、知ることができるかなと思って、今、進めたいと思っていますが、残念ながら私どもは持っておりません。
  • 長瀧座長 ほかに。
  • 中村委員 この外部被ばくに関しましては、2年ほど前に、放医研で18パターンの行動調査をして結果が出されましたね。私は、その時の委員長をしていたからよく知っているのですが、もうあれでけりがついていると私は思っていたので、今どうしてこれがまた問題になっているのかは、私によくわからないのですが。
    それで、今中先生の出された報告結果を見て、以前の線量モニタリングデータに基づく外部被ばく線量評価結果と、今回の沈着放射能のサーベイ結果を用いた外部被ばく評価結果が、倍も違うということは、ちょっと考えられないなと私は思いますが。線量モニタリングの結果と沈着放射能の結果との関係というのは、文科省の環境放射能モニタリングの委員会で既にきちんと評価されておりますし、ですから、このような大きな違いはちょっと私には理解できないなという気がいたします。
    それと、屋内・屋外の滞在比率とか、屋内の遮へいによる線量低減効果は、たしかJAEAで実験や計算とかをされて、その値も出しておられまして、県民調査で使っておられるデータは、それに基づいていて、これは信用できる値だろうというふうに思います。ですから、今どうしてこれが問題になるのかなというのが、私にはよくわからないです。
  • 長瀧座長 そうすると、県民健康調査の基本調査でよろしいではないかと、そういう印象ですね。
  • 中村委員 と私は思います。
  • 長瀧座長 わかりました。それでは外部被ばくのほうはそこまでにしまして、あとは、まだ県民健康管理調査が何%までできたか伺いたいと思います。4分の1でしょうか。質問を簡単にしたら進むのでしょうか。それとも記憶をどれぐらい今思い出して正確なことができるか。
  • 明石委員 私も福島県「県民健康管理調査」検討委員会のメンバーですが、今行われているのは、線量についてはもう記憶がかなり曖昧になっているといっている部分は、簡易調査と少し、要するに質問票を簡略化したものと、それからそうでないものを比較して、それほど大きな差は出ていないということで、できる限り細かいことというよりも、覚えていることだけを拾えるような調査にすることで、できるだけ多くの方々に参加していただけるようにしております。
  • 長瀧座長 原爆のときは調査員が行って、大事なところは調査員が記入したのが、今でも全部残っているのですけれども、なかなかあれだけの量を個人で書くとすると大変だなというような印象があります。しかし、実際に扱った範囲では、相当に計算に耐え得るアンケートの結果だったわけですね。
    わかりました。ありがとうございました。
    どうしましょうか。時間の関係で、環境省の調査事業等がありますが、次回ということですね。そうしたら、その次の健康管理調査のデータの一元化に関しては、どうしましょう。
  • 桐生参事官 簡単に説明させていただきますけれども、次回またご議論いただければというふうに思います。
    ただ、今までの議論で若干補足させていただいてよろしいでしょうか。
    前回の議論で、委員からのヨウ素129からの土壌沈着推計をやっているものがあるのではないかというご指摘がございましたけれども、参考資料1のほうに用意させていただいております。参考資料の後ろのほうにございますけれども、通し番号で162ページ、2分割で恐縮ですけれど、162ページを覧になっていただきたいと思います。学習院大学の村松先生のグループでやられているものでございます。
    簡単に図だけご説明しますと、また1枚めくっていただきまして、165、166ページにヨウ素129からの推計したマップがございます。重ね合わせて166ページのものがそのグラフでございますけれども、やはりセシウムと違って、北西方向だけでなくて南のほうも少し北西方向に似たような傾向の濃度のものがあるということでございます。
    合わせて、関連の情報ということで補足させていただきますけれども、ページを戻っていただきまして、158ページをご覧になっていただきたいと思います。これはヨウ素129ではないのですけれども、JAEAの鳥居先生の論文でございますけれども、事故初期に行われた航空機モニタリングの結果から、スペクトル解析をし直しまして、それからヨウ素131の沈着量を推計しているものでございます。115ページにグラフがございますけれども、比較的大ざっぱに見ると、同じような傾向になっているのではないかというような地図になってございます。以上、補足させていただきました。
    続きまして、資料2についてご説明させていただきたいと思います。2枚の紙でございますけれども、県民健康管理調査データ管理システムということについての資料でございます。
    県民健康管理調査のデータ、これも検討委員会で出された資料でございます。県民健康管理調査を中心にそれ以外の情報も合わせて管理しているようなシステムのスキームがございますけれども、めくっていただいて3ページにそのデータベースがございます。基本調査のデータに加えて県民健康管理調査の詳細調査のデータ、また個人線量計のデータやホールボディカウンタのデータ、そういったものも含めてのデータ管理をしていくようなシステムの構築を検討しているということでございます。
    以上、簡単ですけれども説明させていただきました。
  • 長瀧座長 これは補足に相当するところですね。前回、第1回の説明の。これに関して、今のご説明に関してご質問ございませんでしょうか。
    たくさんあるので、時間との戦いみたいな感じがしないでも。ただ、議論は十分にしていただきたいと思っておりますが。
    そうすると、今この進行からいうと、こちらへ入ってもいいのかな。それでは、一つ飛ばしましたので、次に、石川委員から提出資料がございますので、ご説明いただけますでしょうか。
  • 石川委員 今日のお話とは関連が余りないかもしれませんけれども、前回の私が提示しました内容とちょっと関連する資料でございます。
    私どもは、実際に実地医家として国民の健康といろいろ予防のこともやっているわけなんですけれども、国の実施主体となって、例えばこういう今回の事故による健康管理というふうなことをいえば、例えば日本ではこういう母子保健法あるいは児童福祉法、そういったもので乳児のところからの健診、そして学校保健安全法というので児童・生徒の健診、それから労働安全法、それから高齢者医療確保、こういった形で年齢に応じていろいろな健診があって、それを例えば私たちが今主張していますように、この被災に関係した人々に対して、少し項目を加えることによって、長い間のいろいろな健診ということについて、国が一定の関与をしながら一元的に実施することができるということを、こういうことで提示したいというふうに考えております。ですから、私たちは長い間の健康管理ということを、今回、関連する人々に対してはするべきだという観点から、こういうことを提示しております。
    以上です。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    ご質問はお受けしてもよろしいのですが、またこの次のときに、先生、生かしていただくということでよろしゅうございますか。
    それでは、その次にもう一つご提案がございました。春日委員のご提案の学術会議からのご報告、よろしくお願いいたします。
  • 春日委員 前回、何人かの委員の先生方もご指摘されましたように、被ばくデータあるいは汚染データにいろいろな研究所あるいは研究者がかかわっていらっしゃいます。それらの情報、データをなるべく一元的に管理することが必要という、そういうご指摘がありました。
    それに関連して、学術会議でもそれが必要であるという提言を出しましたということをご紹介したものですから、今回、これがそうですということで参考資料とさせていただきました。
    1枚めくっていただいて、左側の下、提言の5というものがそれに当たります。政府としてデータの迅速かつ着実な収集の仕組み、また、それらを多くの研究者が利用・分析可能な標準化された様式で提供する、そういう公的な仕組みを確立すべきであるという、そういうことを提言しております。
    また、本日、シミュレーションにも限界があるというご指摘で、そのとおりとは思いますけれども、気象関係の研究者、またモデリング関係の研究者もこの提言作成にかかわっておりますので、例えば34ページ以降の参考資料で、いろいろな分析がありますということを例示したり、それから、そういうことも含めて9ページや13ページに、ちょっと見にくいのですけれども図を書きまして、人の被ばくに至るまでには環境中での放射性物質の多様な移行を総合的に考えて、人に至る経路も空間的・時間的にいろいろな経路を総合的に考える必要があるということを、ご指摘しました。
    人での実測データというのは大変重要ですけれども、あくまでもある時点で、ある指標での測定値であるという、そういう限界は伴います。ですので、さまざまな情報を総合的に組み合わせることが重要だというふうに指摘させていただきました。
    最後に、今、日本医師会の石川委員からご指摘がありましたけれども、学術会議の提言の1としても、被ばくを受けた可能性のある人たちに対しては、十分な長期にわたる健康管理が必要だと、またそれに対して速やかな医療体制も整えるべきということも提言していることも添えさせていただきます。
    以上です。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    ずっと、いろいろと参考にさせていただきますが、先生、今日の議論に関しましてご発言ございますか。
  • 春日委員 どちらかというと、次回以降の議論につながるかもしれませんけれども、現時点でもなおいろいろな研究者、いろいろな分野の研究者が、これからの測定、またこれまでの測定値の新たな解析に取り組んでいます。そういうものを常にアップデートして、人の健康評価というものも考え続けていくということが必要かと思います。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    県外の評価を、時間もありますので、県外の外部被ばくもちょっとご説明いただけますか。
  • 桐生参事官 そうしましたら、また資料1をごらんになっていただきたいと思います。ページにいたしまして、後半でございますけれども、84ページからでございます。
    84ページから、文部科学省の福島近隣県の航空機モニタリングの測定結果ということの資料を添えさせていただいております。
    これは、例えば84ページの宮城県については、6月21日に発表したデータでございまして、ページをめくっていただくと、86ページにその宮城県のデータがございます。おおむね青い地域がございますけれども、宮城県の場合、一番南側の丸森町や白石市、そのあたり、南のほうで少し薄緑色の地域がございます。同じように見ていきますと、90ページには茨城県のマップでございますし、93ページ、栃木県のマップでございます。97ページには千葉県のマップを提出させていただいております。線量としては、ここに書いてあるような線量のデータが観察されているということでございます。
    また、ちょっと飛びますけれども、参考資料のほうをご覧になっていただきたいのですけれども、前回も隣接県の有識者会議の結果がございますけれども、例えば参考資料1の175ページには栃木県の報告書がございます。177ページの右側に結果がございますけれども、例えば栃木県の場合には、ほかのデータなども総合して被ばく線量を推計しているところでございます。177ページの下のほうで、例えば県央部では0.3~0.6mSv、1年間の積算線量。県北部では1.6~2.0mSv、そういった推計を出しているところでございます。
    以上、事務局のほうから説明させていただきました。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    第1回のときに、それぞれの県の報告書も一緒に拝見いたしましたし、担当の先生のご意見をいただきました。特にこの県外について、ここで今日お話をいただくことはございませんか。
    それでは、あと10分ございます。あと、事務局は5分ぐらいとればいいですか、最後に。そうすると、5分間、時間があります。どの分野でも結構でございます。どうぞ、気になるところがございましたら、何でも。
    先に宿題だけあげますと、バックグラウンドの件が一つと、それから甲状腺の直接測定を外部被ばくとの関係でどう見るかとか。それでいいですか、やっぱり今日の一番の議題は、一番信頼されるべき甲状腺の直接の測定値をどう生かすか、今後にですね。それが一番の問題でして、そのバックグラウンドの関係も後で出てきますけれども、低いところは、バックグラウンドと余り差のないところは信用できないかもしれないけれども、どんなに見ても50mSvに相当する0.1μSv/hぐらいのレベルにおいては、十分に信頼できる、あるいはそれ以上のものがなかったということは信頼できると、そんな風の印象でお聞きしましたけれども、特にその点についてご意見ございましたら、どうぞ。
    甲状腺のヨウ素131摂取は、一般的には、私が聞く範囲でありますけれども、そんなに信用できるものではないという気持ちの方が多いものですから、特にこの専門家の目で見たときに、どのレベルにあるということをはっきりさせたいと思いますので、宿題としてここの点はこの次に議論するということがございましたら、それでも結構なのですけれども、ご意見ございませんか。
  • 石川委員 すみません、ちょっと教えていただきたいのですけれども、今各県について提示されたんですけれども、これはちょっと詳細に私まだ読んでいないのですけれども、これをもって結論というのはどういうふうな、要約するとどんなふうな感じなのでしょうか。福島以外のところでの放射線量の測定ということについては、どんなことが言えるということを言いたかったのかしら、これ。ちょっと教えいただきたい。
  • 長瀧座長 一応、その線量が出て、各県のさきの検討委員会の結論もまとめてありますし、この前一応伺った範囲ですね。先生のご質問は。
  • 石川委員 そうすると、事実としてはこういうふうな形でということで、ここからスタートしていろいろ考えろということですね。
  • 長瀧座長 はい。それと、各県の検討委員会として、対策に関してのそれぞれの委員会の結論がございますので、それはそれとしてこの間伺ったところです。
  • 石川委員 わかりました。
  • 長瀧座長 よろしいでしょうか。
  • 春日委員 今日の委員会で、初期のヨウ素による被ばくの評価はできたとは思うのですけれども、それを逆に展開しますと、初期のプルームが通ったところでこのくらいの被ばくがあったということを評価したことになると思います。
    それで、例えば先ほどご提供した学術会議の報告書の37ページを見ていただくと、これは一つの情報ですけれども、ほかにもプルームが通った場所があるわけですね。今回は福島県内で直接甲状腺の検査をした方々、あるいはそのシミュレーションのデータを含めて評価したわけですが、同じ程度の、あるいは程度が違うにしても、プルームが通ったところは福島県外でも同じくらいの被ばくがあったということの評価につながるのでしょうか。
  • 長瀧座長 いえ、それは言えない。データがないから。今あるものだけを徹底的に議論しましょうというお話でして、今少なくともこれ以外に131をはかったものはないわけです。ですから、ほかの県でどうだったかと言われても、それはわかりません。
  • 本間委員 それは、プルームが通過したから大きな被ばくがあるというわけではなくて、それはレベルの問題で、その基本的なデータとしては、先ほどどこかで事務局からご説明があったように、少なくともヨウ素、セシウムについては十分な土壌中濃度の分布というのがあるわけですけれども、それのデータの検出限界以下のところは、そういう意味では非常に小さいわけですから、シミュレーションでプルームが通過したからといって、今ここで議論したようなヨウ素の線量レベルであったということはあり得ないというふうに思います。
  • 春日委員 もちろん量的な換算は必要だと思いますけれども。
  • 長瀧座長 ここは専門家会議ですから、健康にほとんどもう影響がないと、科学的にないというのは非常に難しい、言えないことなのですけれども、非常にリスクが少ないところを問題にして、それだけを議論するのではなくて、専門家会議ですから、そのリスクがどれぐらいかということも含めて議論するのが目的だと思います。そういう意味では、今、本間先生のお話にありましたように、他の県は測っていないとしても、その程度は客観的な状況、セシウムの量からいって、同じようなプルームは通ったかもしれないけれども、プルームが通っただけで地上に落ちなかったということもあるかもしれないけれども、それは実際に測定された線量のデータからいって、余り考える必要はないということでよろしいですか。
    他にございませんでしょうか。なければ、事務局に渡してよろしゅうございますか。
  • 桐生参事官 どうもありがとうございました。
    資料で説明を落としておりましたけれども、資料3がございます。資料3は前回の委員からのご指摘で、子供の健康診査のデータ等について何かありますかというご指摘がございましたけれども、前回の会議の翌日の福島県民健康管理調査の検討委員会で、健康診査の調査結果について出されましたので、それを添えさせていただきました。時間もございませんし、健康診査の関係なので、また次回か次々回以降で議論いただければというふうに思っておりますので、紹介だけにとどめさせていただきます。
    それでは、本日、ご議論ありがとうございました。事務局からの事務連絡等をさせていただきたいと思います。次回の日程については、まだこれから調整させていただいて、ご連絡したいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
    また、次回からは、委員以外の専門家や地元の方の意見なども、お呼びして聞きながら、議論を進めていきたいというふうに思っておりますので、ご了解いただきたいと思います。
    また、本日の議事概要及び議事録についても、後日公開させていただきます。事務局からその案を送りますので、後日ご確認をお願いしたいと思います。
    事務局からは以上でございます。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    それでは、ちょうど時間になりましたので、本日の東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議は閉会とさせていただきます。
    どうもありがとうございました。
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