保健・化学物質対策

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 第1回議事録

日時

平成25年11月11日(月)

場所

東京都内(イイノカンファレンスセンター Room B)

議事次第

  1. 開会
  2. 環境副大臣挨拶
  3. 委員紹介
  4. 議事
    1. (1)座長選出について
    2. (2)福島第一原子力発電所事故後の線量把握、健康管理について
    3. (3)福島第一原子力発電所事故後の放射線による健康影響に関する評価等について
    4. (4)その他
  5. 環境大臣政務官挨拶
  6. 閉会
  • 桐生参事官 おはようございます。本日はお忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。定刻より若干早いですけれども、委員の皆様方が全員おそろいですので、開始させていただきたいと思います。
    それでは、ただいまから第1回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門会議を開催いたします。
    本日は第1回目ですので、座長が選出されるまでの間、事務局にて議事を進行させていただきます。
    また、カメラによる撮影につきましては、会議の冒頭挨拶部分に限らせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
    それでは、まず、井上環境副大臣より開会のご挨拶をいただきます。お願いいたします。
  • 井上副大臣 おはようございます。環境副大臣の井上信治でございます。
    本日は、委員の先生方には、大変お忙しいところ、ご出席をいただきまして感謝を申し上げます。
    本日、11月11日ですけれども、あの原発事故からちょうど2年8カ月がたちました。私も福島にお伺いをするたびに、多くの方々が放射線への健康不安を抱えておられるということを強く実感をしております。放射線による健康影響については、何が一体本当なのか、よくわからないと言われております。しかし、既に科学的知見により明らかになっていること、また、健康管理調査で徐々にわかってきたことも多くあります。それらをきちんと正確に国民にお伝えをするのは、国の責任でもあります。
    そこで、子ども・被災者支援法に基づき、改めて、国としてさまざまな科学的知見や調査結果を整理し、被ばく線量の把握をいかにしていくか、必要な検診はどのようなものか、また、医療費の減免が必要と考えられる範囲についても、医学的な見地から専門的に検討をすることが重要と考えております。
    今後、この会議を一、二カ月に1回程度開催をし、委員の先生方には自由闊達なご議論をいただきまして、できましたら来年度の初めころには健康管理政策の進め方についての方針を取りまとめていただきたいと考えております。いろいろとお手数をかけますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 桐生参事官 ありがとうございました。
    なお、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
    それでは、簡単に資料の確認をさせていただきたいと思いますけれども、お手元の議事次第の下のほうに資料の一覧がございます。お時間もないので、一つ一つの確認はしませんけれども、大きく三つの構成になってございます。一つは、メーンの資料で資料1から資料3、枝番もついてございます。二つ目の種類が、議事次第の裏のページになりますけれども、委員からの提出資料ということで、石川委員からの提出の資料が1枚ございます。それと、3番目は参考資料ということで、参考の1から7までございます。もし過不足等あれば、事務局のほうまで言っていただければと思います。
    続きまして、委員の紹介でございますけれども、時間の都合もございますので、各委員の先生方の紹介については、委員の名簿を事務局のほうから読み上げて、かえさせていただきたいと思います。
    本日は全員出席でございます。
  • 事務局 それでは、あいうえお順で読ませていただきます。
    明石真言独立行政法人放射線医学総合研究所理事。
    それから、阿部正文公立大学法人福島県立医科大学理事兼副学長。
    荒井泰明独立行政法人国立がん研究センター中央病院病院長。
    石川広己公益社団法人日本医師会常任理事。
    遠藤啓吾京都医療科学大学学長。
    大久保一郎国立大学法人筑波大学大学院保険医療政策分野教授。
    春日文子国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長、日本学術会議副会長。
    佐々木康人医療法人日高病院腫瘍センター特別顧問。
    宍戸文男国立大学法人福島県立医科大学医学部放射線医学講座教授。
    清水一雄日本医科大学付属病院内分泌外科主任教授。
    鈴木元国際医療福祉大学クリニック院長。
    祖父江友孝国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科環境医学教授。
    長瀧重信国立大学法人長崎大学名誉教授。
    中村尚司国立大学法人東北大学名誉教授。
    丹羽太貫国立大学法人福島県立医科大学理事長付特命教授。
    伴信彦東京医療保健大学大学院看護学研究科教授。
    本間俊充独立行政法人日本原子力研究開発機構安全研究センター長。
    次に、環境省職員の紹介をさせていただきます。
    井上環境副大臣。
    浮島環境大臣政務官。
    塚原太郎環境保健部長。
    桐生康生放射線健康管理担当参事官。
    前田彰久参事官補佐。
    清水智参事官補佐。
  • 桐生参事官 それでは、議事に入りたいと思います。
    まず、議題(1)の座長の選出について、でございますけれども、資料の1-1をご覧になっていただきたいと思います。開催要綱でございます。
    選出の前に、まず、簡単にこの開催要綱について、趣旨等を説明させていただきたいと思います。
    今般の原発の事故に伴って、健康管理のあり方ということでございますけれども、1.趣旨の(2)にございますように、子ども・被災者支援法の策定、また、先月にその基本方針が作成されたところでございますけれども、これらを踏まえて線量の評価、または健康管理、医療に関する施策のあり方を専門的な観点から検討するということでございます。
    3.検討内容でございますけれども、先ほど井上副大臣からの挨拶にもございましたように、(1)につきましては、被ばく線量の把握や評価に関すること、(2)につきましては、健康管理、特に健康診査や健康調査、そういったことをどういうふうにするべきか、また、(3)の医療に関する施策のあり方についての議論をしていただきたいというふうに思っているところでございます。
    座長の選任でございますけれども、規定によりまして、委員の互選によって選定するということになってございます。
    どなたか推薦などはございませんでしょうか。
    では、遠藤委員、お願いします。
  • 遠藤委員 長瀧重信先生を推薦いたします。経験が深いと思いますし、長瀧先生が適任ではないかと思って、推薦いたします。
  • 桐生参事官 ありがとうございます。
    そのほか、何かどなたかの推薦等はございませんでしょうか。
    特段、他の推薦もございませんが、長瀧委員でよろしいでしょうか。
    (異議なし)
  • 桐生参事官 ありがとうございます。
    それでは、長瀧委員を座長とさせていただきますので、よろしくお願いします。
    では、長瀧先生、座長席にお移りをお願いします。
  • 長瀧座長 先ほどから委員のご紹介を伺っておりますと、本当にどの委員も座長になってもおかしくないような、本当に立派な専門家の集まりだということを改めて認識いたしました。
    ご指名でございますので、座長としてこの席に座りますが、副大臣からもご説明がございました3つの検討内容につきまして、委員の皆様のご協力を心からお願いいたします。
    まず、要綱によりまして、あらかじめ代行する者を指名するということになっておりますので、放射線医学分野で精通しておられる明石委員を指名したいと思います。明石委員、よろしいでしょうか。
  • 明石委員 はい。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
    それでは、議事を進めます。
    議題(2)の福島第一原子力発電所事故後の線量把握、健康管理について、事務局からご説明をいただきます。よろしくお願いいたします。
  • 桐生参事官 それでは、資料2-1と2-2、2-3についてご説明させていただきたいと思います。
    まず、2-1、被ばく線量について、でございます。資料2-1をお手元にご用意願いたいと思います。今回の原発事故の住民の被ばく線量についての資料を用意させていただいたところでございます。
    3ページに簡単に全体像を書いてございますけれども、このようなことをちょっと頭に入れながら、まず、初期の被ばく線量の推計からご説明させていただきたいと思います。時間がないので、簡単にポイントだけの説明とさせていただきたいと思いますが、ご了解いただければと思います。
    まず、資料の4ページをご覧になっていただきたいのですが、小児の甲状腺の被ばく調査に関する結果でございます。事故発災直後の3月下旬に約1,000人の方に対して頸部、甲状腺の部分について、サーベイメーターを当てて線量を測定した調査の結果でございます。
    結果を簡単にご説明しますけれども、6ページをご覧になっていただきたいと思います。6ページの横軸にμSv/hという線量、縦軸に人数のグラフがございますけれども、この0.1μSv/hという横軸がございますけれども、この数字の意味するところですけれども、1歳児の甲状腺の等価線量100mSvに相当するのがおよそ0.2μSv/hということですので、0.1μSv/h、およそ50mSv相当のところがこの軸になってございます。
    続きまして、次の資料でございますけど、7ページでございますけれども、これは事故初期のヨウ素等の短半減期の内部被ばくの線量評価、昨年度の環境省からの委託事業で行った推計事業でございます。結果について簡単に、8ページでございますけれども、各地域に、市町村ごとに1歳児と成人の線量の推計値がございます。この数字は90パーセントタイル値を用いてございますけれども、およそ10mSvから30mSv、90パーセントタイル値でそのぐらいの被ばく線量の推計をしたところでございます。
    続きまして、資料2-1-3でございますけれども、県民健康管理調査の基本調査、行動記録等に基づく外部被ばく線量の推計でございます。
    これも簡単に、10ページの下にグラフがございますけれども、こちらのほうのグラフ、横軸がやはり線量、縦軸が人数になってございます。およそ99.8%の方の被ばく線量が5mSv未満という数字になってございます。
    また、若干地域別で、1枚戻っていただきまして、9ページでございます。地域別になっている表でございますけれども、ここの原発サイトのあった相双地区、相馬・双葉地区でございますけれども、ここにおきましては、やはり線量の高い方が、10mSvを超えたりする方も何十人かございますけれども、およそその相双地域でも98%の方は5mSv未満という推計になってございます。
    続きまして、11ページ、12ページでございますけれども、個人線量計による被ばく線量測定でございます。これは福島県の市町村への補助事業ということで、23年度、24年度、主に子どもや妊婦を中心に個人線量計を配布して測定してございますけれども、その結果、公表されているデータ等を表にしたものでございます。右側に年間の個人線量に当てはめた場合の線量を書いてございますけれども、ここに書いているような値、1mSv以下の地域がほとんどということでございます。
    12ページの24年度のデータについても、少し減少していますが、ほぼ同じような数値ということの結果になってございます。これは年間の個人線量に換算したものの平均値でございます。
    続きまして、13ページ、資料2-1-5でございますけれども、ホールボディカウンターによる内部被ばく検査でございます。これは福島県が実施しているホールボディカウンターの検査をまとめたものでございます。実施時期からヨウ素は既にほとんど検出されていませんので、主にセシウムの値でございますけれども、この表の下にございますように、トータルで15万人を超える検査者さんに対して検査を行っておりまして、ほとんどの方は、ほぼ大部分、20数名を除くと1mSv未満の内部被ばくということでございます。
    14ページ以降は補足でございますけれども、15ページ、16ページには厚労省が調査しているマーケットバスケット方式と陰膳調査による内部被ばくのセシウムの推計値がございますので、これも参考にしていただければと思います。
    あと、17ページ、資料2-1-7でございますが、その他の被ばく線量関係の資料、詳細についてはございませんけれども、一覧として参考に添えさせていただいたところでございます。
    以上が資料2-1について、被ばく線量についての概要についてまとめたものでございます。
    続いて、説明よろしいでしょうか。
    続きまして、資料の2-2についてご説明させていただきたいと思います。
    この資料については、健康管理、特に福島県民健康管理調査についての資料でございますけれども、県が実施主体になっておりまして、資料を1枚めくっていただいて、2ページをご覧になっていただきたいと思います。
    これがその概要でございますが、左側の線量を把握する基本調査と、右側にございます健康状態を把握する詳細調査と、大きく二つ分かれてございます。線量を把握する基本調査については、先ほど被ばく線量のところでご説明しましたので、ここでは右側の詳細調査、具体的には4調査ございますけれども、甲状腺検査と健康診査とこころの健康度等の調査、妊産婦に関する調査、その四つがございますので、それについて、またごくごくかいつまんで説明させていただきたいと思います。
    3ページでございますけれども、甲状腺の超音波検査でございます。事故当時に18歳までの福島県民の方、約36万人に対して、事故発災から3年以内、今年度中を目途に、先行調査として一巡するという計画で進めているところでございます。検査の判定結果の基準について、B判定、C判定については、要精密検査ということでございまして、A判定については、異常なしでございますけれども、それをさらに細かくA1とA2に分けて、小さな結節やのう胞がある方はA2という判定をしているという基準でございます。
    次のページ、4ページは実施状況でございますけれども、県内で検査を受けた方が今年の7月末までで約21万人、県外で3,000人の方が実施しているということでございます。
    次の5ページでございますけれども、これがその検査結果でございます。ちょっと見にくいですけれども、縦に判定結果、横に年度別の集計になってございます。今までに約19万人の方が検査をしておりまして、そのうち、A2の方が44%、つまり5ミリ以下の結節や20ミリ以下ののう胞の方が44%、Bの判定の方が0.7%ということになっております。そのBの判定、精密検査の結果でございますけれども、下のほうにございますけれども、まだ検査の途中でございますので、例えば、平成23年度を見ていただくと、一次検査実施対象者4万人のうちの二次検査の対象になった方が214名、そのうち、検査を実施した方が174名、81%でございまして、そのうちの9名の方が甲状腺がんと診断されているということでございます。
    続きまして、6ページ目をご覧になっていただきたいと思います。詳細調査の2番目の健康診査でございますけれども、これにつきましては、既存の健康診査、住民健診や職域の健診、学校健診等、そういった健診を活用して、それに避難対象区域の方々については、上乗せ検査を実施するということでやっているところでございます。下のほうにあるような検査について、上乗せ検査を実施しているところでございます。
    その結果が次のページの7ページでございますけれども、一般の生活習慣の指標でございます。ここではBMIと腹囲ということを出してございますけれども、簡単にご説明すると、事故後の平成23年度については、その指標の値は少し高い値を示していて、24年度には少し改善傾向を示しているというような状況が見てとれるかと思います。
    次のページ、8ページをご覧になっていただきたいと思います。これは空腹時血糖や尿糖、HbA1cといった糖尿病関連の指標でございますけども、傾向としては先ほどの肥満等の指標と同様に、23年度、やや所見が上昇して、その後、24年度は若干改善傾向が見られるというような傾向になってございます。
    その次の9ページ、LDLや中性脂質といった高脂血症関係の指標でございますけれども、やはり同様な傾向が見てとれる傾向になってございます。
    10ページの肝機能異常の所見についても、ここに参考に挙げさせていただいてございます。
    次のページ、11ページでございますけれども、その検査結果のまとめを載せたものでございますが、ここに書いているような所見が示されているということでございます。
    12ページからは、こころの健康度と生活習慣に関する調査ということでございます。これも対象者は避難区域にいらっしゃった方々を対象にして、郵送法による調査を行ってございますけれども、ちょっと簡単に結果をご説明しますと、13ページにございます。子どもと大人のこころの健康度の指標となるようなSDQやK6、PCLというような指標がございますが、いずれも全国的な値と比べると高い傾向が見られたということでございます。
    14ページからは、妊産婦に関する調査ということでございます。こちらについても、事故当時の妊産婦に対しての調査を行ってございますけれども、結果でございますけれども、流産の割合や中絶の割合は前年度と変わらなかったこと、また、早産の割合は5.86%で前年度より若干高かったこと、あと、先天奇形等については、一般的な発見率とほぼ同様であったというようなこと、また、メンタルヘルスの関係では、鬱傾向が全国に比べると高い傾向を示しているということでございます。
    以上、資料2-2についてご説明させていただきました。
    続きまして、資料2-3でございますけれども、近隣県における健康影響に関する検討状況ということでございます。こちらについては、1枚で福島の近隣県4県について概要をまとめてございまして、資料2-3-1以降で報告書等を参考に添えさせていただいておりますけれども、いずれの県においても、特段の健康調査等の必要性はないというような結果が出ているところでございます。
    以上、資料2-1から2-3までご説明させていただきました。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    非常にたくさんの資料を短い時間で要領よくご説明いただきました。最初のご説明が被ばく線量についてでありまして、これは被ばく線量推計の全体像というところですね、3ページですが、最初の2-1の3ページにまとめてありまして、ここで外部被ばく線量として県民健康管理調査、個人線量計、ガラスバッチ、それからホールボディカウンターによる内部被ばく、これが今ご説明いただいた概要でありますし、2-2としては、県民健康管理調査に関しましては、資料2-2のすぐ下に一覧表になっておりますので、ある程度これでおわかりいただけるかと思います。それから、2-3に関しましては、2-3の最初のページに岩手県、宮城県、栃木県、群馬県と並んでおります。資料は前もって送付されておりますので、皆様、読んできていただいたということでお話を進めさせていただきます。
    最初に、県民健康管理調査についてのお話につきまして、福島県立医大にはいろいろとご尽力いただいていますので、阿部委員と、それから、今度は周辺の栃木県について、鈴木委員が関係しておられますので、何か特別に加えることがございましたら、どうぞ。
  • 阿部委員 福島県立医科大学の阿部と申します。
    最初の基本調査のところで、外部被ばく線量の評価のところですが、先ほど説明がありましたとおり、大体、今、約48万人の方から回答がございまして、回答率でいえば23.4~23.5%ぐらいということで、なかなか回答率が上がらないという状況でございます。従来の問診票ですと1時間ごとの行動記録をもとにして回答していただいたのですが、今回簡易版を作成しまして避難等により移動されていない方を対象として、行動パターンをもとにした書きやすい問診票を作成しました。これは現在、前回の県の検討委員会のほうでお認めいただきまして、今現在、印刷をして、12月中には発送したいというふうに考えております。
    それから、甲状腺検査のところですが、甲状腺検査の二次検査の結果集計につきまして、今まで公表されたデータの一部に誤りがあったということがありまして、これは対象者の皆様、それから県民の皆様、関係者の皆様に大変ご心配、ご迷惑をかけたということで、先週、記者会見をして謝罪をしたというところです。ただ、二次検査の個々の対象者の内容、診断等については、全く適正に行われておりまして、特に問題はないということで、集計上のミスが少しあったということを報告させていただきます。
    それから最後になりますけれども、この健康診査でありますが、これは、現在、13市町村等に個別に解析をいたしまして、そのデータをお返ししております。その市町村がそのデータをもとにして健康の改善、あるいは健康の増進につながるような施策をするという形になっております。
    以上でございます。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。鈴木委員は何かございますか。
  • 鈴木委員 栃木のほうでも有識者会議というものを立ち上げまして、リスクコミュニケーション等をやってまいりました。一番中心に置いたのは、やはり行政に対する不信が強くて、県民一人一人がどのぐらいの被ばくを受けているかということに対して不信感がありました。そういうことで被ばく線量を見える形にしようということで、ガラスバッチとか、あるいは食品から給食、ホールボディカウンター、そういうような調査をして住民にデータを公開し、そして、リスクコミュニケーションを繰り返すというような作業をやってまいりました。そういう作業で大分、栃木は安心してもらえたのではないかと思っています。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    まだ大分、残りの資料がございますけれども、今ここでとりあえずのご質問がございましたら。主に2-1、2-2ですね、被ばく線量と健康管理について、ご質問がございましたら、どうぞ。
  • 春日委員 春日でございます。
    福島県の県民健康管理調査につきましては、私も委員として参加させていただいているので、概要は承知しているところですけれども、この今回の環境省の会議で、最初の副大臣からのご説明にもありましたように、子ども・被災者支援法に関係しての審議が行われるということなので、子どもの健康影響により注目した影響があるのかなというふうに思ったのですが、先ほどのご説明の中で、福島県の健康管理のまとめの中で、せっかく子どもたちに対する調査、6ページですね、ここの項目を挙げていただいたにもかかわらず、その結果についてのご説明がちょっとなかったようなので、聞き逃しでしたら申し訳ないんですが、そこを説明いただければというふうに思います。
    それから、近隣の県の結果について、概略をご報告いただいたわけですが、やはり現時点での個人被ばく線量の把握ですとか、それから食品の検査は、もう本当にレベルは低いものと思いますが、そこの結果をお示しいただくだけではなくて、やはり初期のプルームが通ったときの被ばく結果を住民は危惧しているのではないかと思うので、それも踏まえた総合的な結果として健康調査の必要がないと、結論された経緯について、簡単にご説明いただければと思います。
  • 長瀧座長 事務局、どうぞ。
  • 前田補佐 参事官室でございます。三つほど質問がございましたので、事務局から、簡単にご案内をさせていただきたいと思います。
    まず、この会の趣旨、改めてご説明をいたしますと、資料の1-2の一番最後のページでございますが、子ども・被災者支援法の抜粋でございますけれども、そちらの法律の条文を記載してございます。第13条に健康管理についてのくだりがございます。13条の中で、一つ目が線量把握をしっかりすることと、二つ目が比較的幅広に記載をしてございますが、被災者の健康管理、これは放射線による健康の影響に関する調査をしっかりすることということと、最後に医療の支援というくだりがございます。当然、この法律に基づいて、法律の考え方もございまして、今回、専門家会合ということを開催させていただきましたが、もともと環境省として健康管理、福島の県民健康管理調査も含めまして、所管をしているということもございますので、法律もございますし、我々の職務としても、健康管理について改めて評価を行うということですので、幅広に放射線に関するお話について、ご検討を賜ればという趣旨でございます。
    子どもに関するデータでございますが資料の2-2で、今日は項目だけ、先ほどご指摘をいただいたとおり、資料2-2の6ページ目にございますとおり、こういう形で調査を行っていますという形で記載をしてございます。特にこれは0~6歳、7~15歳の方々について、特に0~6歳の方々については、あまり通常はされない採血の結果が出ているということはあるのですが、今日は資料としておつけしておりませんが、現時点で数がまだ、経時的にも絶対的な人数としても非常に少ないということで、現時点では県でお示しをいただいているデータだけお示しをして、そのアセスというのは経年的に見ていくものだというご表現になっていたかと思います。今日は資料をご用意していなくて申し訳ございません。
    最後、資料2-3でございますが、こちらにつきましては、もし委員の先生方から補足があればとは思うのですが、当時、これ、2-3にご意見をまとめさせていただいたのが、23年の末から24年の頭ということで、事故後比較的、今と比べますと早期の時点でご結論をいただいたものだと思いますけれども、この際に、県によって対応は異なりますけれども、空間のモニタリングで評価をされた例、尿を測定してみて尿中の内部被ばく量を推計した例、あるいはホールボディカウンター等を用いて内部被ばくを推計した例と種々ございますが、その中で被ばく線量を専門家の中で把握をいただいた上で、これは長期的なものを考えた場合に、健康管理及びさらなる線量把握は必要ないという結論を出されたものと承知をしております。
    そうしますと、じゃあ、初期の線量はどうだということがございますが、先ほど資料2-1で甲状腺のヨウ素の初期ヨウ素については、ご案内をさせていただきましたけれども、それは短半減期核種の被ばくについては、昨年、一定の推計結果を出させていただきましたけれども、これは引き続き継続して評価を行う必要があると思っておりますので、これは長期的に実施をしていて、続けて、どれぐらいの線量だったかということは評価をさせていただきたいと思っておるところでございます。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。よろしゅうございますか。本間委員、どうぞ。
  • 本間委員 この専門家会議の最初の趣旨に、福島県だけではなくて近隣県も含め、国として健康管理の現状と課題を把握しと、そういう趣旨が書かれています。今、鈴木先生が先ほど栃木県の取組の中で、リスクコミュニケーションを通して、住民がどれだけ被ばくしたかということが健康影響の一つのベースですから、それを明らかにするということは非常に重要だと思うのですが、今、事務局からご説明がありましたように、被ばく線量自身はさまざまな経路から被ばくを受けるわけですけれども、今のこの資料、それぞれが別の組織がやられた、それも、モニタリングベースであったり、モデル計算であったり、それから、期間もまちまちであったり、そういうばらばらな評価の中で、どうやって統一的な線量の素描を把握するかということ。
    多分、資料を拝見しますと、最後に国際機関の評価みたいなものがあるわけですけれども。
    今、詳しい説明は求めませんけれども、一例として、例えば、環境省が行った2-1-2のヨウ素の短半減期の、昨年度の実施資料の、これ、全体の8ページに各自治体の甲状腺の推計暫定結果というのがありますけれども、それぞれ、これ、測定値であったり、シミュレーションの結果だったりするわけですけれども、ここで書いてある、特に初期の被ばくみたいに、十分な測定データがないところで、どうやってそのあり得る線量の分布、それから、その不確実さを把握するかというのが非常に重要だと思うのですね。
    そういう意味で、ここに、例えば、90パーセントタイル値というふうに書いてありますけれども、それはそれぞれ測定値であったり、推定値であったりすると、意味合いが当然異なってくるわけですね。そこら辺、はっきり透明性を持って説明をしないと、間違った印象、あるいは評価を受けることになると思います。
    それは、県の県民健康管理調査は、外部被ばくを推定と測定ベースでやっているわけですけれども、先ほど阿部先生からあったように、回答率が低い中で、個人の行動様式に非常に依存すると。それも、ここでは4カ月しかやっていないと。同じようにいろいろな各場所で、今度は比較的不確実性が小さい個人の線量計による外部被ばくの結果も、11、12ページでお示しいただきましたけれども、ここも期間が短い中で年間の線量というのを推定していると。その方法も、これだけではよくわからないわけですね。多分そういうところが統一的に扱われていないのではと危惧するんですね。ですので、せっかくこういう専門家会議ができたので、環境省として、そういう線量の把握をしっかり統一的に扱って、何かメッセージを出すということが必要じゃないかというふうに思います。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございます。
    法律からいいましても、この会議の検討目的からいいましても、被ばく線量の把握、これが一番大きな最初のトピックになっておりますし、ここに専門家会議として、どう線量を把握すべきか。おっしゃるとおり、この資料は現在、恐らく報告されているものを並べたもので、決してこれが最終というのではなくて、この専門家会議で検討していただくという方向ではないかと思います。ぜひその線量に関して、例えば、統一すべきであるとか、統一するとすれば、どういう条件を出していればいいとか、それから、線量を持っているところも、各自治体がばらばらに持っていて、必ずしも一緒になっていない、測定法もばらばらであるという状態です。それを国として、我々専門家会議としてどういう提言をすればいいか。そのあたりを十分に議論していただきたいというのが、この検討の内容だろうと思っておりますので、どうぞ引き続きご発言いただきますようにお願いいたします。
    ほかにございませんか。
    線量、先ほど本間先生のお話がかなり基本的な我々の態度ではないかと思いますが、線量評価について、とりあえずのご質問がなければ、健康調査に行くか、あるいはもう次にまで行ってしまって、全体として討論したほうがかえっていいかもしれません。
    それでは、その次の議題のほうまでご説明いただくということで、よろしくお願いいたします。
  • 桐生参事官 それでは、資料3-1から、資料3関係についてご説明させていただきたいと思います。
    資料の3-1でございますけれども、これはWHO、世界保健機関の健康リスク評価の専門家会合の報告書について、簡単に1枚にまとめたものでございますけれども、今年の2月に公表されたものでございまして、2.報告書概要がございますけれども、結論的なことだけ読ませていただくと、被ばく線量を一定の条件のもとに推計した上で計算したものでございますけれども、今回の事故による放射線によって疾病の罹患の増加が確認される可能性は小さく、福島県内の幾つかの地域外や日本近隣諸国では、リスクの増加は無視できる水準であるというような結論になっているところでございます。
    下の備考にございますけれども、備考をちょっと簡単に補足させていただきますけれども、早い段階の空間線量や食物中の放射性物質量のみを用いて被ばく線量を推計して、過小な評価を防ぐために、大胆な仮定を置いた大まかな推計であるということがございます。一方、その後に説明しますUNSCEAR、国連の科学委員会が公表する資料については、より精緻な被ばく線量の推計が行われているということでございます。
    次の資料3-2をご覧になっていただきたいと思います。国連科学委員会の福島報告書の科学的知見についてということでございますけれども、こちらの経緯と、今年の10月に国連総会にその報告書の概要について提出されまして、それの内容について、簡単な1枚にまとめたものが以下のとおりでございます。
    1.経緯でございますけれども、ここに書いてございますように、正式な報告書については、少々まだしばらく先になるというふうに伺っております。
    2.地域住民への健康影響に係る主な内容ということで、まず、(ア)の線量評価でございますけれども、可能な限り現実的な線量推計、特に事故後の1年間の追加被ばくによる実効線量や甲状腺の等価線量、また、生涯の累積の被ばく線量を推計したということでございます。推計の結果、1歳児の甲状腺の等価線量は、一番高いところでも70mGy以下で、半分は食品からの摂取というふうに推計してございます。また、生涯の追加被ばく線量は、福島県では平均して10mSv程度、ただし、除染による効果については考慮しない推計となっているということでございます。
    裏の2ページをご覧になっていただきたいのですが、表1の事故後1年間の実効線量の推計値、ここは、先ほどご説明したような推計でございますけれども、避難した住民が10mSv以下という推計値、その他はそれぞれの条件による推計値を載せているところでございます。
    なお、この報告書につきましては、推計については、実際より過大である可能性があるというふうに委員会のほうでは評価しているところでございます。
    (イ)の健康影響でございますけれども、3点ほどにまとめてございます。
    まず、[1]点目の死亡あるいは急性の健康影響については、認められないということでございます。放射線被ばくによる影響ということで、ここでは書いてございます。
    [2]モデルによる線量推計結果及び実測値を踏まえますと、住民及びその子孫において、今回の事故による放射線に起因する健康影響については、増加が認められる見込みはないということでございます。
    [3]といたしまして、県民健康管理調査において、甲状腺検査においてのう胞や結節、がんの発見率の増加が認められるが、これについては、高い検出効率によるものというふうに見込まれるというような報告をまとめているところでございます。
    資料3-2については、以上でございます。
    資料3-3につきましては、原子力規制委員会がこの3月にまとめた、健康管理のあり方に関する提言でございます。
    最後のページの6ページに、現状と提言の概要というのがございますけれども、ここにございますように、個々の住民の被ばく線量を把握することが基本的に重要ということでございます。そのほか、ここにございますような指摘がされているところでございます。詳細については、省略させていただきます。
    資料3-4でございますけれども、帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム、これは原子力規制委員会のもとで今つくられている検討チームでございますけれども、この9月に設置された検討チームでございまして、その中で検討されている資料の中から一部抜粋して用意させていただいたのが、線量水準に関連した考え方でございます。健康影響についての科学的な知見や、避難に関する考え方、そういったものについてまとめたものでございます。これの詳細についてはご覧になっていただければというふうに思います。
    資料3-5でございますけれども、住民の個人被ばく線量把握事業ということの1枚紙でございますけれども、これは環境省の来年度の線量把握の事業ということで予算要求をしているものでございます。従来、福島県内の子ども、妊婦を中心にして市町村が実施している事業に加えまして、来年度から避難解除される区域の方や、また、福島県外のいわゆる汚染状況重点調査地域と言われる地域の方々の被ばく線量を把握するような事業を計画しているところでございます。
    簡単ですけれども、以上、資料3関係について、1から5についてご説明させていただきました。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    今から後は討論が主になると思うのですが、時間も限られておりますので、最初に、別に項目を限らず、今までの報告についてのご質問がございましたら。佐々木先生、どうぞ。
  • 佐々木委員 佐々木でございます。
    資料3-1、3-2のWHO、国連科学委員会の報告書作成に当たって、日本の専門家がどういう形で協力をしたのか、また、日本からどういう形で資料の提供などをされたのかについて、概略をお教えいただきたいと思います。
    それから細かいことなの ですけれども、資料3-2の2の(ア)の線量評価の「一歳の乳児の甲状腺等価線量は、一番高いところでも70mGy以下」と書いてありますが、これはmSvではないかと思うのですけれども、UNSCEARの報告書がmGyになっているの でしょうか。ちょっとそこのところもご説明いただきたいと。
  • 前田補佐 それでは、事務局でございます。二つご質問がございましたので、それぞれご回答をさせていただきたいと思います。
    まず、WHOのリスク計算と、あとUNSCEARの現状の報告書につきまして、国がどれぐらい関与しているか、また、研究者がということで国の関与があるかどうかとのご質問がございました。
    一つ目に関しましては、その専門家につきましては、放射線医学に精通された先生方にご参画をいただいたと思っておりますし、一番大事なデータのほうでございますが、これは逆に、日本政府が公表されていない資料を何か出したかというよりも、むしろ既存の公表された資料の英訳を求められてご提供したであるとか、あるいは既に学術論文等でさまざまな今回の事故に伴う線量であるとか、そういったアセスがなされておりますので、そういったものを幅広に聴取されて、報告書を出すというタイムスパンがありますので、ある程度時間を区切ってという理解だと思いますけれども、ある程度それぞれ決まった時間までに、公表された資料や学術論文等を踏まえてご議論をいただいたものだというふうに承知をしております。
    二つ目の資料3-2の地域の住民への健康影響に対する主な内容の線量評価でございますが、実際、我々、GyからSvに置きかえるときに、1対1でよく使ってしまいますけれども、一応、UNSCEARの考えの中ではGyで示しておりますので、これで、一応Gyで示して、あと、Svに置きかえるときに、1と呼ぶか、実際はもうちょっと低いと思うのですが、その辺りで読むかという判断を入れずに、こういう数字を吸収線量で出されているのかなというふうに承知をしてございます。
  • 佐々木委員 1番目の質問に対する答えは、よくわかりました。ありがとうございました。
    この等価線量と書いてありますので、等価線量の単位はmSvですので、それで単に書き方について、誤りがあったのか、もしUNSCEARがこう書いているのだとすれば、UNSCEARに言ってあげないといけないと思います。そこのところを伺ったわけであります。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    ほかにご質問はございますか。
    もしなければ、日本医師会が考える重要施策ということの提案をいただいておりますので、石川委員、ご説明いただけますでしょうか。
  • 石川委員 それでは、日本医師会のほうで、私、常任理事をしております石川といいます。
    本日、1枚で、私、提出資料という、日本医師会が考える重要施策というものが1枚で出ていると思います。参考1の東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする法律ですね、平成24年6月27日の参考1をお手元に置いて、ちょっとご覧になっていただきたいと思います。
    これは右肩に平成23年7月6日というふうに書いております。これは、文部科学省から日本医師会がヒアリングを受けた際に、私がそのヒアリングを受けまして提出した内容でございます。なぜこれを提案するのかといいますと、日本医師会のスタンスは、この7月6日に発表しました重要施策、あまり大きな変化はありません。平成24年6月27日の法律、今、お手元に置いていただいたものですけれども、13ページの法律堤出の理由に書かれております文言、これは私どもが大変重要な、13ページですけれども、重要だというふうに考えておりまして、私どもの重要施策を述べるに当たって、この法律ができたということについては、まだまだいろいろな検討点はあるにしても、大変重要なポイントだと思って、この法律を大事にしていきたいというふうに考えております。
    この重要施策の1番目に、子どもを放射線被ばくから守るというふうなことが掲げてあります。当時、23年7月6日においては、この間に発災後、SPEEDIの活用について正式な見解が十分出されておりませんでした。先ほど、事務局からご説明の資料2-1、P4ページに、小児の甲状腺被ばく線量のデータが出ておりましたけれども、これが7月6日の時点では、約1,000名以上のお子さんの甲状腺被ばくのデータが実際にはまだ公表されておりませんでした。
    そういう中で、私どもは、子どもを放射線被ばくから守るというときの親の大変な不安、そして、こういうことについて、きちんと計測したデータは公表するようにということを強く訴えました。
    その中で子どもを放射線被ばくから守るという点では、3ポツのところに、空間放射線量率による外部被ばくのみを基準とするのではなく、飲食物など内部被ばくによる放射線量率も算入した積算基準の設定が不可欠ということで、生活全般を通しての被ばく線量の基準を要求しております。
    2ポツでございますけれども、お手元の参考1の法律ですけれども、第13条2と3に書かれておりますように、検診と医療の保障については、当然のことながら、学齢期以降も含む検診、そして医療については、将来もし仮に疾病等にかかることがあれば、安心の醸成のための施策として、十分な保障をするということを、3ポツ目には、医療保障に係る必要な施策(立法措置)を急ぐべきというふうにしております。
    そして、いろいろな現状、日本にはさまざまな法律に基づく検診が行われておりますので、この係る検診については、国が実施主体となり、一元的に実施すべきというふうに報告しております。
    3ポツ目でございますけれども、私どもは、健康教育の実施を子どもの健やかな成長のための施策としてするべきだと。特に不幸にして日本は2回の被ばくと今回の事故ということで、子どもたちに放射線から守るという、そういうスキルを身につけていただきたいために健康教育を実施するということを提言しております。
    そのためには、子どもを守る地域専門家総合連携事業というのが、文部科学省が施行しておりますので、このフレーム枠を活用しまして、多くの専門家や医師を全国の学校に派遣して、健康影響について、放射線について正確な教育を全国的に行うことを提言しております。
    この全国的に行う教育ということについては、私どもは子どもたちが未来において自分たちのスキルとして放射線から健康を守るということについて身につけるということと、意図せず被ばくした児童・生徒に対する被ばく差別をなくすことを全国的に国民の知識として語り継いでいくということが大事だというふうに考えております。それは第2条4のところに法律に書かれている内容でございます。
    4番目の復興構想会議による「復興への提言」との有機的な連携ということについては、この法律ができて、さらに実施の段階で内容を検討することによりやっていくべきだというふうに考えております。
    私は医療の現場で実際に患者さんから、私は千葉の松戸に近いところでございますけれども、実際にそこの地域でもお母さん方は大変不安になって、関西方面に転居するとか、そういう現状を目の当たりにしておりますし、日本全国どこにおいても、放射線の知識で子どもたちが差別されないことを願っていきたいと思います。
    この患者からのいろいろな実際の質問、そして医者がどういうふうに患者さんに受け答えしているのかということについては、現在、全国的なアンケートをとっておりまして、3.11以降、放射線に対しての現場での質問と、どういうふうな答えをしているかということについて調査して、そして、さらに日本の国民へ放射線の知識を広めていきたいというふうに考えております。
    以上でございます。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    一応、以上で準備されました資料のご説明は全部いただいたことになると思います。今から1時間近く討論の時間がございますが、討論を始めたいと思いますが、先ほどから傍聴者のほうからも的確なご質問もございますけれども、一応、この会の趣旨として専門家の間だけで議論を進めると決められておりますので、傍聴者の方、申し訳ありませんが、直接お答えはしないということで議事を進めさせていただきます。
    それから、内容に関しまして、今までずっとお話がございました。頭に入れなければいけないのは、支援法案のことであるとか、それの13条であるとか、この検討会、専門家会議、専門家としての検討の内容は、被ばくの線量把握評価に関して専門家の意見をここで集約するとか、2番目は健康管理に関して、3番目が医療に関する施策のあり方などであります。そして、今日は、被ばく線量のことと健康管理についてご説明いただきました。順番から最初に、被ばく線量に関してご意見をいただければと思いますが、どうぞご自由に忌憚なく専門家としてのご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。どうぞ、中村先生。
  • 中村委員 先ほど被ばく線量のことで、本間委員からもご質問がいろいろありましたが、文部科学省が事故の1カ月か2カ月後に環境線量モニタリングの委員会をつくって、そこでJAEAが中心になって多くの機関が参加してデータを随分とられました。その後、この文科省のデータだけではなくて、他の機関、例えば環境省、農水省、福島県などがとられたデータなども全部含めてデータベース化をしたほうがいいということで、今、JAEAの方で精力的にやっておられ
    て、随分まとまったデータベースができています。
    それでもまだ抜けているところはあるかもしれませんが、これは日本の貴重なデータですので、これをできるだけ充実して活用し、そして世界にも発信していくということが必要です。被ばく線量評価は、いわゆる健康影響評価のもとにもなる非常に重要なデータですので、このデータベースの整備をぜひ今後も進めていき、抜け落ちがないようにして頂きたいと思います。私は以前、このモニタリング委員会の委員長をしておりましたので、特にそのことを強くお願いしたいと思います。
  • 長瀧座長 健康影響の評価のためにも、被ばく線量の情報は非常に大事であると。
  • 中村委員 はい、非常に重要じゃないかと思います。特に一番そのとき困ったのが、初期のヨウ素の被ばくです。これもいろんな手法で推定するようなことをやっておられます。例えば、長半減期のiodineの129の測定結果を使って評価するというやり方もしておられますので、そういうのも含めて精度を上げて、データの欠けているところを補っていくということが重要ではないかと思います。既に取り入れていただいているかもしれませんが、できるだけ、そういうふうな方向で進めていただくといいのではないかと思います。
  • 長瀧座長 報告されていないデータも集めるようにということのお話ですけれども、それぞれのデータ。
  • 中村委員 これまでに相当いろいろ集められましたので、もうかなり充実はしておりますが。
  • 長瀧座長 先ほどご意見がございましたように、必ずしも評価の方法は一致していないということ、それから、報告のデータも所有しているところが市町村単位であったり、学校であったりという、ばらばらになっております。ですから、方法についてのご意見とどうやって統一ということができるのか。それから、きちんとした記録を一元化するといいますか、それを国として一元化する、そういうことについて、先ほどの本間先生のお話とも重なりますけれども、ご意見があれば、今の中村先生、本間先生のご意見に従って何かご質問はございませんか。
    どうぞ。
  • 春日委員 日本学術会議は、健康影響を考える生命科学の専門家だけではなくて、環境学ですとか、気象学ですとか、幅広い専門家が集まる学者の組織ですので、震災直後からこの問題に大変強く議論を重ねております。
    その中で2012年の、平成24年4月に提言を出しました。その中で、本間先生、中村先生がおっしゃったことと同じなんですけれども、各省庁や各研究機関、また自治体にばらばらに存在しているデータを国が責任を持って一元管理すべきであるということを強く訴えました。さらに、管理するだけではなくて、それをしかるべき専門家が利用して、学術的にそれを解析できるように、そういう形で提供することも重要だということも申し上げました。
    さらに、個々のデータには、幅ですとか不確実性というものが伴います。そのことを含めて説明しないと、活用する側も的確に活用することができません。そのようなことを指摘して、その後も審議を進めているところです。
    ぜひ、環境省として、その提言にどの段階で、どういう形で応えられるのか、この検討会議の結果と審議とを総括して結論が出せればというふうに思っております。
  • 長瀧座長 貴重な学術会議の提言をありがとうございました。
    提言は引き続き検討させていただきますが、お話を伺った範囲では、この専門家の集まりとして学術会議にも十分お応えできるような議論ができるように思っております。確かに不確実性も含めて線量評価をどう行うかということは、非常に大きな問題だろうと思います。それから、一元化するということに留まらず、その次の健康影響にも学術的に使えるようにというお話の内容だと伺いました。皆様も十分に念頭に入れてご議論していただきたいと思います。
    さらに具体的な提案がございましたら、どうぞ。
  • 伴委員 線量評価ということに関しては、やはり一番気になるのは、事故直後の子どもたちの甲状腺の被ばくだと思うのですが、それに関して、先ほど資料3-2でUNSCEARのサマリーレポートの話ですが、この中で一つ興味深いことがありまして、2番目の地域住民への健康影響に係る主な内容の(ア)の汚染評価というところで、一歳の乳児の甲状腺の、これ等価線量ではなくて吸収線量なんですけれども、それが70mGy以下、半分は食品からの摂取というふうに書いてあるわけです。当初、やはり甲状腺の線量で懸念されたのが、直後に避難はた方たちが吸入によって内部被ばくを受けたのではないかということが非常に懸念されたわけですけれども、もしかすると、直後に避難しないでとどまっていた方たちの経口摂取による線量というのは高いかもしれない、そういう懸念があるわけです。
    ところがその一方で、3-2の裏側に、UNSCEARはモデルによる評価は過大であるかもしれないということを言っている。これは1,080人の3月末に行われたスクリーニングの結果とどう考えても合わないという、そういうことだと思いますが。そうなってくると、結局、事故直後に流通ですとか、摂取ですとか、そういった状況が相当ふだんとは変わっているということがやはりあって、その辺のところをきめ細かく見ていかないことには、線量がどれぐらいだったのかというのは、なかなかわからないと思います。
    そういう意味で、県民健康管理調査の基本調査の中で、例えば、自家栽培の野菜を食べたかどうかとか、そういうことを聞いていますので、やはり、そういったものをフル活用して、できるだけ現実的な内部被ばく線量を出していくことが大事なんじゃないかと思います。
  • 長瀧座長 伴先生、今のご質問の中で、最初に1,000人ぐらいですけれども、直接測定した結果、もちろん、スクリーニングの結果で問題はあるかと思いますが、直接測定した例が1,000人ぐらいありました。その結果と、今から行動調査、あるいはシミュレーションで出てくる値とのウエートですね。直接全てを含めてはかったという結果が1,000人あるということを、今後の甲状腺の被ばく線量として、どう考えるかということですが。
    今後、より正確なものが出てくる可能性があるのか、本当に専門家に伺いたいのですが、可能性があるなら、徹底的に行わなければいけないけれども、それを待っていると、何年もかかってしまうとします。じゃあ対策はどうするかというときに、何年後かに出てくるものを待って対策を決めるのか、1,000人あるんだから、これを基準にして、今決めようかというのかは、甲状腺に関しては非常に大きな問題だと思うんです。既にがんの患者さんがどんどん見つかっておりますので、住民の方の恐怖といいますか、心配は非常に大きくなっていると思いますので、そこら辺は伴先生、今のご質問の中でどうお考えになります。
  • 伴委員 やはり、直接測定したデータにまさるものはないです。あれはサーベイメーターを使ったから精度がどうかという問題はありますけれども、大きな間違いはしていないと思うのです。ですから、もし本当に高い被ばくがあれば、もっと高い値が出たはずですので。だから、その1,000人関しては、それほど高くなかったのではないかと考えられますけれども。
    あれは選ばれた地域は三つありますが、飯舘とたしか川俣ですよね。そこに関しては対象となる子どもたちのうちの3分の1ぐらいはカバーされていますけれども、いわきは非常に広いですから、本当にごく一部しかカバーされていない。だから、そういった状況を見渡したときに、あらゆる角度から検討して、抜け落ちはないのか、そういったところを本当に、いつまでも待っていることはできませんけれども、迅速かつ確実に見ていくしかない。
    だからその意味で、さっき申し上げましたけれども、事故直後の一般の方々の住民の方々の食品摂取がどうであったのか、いろんな食品の流通がどうであったのかというところをきめ細かく見ていく必要があるだろうと、それをできるだけ急ぐ必要があるだろうという、そういう提言です。
  • 長瀧座長 いつまで待つかということは非常に大きな、住民に関しては、被災者に関しては大きな問題だと思いますけれども、先生の県の健康管理記録から行動調査から、特に初期の行動調査から言えば、ある程度、甲状腺に関しての幅広い線量評価もできるのじゃないかと、そういうご提案と受け取ってよろしゅうございますか。
  • 伴委員 はい。
  • 長瀧座長 明石先生、どうぞ
  • 明石委員 今、伴先生のおっしゃられたことと似たような部分があると思います。私どものところでは、甲状腺の初期の調査を昨年から開始しております。やはり問題になるのは、今、我々が持っているデータというのは理論値であったり観測値テーマであったりしかないわけです。それとやはり一番、個々人の線量に返すためには、実際にどういう行動をしたか、それから実測値も含めたデータを入れていかないと、個人の線量は出てこない。
    ですから、一元化をしていただくということは、まず必要条件でありますし、そこのデータを有効に使う、個人の名前とかという問題ではなくて、きちんとした正しい科学的な線量を出すためには、観測データ・理論値プラス実際の実測値、それから行動されたデータを含むというのが不可欠でありますので、ぜひ、そこを使えるようなシステムを構築していただくというのは、まず線量評価の第一歩になるかなと考えております。
  • 長瀧座長 チェルノブイリのときは、線量を測定したというデータは何万人も報告がありましたけれども、結局、10年目ごろに、使える、信頼できるデータが見つからなかったということでした。今回、福島に関しては、対策本部あるいは放医研が、悪条件のもとではあっても科学的に正確に測定した1,000人のデータというのは、非常に貴重だと思うのです。
    ほかに、I-131を直接はかったデータはありませんので、それを条件が整わないからと、いきなり無視してしまうのか、少なくともそこから得られる科学的なデータを専門家としてどこまで考えるのか。専門家として、ここではっきりと議論していただきたくことも、この会議の目的ではないかと思います。
    せっかくここまで来ましたので、甲状腺に関しては、何かご質問がございますか。
    どうぞ。
  • 本間委員 先ほどちょっと意見を述べさせていただいたのですが、8ページの初期被ばくの問題に関しては、昨年度、放医研が線量評価をやって、8ページの結果を見ると、ホールボディで、これは多分セシウムのホールボディとヨウ素の組成比をベースにして推定したと。それから一部、甲状腺の検査、非常に少ないのですが、脚注の3の研究者らがやったベース。私自身は、この全体の表で実測をベースにして評価しているというのは、非常に妥当な判断だと思います。
    一部シミュレーション、非常にシミュレーションに重きを置かれる方が多いのですが、シミュレーションの不確実さはとても大きいということをまず理解しないといけないと思うんです。特にヨウ素については化学形の問題があって、ガス状のものも、いわゆる無機の元素状ヨウ素と有機のヨウ素で、全く沈着挙動が違うと。それに半分は多分粒子状のヨウ素だというふうに推定されていますけれども、そういう測定データもスペシエーションの弁別までは十分なデータというのは使えるやつは少ないのです。JAEAで二つやっているものが、粒子状とガス状を弁別していますけれども、それもいわゆるJAEA、東海村に来たプルームの情報でしかないと。
    ですから、いろいろな、あらゆるデータを総合的に加味して評価せざるを得ないのですが、私自身はこの初期被ばく、非常に不確実さがまず大きいということをとらえて、ですので、さっき90パーセンタイルの意味というのは、測定データの90パーセンタイルとシミュレーションにおける90%という意味合いが全然違うと思うんです。そういうところをしっかり説明して、どういう不確実さがあるのかということまで含めてですね。まあ個人ベースであると、確かにヒアリング、行動様式というのが非常に重要なのですが、そこら辺、今からというのは、まあ、ある意味、人の記憶をたどるというのは非常に難しいと思うんです。
    もう一つは、先ほど食品摂取が、私、このUNSCEARの半分から食品というのは知らなかったんですけれども、これはポテンシャルとしてはあり得るかもしれないんですけれども、当時、確かに15日の大規模な放出から、正式に摂取制限が食品については21日ですから、タイムラグがあると。そういう部分をきちっと評価しなきゃいけないのですが、ヨウ素の場合は基準値、例えば当時あった安全委員会の基準値のレベル、摂取制限の濃度レベル、それ自身が甲状腺の等価線量で50mのベースでやっていたものですから、食品の摂取量との関係からいうと、一概に半分が食品摂取だというのは、私の専門的な見地からいうと、かなりオーバーエスティメイトではないかというような気がします。その経路のコントリビューションとしてです。
  • 長瀧座長 チェルノブイリのときも、シミュレーションの図は後になって物すごく出てきたのですが、実際に甲状腺の被ばく線量を測定する上では誤差が大き過ぎて使えなかったということがありました。測定の結果が出るまでに時間が長くかかりますと被災者の方はそれがわかるまで、ずっと不安を抱えるということもあって、それも専門家としては考えなければいけない。被災者の方々のために真剣に我々は議論しなければいけないと思います。明石委員、どうぞ。
  • 明石委員 今、国際機関のことで少し話が出て、先ほども佐々木先生からご意見があったので、ちょっと一言。これ、私自身参加させていただいたことから、ちょっと一言、言わせていただきたいと思います。
    この国際的な組織は、私ども日本から参加したのは、委員というかメンバーという形で参加したというよりは、どちらかというとデータを、日本語のデータ、どんなものが欲しいかという要求に対して国内で探し、それを堤出するという立場であります。したがいまして、ここに書かれている結論等について、私ども日本人が意見を言う立場ではなくて、そこの記載については、日本から参加した委員は一切結論、そのほかついては、何も述べる機会がないというか、権利がないという立場で書かれたものだということを一言述べさせていただきたいと思います。
  • 長瀧座長 明石先生有難うございます。さらに、甲状腺に関して、一つか二つでもご質問ございましたら、どうぞ。鈴木先生、どうぞ。
  • 鈴木委員 先ほど中村委員のほうからも紹介がありましたけれども、初期の甲状腺のヨウ素のデータというものは限られています。そうすると、どうしてもシミュレーションあるいはセシウムからの類推というような、何らかの間接的な評価をせざるを得ないのですが、その精度を上げていくというのがデータの信頼性を上げる一助になるんだろうと思います。
    そこで、先ほどヨウ素129、半減期が長いですので、まだ環境中に残っていますので。セシウムと、この資料のほうによもありますが、2-1の8ページに、結局セシウムのデータからヨウ素の内部被ばくをある程度類推するというようなことをやっているわけですが、その精度がヨウ素129とセシウム137のデータがもっとそろってくると、精度が上がると。
    また、SPEEDI等のシミュレーションの最初の放出源のデータに関しても、少し精度が上がってくるんではないかと思いますので、そういうシミュレーション、それから間接的な甲状腺被ばくの評価というものは、この委員会の中で少し精度を上げたバージョンが出ればいいなと期待しております。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございます。
    シミュレーションの結果、決して否定するわけではありません。ただ早くないと、ある程度、早くないと、その間ずっと甲状腺がんが被ばくのせいではないかと心配されるのではないかというこということです。どうぞ、遠藤先生。
  • 遠藤委員 ヨウ素131を使って甲状腺患者さんの診療、治療をしているものですから言いますと、シミュレーションの不確実性が実はもっと増します。食物に含まれるヨウ素量、昆布によって甲状腺へのヨウ素131の取り込みが随分変わってきます。患者さんがコンブを一切れ食べますと、ヨウ素131の取り込みが随分減ります。したがって、シミュレーションというのは不確実性がさらに増します。ヨウ素摂取量によって。特に日本人はコンブをたくさん食べるものですから。
    ただ、最近、ヨウ素の研究をしている研究者が随分少なくなっておりまして、日本人のヨウ素摂取量とかヨウ素排せつ量に関してもっと研究として、どこかがきちんとやらなければいけないのではないかと思っております。
    というのは、昔は全ての日本人が昆布をたくさんとっていたのですが、最近ちょっと手抜きの人が多くて、ヨウ素の摂取量が日本人によってはばらばらなものですから、ヨウ素摂取量の研究もしなければ、シミュレーションの不確実性、ばらつきがさらに大きくなるんじゃないかと思っております。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    時間も限られておりますので、次に、外部被ばくに移ります。主に県民健康管理調査の中の基本調査で、外部被ばくの値、特に初期の4カ月に関しての値が出ております。先行地域が最初に出て、50%ぐらいの住民、それから、県民全体として20%ぐらいの住民の方の値が県のホームページに出ておりますが、何かご意見ございますか。初期の外部被ばくについて、どう線量評価をすればいいかということですが。丹羽委員、どうぞ。
  • 丹羽委員 ちょっと聞かせていただきたいのですが、シミュレーションで使っていたシステムの検証は当然必要になってくると思います。今は個人線量計が随分出回っており、それから環境モニタリングも割と細かくやられています。その中でで、実際の個人線量計の結果と、行動パターンからシミュレーションした場合の推定値と実測値の比較というのは、当然できる状況になってきております。こういったシステムの検証というのは、どういうふうになっておりますでしょうか。
  • 長瀧座長 それは先生、どこへのご質問。
  • 丹羽委員 環境省がだめならば、多分、放医研がやられたので、放医研なんかがお受けいただければと思いますが。
  • 長瀧座長 環境省と放医研。
  • 前田補佐 今、基本調査の推計についてご質問がございましたので、ちょっと事務局で把握をしている範囲でお答えをさせていただきますと、現状でいきますと、行動調査と組み合わせて被ばく線量を推計しておるものは、空間線量による推計でございます。従いまして、昨今の空間線量と実効線量の乖離みたいなことを踏まえますと、より精緻なものは可能だとは思うのですが、そうすると、データとしての統一性というところで難しい面も出てくると思いますし、形としては大きく線量の出るもので、現在シミュレーションをしているという立場になるかというふうに理解をしております。得られた値と実際の値というのが一定程度乖離があるとしても、下方に乖離が出るというふうに理解をしておりますので、そういう中でご計算をされていただいているのかなというふうに承知をしてございます。
  • 長瀧座長 今のご質問の行動記録に基づいた線量評価と個人線量計のデータの比較はありますか。
  • 前田補佐 すみません、また事務局でございます。空間線量と個人線量につきましては、先ほど、2-1の資料の中で、実際、平成23年、24年にガラスバッチなり個人線量計の配布をさせていただいて、その結果がどうだったかということを記載をしておりまして、ページでいきますと、11ページ目、12ページ目になるんですけれども、資料2-1のページが11ページ目が平成23年、12ページ目が24年でございます。これ、実際数万人の方に調査をさせていただいて、中・浜通りなど避難されていない地域のデータでいきますと、比較的空間線量が1を超えている値もあったわけでございますが、平均で見ますと、これぐらいの値であったということがございます。ただ、この結果というのはあくまで避難いただ邸内地域のデータでございますので、避難を必要とされるような線量の地域で、実際どれぐらいかということは評価に限界があるものというふうに承知をしてございます。
  • 長瀧座長 本間委員、どうぞ。
  • 本間委員 今、丹羽先生からのご質問、我々、JAEAの安全研究センターで23年、震災のあった年の暮れごろからプロトタイプで住民にバッチをつけていただいています。そのときは非常にサンプル数、少ないのですが、それは主に福島市周辺の人たちにですね。四つの職業的な分類、野外で働く可能性の高い人、オフィス、それから高齢者の集団と、四つのグループに対しての聞き取り調査で、ふだんの行動様式を把握して、それから空間線量のモニタリングデータをベースにしたもので推定したものと、それから個人線量のバッチというか、それとの比較というのをやっています。現在もそれをずっと続けております。そういうものによって、空間線量で集団についての把握をして、それがどの程度信頼性があるかというのを見ることが非常にまず重要である。ただ、それは、測定の出来た時期のものですから。
    それで、私はお示しいただいた、私たちがプロジェクトを始めるときもこういう話は聞いていたのです。もう既に学校関係でバッチを配ってフォローされておると。このデータを多分そういう検証のデータに使えるかどうかというのは、バッチの線量データは得られているわけですけれども、行動様式まで十分な把握は多分できていないと思うのです。ただ、ほとんど学校で生活している児童や中学生、そういう意味では、ある程度の推定というのはできると思うので、個々人ベースではないですけれども、こういうデータをこれからの推定やなんかの信頼性評価には、一定程度使える可能性というのはあると思います。
    それから座長の、もとへ戻って初期の部分なのですが、それは放医研のベースで、福島県の県民健康調査の中で4カ月分のデータは得られていますが、あれは非常に行動パターンが律速になると。そのデータがほとんど支配的です。ですから、回収率、さっき23%とおっしゃいましたけれども、計画的避難地域の方はもっと回収率がいいというふうに聞いていますので、どこに、いつおられたかということが初期の外部被ばく線量にとっては、非常に重要。
    ただ、15日以前とか、そこら辺に若干の不確実性はありますけれども、ほとんど高い線量が生じたのは、15日の夕方からというふうに推定されますから、それ以後はモニタリングデータベースで行動様式を考慮して評価しているという意味では、行動様式のデータに推定値の信頼性がかかっているというふうに言ってもいいのではないかというふうに思います。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    線量評価については、この専門家会議は、もちろん最後までずっと議論は続けていいわけでありますので、今日の段階で、お話しいただいた感じで言いますと、非常にたくさんの資料を集めていただきましたけれども、それ以外にも進行中のもの、その他ございますので、これはこの委員会として、できるだけ集めるということ。
    それから、その測定の方法について、将来この委員会としてある提言ができるかどうか。それから、そのデータを一元化して我々が議論できるような方法等大切なご意見を頂きました。以上は今日の最初の会議で事務局にお願いするということで、時間がかなり限られておりますので、次の健康管理の問題、これもまた大きな問題ですが、健康管理に移りまして、どこからでも始めても結構ですけれども、まず、福島県の健康管理についてご意見ございましたら、どうぞお願します。
  • 清水委員 日本医大の清水と申しますけれども。日本医師会が考える重要施策、石川先生が先ほど説明した中の2番の検診と補償というところで、最初の成人後も継続的な検診を行うべきであると。これは全くそのとおりでありまして。ただ、子どもさんがいつまでも福島にずっと残っているわけはなくて、全国に散らばりますし、あるいは外国ですよね。海外にも出る人、たくさんいらっしゃると思うのです。きちっとこういう人たちをフォローして、しかも、同じジェネレーションの被災していない人との比較もしっかりして、データとして世界に発進しなくちゃいけないと思うんですけれども。全国に散らばっていくであろう子どもたちの将来、全世界にですね、それをどういうふうにしてフォローしていくのかを、もう一回再確認をしていただきたいのですが、よろしくお願いします。
  • 長瀧座長 石川委員、どうぞ。
  • 石川委員 日本医師会の石川でございます。
    今、2ポツの2番目のところに書いてありますように、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律というのが、歴史的にはこの日本の中で培ってきているわけでございます。そういう中で、今、広島、長崎の原爆被ばく者の方たちもずっと長い間、検診をして、そして医療も補償しているという実績があります。こういうのにのっとりまして、私は、被災者の方たちのご了承を得られるのであれば、ひいてはやはり健康手帳みたいなものをつくっていただいて、それを特に福島県の方だけでなく、私どもは福島県内外の方たちも含めて、実際に千葉などそういうところでもホットスポットはあるわけですから、ご心配な方は、先ほどの薄れてしまう記憶だとか、そういったそのときの行動だとか、場所も含めて記載しておいていただいて、そういう手帳を持っていただくのがいいかなと。ただ、これはあくまでも被災者の方たち、あるいは関係する方たちのご了承の上で、僕は、今はやるべきだというふうに考えております。
  • 長瀧座長 事務局、どうぞ。
  • 前田補佐 事務局でございます。先ほど、清水委員から将来的な長期的なスパンで見たときに、大人になられた事故当時の子どものフォローをどうしていくかということのご質問がございましたので、簡単にこちらで把握をしている状況を申し上げますと、一つは、今、県で実施をしていただいているわけですけれども、そういうところで転居先をどういう形で押さえるかということは非常に重要であるということは間違いないと思っておりまして。これはほかの施策につきましても、健康管理以外のさまざまな事故に伴う影響をみたいな、これは生活でありますとか、そういったものも含めて、事故当時の方々がどこに今いらっしゃるかという情報は非常に重要で、これは政府全体でもともと取り組んでいまして、県のほうにもそういう連絡室があったと思います。転居された場合にはそちらに登録をしていただくようなシステムになっていたかと思いますので、そちら側を原則としてご活用いただくという形になります。
    加えて、甲状腺の結果をお伝えするときに、必ず転居先の連絡先等もお控えをいただくようにお願いをしていると聞いておりますので、完璧かというと、まだまだ余地はあると思いますが、そういう形で取り組んでおられるというものでございます。
    あと、ご自身の健康管理の結果について、しっかり長期的にご自身が把握をいただくという形で、これは先ほどの清水委員へのお答えになるかもしれないのですが、基本調査の結果をお渡しする際に、そういう長期的にファイルをいただくような形で健康ファイルという形でお渡しをしているということと、あと、県民健康管理調査のデータについては、一元管理して長期的に保管していくことということにしておりますので、そういうデータとして長期に一元管理をしているということと、個々人の方にも持っていただくという二つで対応ができるものじゃないかなというふうに承知をしてございます。
  • 清水委員 ちょっとよろしいですか。
  • 長瀧座長 どうぞ。
  • 清水委員 被災者の今後を追跡支援するのにその足取りを把握するのは大切なことです。なぜなら被災した36万人の子どもたちはずっと福島にいるわけはなく、全国はもとより、世界に移動するはずだからです。これらの方々のフォローをしっかりとして、同世代の非被災者と甲状腺癌発症の頻度を比較することが、放射能汚染の影響かどうかの検証をするのに必要なことです。世界はこの事を注目しています。その手段として、以前から新聞に出ていたような、健康手帳を持ちどこでも診察を受けられるような対応ができるようにすべきです。その結果を我々が把握できるようにすべきです。手帳は配布されているのですか?
  • 前田補佐 今、ちょっと数字との関係がはっきりしないのですが、少なくとも基本調査を受けていただいた、事故当時に福島県にいらっしゃった206万人全員になりますので、そちらの方々には逐次、結果と同時にお渡しをするという形で原則でやらせていただいてするので。今、恐らく36万というのは甲状腺の対象者ということでしたら、そういう形でお渡しができる態勢になっておるというものでございます。
  • 長瀧座長 先ほど医師会のほうから原爆の方もずっと今まで健康調査を続けているというお話でしたけれども、幾つかの種類はあるのですが、六十何年続けてきて、国際的にUNSCEARも含めて引用されていますのは、全て被ばく線量がわかっている方を六十何年フォローしたことです。被ばくの影響を見つけるという目的があって調べています。検査の目的が被ばくの影響をずっと調査していきたいという気持ちなのか、被ばくしたから何となくその人たちを援護していきたいというのかなど、健康調査の目的を十分に議論しなければいけないところではないかと思います。
  • 石川委員 日本医師会の石川でございますけれども。参考1の先ほどわきに置いていただきたいといった平成24年6月27日の法律の第1条のところでは、「当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないこと等のため、一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し」となっています。しかし、これが先ほども議論がされていますように、十分この結論が出たわけではございませんので。そしてまた、「この当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分解明されていない」という、この1行、この文言は大変重要な重みを持っております。
    ですから私は、今、36万人だとか、数は出てきますけれども、やはり、国が責任を持って、この地域にいた人たちが不安だとか、そういったものを持ったときには、それにきちんと応えていただいて、手帳だとか、そういったものを出すシステムだとか、そういったものが僕は大事だと思いますし、その当時から数年、あるいは何年間かそこに住まわれたときのシミュレーションだとか、そういったものを早く出していただいて、きちんと国が危険性だとかを答えられるような、私たち専門家の議論が待たれるのだというふうに考えております。
    ですから、この第1条の文章で、なかなかこれは難しいことですけれども、一定基準以上の放射線量が計測される地域で、あまり限定されないということを、私はちょっと望みたいと思います。
  • 長瀧座長 有難うございます。ほかに健康検査について何かご意見はありませんか。祖父江委員、どうぞ。
  • 祖父江委員 健康管理ということで、基本的な考え方として、どんな健康影響に関してターゲットとするのかということが、最初に確認しておくべきだと思いますけれども。もちろん放射線に起因する健康影響というのは十分ターゲットだと思いますけれども、それ以外の直接放射線とは関係がない、あるいは関係がないと思われるような健康影響に対しても幅広く健康管理をしていくということが重要なのだと思います。もう既にそういうことはされておられますけれども、健康影響として放射線に直接起因しないようなことのほうがむしろ住民の方は、避難されている方々にとっては大きなことであり、避難に伴うような環境の変化に伴った放射線とはあまり関係ないかもしれないけれども、健康影響があると、そこのところをきちんと管理していくというのが重要なんじゃないかなというふうに思います。
    それから、もう1点、健康管理の手段として検診というのを行うわけですけれども、多くの検査を行えば、それがいいのかというと、そうでもなくて、検査を行うことによって、むしろご本人のためにならないというようなこともあり得ると。放置しても、それほど大きな健康の影響をもたらさないようなものまで掘り起こして見つけることが、かえって不安を生じさせるということもありますので、検診を行う際にはその両面を図って、むやみに検診項目を増やすということのないような考え方も必要かなと思います。
  • 長瀧座長 どうもありがとうございます。
    検診をする、健康診断をするということは必要なのですが、やはり、目的をはっきりさせて、その目的をよく果たしているかどうか、単に放射線の影響が怖いから、わからないから検診をするというと、ずっと検診を続けている間中、被災を受けている方は放射線の影響ではないかと、生涯、手帳を持っている間、ずっと自分は何か放射線の影響をあるんじゃないかという精神的な影響もあり得ると思います。
    この専門家会議はそういう意味で、健康調査のあり方についても、健康調査の対象になる被災者の方たちのあらゆる被害を最少にするため、どういう方法がいいか、そこに中心を置いて考えるべきではないかなと思っております。やはり、漫然と続けるということは、今、祖父江先生がおっしゃったように、決して続ければいいというものではない、たくさん検査をすればいいというものではない、専門家としてどうすべきかというご意見を健康管理に関してはいただきたいところであります。
    阿部先生、どうぞ。
  • 阿部委員 先ほど、清水委員のほうからお話があったのですが、甲状腺の場合は約36万人、それから本格化になると約38万人ぐらいに増えてきます。これ18歳以下が対象ですので、だんだん年齢を重ねてくると、やっぱり県外のほうに就職とか進学のために全国に行ってしまう。その場合に、どのようにその方を長期的に見守り続けることができるか。それが大きな問題だと思うのです。
    ですから、これは住所が変わったり、県外に行かれたりする場合は、必ず新しい住所等を知らせてくださいということは、かなりやっているのですが、果たしてそれだけで十分に対応できるかというのは、少し疑問があると思うんです。ですから、ここはやはり長期的に子どもたちを見守るために県外に行かれた方を十分に把握できるようなシステム等も、ぜひ、国のほう、あるいはこの専門家会議のところでご議論いただければ大変ありがたいというふうに思っております。
    それから、祖父江委員のほうからもお話に出たとおり、これは健康診査の場合は、単なる放射線の影響云々だけではなくして、避難先等の住民の方というのは、やはり避難されたことによって生活環境ががらりと変わっていました。そのためによる精神的な問題もありますし、健康的な問題も当然出てきますから、そこを包含した形で、どう対応すべきか、そこは十分に議論した方がいいのではないかと思います。
  • 長瀧座長 直接の経験として近くにチェルノブイリのことがございまして、健康診断も含めて、いろいろな試行錯誤があって、単に補償するとか健康診断を続けるということでは決して不安がなくならないということも、ある程度わかっております。本当にこの専門家会議で真剣に健康影響調査のあり方も考えていかなければならないと思います。
    今日は第1回ということでございますので、健康管理とその前の被ばくに関して、いろいろとお話を伺いました。
    時間が大分なくなってきましたが、何か事務局から今の段階でお話がございますか。
  • 前田補佐 事務局でございます。本日1回目ということもございますので、項目として最後三つ挙げさせていただいておりますが、これは、それぞれいずれの部分も今日で終わりというわけではございませんので、今日も幾つかデータということで宿題をちょうだいいたしましたので、そのデータもご紹介しながら、また、必要なご議論をいただければ、それでありがたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  • 長瀧座長 それでは、最後に浮島大臣政務官から閉会のご挨拶をお願いいたします。
  • 浮島大臣政務官 皆様、本日はお忙しい中、ご出席賜り本当にありがとうございました。本年9月末より大臣政務官を拝命いたしております、浮島智子でございます。
    本日は本当に被ばく線量について、また健康管理について、皆様の貴重なご意見、ご議論をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
    また、この子ども・被災者支援法は、国民の皆様からとても関心が高いものと承知をいたしているところでございますけれども、どのように具体化していくのか、とても難しい法律でもございます。本日第1回目の会議ということでございますけれども、これからも数回会議が開かれる、議論の場を持たせていただくということでございます。大変、委員の皆様にはお世話になりますけれども、どうか今後ともたくさんのご意見、そしてご議論賜りますよう心からお願いをさせていただきたいと思います。
    本日は本当にお忙しい中、ご出席をいただきありがとうございました。今後ともどうかよろしくお願い申し上げます
  • 長瀧座長 どうもありがとうございました。
    それでは、時間になりましたので、本日の東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議は閉会いたしますが、引き続き委員の皆様方のご協力をお願いいたします。
    本日はどうもありがとうございました。
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