環境省保健・化学物質対策PRTRインフォメーション広場化学物質排出把握管理促進法に関する懇談会

第3回化学物質排出把握管理促進法に関する懇談会 議事録


1.日時  平成18年7月27日(木) 9:30〜12:30
2.場所  主婦会館プラザエフ7F「カトレア」
3.出席者(敬称略・五十音順)
(座長) 大塚 直  
(委員) 有田 芳子 安藤 健吾
  池田 茂 岸川 敏朗
  小出 重幸 白石 寛明
  瀬田 重敏 豊田 耕二
  中杉 修身 中地 重晴(代理:村田氏)
  藤江 幸一 安井 至
4.議題 
(1) 前回懇談会の議論に対応した追加説明
(2) 有識者からのヒアリング
(3) 意見交換
5.議事
午前9時30分開会
 

○戸田補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第3回化学物質排出把握管理促進法に関する懇談会を開催いたします。
 委員の皆様には、ご多忙にもかかわらず朝早くからお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、早速ではございますけれども、ご進行は座長の大塚先生にお願いいたします。

○大塚座長 おはようございます。懇談会も今回で3回目になります。
 今回と次回は、各方面から有識者の方々をお招きいたしましてご意見をお聞きすることにいたしております。
 今回はまず前回までに出されたご意見を踏まえて、事務局において情報収集した結果を報告していただきます。その後5名のゲストスピーカーの方からご意見をお聞きして、委員の皆様と意見交換をする時間をとりたいと思います。
 来週開催予定の次回会合におきましては、さらに数名のゲストスピーカーからご意見をお聞きして、その後これまでの会合で出された論点を踏まえて、懇談会報告書の取りまとめ方針についてご議論いただきたいと考えております。今回も前回と同様に3時間の会合時間を予定しておりますので、活発なご議論をお願いいたします。
 それでは、議事に先立ちまして、委員の出席状況の報告と資料の確認、それから議事次第2番目の項目にあります第2回懇談会議事録の確認につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。

○戸田補佐 それでは、着席のまま失礼いたします。
 本日の出欠状況でございますけれども、新美委員の方から残念ながらご欠席というご連絡をいただいております。中地委員でございますけれども、出席できないため、代理として村田様においでいただいております。
 本日は、5名のゲストスピーカーにもご出席いただいておりますが、この方々に関しましては、後ほどご紹介させていただきたいと思います。
 なお、本日ゲストスピーカーの村田様より、プレゼンテーションを行っている間の写真撮影を行いたいという申し出がございました。本懇談会におきましては、写真撮影につきましては冒頭のマスコミによる写真撮影に限るという方針で運営してまいったところでございますけれども、ご本人からの申し出に限って撮影を認めても問題ないのではないかというふうに事務局の方で考えましたので、委員の先生方がよろしければ、そのような形で運営させていただきたいと思います。
 資料確認につきましては、事務局の奥崎の方からさせていただきます。

○奥崎専門員 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第の次の紙の方に資料一覧を掲載しております。
 各資料の右肩の方に資料番号を振っておりますので、ご確認をお願いいたします。
 まず資料1、第2回懇談会議事録(案)、資料2−1、化学物質に関する法規制の状況、2−2、過去4年間の届出排出量の増減について、2−3、PRTRデータとモニタリングデータの比較、2−4、PRTR排出量等の算出方法について、2−5、小規模事業者及び少量取扱事業者による排出量の寄与について、2−6、法令に基づく製品の成分表示について、2−7、平成17年度PRTRデータ評価・活用方策検討調査報告書、資料3−1から村田氏プレゼンテーション資料、3−2、蔵本氏プレゼンテーション資料、3−3、堀井氏プレゼンテーション資料、3−4、亀屋氏プレゼンテーション資料、3−5、中西氏プレゼンテーション資料となっております。
 なお、資料1の議事録(案)と資料2−7の報告書については委員限りであり、傍聴者には配付しておりませんのでご留意願います。
 このうち議事録(案)につきましては、既に委員に事前にお送りし、所要の修正を行ったところですが、さらに修正等ございましたら、1週間後の8月3日をめどにご確認をお願いいたします。委員全員にご確認いただきましたら、環境省ホームページに掲載させていただく予定でございます。また、資料2−7の報告書につきましては、既に環境省ホームページに掲載しております。
 もし、資料の不足がございましたらお申しつけください。

○大塚座長 ありがとうございます。
 それでは、前回議事録の確認については後日でよいということでございますので、早速ですが議事に入りたいと思います。
 まず議題1といたしまして、前回までの懇談会で指摘された事項に対応しまして、事務局にて情報収集された結果をご報告いただきたいと思います。
 資料は2−1から2−7までと多いですけれども、最後にまとめて質疑応答の時間をとりたいと思いますので、資料説明を事務局よりまとめてお願いいたします。

○戸田補佐 それでは、本日は有識者からのプレゼンテーション、ご意見をいただくのがメインでございますので、事務局からの説明は最小限にさせていただきたいと思っております。
 また、2−7と言いますのは、この冊子でございまして、先ほど奥崎からも申し上げましたように、部数の関係で委員限りということになっておりますけれども、環境省のホームページに掲載いたしますので、必要であればごらんいただきたいと思います。これは参考までにということでございますので、本日特に詳細な説明はいたしません。昨年度の調査としていろいろなPRTRデータの評価・活用方策について検討してまいったということでございます。
 それでは、資料2−1でございますけれども、化学物質に関する法規制の状況ということで、表の方に書いておりますけれども、これは議論に当たって、化学物質排出把握管理促進法の位置づけ、これがどこまでをカバーしているのかということをしっかり共通認識を持っておいた方が良いのではないかというご指摘もございまして、制度の概要をご理解いただくということで図示したものでございます。
 表の方は、一般環境を通じた曝露、人への直接曝露、作業環境と、こういった曝露の形態ごとにいろいろな法制度があると。また、縦軸でございますけれども、物質の種類によって一般化学物質についてはいろいろございまして、その他毒物劇物でありますとか、農薬でありますとか、いろいろ書き出しますと肥料取締法でありますとか、水道法でありますとか、いろいろ書かなければいけない法律がたくさんあるんですけれども、簡単に幾つか、代表的なものを書かせていただいたということでございます。
 このうち、左上にございます一般環境を通じた曝露のうち、一般化学物質を対象とする、そういった部分について現在考えているところでありまして、その中で一番上の化学物質審査規制法ということで、製造・使用等を規制する法律があり、真ん中に化管法ということで自主管理を促進するという法律がある。これだけではうまくいかない場合には環境基準を設定したり、または大気汚染防止法などの環境規制法による規制というスキームがある、そういうことでございます。その辺を少し詳しくしたのが裏でございまして、化学物質のライフサイクルと法規制・情報の流れという矢印の図でございますけれども、この中で黒い実線の矢印はPRTRの排出量の届出でございます。黒い点線の矢印、これは使用者のところからだけ出ていますけれども、排出の推計ということで、当然対象外の業種でありますと、そういったものは推計ですので、本来これは事業者の方からも出ていなければいけないのですが、ちょっと図を簡単にするためにその辺は省いてございます。
 3本線の矢印は、PRTRの移動量の届出ということであります。廃棄物処理業者等への移動量を届け出て、環境への排出量につきましては、ちょっと曲がった実線のPRTRの排出届出・推計のところで最終的に確認をしているというところでございます。
 これが、排出量等の情報の流れでございますけれども、化学物質の性質に関する情報につきましては、MSDSということで、太い灰色の矢印がMSDSということで事業者間の情報共有の仕組みとしてある。廃棄物のところにつきましては、これはつい最近制度化されたものでございますけれども、WDS、廃棄物データシートというもので、廃棄物に関する廃棄物の中の有害物質に関する情報の流れというのも最近始まったということでございます。
 点々で書いてある規制等化審法でありますとか大気汚染法防止法、廃棄物処理法ということで、それぞれの出口のところで、または出口、入口のところで必要に応じて規制する仕組みがあります。この懇談会の対象は規制のところではございませんで、主に矢印上に書いてあるような情報の流れのところ及び自主管理のところが今回の議論のテーマであるということでございます。
 続きまして、資料2−2でございます。
 過去4年間の届出排出量の増減についてということで、これは業種ごとに詳しく見るべきであるというご指摘がございましたし、また平成14年と15年の間に、事業者の取扱量の閾値が5トンから1トンに厳しくなったと言いますか、経過措置が終わったということがございますので、その辺の効果を見るためにも業種別に状況を見てみました。折れ線が届出事業者数で、棒グラフが排出量ということでございます。
 これを見ていただきますと、例えば右上の出版・印刷・同関連産業などにつきましては、ほとんどがトルエンであるということがわかりますし、14年、15年は若干事業者は増えているけれども、排出量としては減っているという傾向の方が強いということがあるかなと思います。
 個別のグラフについては後ほどざっと見ていただくということで、2ページを見ていただきますと、増加した業種の例でございます。
 このうち、左上の非鉄金属につきましては、前回の議論におきましてもどうして増えたのかちょっと詳しく見てみるべきじゃないかということがございましたので、見てみますと、15年、16年で増えた要因はマンガンの埋立量が増えたということで、これもさらによく見てみますと、一社の届出量が増えたということでございました。これは恐らくその工場の生産量が増えたということでございますので、こういうところの影響を受けるということでございます。
 右の一般機械器具製造業を見ていただきますと、この辺につきましては事業者数の増加というのは14年、15年である程度ある。さらに、排出量も増えていますので、この辺は排出量増加の一要因としてもしかしたら5トンから1トンというのがあるかもしれない。
 それから、もっと顕著に出ておりますのが、一番下の自動車整備業でございまして、これは届出対象事業者が大きく増えておりまして、それに伴って、明らかにその影響で排出量が増加しているということでございます。
 あと、電気業でございますが、これは個別データを見てみると、ほとんどの施設で同じように増えているということがありますので、これは恐らく算出方法が変わったのではないかということでございます。
 3ページでございますけれども、これを物質別に見てみるとどうなのかということで、一番上2つがトルエン、塩化メチレン、あとキシレンなどもそうですけれども、排出量の非常に多い物質につきましては、届出事業者数も若干増えているけれども、傾向としては排出量の方にはなかなかその影響は見えないということがございます。
 また、エチレングリコール、クロロホルム、その次の行でございますけれども、これは事業所数はかなり増えていることは見てとれるのですけれども、これも排出量総量への影響は見られないということであります。
 こういう物質がほとんどなわけですけれども、幾つか見てみると、一番下の列におきましては、1,3,5−トリメチルベンゼンという物質につきましては、これは排出量がある程度多い物質の中で、平成15年、16年がこういうふうに顕著にと言いますか、ある程度伸びているというのは、これくらいしか見当たらなかったことがありますけれども、事業者が増えてその影響も恐らくあって、排出量が増えたということがございます。
 あと、ヒドラジンというのがございますが、これは軸を見ていただきますと、排出量のオーダーが違うということがおわかりになるかと思いますけれども、これはかなり有害性の強い物質ですので使用量としても少ない、こういった使用量の少ないものにつきましては、5トンから1トンにした影響というのが出てきているかなと、こういった物質もあるということでございますけれども、大きなマスを占めるものにつきましては、あまり影響がなかったというふうに言えるのではないかということでございます。
 あとは表でございますので割愛をいたします。
 資料2−3でございますけれども、PRTRデータとモニタリングデータの比較をすることによって、効果がどのくらい出るかということを検証すべきであるとの指摘がありました。モニタリングデータが経年的にあるのは大気汚染にほとんど限られるところがございまして、有害大気汚染物質で経年的な測定データがあるものについて検証いたしました。
 最初のアクリロニトリルにつきまして、これを見ていただきますと、点線がモニタリングデータでございまして、棒グラフが排出量ということで、黒いところが届出、点々で書いてあるのが届出外ということであります。
 アクリロニトリルを見ていただきますと、届出外が13年は非常に多くなっていますが、これは初年度の推計方法がまだ未熟だったところがございまして、推計方法を見直した結果、より現実的な値としては、そんなに届出外がないということで、こうしてみると届出排出量の減った効果が環境濃度にも出ているという1つの例かなという気がいたします。
 めくっていただきまして、2ページの上の2つを見ていただきますと、塩化ビニルなどは環境濃度に出ているということがありまして、濃度判定が出ているということがありますけれども、1,2−ジクロロエタンなどにつきましては、届出排出量は減っているけれども、環境濃度にはあまり出ていない、この辺もう少し精査してみないとわからないのですけれども、乖離が見られているかなと思われる1つの例ということであります。
 こういった個々に説明していくと時間がございませんので、5ページに、年間排出量と平均濃度、これを一緒に見るとどうなるかということをやってみました。上が平成13年度、下が平成16年度でございまして、平成16年度を見てみますと、かなりの物質が対数目盛で見てみますと、割とよく乗っているということがございますけれども、水銀とかニッケルとかその辺は排出量、この辺の関係から外れているということであります。
 もちろん、こういう金属類につきましては排出源も違いますし、バックグラウンド濃度もございますし、自然発生源もあるということで難しいものではありますけれども、この辺はさらに精査していくべきものかなという感じがいたします。
 次、資料2−4でございますけれども、PRTR排出量の算出方法、どういうふうな算出方法をとっているのか、原単位をとっている場合には対策効果がどのように出てくるのかというご指摘がございましたのでいくつか資料をあげてみました。
 化管法の施行規則におきましては、算出方法としておよそ4つの方法が上げられておりまして、物質収支による方法、実測による方法、排出係数による方法、物性値を用いた計算による方法ということで、これらの方法をどういうふうに使っているかというアンケートをとったのが、1ページの下でございます。
 この円グラフになりますと、物質収支、実測、排出係数というのが大体3分の1ずつぐらい使われているということであります。もちろん、幾つかの物質につきましては、ほとんど出ないだろうからゼロと算出するというふうな回答もありましたので、そういったものはこの集計からは省いてございます。
 業種別に見てみますと、2ページですけれども、我々が把握しているのは58のマニュアルがございます。その中で、会員企業限定ということでいただけなかったものもあるのですけれども、収集できた54のマニュアルにつきましてざっと見てみましたところ、3ページ以降のような、このマニュアルにはこういう方法が使われているというような、こういう星取表のものができるということであります。
 それぞれの方法というのはおよそどんなものがあるかというのが5ページ以降でございまして、5ページ、[1]物質収支の例でございますけれども、どれだけ使ってどれだけ出荷したか、差し引きでどのくらい排出するか、これが物質収支の1つの例でございます。
 ②の実測の例というのは、亜鉛の排水濃度を実測して、それを平均して年間排水量を掛けるというのが1つのやり方というものであります。
 排出係数の例ということで、これはいろいろ例があるのですけれども、1つの例としてガソリンスタンドからのベンゼン排出量ということであります。6ページにございますように、ベーパー回収装置、上記の回収設備がない場合にはこういうことです。ある場合には、ベーパー未回収率を15%、効率85%として計算して、係数をかけるというものでございます。ベーパー回収の設備という施設に限っては、これを置いているか置かないかによって、対策効果が排出係数に出ているということであります。
 物性値を用いた計算の例ということで、これは原単位法に近いものでありまして、排出係数法に近いものでありまして、排出係数を算定するに当たって、いろいろな物性値を考慮しているという例でございます。
 ちょっと駆け足で申しわけないですが資料2−5でございます。東京都の条例届出データを解析した例ということで、これは第1回の懇談会におきまして、こういう検討をしておるというご紹介をしておいたものでございます。
 東京都におきましては、従業員数すそ切りなし、年間取扱量は100キログラムということでやっておられますの。2ページが従業員数と年間排出量の相関ということであります。
 ここで、ご注意いただきたいのは、これは事業所の従業員数でありまして、化管法におきましては、事業者、つまり本社なども含めての従業員数を考えておりますので、必ずしも一致しないわけでございますけれども、ある程度傾向が見えるかなということであります。
 個々の物質、ほとんどのグラフを見ても21人以下のところでも、かなり大量の排出事業者があるということが、これで見てとれるということであります。
 3ページの2.でございますけれども、何%ぐらいカバーしているかということを計算してみますと、合計で約23%が21人未満の寄与率ということになっております。
 これを、業種別、物質別に見たのが表3、表4でございますけれども、詳細は省略させていただきますけれども、いろいろ多いところと少ないところがあるということであります。
 一方、年間取扱量1トン未満の事業所がどのくらい寄与しているかというのを見たのが6ページでありまして、これは合計7%と出ておりまして、先ほどの23%と比べていただければ、1トン未満の寄与というのは、総体的にはそんなに多くないということというふうに考えられます。
 最後でございますけれども、資料2−6は、これも前回家庭用品品質表示法に基づく表示というのが、どのくらいの物質をカバーしているのか、PRTR対象物質とどういう関係にあるのかということを整理してみなさいというご指摘がございましたので、家庭用品品質表示法に限らず、表示規定のある法律をいろいろピックアップしまして、調べて見たのがこの表でございまして、表1を見ていただきますと、家庭用品品質表示法におきましては、合成洗剤等におきまして物質名として6つの化学物質を個別に表示しようということになっておるということでございます。もちろん、農薬ですとか毒劇法でありますとか、この辺はほかの多くの物質をカバーしているわけでありまして、7番の化学物質審査規制法におきましても、金属加工油などの幾つかの限られた品目でございますけれども、4つの物質については含有を表示しなければいけないということになっております。
 物質の例として書いてございますのが、表2でありまして、品質表示法では直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの表示をしなければならないということでございます。
 3ページ以降は、ラベル表示の具体例でございまして、家庭用品品質表示法のところを見ていただきますと、3ページの上ですけれども、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが含まれるということが書いてあるということでございます。
 資料の説明としては以上でございますけれども、資料を出すには至らない事項として、前回ご指摘いただいたものについて、ちょっと調べてみた結果を簡単にご報告したいと思いますけれども、まず1つは、シュレッダーダストはどういうふうな扱いになっているかというご質問がございました。
 この辺調べてみましても、シュレッダーダストに含まれるような化学物質につきましては、化学物質排出、化管法におきましては製品の定義として、個体の状態であるものというのは除いておりますので、プラスチックの中の添加剤でありますとか、電池の中の鉛でありますとか、その辺を1トン以上取り扱っていても、それは取扱事業者の定義には入らないということで、そういうことで排出や移動、埋立等の届出義務はないということにならざるを得ないというところでございます。
 もう1つ、第2点目といたしまして、大量の排出事業者、個別の物質につきまして、そのほとんどが一社から出ているというものについて、どういうふうな指導をしているのかということでございますが、具体的には二硫化炭素という物質でございますけれども、確かにこれは半分ぐらいがある業者、特定の業者が出しているということでございますけれども、県に相談してみますと、これを特に個別の指導をしているような経緯はないということでありました。
 なお、この物質につきましては、初期リスク評価というものを行っておりまして、一般の環境濃度におけるリスク評価としては、安全係数を見込んでも今のところ問題ないというふうな、そういう結論になっておりますけれども、確かにこの事業所周辺のデータがあるわけではございませんので、その辺は将来的な課題かなというふうに考えておるところであります。
 第3点目といたしまして、石綿、アスベスト等に代表されるように、PRTRで排出が必ずしも捕捉されていない物質があるのではないかということがございます。アスベストの排出量を見てみますと、そのほとんどが鉄道業、鉄道ブレーキからの排出というのがPRTRの排出量のほとんどを占めるわけでございまして、石綿の用途、輸入量でありますとか、またその建材等の用途を見てみますと、その辺が必ずしも推計されていないというところがございまして、これは推計されていない、まだ推計するに至っていないデータの1つかなということであります。
 同じようなことが水銀の例にも当てはまりまして、水銀の大気インベントリというのが、学会誌に出たりしていますけれども、こういったものと比べてもPRTRデータで必ずしも捕捉されているような状況にはないということでございます。
 最後に、1件訂正ですけれども、前回、日本のPRTR制度は諸外国と比べてどうなのかというご質問があったときに、米国のPRTR制度の事業所の取り扱いデータが最近テロ対策の関係で公表されなくなったというふうなことを申し上げましたけれども、この辺は調べてみますと、そういうことはございませんで、と言いますのは、もともとアメリカのTRIの取扱量というものは、そういうデータをとっていない、とっているのは最大保管量、何トンから何トンまでというデータをとっておりまして、そのデータをホームページを確認しますと、まだそれは公開されておりますので、取扱量と最大保管量の混同があったということで、この辺は訂正させていただきます。
 諸外国の制度に比べてどうなのかということにつきましては、第1回の資料で出しましたので、そういったものを勘案して、我が国の制度はどうなのかということは、むしろこの懇談会の中で先生方にご議論いただきたいなというふうに思っているところでございます。
 ちょっと長くなってしまいましたが以上でございます。

○大塚座長 ありがとうございます。
 それでは、前回の指摘事項に対応した情報収集の結果につきまして、ただいまの説明に対するご質問がありましたらお願いいたします。
 今回は、後ほどフリーディスカッションの機会がございますので、ご意見につきましては後で伺うということにいたしまして、ここではご質問のみとさせていただきたいと思います。いかがでしょうか。ございませんでしょうか。
 それでしたら、時間の関係もございますので、ご議論は後ほどしていただくということにいたしまして、次の議題に移らせていただきたいと思います。
 続きまして、各界から5名の有識者をゲストスピーカーとしてお招きいたしておりますので、それぞれのご経験を踏まえたご意見などについてプレゼンテーションしていただきたいと思います。
 最初に、事務局より5名のゲストスピーカーをご紹介お願いいたします。

○戸田補佐 それでは、本日は当初は6名というふうに考えておりましたけれども、業界からのスピーカーについて調整の結果、後ほどご報告いたしますけれども、ちょっと時間がございませんので次回にさせていただきたいということがございますので、今回は5名ということでございます。
 ご紹介いたします。最初のスピーカーは、WWFジャパンの村田幸雄様でございます。本日は、中地委員の代理としてもご出席いただいております。
 次のスピーカーは、福山市の環境保全課長であられる蔵本成洋様でございます。
 新潟県環境対策課長の堀井一雄様でございます。
 横浜国立大学助教授の亀屋隆志様でございます。
 産業技術総合研究所の中西準子様でございます。
 最初に、申し上げますけれども、中西先生につきましては12時ぐらいにご退席ということでございます。また、藤江委員につきましても11時50分ぐらいにご退席ということですので、大体スケジュールといたしましては、11時半ぐらいにはプレゼンテーションを終了して、その後フリーディスカッションということでございますので、ぜひともそのときにいろいろご意見をいただきたいということでございます。
 私の方からは、スピーカーの紹介としては以上でございます。

○大塚座長 ありがとうございます。
 それでは、WWFの村田様より順に前の席に移動していただきまして、それぞれ10分程度でプレゼンテーションをお願いいたします。
 では、村田様お願いいたします。

○村田氏 今、ご紹介いただきましたWWFジャパンの村田と申します。
 時間が限られておりますので早速進めたいと思います。
 今日は、2つに絞ってお話ししたいと思います。1つは、化学物質問題に取り組んでいるNGOがどんなことを考えているのか、その概要についてご報告したいと思います。
 次に、PRTR情報の市民活用の観点から、どういう課題があるのだろうかということについてお話したいと思います。
 まず、市民団体がどういうことを考えているのかということですが、これについては第1回のこの本懇談会のときに、環境省の平成17年度の調査で、市民団体のPRTRに対する意見をまとめた報告書が出されています。この調査は大きく2つに分けられ、1つは一般のいわゆる環境団体に広くアンケート調査をした結果と、もう1つの方は日本では数少ない化学物質問題に取り組んでいる市民団体に、個々にヒアリングをして得た情報です。後者の部分については、前回ちょっとあまり時間がなくて十分ご紹介いただけなかったので、ここで紹介をさせていただきます。
 まず、届出に関してですが、対象化学物質選定の見直しについて意見がいろいろ出ました。例えば、今話題になっているPFOSやPFOAみたいなものが、なぜこの化管法で対象にならないのか、選定の基準をもう少し見直さなければいけないのではないかというような意見がありました。
 対象業者についての見直し、これは建設業というのは現場ではいろいろな化学物質を排出するにもかかわらず対象になっていないとか、それからそもそも対象業者という枠は必要ないのではないかと、業者の枠ではなくて化学物質の取扱量ということで選定すべきではないかというような意見もありました。
 それから、これはヒアリングしたすべての団体から出たことですが、取扱量、もしくは貯蔵量については報告すべきだということです。
 それから、廃棄物として出されるもの、それから環境に排出されるものは捕捉されますが、製品としてどれだけいくのかということについても知りたいという声があります。
 それから、下水・廃棄物としての移動先についてまできちんとPRTR上ではつかめないので、どこにいくのかということも知りたいということです。
 それから、届出義務要件、下水道業は特定の物質のみ報告ということになっていますが、この辺の問題、それから従業員数というすそ切りも不要ではないだろうかと。取扱量をもとに義務要件とすべきだという意見です。
 それから、今行われている公表のしかたでは、非常に市民側からするとわかりにくい。さまざまな努力はしているようですけれども、市民側からとってみればまだわかりにくいということです。
 それから、個別事業所の情報は全面開示すべきだと、現状では開示請求があった場合のみ知らせるということですが、そうではなく全面開示という声も圧倒的に多かったです。
 それから、まだまだ一般市民に対する普及啓発が不十分であり、なかなか認知が十分ではないということ。
 それから、その他の意見として、現場に近い自治体の役割をもっと強化すべきであると。それから、報告されたデータの精度、これをどうチェックしているのか、その辺もう少しチェックを強くしてほしいという意見もありました。
 それから、同様に未届け事業者に対する対策をどうしているのか、この辺ももっと積極的な取り組みを望むという声がありました。それから、MSDSは事業者間での情報のやりとりですが、これは市民としても知りたいと、知る権利という側面だけではなくて、市民が自分の手元にある化学物質を処理するときの情報としても、非常に重要ではないかということです。
 これ以外にもいろいろな意見もございましたけれども、以上が、全体を通して見た主な意見といえます。
 次に2番目の論点として、PRTR情報の市民へ向けた情報提供のあり方についてお話をさせていただきます。まず市民による活用の現状をご紹介したいと思います。
 次に活用を促進するにはどのような取り組みが必要かお話をしたいと思います。
 これは、先ほどご紹介しました平成17年度の環境省調査にあるデータで、1,751団体にメールでアンケートを送りまして、返ってきた回答を集計したものです。
 化学物質に関心があると答えたのが全体の19%に相当する336団体でした。その336団体のうち、PRTRについて、多少なりとも知っているからよく知っている団体が、半数強の177団体です。これは、全体の約10%、環境NGOの大体10%がPRTRを知っているということになります。
 知っているという団体に、実際にPRTRデータを見たかという質問をし、その答えが左の円グラフです。自らデータを調べたのが48団体、27%、それ以外の団体はたまたま受動的に見たに過ぎないということで、自らデータを調べたというのは、全体の約3%ぐらいというのが現状です。
 この自らデータを調べたというグループに、どのルートで調べたのかを聞いたところ、右側の棒グラフですが、圧倒的に環境省のホームページが多く75%、また約半数が企業の環境報告書やホームページで情報を得たと、これは個別事業所のデータに非常に関心が高いと考えることもできます。
 では、PRTRデータの情報提供のあるべき姿をどう考えたらいいのでしょうか。グラフの縦軸が情報量です。横軸が使いやすさです。情報量で言うと3つに区分する壁があると思っています。
 1番目の壁は、個別情報が提供されているかどうか、2番目の壁は、PRTRデータだけでなく、ほかの関連する環境情報と融合させて提供しているかです。
 横軸は、一番大きな区切りとしては、従来の紙媒体のみによる情報提供と、電子媒体、さらにウェブを使って、さらにはGISなど理解を助けるような情報加工された情報提供との境界です。そういう観点から、今ある主なPRTR情報サイトをプロットしてみました。環境省のサイトに関しては、県単位の集計データしかなく、NITEは市区町村単位まで見られるようになっています。
 日本のサイトで第一の壁を唯一越えているのがT−Watchですが、ただ人材とお金の不足のために、なかなか上方にまだ行けないという状況で、使いやすさの面ではまだまだ改善の余地があると思います。
 使いやすさという面では、将来の発展段階として私は右上がりの方向に進むのではないかと思っていますので、例えばTRI Explorer、これはご承知のように個々の事業所はもちろんのこと、いろいろな角度から分析できるようになっていますし、地図情報も得られます。ですから、PRTRデータだけに限っていえば、これが1つの到達点だと思っています。
 しかし、さらにその壁を越えると思えるのは、Envirofactsという、同じEPAのサイトです。TRIの情報だけではなくて、水、それからスーパーファンドサイト、ブラウンサイト、その他関連した情報が、このサイトから有機的にリンクされていると。
 例えば、郵便番号を入れますと、その地域の空気、大気、それからこれはPRTRのサイトの数、それから廃棄物とかさまざまな排出に関連しているサイトの数が出ます。それが、地図上にプロットされます。これをさらに詳しく見るには、こういう複合された地図が出てきまして、その地域内のすべての事業所が出てきまして、特定の事業所の排出情報が得られます。

○大塚座長 ちょっと、時間が大分迫っておりますのでよろしくお願いします。

○村田氏 まとめとして個別事業所の情報抜きでは、市民のPRTR情報活用には、非常に大きな限界があると。PRTRデータは、データそのものだけではなくて、関連するほかの情報と関連させることでさらに活用が広がることから、将来的には、ほかの環境情報も含む包括的環境情報提供ウェブサイトへと発展させることが望ましい。
 そのためにも現在の化管法では請求開示となっていますが、これは全面開示に切りかえるべきだというのが私の考えです。
 以上です。

○大塚座長 ありがとうございます。
 それでは、村田様の説明に対するご質問を含めご意見等をお願いいたします。
 藤江委員お願いします。

○藤江委員 2つお伺いしたいのですけれども、1つは我々の生活の中では多様なリスクがいっぱいあるわけです。その中の1つと言っていいのかどうかわかりませんけれども、化学物質のリスクがあると。化学物質のリスクというのを一般的に市民団体と言ったらちょっと広過ぎるかと思うのですけれども、市民団体の中の方々というのは、どういうふうに位置づけてどういうふうに考えておられるのかというのが1つです。
 それと、2つ目がいろいろとあんなこともあったな、こんなこともあったなというお話を伺いましたけれども、プライオリティーをつけるとしたら何が一番情報として欲しいのかという、その辺ちょっと教えていただけると。私もちょっとリスコミやっているものですから、ありがたいのですけれども、お願いします。

○大塚座長 お願いします。

○村田氏 1番目のリスクをどう考えているかということですが、市民にとって化学物質のリスクというのは、まだなかなか実感できない部分があります、具体的に把握しにくい概念だと思います。
 私の考えは、PRTRのような具体的なデータを示すことによって、少しずつ市民がより深く、理解できるようになると思っています。リスクはこういうものだという総論で幾ら伝え合えても、それは全然市民にとってはわからないままです。具体的に、この地域にこういうものがこれだけ出ている、これをどう考えるか、お互いにリスコミをしながら理解を深めていくということが市民にとってのリスクの理解を深める道だと思っています。
 それから、2番目が何にプライオリティーをつけるかということですが、私としては個別事業所の全面開示ということが、この情報提供の中では一番大きなものだと思っています。NGOのT−Watchが個別情報を開示していますけれども、先ほどEPAのサイトで見たような、いろいろな情報を総合的に見せるというのは、NGOでは手に余る仕事です。これは公的な機関が使いやすいものをつくっていかなければいけないと思っています。そのためには、個別事業所の開示という足かせを解くのが不可欠です。

○大塚座長 ありがとうございました。
 質問よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。
 それでは、ほかにも何かご意見がございましたら、最後の全体討論でご発言いただくことにいたしまして、次に福山市の蔵本様にプレゼンテーションをしていただきます。では、前の席でお願いいたします。

○蔵本氏 ただいまご紹介いただきました福山市の蔵本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 福山市におきまして、今回化学物質排出把握管理促進法の現状と今後の運用についてですが、都道府県におかれましては積極的に取り組まれていると思うのですが、我々は一地方自治体でございますので、その現状と今後の運用について、ご説明を申し上げたいと思います。
 福山市は、広島県の東部に位置いたします。中国地方で広島市、岡山市、倉敷市、そして福山市と人口規模で4番目でございます。人口は46万人です。今回、平成の大合併によりまして4町を合併した結果46万人となっております。全国的にはなかなか福山市の名前も知られてないのですが、福山市は今年、市制施行90周年になります。バラ祭等のイベントがあり、2日間で約80万人の人が訪れていただいております。
 それともう1つは、大規模製鉄所が立地しているということで、皆さん方はご存じかも知れません。
 この中で、本市の特徴といたしまして、鉄鋼が工業出荷額の43%、約半分近くを占めるという特徴がございます。それ以外にも、電気機械とかそういったものもございますが、もともとは繊維工業であるとか、一般機械器具、木材製品、そういった町でございましたが、この製鉄所の進出によって工業都市に生まれ変わってまいりました。
 こういった中で、化管法が施行されまして、福山市としてどうして受託したのかというところをご説明したいと思います。
 まず、この法律の施行に伴いまして、広島県から福山市で経由事務をやってほしいと、そういった話がございました。そのときに、一点目は、市は大気汚染防止法であるとか、水質汚濁防止法であるとか各種公害関係法を所管しておりました。
 また、中核市に移行して大気関係の工場の規制事務を行っておりました。そうした意味で、県としても工場とか事業場の実態がわからないといったこともありまして、福山市の方で受託してほしいとの要請があり、市が届出経由事務をした方が、より事業者とのつながりもあり良いという判断をいたしました。
 もう一点目は、市民の方が市内の化学物質の排出量はどの程度か、行政に質問があったときに、国が集計した結果を見ていただくようになりますけれども、しかし、市として皆さん方の周りにはこういったものがありますということが説明できるということも必要であると考えております。
 もう一点目は、現在、有害大気汚染物質の環境測定をしております。環境基準もありますけれども、基準が設定された項目についてどういった経年変化を示しているのか、そうしたものにも有効に使えるという3点のことを考慮し、法の施行当初から、届出事務を受託する結論になりました。
 また、経由事務に伴う人員はどの程度必要か、事務処理に係る経費はどの程度かについては、届出事務であり一時的な事務処理であり、人員はあまりかからないとか、届出事務であり、経費はあまり必要ないかとは思っております。
 福山市における、現在の施行状況でございますが、1点目は、大気・水域への排出状況、2点目は、環境大気中のダイオキシン類濃度と年間排出量、3点目は、大気中のベンゼン濃度と年間排出量について順番にご説明をしたいと思います。その前にこのパワーポイントのバックに写っている雑誌に記事が紹介されました。
 これは、2003年の6月のある週刊誌の「ウィークリー」という本に掲載され、「衝撃データ初公開、全国化学汚染マップ、あなたの町はこれだけ汚れている!」という特集記事として載りました。我々も、これらの化学物質につきまして把握する必要があるということは以前から思っており、問題は市民の方が自分たちのの住んでいる隣の工場はどの程度化学物質を排出しているのかという質問があったときに、行政としてどう説明するか必要ではないかと思っておりました。
 記事の中で、福山市においては、ダイオキシン類とベンゼンが、全国8位という結果となっておりました。この時、これら化学物質の排出量につきましては、把握しておりましたので、ある程度予想はしておりました。したがって、ダイオキシン類につきましても、ベンゼンにつきましても、大きな発生源があることで排出量もわかっておりましたので、全国的には上位にランクされることは理解しておりました。
 この特集記事について、地元のラジオ局から出演依頼がありました。しかし、これらの化学物質について排出状況で把握しておりましたので、PRTR法や、福山市の現状について取材を受け説明したところです。
 次は、現在物質別に大気に排出されている上位の化学物質を示したものです。2002年から2003年につきまして、特にトルエンが非常に増加しております。
 これは、規模要件の変更に伴う増加ではなく、ある一社が届出をしなかった要因であり大変な排出量の増加です。約270トンの量でありました。これは、ある企業の苦情に伴う立ち入り調査時に、製品の生産状況から大量の化学物質を使用しいるのはわかっており、回収も含めてどの程度排出しているかということで、PRTR法に基づく届出について指導し、その結果、トルエンだけで約270トンという大幅な増加を見ました。
 こうしたことも、工場等に様々な要件で立ち入りをしているといった状況で判明したもので、事業者としてもPRTR法に対する認識が不徹底であったのではと思います。
 次が、水域に出ている化学物質の量ですが、特にフッ化水素というのが非常に多量に排出されております。これにつきましては、市内の一事業者が排出量の多くを占めており、削減に向けた取組みを検討することとなりました。これは、市単位の排出量を公表することにより、一事業者が排出している量が判明した結果、フッ化水素の削減について対策を実施したものであります。
 そういった中で、市町村単位での排出量を公表することにより、事業所の自主的取り組みを促進するといった意味では効果があるのではないかというふうに思っております。
 次が、ダイオキシン類の大気中濃度の平均値と排出量の関係をとってみました。ダイオキシン類につきましては、ダイオキシン法で規制基準が厳しくなりましたので排出量は年々減少しており、環境中の濃度も以前に比較し減少しております。こうしたことに、現状で活用できているのではないか考えております。また、環境市民団体等もダイオキシン類の環境中の濃度が下がった理由について説明を求めてまいります。そうした時も、行政として市内の排出状況について説明する必要があると考えております。
 次に、ベンゼンの大気中濃度の平均値と排出量の経年変化ですが、大気へのベンゼンの排出量につきましては非常に減っております。それと、ベンゼン濃度も若干ですが減少傾向を示しております。このベンゼン排出量につきましても、市内の大企業が排出しているベンゼンが市内の排出量の大きな部分を占めることから、削減対策について検討され、大企業自身がベンゼンの排出抑制対策を実施しました。中小企業が排出抑制対策を実施したのではないのですが、全体としてベンゼンの排出量の削減につながっていると思っております。
 次に、リスクコミュニケーションへの取り組みですが、行政としてリスコミに対してどういうふうに関わっていけるかといったことで、リスコミの予行演習とは言いませんけれども、少し勉強させていただきました。
 そうした中で、ある企業が、市内におけるフッ化水素の排出量割合が多いことから、排出削減対策を実施したいが、こうした対策を含めてリスクコミュニケーションを開催する旨、行政に対し協力依頼があり参画しました。また、事業者は長年にわたる地域住民とのコミュニケーション、そういったことを含めてのPRTR大賞受賞ということであります。
 その受賞の理由というのが、事業者が地域住民と日頃からコミュニケーションをとっているかといった面が非常に大きかったと思います。事業者は、夏祭りであるとか、工場見学等も実施されており、そうした中で行政と周辺の町内会、事業者との3者での工場排水の採水というのがあり、もう十数年続いておりますが、年に2回採水をし、お互いデータを持ち寄って意見交換をする、そうした取り組みを行っていることでの受賞もあったのではないかと思っております。
 3点目のリスクコミュニケーションにおける人材育成ですが、化学物質アドバイザーという制度がありますが、我々地方都市でございます。そうした中で、アドバイザーを利用するにも、遠方の方に来ていただくといったことになり、身近で利用できるアドバイザーを確保するため、今後、人材の発掘や育成といった面が必要ではないかと思っております。また、化学物質アドバイザーによる中小企業に対する削減のアドバイスとか技術的なものもお願いできればと考えております。
 最後に、課題と運用ということで書かせていただきました。
 届出の必要性を積極的にPRしなければならない、これは当然でございます。そうした中で、我々も今の規模要件についてどこまでも把握できるかというと限界がございます。そうしたことから、関係省庁と各自治体との情報交換も必要ではないかと考えております。  
 それから、立ち入り権限の付与でございますけれども、先ほど言いましたように、県としましては権限がございません。いろいろな公害関係法令は中核市に権限が委譲されており、関係法令の届出であるとか、あるいはPRTR法の届出精度の向上、そういった面では必要ではないかと思います。それがPRTR法に係る権限の付与だけでもと考えますが、権限の付与となると届出に係る責任も市が負うこととなると考えます。
 次に、今の対象業種と特別要件施設を見直す。燃料小売店等につきましては、排出量の割に作業量が多く、本市の場合、届出数の約半数程度が燃料小売店の届出となっております。こうしたことから、排出量の推計をしても可能ではないかと考えており、自治体として届出に係る作業の軽減も図れると思っております。
 次に、化学物質排出量の増減理由の明記。排出量がなぜ増えたのか、なぜ減ったのかと、そういった理由が記入されていれば、事業者の自主的な削減努力にもつながってくるのではと考えます。我々としても、届けられたものをそのまま相違なかったら送付するわけですけれども、なぜ増えたのか、なぜ減ったのか、間違いがあるかもわかりませんけれども、そういった面を明記していただければ、企業と削減に向けた話しもできると思います。
 次に、化学物質についてわかりやすく公表する。市町村単位とか、あるいは事業所別といったものを公表していただければ、より市民の皆さん方の関心も高まっていくのではないかと思います。
 化学物質というのは、非常に難しいというふうな感覚がございます。そういった中で、有害性だけを取り上げ、危ないというのではなく、リスクを評価するあるいは指標でもって示すなどしていただければ非常にわかりやすいのではないかというふうに思います。
 以上でございます。

○大塚座長 どうもありがとうございました。
 では、蔵本さんの説明に対するご質問を含めご意見などをお願いいたします。
 岸川委員お願いします。

○岸川委員 福山市さんは、今のお話で中核市ということでございますけれども、中核市だと水濁法とか大防法さらにダイオキシン法ということで、ほとんどの環境関係の法令が県から福山市に委譲され、今回、PRTR法も福山市で担当されているものと思います。私は、政令指定都市から中核市までの市にPRTR法は委譲されるべきだというふうに思っているのですけれども、このPRTR法を実際に運用されてみて、中核市に同法は委譲できるというふうに私は思っているのですが、その辺はどうでしょうか。

○蔵本氏 先ほど、この法律を受託するに際し3つの考え方を示したと思うのですが、現在の経由事務を含めて、公害関係法の権限が委譲されていればできるのではないかと思っております。
 かといって、人員はどうなるかとか、あるいは予算的な面とか、そういった面もある程度考慮に入れる中で、権限委譲は可能じゃないかと思います。

○大塚座長 ほかにいかがでしょうか。
 中杉委員。

○中杉委員 市民からとして、わかりやすく事業所別ということを言われているのですが、現状として、例えば隣の工場で何を埋めているかを知りたいという話があります。市民から問い合わせがきたときに、福山市はどういうふうな対応しておられるのでしょうか。

○蔵本氏 その辺につきまして、該当工場があれば、こういった物質が排出されていることは説明しております。

○大塚座長 安井委員お願いします。

○安井委員 今のところでございますけれども、最後に化学物質のリスクを公開したらというお話があったように思うのですけれども、どういった形でのリスクへどういう表現をすべきだとお考えでございましょうか。

○蔵本氏 すみませんが、化学物質がどういったリスクで表現できるのかというのが、私もいろいろな指標があるというふうにはお聞きしているのですけれども、そこまではなかなかまだ勉強しておりませんが、ダイオキシンのときにはあれだけ問題になって話題になったのは、ダイオキシンという物質に限定され、それが危ないですと、人に対してはこうですといった話をする中で、基準も設定されてきたと思います。
 化学物質の排出量については、トルエンなど一般的な物質についてはわかっておられると思うのですが、354物質のすべてを皆さんが理解できるという段階にはないと思いますので、特に有害性の高い物質だけでも何かの指標がとれればと思っておるところです。

○大塚座長 よろしいですか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、次に新潟県の堀井様にプレゼンテーションをしていただきます。前の席でお願いいたします。

○堀井氏 それでは、新潟県の環境対策課長の堀井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私ども新潟県では、PRTR制度をどのように活用しているかというようなことを中心にお話をさせていただきたいと思います。
 新潟県におきましても、図1、2にございますように、届出排出量等をまとめまして県下の各団体等に説明をさせていただきました。
 このように、新潟県におきましてどのようなものが多いのかといったことを説明しております。県下には100の商工団体がございますので、そういったところに資料提供、あるいは600社ほど参加しております環境保全連合会という事業者団体がございますので、そういった各社に説明をし、かつ内容の講演等があれば行っております。
 新潟県は、ご存じのように16年に大変大きな災害を受けました。そういったことで、安心・安全ということが非常に大きな県の課題になっております。皆さんご存じのように、安心・安全なまちづくりといったものも非常に大きな課題になっておりますと同時に、環境面からの安心・安全という点でも、県民の関心というのは非常に高いということで、PRTR制度によって化学物質がどのように発生しているのかということが明らかになるということは、非常にこれは県民にとって安心材料だろうというふうに思っておりまして、また制度の改良等を期待しているところでございます。
 今日、私の方で、新潟県の中でどのように活用したかということを2つほどご紹介をさせていただきたいと思います。
 これが、16年の7.13水害の状況でございまして、信濃川に接続いたします一次支川五十嵐川ですね、こういったところが破堤をいたしまして、この辺が破堤をいたしましてずっと水害に遭ったというような状態でございます。
 これは、震災でございます。このように崩れてしまい、工場も同じということもあります。
 7.13水害では、ここにありますように住家被害が約7,500棟、床上浸水以上でございます。それから、非住家6,900棟、これは倉庫でありますとか工場でありますとか、こういったことでございます。
 それから、10.23大震災では約12万棟のお宅が一部損壊以上の被害を受けた、それから4万棟ぐらいが非住家の被害が生じたということでございます。この区域の中に、どの程度有害物質を使用する事業場があったかということでございますが、水害では43事業場、これは被災地内、先ほどご覧いただきました水害の中での事業場でございます。それから、10.23の大震災の方は594となっておりますが、これは災害救助法が適用された市町村内の有害物質使用事業場数でございます。
 これらをどうやって拾っていったかということですが、水濁法、有害物質使用届出事業場とか、このPRTR法に届けられた事業場、こういったものを丹念に拾い上げていったということでございます。
 こういったものでもって拾っていくしかないわけで、明らかになった事業場はどのくらいの時間で拾い上げたか聞いてみましたら、水害の方が時間がかかっております。というのは、水害というのは目の前にある水で浸ったものはとにかく取り除かなければいけないので1日が大事であります。数時間でもって自分の工場の製品だとか原料を移動しなければいけないということで、情報がなかなか得られない。
 震災の方は、逆に皆さん被災された場合、住宅から離れられましたり、工場から離れますので、逆に情報を得やすいということで、むしろ水害の方が時間がかかって、約一週間ぐらいで確定したようですし、震災ですと数日で情報は、大体の状況がわかったというふうに聞いております。
 それから、震災におきましてはこれと同時に下水道も非常に被害を受けておりまして、27の市町村の公共下水道が被災をして使えなくなった。要するに、ポンプ場がやられてしまいますので、水が流れなくなってしまうということで非常に苦労したということでございます。
 いずれにいたしましても、PRTR法の制度により、あるいは他の法律を全部動員することによって、有害物質の情報が集まったということでございます。
 こういったことで切り抜けてきたというのが震災のときの状況であったというふうに考えております。
 次に、新潟県の産業と有害物質の使用状況ということについて、少しお話をさせていただきたいと思います。
 新潟県は、何と言っても良質の米の生産地でございまして、実は明治の中ごろですと、全国で最も人口が多かったのは新潟でございまして、167万人だったというふうに記録も残っております。
 そういったことで、それに連動いたしまして農機具と言いますかそういったものの生産が多かった。それにより、次第に金属製品の製造業というのが発展をしていきます。そうしますと、そこに書いてございますが、食卓用のナイフ、フォーク、スプーン出荷額というのは全国シェアの今90%が新潟にあるというふうなことでございます。
 また、ニット製の女性のセーター出荷額も全国ナンバーワンと、こんなことになっております。その下にも書いてございますが、米菓でありますとか切りもち、石油ストーブ、あるいは全国の原油の生産量60%が新潟で今生産をしております。磁気ヘッド、チューリップなど農業生産と金属というのが新潟の今の産業でございます。
 このため、先ほど一番最初に見ていただきましたが、有機塩素系溶剤の排出量が非常に多いということで、平成2年からこの有機塩素系溶剤については使用量の届出を義務づける告示要綱を作ってやってまいっております。
 PRTR制度の制定とともに、私ども要綱でもって使用量の把握をしてきております。こういうふうに、私ども重点的に対応すべき化学物質についてはそういった形で、私どもも使用量の把握を続けているということでございます。
 なお、私どもはPRTR制度の情報を得るときに、県として取扱量についてはアンケート調査ということで、同じ中に入れまして、把握は続けております。
 それで、あと私の方からPRTR制度全体について意見を持っているほどではございませんが、幾つか私の方からお話をさせていただきたいと思っております。
 まず、皆さんご指摘のように、工場・事業場での使用量や保有量の把握ということでございます。これにつきましては、先ほど災害時ということでちょっとご紹介いたしましたけれども、排出量だけではなく、どこにどれだけあるのかというのは、非常に重要な情報ではないかなというふうに考えておりますし、また住民の方々もいざ災害、あるいは事故が起こりますと一体どの程度持っておって、どのように管理しておったのかというふうになりますので、そこは非常に私は重要ではないかというふうに思っております。
 それから2点目でございますが、新潟県には日本海側で初の政令市を目指します、新潟市がございます。新潟は367キロの長さを持ちます信濃川が新潟を流れていまして、その河口付近で新潟市は水道の取水をしています。阿賀野川も福島県から流れてきますが、河口付近での取水がございます。
 新潟県には河川が1,200、河川延長が5,200キロございます。こういった状況を見ますと、有害物質使用事業場の地図情報というのは、非常に欠くことのできないものだというふうに思っておりまして、わかりやすくどこにどういう事業場があるのか、これを地図情報で示していくということも非常に重要だと思います。
 これは、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの排出量の位置を示したものでございますが、今私どもこういうものを毎年落としてつくっているということでございます。
 これは、トリクロロエチレンの隔年の変遷を見たものでございます。私ども、こういったデータを徐々に整備をしつつやっておるということでございます。
 これと、さらに細かな住宅明細図のようなものとリンクをするように、今準備をしておりまして、これは既に小千谷市さんというところで、地震のときの災害の状況、データが入った住宅明細図ですけれども、これと先ほどの使用量のものとリンクをするように、今検討をしておるところでございます。こういった地図情報を用意していくというとこも重要だと思っているところでございます。
 それから、最後にちょっとご紹介をさせていただきたいのですが、企業の自主管理の促進ということでございますが、昨年来私ども新潟県では、年末に大変大きな地下水汚染、あるいは油類の地下浸透事故というものがございました。これを契機に、私どもこういった事故でありますとか、あるいは環境基準以上に公共用の水域ですとか、地下水ですとか、そういうもので環境基準以上に検出されたというようなときには、できるだけ早くデータを公表するということに努めてまいっております。
 今年に入ってもずっと続けておりまして、かなりの頻度でそういったものを出しております。測定結果についても、すぐに公表するというような対応をとっております。そうすることによって、事業者の皆さんにもより一層早く知っていただき、そして自主管理が進むようにしていただきたいというふうに考えておるところでございます。
 PRTR制度の中でも、事業者の自主管理の体制、整備についても、より具体的に少し制度を盛り込んでいただければありがたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○大塚座長 ありがとうございます。
 それでは、堀井さんの説明に対するご質問を含めてご意見などをお願いいたします。
 中杉委員お願いします。

○中杉委員 先ほどの震災と水害と2つの報告についてでございますけれども、通常に比べて、化学物質の環境中に排出している可能性が非常に高い可能性があるだろうと。PRTR法でもそういうときの排出量をできるだけ届けなさいという形になっているのですが、そういうときになかなかそんな情報を簡単に得られるという話ではない、そんなことやってられるかという話になるかと思うのですけれども、国、または県の方で実際にどこで災害があったかということは、どの事業所がというようなことは把握しておられるけれども、それをフォローしてそのときにどうなったのだろう、化学物質をどう扱ったらどうなったかというようなことについての情報は今お持ちですか。

○堀井氏 先ほどちょっと申しませんでしたが、これをどうやって調べていくかという、まず場所を調べて、それぞれ基本的には聞き取りをせざるを得ないと。我々は、災害時ですのでどう扱っていたかというより、出たかということでございます。先ほどの水害ですと5つくらい、震災ですとほんの少し一、二ということで、しかも出た量もごくわずかだったというふうに承知はしておりますが、それがどう日ごろ扱われていたか、そこまでの情報はございませんが、出たかどうかは確認をしております。
 以上でございます。

○大塚座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 村田委員、お願いします。

○村田委員代理 地図情報で、どこの事業所からどれだけという、これは公表されているわけですよね。

○堀井氏 地図情報として細かくは、まだ公表はしておりません。

○村田委員代理 そうですか。この公表を前提に情報を事業者の方からいただいていると思いますが、事業者側の方のそういう県の取り組みに対して、どんな意見があったのか、もし差し支えなければお聞かせいただければと思います。

○堀井氏 これは長い間、地場産業でたくさん使っておりますので、皆さんそれぞれ減少させなければいけないとか、それぞれこの地域ではたくさん使っているとか理解をされておりますので、特段それほどのご意見なしに、皆さんで注意しなければいけない、転換しようということで共通理解は得ているというふうに思っておりますが、特段の意見はございません。

○大塚座長 有田委員お願いします。

○有田委員 実は、私三条市が水害で被害にあわれた後、自費ボランティアで三条市に伺ったのですが、そのときに一番気になったのが、そういう化学物質を扱っている工場の災害時の汚染状況でした。それがPRTRデータにどういうふうに生かされているのかなというふうに思っていました。今後こういうふうにしていくべきだというお話を伺って、ちょっと安心ということでもないのですけれども、そういう意見を聞かせていただいてよかったなと思ったのですが、データには生かせてないのですよね。

○堀井氏 私ども、残念ながら今この区域にあるPRTRでお届けいただいているデータとか水質汚濁のデータというのは、全部私ども持っており、エリアが確定しますので、そこにどういう事業場があったかというのは私ども承知はしておりますが、ただ、すべてのデータについて調査をしているかというと、なかなかそこまで行きませんで、水質汚濁防止法での有害物質、こういったものは全部チェックしておりますが、200幾つの物質全部とか、かなりの物質まで調査、そこまでは行っていない状況でございます。ただ、基本的な物質はチェックをしております。

○大塚座長 私からも、ちょっとその点についてお伺いしたいのですけれども、先ほど要綱で使用量とか保有量も把握しておられるというお話でしたでしょうか。それだと、ある程度わかっているということになると思うのですけれども、しかし実際にはそのデータをお使いになっているのは有害物質、大気汚染とか水質汚濁の方のものだけだということなんでしょうか。
 そうすると、せっかく使用量を把握しておられるのがちょっとあまり役に立ってないような気もしないでもないのですけれども、その辺はいかがなんでしょうか。

○堀井氏 統計情報は集計しておりますけれども、実際に役立てているのは監視項目と申しますか、そういったものに役立てているという状態で、集計は全部しておるわけですけれども、そこまで至っていない、ただし、どういう業種でどういったものが多くなっているか、あるいは年次的にどのような変化をしているかという統計は私どもは承知はし、対応はしているつもりでおります。

○大塚座長 それは、これからもまだやるつもりでいらっしゃるということですか。

○堀井氏 そういうことです。今集計しつつあるということでございます。

○大塚座長 豊田委員お願いします。

○豊田委員 そこの[1]のところの使用量というところについて質問なのですが、ある程度データはとられているということですが、それは「取扱量」という言葉でとられておるのか、そこに書いているとおりの「使用量」ということでとられておるのでしょうか。

○堀井氏 今までのトリクロロエチレン要網であれば使用量ですね。

○豊田委員 使用量ということでデータをとられておるわけですね。取扱量という形ではとられていないわけですね。

○堀井氏 たしかそうではなかったと思います。

○大塚座長 ほかによろしいでしょうか。
 では、どうもありがとうございました。
 次に、横浜国立大学の亀屋様にプレゼンテーションをしていただきます。前の席でお願いいたします。

○亀屋氏 時間も制限がありますので、文章で書いてあることはできる限り割愛させていただいて説明させていただきたいと思います。
 まず、自己紹介と言いますか、私は当初法律が立ち上がったところから、対象業種の選定であるとか、物質選定、算定マニュアル、すそ切り以下推計、非点源推計といったところとか、その下にありますようなファクトシート、あるいはデータ活用の部分で、いろいろお手伝いをさせていただいておりますので、それに関するお話ということでリクエストいただいたのですが、細かいところや技術的なところよりも、そうでないところを話せというリクエストがございましたので、文章で今日用意させていただきました。
 早速内容ですけれども、まず、「何よりも管理の改善の促進を推し進めるための仕組みづくり」ということで、これからの議論が必要ではないかなというふうに考えております。
 化管法はもともとはPRTR法と制定当初は呼んでいることも多かったのですけれども、その後、今では化管法という形で呼ぶようになったと思います。その目的ですけれども、1つはPRTRという「排出量は届出しなさい」ということと、もう1つは「管理の改善の促進」ということがあるのですが、ちょっとこの2つ大きな目的がどうもごっちゃに議論されることが多くて、どっちも中途半端な議論で終わることが今まで自分がやっている中でも多かったので、この辺をこれから整理して考えていくべきであろうというふうに考えております。
 まず1つは、PRTRの方ですけれども、これはある意味、例えが良いかどうかわかりませんが、税の申告のようなところもございまして、排出量の大きなところから小さなところまで、皆さんが一様に届けなければいけないということで、これには罰則もございます。それから小さいところであっても、近傍汚染のようなところもございますので、これはきっちり届出をしていただく必要があるだろうと思っています。
 これについては、税申告などであれば税務署さんでかなりきっちりやられていますので、こういったところの仕組みづくりというものは、もう少し強化する必要があるというふうに考えております。
 もう1つの管理の改善の促進のところでございますけれども、管理というのが非常にこの法律の中で定義が曖昧であるというふうに私は考えております。先ほど、事務局の資料でも法規制という言葉が出ましたけれども、化管法は決して規制というような考え方で動いているわけではないというふうに私は認識しておりまして、先ほどの資料の中でもどこが一体規制なのかと思ってしまいます。規制は、むしろ個別の物質については、水濁法、大防法、その他の法律でやっていますので、特にそういう影響が懸念されるものは、化管法ではなくて、そちらの従来の個別の規制法の方に回していくべきだと思います。むしろ、この化管法の中でやらなければいけないのは未規制の物質、それも非常にたくさんございますので、それを規制の方に回す前にどういうふうな形で自主的に削減していくかと、その辺を中心に議論をしなければいけないのではないかと思います。
 それからもう1つ。先ほどフッ素の例もありましたけれども、フッ素は水濁法で規制がございますけれども、これは濃度規制ですので、そういった総量的な観点から、もし何か対策をとらなければいけないと考えるのであれば、水濁法よりはむしろ化管法を利用するということがあってもいいのではないかなと思います。
 そういった意味も含めまして、物質、業種いろいろございますけれども、管理の改善の促進といったところを、どういう形、管理とは何ぞやというところも含めて、ご議論いただければいいのかなというふうに考えております。
 これは1つ目のまとめですけれども、法律の名前も「排出量の把握等」という部分と、後半の「管理の改善の促進」というふうに2つございますので、法律、附帯決議、施行令等々のいろいろな仕組みづくりの仕方があると思うので、どの段階でどういったものを規定していくのかというのも含めて考えていかないと、すべてを法律で規定するような形、あるいはすべて自主管理でやるような形というのも仕組みになりません。どういった仕組みに落とし込むのかというところをぜひご議論をいただきたいというふうにも考えておりますし、そういったところでご提案もさせていただきたいというふうに考えております。
 2つ目ですけれども、今回懇談会ということで見直しの機会が、これは法に基づいて作られたわけですけれども、制度設計の当初から、ある程度盛り込まれた考え方もございますけれども、いろいろな課題が残っていた。それを、この7年間、あまり議論されてくる機会もなかったので、今回の懇談会の機会にぜひ議論していただいて、必要であれば法改正等も考えられると思います。
 その下に参考資料と書いてございますけれども、今日お配りした文章の後ろに、当初から残された課題ということで、国会の附帯決議の文章もつけさせていただいております。こういった点も含めて具体的な検討が必要であろうというふうに考えております。
 その項目から拾っていきますと、1つは地方公共団体との連携というのがあるわけですけれども、これも先ほど言いましたように、PRTRの部分と管理の促進の部分は分けて考えないといけないのではないかなと私は思っております。PRTRの部分は、先ほども言いましたように、自治体の監視の目をもう少し仕組みづくりとして強化していく必要があると思います。
 自主的取り組みの部分については、これは規制の部分とどういうふうにすみ分けをしながら、なおかつ自治体の方が関与していくかというところを議論していかないと、これからやろうとしていることがすべて規制につながるとか、あるいは全部が自主管理で、結局自治体の方は何も具体的な手段を打てないということになってしまいます。どこからどこまでをというすみ分けを仕組みとしてつくっていただくことが重要ではないかというふうに考えております。
 それから、物質選定の部分ですけれども、これについても適宜見直すことになってはいるわけです。海外の例を見ましても、日本でやっているもののほかに温室効果ガスとか、あるいはCOだとか、NOxだとか、そういったものが対象になっている場合もございます。これは、先ほど言いましたように、規制の部分とそうでない自主的取り組みの部分をどういうふうに、どの法律の中で取り扱うのかということがあるかと思います。
 青で書いてありますが、先ほども言いました総量規制的な部分については、従来の規制法の方で総量規制も含めてやるというようなことであれば良いのですけれども、そうでない部分とのすみ分けをきちんとしていただいて、この化管法の枠組みの中でやる必要がある場合もあると思います。
 それから、最新の化学的知見に基づいて、対象物質をアップデートしていったり、あるいは国際的整合性を確保する、これはもう当然のことだろうというふうに思っております。
 それから、下の方にございますけれども、物質も増やせば増やすだけいろいろな物質があるわけですけれども、管理の促進という観点に立ったときに、すべての物質を一様に管理するのが一番社会的に効果があるのかというのをぜひ考えていただきたいと思っております。後でも出てまいりますけれども、特に有害性が強いと思われるものから、優先して管理をしていかないと、管理というものが結局は何も進まない、あるいはだれが一生懸命そこの部分の努力をして頑張ったのかというのも見えてこないというふうに思います。ぜひ物質を見るとき、ただ数だけではなくて、質と言いますか、有害性等にも着目したような議論をする必要があるというふうに考えております。
 それから、対象事業者(業種)ですけれども、これは当初も議論があって決まったわけですけれども、過去4カ年分の届出、推計のデータというのがございますので、推計のデータも非常に貴重なデータであるので、そういった情報を基に排出量の多い業種、少ない業種といったようなものも見えてきているだろうというふうに思います。
 従来、届出されていない業種でも、先ほども幾つか出てきたかと思いますが、非常にたくさんの化学物質を排出されているところもあるので、先ほどの物質の方の優先度と合わせて、業種の方におきましても、適宜追加するもの、あるいは場合によっては今の届出対象となっているところを届出しなくて推計で済ませることができるようなものもあろうかと思います。一例を挙げれば、ガソリンスタンドは、4万件の届出事業者のうちの半分ぐらいなわけですけれども、推計方法は業界のマニュアルで一様にやられていますので、ガソリンスタンドの場所だけわかれば、ほぼ推計できるのではないかなというふうに、余計な話ですけれども、考えております。
 それから、集計結果の公表ですけれども、これも特に市民団体の方からは全面公表という要望があるのですけれども、前回にもご議論いただいたように、既に公表に近い形になっているのも事実だろうと思います。
 ただ、市民団体の方が言われるのは、我々研究者の立場からしてもそうですけれども、開示されているCD−ROMをもらって、それを自分たちが集計したりとか、自分の近くの事業所を見ようとすると、そのときの情報処理の技術というのが結構要るわけです。今、この会場におられる方でも、CD−ROMを1,100円で購入して、果たして自分でそれをデータベースソフトで読み取って、データの処理ができる人は一体何人いるのかとも思うのです。そういった技術的な面で、特に市民団体の方というのは、その辺のノウハウをお持ちでないというふうに思います。CD−ROMの中にも検索ソフトが入るようになりましたけれども、あれも使って見るとエクセルにデータをダウンロードしたときに、これ一体何のデータかわからないというような、表頭のようなものが出てこなかったりとか、まだ不備もたくさんございます。そういった面も含めて、実際公表に近い形になっているということも含めて、また仮にずっと開示という考え方があるとしても開示にしなければいけない理由というのはどこにあるのかなということも、はっきりさせていかなければいけないのではないかなというふうに考えております。
 3つ目ですけれども、排出量の大きい物質と毒性の強く懸念される物質の両方を優先的に削減すると、それによりリスクという言い方がいいのか、ここでは潜在的な悪影響という言葉を使わせていただいておりますけれども、そういった部分の効果的な低減が図られるようなものになっていかなければいけないと思います。
 リスク評価の作業のところが難しいと書いてありますけれども、我々研究者の仕事が足りないのかもしれませんが、現実としてこういったところがあると思います。そういったリスク評価のようなものがきちんとされないと、非効率的な管理と書いてありますけれども、あまり毒性がなくて悪影響もそんなに懸念されないようなものを一生懸命に下げたり、あるいは悪影響があるけれども量が少ないから点検しなくていいやといったような、社会的な利益から見たときに非効率的な管理というものが引き起こされている場合もあるというふうに認識をしております。
 先ほど、リスク評価は難しいということですけれども、真ん中に書いてありますが、現状で得られている最大限の科学的知見に基づけば潜在的なリスクをある程度の範囲で定量化することは十分可能である、というふうに私自身は考えております。
 排出量についても、いろいろな曝露評価等々ありますけれども、オーダーぐらいはきちんと見積もれるわけですし、毒性についてもいろいろな情報がございますけれども、オーダー程度の情報でしたら、それほど皆さんに違和感なく受け入れられるような情報というのが世の中にあるというふうに考えております。
 いろいろな物質の違いを見ますと、毒性にしても3桁、4桁、あるいは5桁、6桁違ったような物質というのが存在するわけですし、排出量につきましても、先ほどの資料にもございましたけれども、1トンであったり、1万トンであったりとか、4桁、5桁違うという場合もあるわけです。ですから、ある程度のリスクと言いますか、潜在的な悪影響というのは定量化できるという考え方に立たなければ、結局何もわからないし、どれを管理してもいいかわからないし、みんなが果たして本当に管理したいと思っているのかどうか、その辺の目的づくりみたいなものも含めてやっていかなければいけないのではないかなというふうに考えております。
 今のことにも関連するのですけれども、届出項目の追加ということになるのか、あるいは今のようなリスク的な情報をどういうふうに増やしていくのかということもあります。ここでは届出情報のことが書いてあるわけですけれども、海外の事例等を見ますといろいろ提案はされているようですが、これらを「届出がイコール公表」といった形で議論されることが多いのではないかと思います。海外では必ずしもそうはなっていないようです。例えば管理目標とかといったようなもの、こういったものは行政には届出はするけれども、公表はされないといったような形でやられているようで、そういう形で全体の管理が進むのであれば、そういったやり方もあるのではないかなというふうに思います。
 ですから、届出項目等々が出てきたときにも、その目的をもってやっていかなければいけないし、目的のない情報というのは使われないわけです。先ほど環境省さんのデータとNITEさんのデータと我々研究会のデータは、情報の質と量からすれば、一番低レベルであるようなところもございましたけれども、そういったことも、ある意味で、目的がはっきりしていないとか、あるいはリスクの考え方がよく理解されていないといったところが、また原因にもなっているのではないかなというふうに考えておりまして、そういった目的をどういうふうに設定していくのかと考える必要があります。市民団体の方からは、情報はたくさんあった方がいいというような趣旨のご発言もあったかと思うのですけれども、必ずしもたくさんの情報ということだけじゃなくて、目的をもった情報といった形でもご議論いただきたいというふうに考えております。
 これは、ちょっと業界の方には余計なことだと言われるかもしれないですけれども、自主的な管理の促進といったことを考えたときに、なかなか規制でないといったときに、業界団体、従来は護送船団だとかいって批判される部分もあったわけですが、ここは是非、横の連携を高めていただいて、真ん中辺に書いてありますけれども、例えば、推計マニュアルは業界ごとに作成していただいたりしている部分もあると思いますが、推計にとどまらず、対策マニュアルのようなところを、既につくられているところもあるかと思うのですが、多くの業界、業種さんでつくっていただいて、行政もそういったところに積極的にご支援いただければ効果が上がるのではないかなというふうに考えております。
 以上で終わります。

○大塚座長 ありがとうございます。
 それでは、亀屋さんの説明に対するご質問を含めてご意見をお願いいたします。
 中杉委員お願いします。

○中杉委員 亀屋先生のご説明の中で、特に管理が必要なものは、もう少し管理のレベルを変えてもいいのではないかというお話があったのと、もう1つ一番最初に自主的なものと規制と両方をどう絡めるか、この辺のところがもう1つ明確にしないといけないなと。特に、管理が必要なものというものであれば、最初のお話、言葉じりをとらえてしまうような言い方ですけれども、規制に持っていってしまえばいいのではないかという話になってしまうし、ある程度それを新たな管理の形というもの、特別な管理をということになると、今度はそれが規制になってこないか、本来の化管法で考えているような自主的なというところの枠を超えてしまうことはないだろうか、そこら辺のところの難しさをどういうふうに整理されるんだろうかというのをちょっとご意見を伺いたいと思います。

○亀屋氏 規制に持っていくとすれば、すべての事業者の方を規制に持っていくという考え方ではなくて、今も従来も規制対象となるようなものというのは、ある程度一定の要件を満たした施設が規制になるわけですから、そういったものを特に対策とか効果とかといったことから見れば、恐らく規制に行ってもいい部分もきっとあるだろうと思います。
 そうではないものを規制ではなくて自主管理をやるときに、それが規制っぽくなるということでしょうか。

○中杉委員 自主管理のところで管理のレベルを変えるという、こういう管理のレベルにしなさいよということ自体は規制に若干近づいてきているのではないか、管理の仕方を否定するわけですよね。そこはちょっと微妙なところなので、どういうふうに整理するかということを考えてみなければいけないと思います。
 それと、もう1つは有害性の問題で特に問題だというところは規制に持っていけば良いけれども、有害大気汚染物質の排出抑制の自主管理のときに、排出抑制基準がある項目も入れるわけです。あの考え方は1つは規制的な色彩でやるのはここまでやりなさい、だけどそこまでやったらいいかというのは、規制自体は実行の可能性を考えますから、それ以上のこともやれることが望ましい、そういう意味ではそこのところは自主管理というような形でできるのだろうと。そうすると、そこはこの物質は規制でこの物質は自主管理という区別ではないのではないかというふうに私は思っているんですが、そこら辺はいかがですか。

○亀屋氏 そうですね。物質という単位でできるかどうかというのは議論あると思います。できない部分もあると思います。

○大塚座長 よろしいですか、ちょっと時間がなくなってしまいましたので、後でまたご議論いただくことにいたしまして、亀屋先生どうもありがとうございました。
 それでは、最後に産業技術総合研究所の中西様にプレゼンテーションしていただきます。では、前の席でお願いいたします。

○中西氏 PRTRデータを使って私たちはリスク評価ということをやっているわけです。どういうふうに、PRTRのデータを使っているかということをちょっとお話ししたいと思います。
 確かめるということをまずやります、それからデータが間違っているとすれば修正をするということを行っています。それから、次にそのデータから発生源の寄与を知るということをやります。さらに、それぞれの場所での、それぞれの所での、住んでいる皆さんの所でのリスクを知ることができる、さらにリスクを削減することができる、これだけがPRTRのデータで現実に行えるにもかかわらず、現実にPRTRのデータは、そのように活用されていないということを今日お話ししたいと思います。
 一番最初に、13年度のデータで、横軸が実測値でして、縦軸がモデルを使った、ADMERを使った推定値ですが、本来ならば1対1の直線になるべきところが、非常に高いという、これは現実には推計が不適切であるということで、さまざまなことで経済産業省が翌年には見直しをしていただいたら、見直しでいいかどうかという検討は、もう一回今私どものところで検討中です。
 これは、13年度のデータと14年度のデータです。
 これは、既にいろいろなところでお話をしていることですけれども、先ほどから出ています有害大気汚染物質の自主管理のときに、私どもが曝露評価を行い、なおかつリスク評価を行って、発生源の同定を行ったという事例です。全国的には、ベンゼンは自動車によるものが多いのですが、固定源の大きな場所があるところはもちろん、大きなリスクがあるという形になっているわけです。
 これが、割合大きな問題点のあるところですが、その次お願いします。
 ここの市川・船橋地区というのを取り上げたのが次の事例です。ここに、大きな発生源があるわけですが、ここでAという場所、ちょっと離れたところ、Bという場所、それからCという場所がありますが、これをPRTRのデータだけを使って、これだけの推定ができます。つまり、Bというところではこれが推定値、これが実測値ですね。これが推計値で、ここの部分が低減、工場などによるものです。その後ここの部分が自動車によると考えられるものです。これが、後がバックグラウンドという、こういうふうに考えますと、それぞれの住んでいる場所で、3.0をキープしようとしているわけですが、どのぐらいの濃度であって、なおかつ発生源がないで、どこを減らせばどういう効果があらわれるかということがわかる、これはPRTRのデータを活用すれば、ここまでわかるということです。
 有害大気の11物質について、そういうものを使いながら、今後の対策がどういう部分の対策が必要かということを最終的に出したもので、これは産構審で出され、なおかつ中環審でも認めていただいたものです。
 それから、これも非常に早い時期に行ったものですが、1,3−ブタジエンの曝露濃度とリスク評価ということで、日本全国1億2,000万人の人が、どういう地域に住んでいるかという曝露濃度と人口です、そういうものを示したものです。私たちは、PRTRのデータで全国がわかり、なおかつ自分の住んでいる所がわかると、それから原因がわかると、これを私たちの目標にしています。これが、10マイナス5乗の発がんリスクのレベルで、これが10マイナス6乗ですが、多くの人がこのところに住んでいて、これは一般環境が紫、黄色が沿道、それからこれが固定発生源の周辺ということになるわけです。
 濃度の高い部分を拡大したのがこれでして、ニーズは少ないですが、最も高い部分は固定発生源のコンビナートの周辺になるという絵になっています。
 これは、アセトアルデヒドの例ですが、先ほどの一番最初に示しましたテトラクロロエチレンの例と反対で、実測値とADMERの推定値を比べますと、本当はこういうふうにこれに近いような値になるはずのものが、非常に低いという例にあたるわけです。ですから、実測値の方が高いという、そういうふうな例になるわけです。これについて、ずっと原因というものを調べてきて、当然申告値が低いのではないかとか、さまざまな問題があるわけですが、そういうものを1つ1つつぶしていきまして、最終的には私どもの今の結論は二次生成、アセトアルデヒドというのが、いろいろほかのものから二次生成をしてくる光化学反応であるということで、自然起源も相当多いもの、自然起源、植物から出るものとか、そういうものからの二次生成で一応説明をしていますが、完全にこれが正しいかどうかは、また今後詳細な調査をしていかなければいけないと思っています。
 しかし、こうやって新しい原因を見つけていくこともできると、今まで考えていない原因を見つけることもできるという1つの例です。
 PRTRの制度は、どのように役立っているかということです。役立っているということは、PRTR対象物質の排出量は確かに削減されていると。しかし、それは本当にリスク削減になっているのかと、これに対して答えがないじゃないか、あるいはこういう大事なリスク削減になっているかという視点での解析が行われていないということが非常に問題だというふうに思っているわけです。
 リスク削減のための運用が行なわれているか、これも行われていない、ともかくPRTR対象物質の排出量がただひたすら減らされるという、そういうことが行われているというふうに考えております。
 これは、実はトルエンとかキシレンが減っていってますね、一番最初の戸田さんの説明にもありましたように、トルエンが非常に一番多いと。キシレンがその次に多いというようなのが、年々トルエン、キシレンが減っていっています。それは、どういうふうになったのかというところで、もう一方でエチルベンゼンが増加しているのです。エチルベンゼンというのは、赤いのがそうで、増加しているのです。トルエンが減った工場でエチルベンゼンが増えているという、こういうことを私どもは調査している調査例の1つですけれども、こういうようなことが起きています。
 現実には、もちろん非常によく管理をすることによって減ったもの、それからエンドオブパイプみたいな形で排出量のところで処理をして減ったものもあるのですが、かなりのものがほかのものに変わっていると、ほかの目立たないものの方にいく、あるいはPRTRの対象物質でないものに変わるというのが非常に多いです。
 これは、環境省のデータですが、どういうものが、代替物質の導入された事例というものが調査されているものです。どういう用途のものが代替物質に変わっているかという、これは私どもが用途別に分けたものですが、塗料とかこういうようなものは、他のものに変わるという変わり方をしていると。それは、本当にリスク削減になっているのかというところが問題なわけです。
 これは、私どもがここのコンサルにお願いをして解析したものですけれども、ダイヤリサーチというところです。塩素系の洗浄剤が規制されていく過程で、どんなふうに変わっていくだろうかということを、基本的に工業出荷額ですが、こういう形で今考えています。これは、ジクロロメタンですね、トリクロ、テトラ等こういうようなものが炭素系になり、炭化水素系になり、純水系になり、無洗浄、大体こういうような、私どもはロードマップを書いています。こういうロードマップの中で、リスク削減にきくのか、何をすればリスク削減になるのかということも考えないと、単にこういうところだけがPRTRの対象物質になっていませんから、そういう意味ではそういうところに変わるというだけでは、資源のむだ遣いでもあるというふうに考えているところです。
 これは、大昔にやった仕事ですが、代替によってリスクトレードオフが発生しまして、リスクが減ったんですが、もう1つ別のリスクが発生してしまって、リスク削減とはならなかった例の解析なんですが、このクロルデンを禁止してクロルピリフォスになった事例です。こういうものがあります。
 ちょっと飛ばします。
 それで、私が申し上げたいことはPRTRデータが活用されていない、もっと活用されるべきだと。活用するのは非常に簡単で、きちっとリスクを見る、リスクの前に濃度を見る。先ほど自治体の方が排出量の分布をされていましたが、どうして私はそこでとまってしまうのかというのが不思議でしようがない。排出量の分布じゃなくて濃度の分布にすべきだと。濃度の分布にするのは極めて簡単です。非常に簡単でもあるにもかかわらず、そのステップを踏まないという理由が私にはわからない。それで、これからあと私たちはPRTRのデータというものを活用していくためには、排出量とリスクの関係を知るための知識を共有し、ことに代替化という動きが確実にリスク削減の方向に動くという、こういうような感じの動き方をしなければいけないのではないかと。
 先ほど、亀屋さんが言われたことに非常に似ていると思うのですが、そのように考えています。
 以上です。

○大塚座長 ありがとうございました。短時間できっちりとお話をいただきましてどうもありがとうございます。
 では、中西先生の説明に対するご質問も含め、ご意見などをお願いいたします。

○白石委員 化学物質の代替のことですけれども、代替物戦略がないこと自体問題だと思うんですが、そういったこと、代替物戦略を立てるということと、PRTR法の守備範囲と言いますか、そこの関係なんですけれどもお伺いします。

○中西氏 PRTRというのは、結局減らさなければならないわけです。そのときに、減らすときに、この次のものに減らしたときに、本当にリスクが削減できるのかなということが、みんなにわからなければいけないと思うのです、事業者が、自治体でもですね。それが代替物戦略ということだと思うのです。みんながまずわかること、国としてこうしなさいというようなことももちろんあると思うのですが、まずは事業者が簡単に、ある程度この方向ならいいなと。
 それで、まず私は濃度をどうしても皆さんにわかってもらいたいというか、排出量ではなくて濃度というのは、その地域で何が問題かということを知る必要があるのです。リスクというのは排出量ではないと。リスクというのは、一人一人の人間が、個人がどのぐらいリスクがあるかというのがわかることがリスクなのであって、日本全体排出量が何万トンですよみたいなものはリスクとは無関係、一人ここに住んでいる私がどうなのかという情報がリスク情報の根本です。ですから、ここに住んでいる私のところにどのぐらいリスクがあるか、濃度があってリスクがあるかということがわかるようにして、その中で事業者がその周囲の人たちにリスクがないようにするにはどうしたらいいかということがわかるようにする。だから、代替物戦略なしには、PRTRの制度の活用はないと私は思っています。

○大塚座長 ほかにいかがでしょうか。
 安井委員お願いします。

○安井委員 中西先生のご意見、私先生に学んでいるのとほとんど変わらないですけれども、濃度に変換するのは簡単だよと先生おっしゃいますけれども、そのあたりの理解がだれを対象にコミュニケーションするかという話もあるのですけれども、その辺のキャパシティビルディングみたいな活動が、この国では余り行われていないというところに、何か1つの根源的な原因があるような気がしますけれども、そのあたりはいかがでございましょうか。

○中西氏 1つは、環境省にも苦情を言いたいんですが、PRTRのデータを発表するときも、いつも量ばかり言ってますよね。それではミスリーディングをしかねないというふうに私は思っておりまして、環境省もそれから経済産業省なども含めて、少なくとも事業者と自治体がそのことができるようになるような方策をとってほしいというふうに思うのです。市民の方がわかるというのは、その次の段階でもいいかと思うのです。まず、事業者と自治体の方がわかるような、何が問題かと言われるとわからないですが、私は環境省自身が使うこと、経済産業省自身が使ってみせることだと思っているんです。こんなふうに、モデルを使ってこうやればこういうことがわかりますよということをやれば、これは使い方はものすごく簡単です。
 ですから、有害性情報をどう使うかとか、次々幾つかありまして、例えば浦野先生のところでやっているようないろいろなデータのリリースとかもあると思うのですが、私どもについてももうちょっとそういうことを努力したいと思っているんですが、使おうと思えば幾つか有害性データもありますので、そういう意味ではまずトップが、役所が使うということがいいんじゃないかなというふうに私自身は思っているのですが。
 あと、私どもの研究センターにやれという話もよくあるのですが、そこはエクスキューズをされるのは、研究費がとれないです、それでは。大変申しわけないですけれども。次の5カ年の計画も私たちも持っているのですが、それも先に行かざるを得ないんです、研究費という資源で全部を運用しているということから、研究費じゃなく、維持費のようなものをいただければ、私たちもできるかなというふうに思っています。ちょっと宣伝です。

○大塚座長 瀬田委員お願いします。

○瀬田委員 お話を聞いて大変感銘を受けました。何のためにPRTRをやるか、結果をどう使うか、ということも含めて、非常に明解にお話しいただいたと思います。実は私、この会合で前回も、日本のPRTRの考え方、ポジショニングは、欧米先進国に比べてどうなっているか、今回の改正の方向として、欧米に対する日本の基本姿勢がどうありたいという前提に立っているか、ということをお聞きしたのですが、今ひとつ納得できていません。そこでもう一度ここで中西先生にお聞きしたいのですが、今のような代替物戦略にしろ、あるいは自分が住んでいるところはどうだという情報解析などについて、今、欧米に比べて、日本のポジションというのはどのようにあるとお考えでしょうか。

○中西氏 もしかしてこれが私側の理解が間違っていたら、また環境省の方、あるいはその他の方から訂正していただきたいのですが、PRTRの制度が始まるときに、2つの大きな流れがあったと私は思っているのです。米国は、もともとが個人の住んでいる側の人たちが情報が欲しいということから始まって、知る権利というところから始まっているということからして、これは徹底的に地元の人たちにリスク情報を開示していくというのが、一番最初の出発点、それがPRTRにむしろ変わっていったという感じがしています。
 ヨーロッパは、当時はPRTRの方は国全体でどうかとか、州全体でどうかとかというデータだったので、国民に開示するという思想も当初はなかったと思います。
 役所がどう管理するかというデータがあって、だんだんアメリカの真似をして、イギリスから始まって開示、ドイツとかでだんだん開示していく、オランダなども全く国民に開示していなくて、役所がどの州が多そうだとかというようなことをやるための手段として出てきたと。それが、合体してPRTRというのになっていっていると思うのです。日本の場合にはその中間なら良いのですが、どっちも不十分かなというような感じがして、国としてどうするのかというあまり戦略も出てこないし、私は何しろ住んでいる人に情報をきっちり出していくという、その根本がPRTRとしては、どちらかとしては強くほしいなというふうに思っています。ちょっと、そこのところが相当欠けている、ちょっとじゃなくて相当欠けていると思っています。

○大塚座長 いかがでしょうか。
 ちょっと、私から今の点に関してお伺いしたいのですけれども、そうすると中西先生のご意見だと、貯蔵量あたりはデータとして出した方がいいというようなことも出てくるのでしょうか。

○中西氏 データを出してもらうためには、活用しないことには出ないので、従来出しているデータがあまり活用されないで次々データを出せというのは、ちょっと問題があるのかなということと。先ほど、亀屋さんも言われましたけれども、アメリカなどでもすべてのデータを開示しているわけではなくて、例えば貯蔵量なども結構秘匿してますよね。ですから、秘匿ということと、公開というのをすみ分けをしないで議論してしまうということは、かえって現実的な歩みにならないのかなというふうに思っています。

○大塚座長 ありがとうございました。
 他にいかがでしょうか。
 ありがとうございます、それでは中西先生のご説明に対してはこの辺にいたします。
 それでは、本日の議論全体を通じて言い残した点とか、今後の論点として整理すべき問題点などについて、フリーディスカッションの時間をとりたいと思います。
 冒頭に申し上げましたとおり、次回の第2回ヒアリングの後、報告書の取りまとめ方針について議論したいと考えておりまして、そのため事務局からこれまで出された意見を取りまとめた資料を出していただこうと思っておりますので、この場で主要な論点は一通りカバーできるようにご意見を出していただければと思います。
 化学物質管理法、化管法は化学物質の自主管理、PRTRによる排出、移動量の把握、それからMSDSなどによる有害性の情報の流通についての法律でございますので、こうしたテーマ別にご議論いただければと思います。
 その3つの点について、まず化学物質の管理と意義につきましてでございますけれども、自主的な活動を促すことがこの法律の基本であるというご指摘がございました。
 それから、物質代替とか排出抑制によってリスクをできるだけ低減させるというねらいを盛り込むべきだという点についてもご議論がございました。
 また、法の施行状況とその公開につきまして、総務省の勧告をとめるべきであるというご議論がございました。
 また、PRTRの排出量は減少傾向が見られるけれども、取り組みは業種とか企業によってさまざまである。データを業種別にさらに詳しく解析していくことが重要ではないかという意見がございました。
 また、化学物質の管理に関する方針とか計画につきまして、計画策定を促進していくべきだという意見とか、ほかの法律に基づく計画との関係を整理すべきであるという意見がございました。
 また、国がさらなる指針とかツールを示すべきであるという意見もございました。
 これらのほかに、化学物質の管理を促進するための社会的な仕組み、地域レベルでの化学物質の管理、リスクコミュニケーション、あるいは人材育成の重要性などを指摘するご意見もございました。
 こうした化学物質の管理全般、あるいは化学物質の化管法全般、さらに今後議論すべき論点につきまして、まずご意見をいただきたいと思います。その後に、PRTR制度とかMSDSについてもご議論いただきたいと思います。
 最初に、藤江委員がもう少しでお帰りになってしまわれると思いますので、今の化学物質の管理全般について、さらにPRTR、MSDSについてももしお話しいただければ、大変ありがたいですけれども、藤江委員から何か話しいただけますか。

○藤江委員 簡単に申し上げます。
 中西先生のお話にもありましたけれども、要は我々の身の回りでどれだけリスクがあって、なおかつそのリスクがどういうランキングというか、どういう位置づけになるのかということがわからないといけないのではないかと。ただ、やみくもにやるのがいいわけではないし、客観的かつ冷静に判断をして、そのリスクを低減するためにどうしたらいいかということを考えていかなければいけないということが1つあろうと思います。
 もう1つは、これも中西先生の言葉の中に、資源の有効活用という言葉があったかなと思うのですけれども、さまざまな代替物質もそうですし、こういうふうにして例えば使われている化学物質すべてが資源なわけで、これをいかに有効に使っていくかということを考えなければいけない。ゼロミッションという言葉をいろいろと言わせていただいておりますけれども、できるだけ環境への負荷を減らしながら、なおかつ付加的な、例えば環境リスクの排出を削減するために、それに変わるものの排出が増えてはいけないし、また排出を削減するために、とんでもないエネルギーが使われてしまうというのもこれもまたいけないわけで、オーバーオールに考えて、どうやったら化学物質だけではなくて、生存リスクを減らせるのかということを考えていかなければいけないだろうと思います。
 まとめるとそんなことになろうかと思います。したがって、そういったリスクを評価するためにどんな情報が必要か、どれだけ身の回りからどんなものが出ているかということをあわせて考えなければいけないし、なおかつどうしても事業所から出る化学物質が注目されがちですけれども、実は家庭の中にいっぱい化学物質が入り込んでいてリスクが多い、そういったものとどういう位置づけがあるのか、位置づけなのかということも冷静に判断してもらうような情報を提供していかなければいけないのではないかと思います。
 以上ですが、最後に一言中西先生から化学物質の研究費の話がありましたけれども、ある悪化学物質が危ないといって大騒ぎするための研究費というのは簡単に出てくるんですけれども、その化学物質は大したことないとか、あるいは客観的に、あるいは冷静に評価するための研究費というのは出てきません。そこにつけて研究費をつけてもらわないとこういう議論というのはいつまでも続いてしまうのではないかなと思います。
 以上です。

○大塚座長 ありがとうございました。
 では、化学物質の管理全般に関して、あるいは化管法全般に関して、皆様のご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 中杉委員お願いします。

○中杉委員 今日、最初に前回までの議論に対応した追加説明ということで、戸田さんの方から資料のご説明をいただいた、一番最初に出たのが化管法の位置づけみたいな話ですけれども、先ほどから先生方のご意見を伺っていて、化管法というのは何をねらっているのかというところをもう一回はっきりさせる必要があると思うんです。中西先生が言われている活用されていないというのは、私がこの会議の一番最初に、行政はどれだけ活用しているのという話をさせていただいたのですけれども、まさにそのとおりで、行政が活用する、だれが活用する、その活用するときにこういう活用をするということを考えたときに、そこでどうなんだと、そのときに合った形になっているかどうかということの見直しが必要だろうと思うんです。
 そういう意味で、一番最初の戸田さんの説明の中で、不十分だというふうに私が申し上げているのは、いろいろな法律があってこういう法律があります、こういうことをやっています、だけどこの法律で人に化学物質に対するリスクのどの部分が管理できていて、どの部分が管理できていないのか。この部分は、化管法ではここの部分を管理する、化審法ではこうやって排出基準はこうやって、その部分に先ほど亀屋先生の話に対してコメントさせていただいた部分は、排出規制の部分と足らない部分をどうするのか。そういうところを少し整理をして考えてみないといけないのではないか。
 そうしないと、また形だけつくって、またこの次の見直しのときに中西先生から同じようなおしかりを受けるのではないかなという気がしてならないものですから、そうしたときに行政がその中でどう活用するか、行政が活用するとしたら何が必要なのか、これは国が活用するか、地方が活用するか、いろいろなレベルで活用するレベルがあると思うのですが、そのときに今ある情報で足りるのか足りないのか。
 先ほど、新潟県の方で言われていた、例えば事故のときにどうなったかということを知ろうと思うと、少なくとも保有量は把握できないと、そこら辺のところがわからない。そういうふうなことも含めて、少し整理をしてみる必要があるのではないか。というふうに感じました。
 そこから、始めてどうするのかというふうなことが必要なのではないか。先生方のご意見を伺っていて感じたことでございます。

○大塚座長 ありがとうございます。大変重要だと思います。
 岸川委員お願いします。

○岸川委員 今、中西先生、亀屋先生、それから特に中西先生のお話を聞きますと、PRTR法をさらに進めた形での化学物質のリスクの低減、環境リスクを低減するための基本的な大枠、法体系全般の話、それから基本計画、あるいは基本目標、どこにどういう形でこの化学物質のリスクを低減していくのだと、そういうところを一定程度整理をしていかないと、PRTR法自体のどこを見直すかと、そういうところまでいかないんじゃないかと。社会的な仕組みづくりをどうしていくか、この辺を最初に議論しなければいけないのではないかというふうに私は思っております。そのあたりを、もう少し皆さんでどうするか議論していただければと思っております。

○大塚座長 瀬田委員お願いします。

○瀬田委員 亀屋先生、中西先生、両先生にお聞きいたします。中西先生も最後に触れられましたが、一般的に考えますと、届出というのは最終的には公表されるかもしれないということを配慮して対応されるだろうと思うのです。それでも、少なくとも行政に何らかのデータを出すときに、行政の方からそのデータを行政どまりにすると言われても、時が経てばそれが公表されることになるかもしれないと考えると、結局届出は公表前提であるということに実質なってしまう、そういうふうに、私は今まで考えておったのですが、今回必ずしもそうでもないという話をどなたからかお聞きしまして、その辺のところを少しお聞きしたいと思いました。いかがでしょうか。
 この問題は結局データの活用の問題にも繋がってまいりますので、その原点であるデータの届出をどういう性格のものとして考えるべきか、そこをお聞きしたいと思います。

○亀屋氏 従来の規制型の管理の仕方であれば、届けられたデータだけですべてを管理するということだと思うのですけれども、そういうふうにこの化管法で、届けられたデータだけで規制のようにすべて管理ができる、効果も検証できるということであれば、すべて届け出られたものはすべて公表されるという考え方になると思うのですけれども、必ずしもそうではないのではないと思います。化管法の精神自体が規制ということではなくて、自主的取り組みということでもありますので、そこをイコールに考える必要は全くないというふうに考えていまして、PRTRの部分と、管理促進の部分は別だというふうにこの法律はとらえた方がいいのではないかなと私は認識しております。

○中西氏 もしも、PRTR法のもとでいろいろなことが、全部公開ということであるとすれば、別の手続でそういうふうなものを行政がとっていくということもあるわけです。実は、私どもは今化審法とか、さまざまな化学物質管理を経済産業省の方で議論しているのですが、その中でも企業が持っているデータも合わせますと、物質の有害性情報というのはものすごい数になるわけです。なかなか、これを全部公表しろというのは非常に難しいところがあるのです。一般的に言えば、公表してしまえばいいじゃないかということですが、企業が何億もお金をかけてデータをとっていると。それを、公表してしまうと二番手は全然お金をかけなくて済んでしまうとか、いろいろな問題がありまして、なかなかそれを全部公表しろということは言えない、そうするとそれはある程度秘匿を前提とした利用の仕方、例えばヨーロッパなどは二番手が利用するときにはお金を払って行政から二番手の会社にデータの部分が移るというようなシステムを考えているようですが、世界的に見ても一生懸命そういう工夫をしながら、私有財産とか、それからもう1つ米国などでは、例えば農薬の使用量などのデータが、日本の農薬要覧みたいなのは全然ないです。そこも、企業の販売実績とか何かを公表するということはおかしいというようなところからそれはないのです。
 ですから、国によって全部を公表しているわけじゃないと。だから、PRTR法の中で何をやるのか、もっと管理のために必要であるとすると、外側の方に別のシステムをつくるのか、何もPRTR法の中で秘匿ということをもしかしたら入れなくてもいいのかもしれないです。ですから、そういう複合的にと言いますか、重層的に考えた方がいいのではないかなという気がします。

○中杉委員 今の秘匿の話に関してですけれども、このPRTRの中でも秘匿はできる規定はちゃんとあります。中西先生と一緒につくらせていただいて、その辺はそのときにも議論になると思いますが。基本的には、企業の届出、申告に基づいてそのくらい秘匿すべきだと、不利益を与えるという判断をすれば、個別にしないということを決めていますので、その秘匿について、今のPRTRだけでも全く問題なくできると。たまたま、今のところ隠しておけという話は届出が出てきていないから全部公開されているのです。請求があれば公開されるという形になっています。それは、今の中でもやっていこうと思えばできる話で、例えばどういう取扱量か使用量かわかりません、それは届け出てもらう、一部はそういう申請に基づいて公表しないということは十分今の中でも可能だろうというふうに私は考えています。

○大塚座長 それは、そのとおりだと思います。秘匿をもうちょっとしてもいいのではないかというご議論が今ちょっと出てきているというところだと思いますが。

○亀屋氏 秘匿について、今は取扱量等々のほかの追加項目についての話からちょっと流れてきましたけれども、排出量については今は秘匿の仕組みはあるけれども、実際にはほとんど秘匿はされていないと思います。だから、さっき言ったように全面公表のような形になっているというふうに考えていまして、秘匿というのも何の項目をどういうために秘匿するのかという議論で進めていただければと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○大塚座長 運用上なっているということで、法律上ではないですけれども、運用上には。

○亀屋氏 排出量の秘匿の話なのか、これから新たに項目を追加するときの秘匿あるいは公表しないというお話なのか、分けてお話しいただいた方がいいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○大塚座長 排出量ではなくて、取扱量とか使用量とか貯蔵量とかについて、もし公表するのであればという、開示するのであればということですね。それは分けてご議論いただいた方がいいかと思います。
 ちょっと、PRTR制度の話になってしまっていますけれども、せっかくですのでちょっと続けていただければと思いますがいかがでしょうか。
 豊田委員お願いします。

○豊田委員 私ども、第2回目のところでプレゼンさせていただいたときにも述べましたが、PRTRを考える場合に、今まで得られたデータ、これで何が言えるのか、その辺のところの議論を徹底的にやるべきじゃないかなと思います。今日の中西先生の言葉をお聞きしていまして、リスクという観点から、現状の集まったデータで何が言えて、足りないのであればそれをどういう形で追加するとか、そういった形の根本的なところの議論をもう少し尽くした方がいいのではないかなというのが1点。
 それから、先ほどちょっと出ましたが、今化学物質管理政策に関する基本問題小委員会ということで、中西先生も座長を務めておられます。その中で、PRTR法がそういった化学物質政策の大きな流れの中でどういった位置づけにあるのかという観点でも議論しており、本懇談会もそこでの議論結果とよく連携をとりながら議論していく必要もあると思います。

○大塚座長 ありがとうございました。
 ちょっと議論があちこちに飛んでしまって恐縮ですが、PRTRの開示とか企業秘密についての秘匿とかという観点については、何かほかにご議論はございますでしょうか。
 小出委員お願いします。

○小出委員 秘匿の問題とは違いますので、今の豊田先生のお話を受けてのことですが。

○大塚座長 秘匿の問題についてほかに何かございますでしょうか。よろしいですか。
 では、先ほど豊田委員のお話に続いて小出委員お願いします。

○小出委員 一般的な、国民、市民の視点からお話をさせていただきたいのですが、一般の市民が不安に思っている問題をいかに解消するかというのも、化学物質行政の重要なところだと思うのです。環境省の事務局の方に化学物質のライフサイクルと法体系、規制と情報の流れを示すわかりやすい模式図をつくっていただいたのですが、この中で、化学物質のフォローが抜け落ちるのはどういうところなのか、ここが一番知りたいところです。
 例えば、先ほどの例に出てきていましたけれども、車などの廃棄物、シュレッダー・ダストが処理される過程ではどんな物質がどのように出てくるのか、それらの実態がはっきりわかっていないということ。それから、例えば建築廃材を処理するという場面があるとしますと、それらを埋め立て処理するためにはアスベスト、石綿の入っているものを分けなければいけません。その分別作業のやり方によってはどんな環境影響が出てくるのか、というようなことも、良くわかっていません。分別を手作業でやっているとすると、そこでは従業員一人ひとりはどんな環境影響を受けるのであろうか、これらわからない状況が積み重なって、市民、新聞で言えば読者、テレビで言えば視聴者は、漠然とした不安を抱くということになります。これらの不明確な状況を明らかにする。どのようにすれば改善できるのかを示せることが、市民の安心の手がかりになりますし、化学物質行政も、廃棄物まで含めた全体的な情報を示す方法で、安心を与えて行けるようになると思います。それもこの法律を見直す段階で考慮していただきたいと思います。
 もう1つは災害時、神戸の震災の際にも問題になりましたが、災害時にはどんな化学物質の漏出があって、どの程度の影響が出るものなのか、これらの実態や数値も、結局はわかりやすい形では伝わっていません。新潟地震災害の場合もどうだったのか、こうした状況が市民の不安の下地になっていると思います。フォローアップがあればと思います。
 それからもう1つ、先ほど中西先生からもお話がありましたけれども、化学物質の研究には研究費がなかなかつきにくいという問題があります。これはそれこそ財務省や総務省も含めた国家規模の方針になると思いますが、例えば天気予報の例で考えてみますと、気象庁の観測、予報作業には現業という領域がありまして、研究ではないけれども、観測や予報のためのデータ収集、分析作業などに、研究とは違う枠の予算がついています。
 この化学物質問題も同じ考え方が導入できると思います。科学研究は、新しい知の地平を開くというように、これまでわかっていなかったところをわかるようにする作業、これが科学研究なのでしょうが、市民が安心をするために分析をする、もしくは全容を把握するため、あるいは化学物質の状況を把握するための研究、これも化学物質行政の領域では重要な問題だと思うのです。そういう活動は、現業としての色彩を帯びていると思いますので、研究予算の枠を広げた予算の執行、そういう大局も考えていただきたいと思います。
 以上です。

○大塚座長 ありがとうございました。
 次に、PRTR制度自体の議論について入ります。
 今も、少しその点もしていただいていると思いますけれども、PRTRにつきましては、届出の捕捉率の向上の議論、それから届出事項の見直し、今も出てきましたけれども、取扱量とかということですけれども。それから、対象事業者の見直し、対象コストの見直し、排出量の把握手法についてのレビュー、届出外の排出量推計の充実を図ること。それから、個別施設の排出量の公表をするかどうか、PRTRデータの活用、自治体の関与といった事柄について、さまざまなご意見がございました。これらの論点、あるいはほかでも結構でございますので、PRTRに関するご意見を出していただければと思います。よろしくお願いします。
 村田さんお願いします。

○村田委員代理 今、まとめて整理された意見の中で、まだちょっと抜けていると私が感じる点が1つありまして、それはPRTRデータというのは、それをどう使うかというある程度目的に沿ってやられるということにもちろん異議はありませんが、環境情報の基礎データとしての位置づけというのもあると思うのです。人口統計をとるのと同じように、我々の環境の中に有害とされる物質がいつどのぐらい出ているのかということは、どう使うかという議論とは別に、そういった位置づけもあるということは述べておきたいと思います。

○大塚座長 ありがとうございます。
 安井委員お願いします。

○安井委員 今、委員長からいただいて、個別の項目として出した理由ですけれども、先ほどからのご議論の中で、大体そもそも化学物質を管理するのは何のためかという議論があったんですが、規制的な手法でもってこれはだめというのは、確かにそういうやり方でありますが、PRTRはある種の情報公開というものをいかにやるかという、そういう位置づけですよね。それで、目的というのは先ほど中西先生がおっしゃっていたみたいにリスクの削減だと私も思うのですが、それと同時にもう1つ明確に目的だとしていけるのは、リスクが本当に削減されているのか、場合によっては増加されているのかということを関心のある方すべてで共有するというのが目的ですよね。ですから、リスクの削減とそれに関する評価の共有というこの2つだろうと思うのです。
 そういうことを考えると、このPRTRはとにかく情報の受け渡しであるということを考えて、そうすると例えばどういう情報が必要なのか、それを最後の目的2つに照らした上で、これが足りているか足りていないかという絵をもう一遍、先ほど事務局から出していただいた化学物質のライフサイクルと法規制と情報の流れとあるのですが、この情報の流れの一番最後のところが、リスクの削減ということになって、それが例えばハザード情報は足りているのかとか、排出情報が本当に正しく足りているのか、正しく得られているのか、捕捉率はちゃんとしているのかとか、それから対象物質は本当に足りているのかとか、こういうようなことで一目でわかるような絵で整理ができるのではないかという気がするんです。
 それと、共有の方はまた共有の方で別の絵が必要で、いろいろと重要なところがあって情報にも絡むのですけれども、リスクの評価、例えば排出にかかわったような評価をぽっと出したときに、受け手がどうやって受けるのかはいささか疑問で、ほかのリスクと大小比較みたいなことまでやるのかやらないのか、そんなことまで含めて、この絵をもう一遍、情報というキーワードで書き直すべきじゃないかという気がしています。

○大塚座長 ありがとうございます。
 大変わかりやすくご質問いただきました。ご議論を提起していただいたと思います。
 中西委員が先ほどおっしゃったように、もともとアメリカ型とヨーロッパ型と少し違いますので、それが両方入っていますので、リスク削減という目的と情報の共有という目的とその2つがあって、その2つが柱としてあるということを明確に認識する必要があるのではないかと思いますけれども、さらにそれを情報ということをキーワードにしてちょっと絵をもう一度書いてみる必要があるのではないかということではないかと思います。
 中杉委員お願いします。

○中杉委員 中西先生のお話、今安井先生も言われたんですが、代替の話ですけれども、これは今のPRTR制度の中にどう盛り込んでいくか、これは結構難しい話で、PRTR制度は対象物質が決められているわけですね。そうなると、代替物質が何であるか、これはPRTRの対象物質に移行してくださればそれは把握できるのですけれども、それ以外のものは全く把握できない。そのときに、1つの方法としては代替物質を届けていただくというような話もあるかもしれませんけれども、これは必ずしもPRTR法の中で、すべてが法の中の規定ですべてを片づけるという話ではないだろうと、そこは1つ考えていた方が良いのではないかと。PRTR法という法はあるけれども、それをフォローするために行政が何をやっているか、それは先ほどの活用の話を踏まえて、行政がどうフォローしてどうやっていくかということも少しあわせて考えた方が良い。全部法律の中でやってしまわなければいけないというふうに考えると、また非常に大変になってくる。そこは少し、入れられれば入れた方が良いけれども、そこまであえて無理して入れる必要はないけれども、こんなことやらなければいけないということをちゃんと書いておくことによって、今度の新しい見直されたものが動いたときに、ちゃんと活用されるようになるんだろうというふうに思いますが、そういうところまで少し議論をして、法の外の附随してやることというのも少し書き込んでおいた方がいいのではないだろうかというふうに思います。

○大塚座長 ありがとうございます。
 中杉委員がおっしゃる代替物質について届出をしてもらうということですが、これはPRTR法の外とおっしゃったのは、例えば代替物質の届出の義務みたいなことを他の法律に入れるということを考えてのことですか。

○中杉委員 届出ではなくて、行政として調査する、行政それこそ経済産業省がやるのか環境省がやるのか、どっちがということはないのかもしれませんけれども、実際に環境省が先ほど例として、代替物質に転換したら幾らあったと、それは具体的に何だと。だから、有害大気汚染物質の排出削減の自主管理のところでは、一応そういうものをどういう方法で削減しましたかということを計画の中で書いていただくようになっています。そうすると、それを見るとこんなものに全体として移っているのだと、こんな代替物質が出てきていると、これは少し気になるというものが出てきます。そういうものを事業者に届け出ていただくという形ではなくてもいいのだろうと。行政がそれはちゃんとフォローして調査をする、そういう形もあり得るだろうというふうなことで申し上げました。

○白石委員 今のことで、同じことですけれども、例えば福山市の蔵本先生ですか、化学物質の増減の理由の明記という項目を設けられておられるということですけれども、そういったのが結構有効ではないかなというふうに思いました。

○大塚座長 ほかにいかがでしょうか。
 安藤委員お願いします。

○安藤委員 代替物質の件につきましては、非常に先行の技術開発に絡んでくる部分であり、なかなか情報の開示が難しいと思います。その辺は考慮していただきたいというのが1点です。
 それから、先ほど亀屋先生のご説明の中で、対象物質の選定については、最新の有害性のデータにアップデートしなければいけないだろうということをおっしゃられてました。現在、この化管法の見直しを7年ということで行っているわけですが、それにしても有害性の情報を7年も放っておいて、今ごろ見直したのでは、恐らく当初の選定のロジックで見直しを行っても相当な数の物質が入れ替わるのではないかと思っています。適正な見直しの周期について、亀屋先生のお考えを、ご提示いただけたらと思います。

○大塚座長 亀屋先生お願いします。

○亀屋氏 全くおっしゃるとおりでありまして、どこかの附帯決議にも自動的に制度改正の見直しが行われると書いてある7年、これから見直しをしてもまた周知期間、告示期間がありますから、もう10年越しぐらいの見直しですが、今のところはできていないわけです。最初から今言われた規制の見直し期間みたいなものを計画的に取り組むべきではないかなというふうに思います。
 特に、今は海外の化学物質にかかわる制度も動いていますから、企業の方としては10年前の基準でやられていると、そちらの方と全然不整合が出てくると思います。感覚的にとおっしゃられたので感覚的に申し上げますと、長くても5年とかあるいは3年ぐらいで見直しをしていったら、作業上もできなくはないと思いますので、感覚的にはそのぐらいではないかなというふうに思っております。

○大塚座長 ほかにいかがでしょうか。
 中杉委員お願いします。

○中杉委員 届出の捕捉率を上げるという話ですけれども、これは先ほど蔵本さんの方から立ち入り行政で、立ち入りしてヒアリングをする、それによって大体把握できる、把握した事例があるというお話がありましたけれども、この辺のところはそんなに難しいことではないんですか。未届けの事業所を自治体の方で、ここは届出がないというようなことを把握して、指導するということに関してはそれほど難しい仕事ではないというふうに判断されますか。

○蔵本氏 日ごろ、さまざまな環境関係の法律を所掌しておりますので、そういった中の一環として、いろいろな事業場へ行って顔見知りにもなっているだろうし、入っていくことについては何ら支障はないし、そういった中でそういった企業についてのPRTRの物質についての話もできるといった中で届けていただいたということはそんなに難しいことはないというふうに思っております。

○大塚座長 では、時間も大分迫ってきておりますので、最後のMSDSその他の化学物質の有害性曝露に関する情報の伝達についての議論に移りたいと思います。
 これまでの議論、PRTRがメインでして、MSDSなどに関する議論が不足していたと思いますので自由にご意見を出していただければと思います。いかがでしょうか。
 白石委員お願いします。

○白石委員 情報に関して言いたいことがあるのですが、言い残したこともあるので、時間がないのであれなんですけれども、PRTRに関する情報の開示はされていない、そもそもこの法律の目的は、化学物質どうやって減らすかという、情報を開示しつつコミュニケーションを各層でやりながら減らしていこうという発想だと思うのですけれども、そういった例えば地域性、ローカルな排出量のデータ等も実質出ているかもしれないけれども、公式的には出していないということであって、それに応じて個別のリスク評価も進まないという悪循環に陥っているわけです。
 それはそれで、またMSDSとは外れていますけれども、どういったところのリスク評価なのか、いわゆる1社しか出していないようなところのリスク評価をだれが集めるのかといった問題まで多分広がっていくと思うのですけれども、そういった情報の開示に関してはどれを開示しどれを開示しないか、どういったリストを開示しないとか、そういったものに関してまず決めないとなかなか議論が進まないかなという気がします。
 同様に、MSDSに関しても、これもよく言われるのですけれども、せっかく作っているのにあまり使われないというようなことも聞かれるので、こういったものに関しては、なるべくみんなが使えるように、共通に使えるようにしたらどうかというふうに思います。そうするためには、何らかの例えば機関のフォローアップみたいなものも必要なのかなというふうに思います。

○大塚座長 中杉委員お願いします。

○中杉委員 MSDSを住民にまでというお話のところですけれども、多分化学物質のリスクを考えたときに、一番曝露される可能性が高いのは、それは家庭に入ってくる製品については、環境に出てからよりは家庭で使用中の場合の方が大きいことはもちろん、完全密閉した中で使われているものというのは廃棄された後問題になりますが、そういうことでいくとそこの情報というのは一番住民としては知りたい情報であると、そこのところをどうするかという話なんですが、これは化管法の中なのかどうかというのがもう1つの問題としてあると。
 それから、もう1つ大きな問題にしたいのは、それは書かれたとたんに売れなくなる、売れなくなるというのはこれは仕方がないと考えるのか、そこら辺のところの判断が非常に難しいだろうと思いますが、そういう問題から一般の住民にとっては、消費者にとっては自分が使っているものが、例えば衣服の中にどういうふうなものが使われているかという情報が一番欲しいわけです。リスクとしては、そこら辺の環境に、例えば衣料の中に洗剤が環境に出てから、それが戻ってきて人に曝露されるよりは、直接ここから皮膚をへくる方が可能性としては高いそういうものをどう考えるか、そこのところは今完全に外れています。
 それをこの化管法の中のMSDSをどっと市民のところまで伸ばせば片づく問題なのかどうかというのはまた別の話だと思いますが、その辺は少し区別して考えて、化管法の中で全部をやるのか、先ほど一番最初に戸田さんから話があって、いろいろな法律がありますから、その法律の中で考えてもらうのか、この辺が岸川委員が言われた全体を考える法律が必要だろうという、計画が必要だろうという話につながるのかと思います。
 確かに、そこは非常に重要で一般の人は知りたがっているだろうけれども、それをどういうふうに出す方がいいのか、出したときのいろいろな問題点をどうクリアするか、そこら辺のところは十分議論が必要だろうというふうに思います。

○大塚座長 ありがとうございました。
 大変重要な問題で、この点について特に議論していただいてほしいと思いますけれどもいかがでしょうか。
 村田さんお願いします。

○村田委員代理 逆に、今MSDSは事業所間の取り引きで義務づけられているわけですから、それを消費者のところまで伸ばせない理由がどこにあるのかというところを明確にしないと議論が解決しないと思うのです。1つには、コスト的な問題もあるかもしれませんし、技術的な問題もあるかもしれません。それは、詰めて解決できる部分もあります。例えば、今コスト的な問題で言えば、多くの人がインターネットを通じて情報を得られるわけですから、いちいち紙で末端までいかなくてもできる方法はあり得ますので、その辺もきちんと詰めて議論していただきたいと思います。

○大塚座長 中杉委員。

○中杉委員 私が申し上げたのは、環境へ出てからという話のところと、それから直接という話になると、使っている化学物質の量のレベルが違うのです。PRTRでは、ある程度の量がないと環境へ出てから問題がないということになってしまうのですが、実際に直接くる場合には、その量はものすごく少なくても問題があり得る。だから、それで片づく話やPRTRの精度をすっと伸ばせば片づく話ではないだろうというふうに私は考えて、そこら辺のところの違いがあるので、少し別な枠も考えた、それはどっちがいいかというのもこれから議論していった方がいいだろうというふうに思います。

○大塚座長 この点についてはほかにいかがでしょうか。
 白石委員お願いします。

○白石委員 私も中杉委員と同じような感じを受けていますけれども、例えば有害性評価に関しても、例えばこういったことをどこか同じ国で違ったりするというのは、リスク評価する、どこでやるかは別としてもどの値を使っていいかという混乱を生じる可能性があるので、その辺はもしもインターネットとして公開するようなものをつくるならば、PRTRのみならず、ほかのものにもかかってくるんじゃないかというふうに感じました。

○大塚座長 有田委員お願いします。

○有田委員 私がこの委員会の中で一番一般の消費者なので、PRTR制度のことで言えばPRTR制度ができたとき、何かこれで企業も情報をすべて公表して、一緒に同じ方向を向いて化学物質を削減しながら環境に配慮した社会ができるというふうに夢を見ながら動いてきました。かなりの時期がたって物質も見直さないといけない時期になったというふうに、最近つくづく思っているのですけれども、そのときに一般の消費者は中杉先生とか、白石先生がおっしゃるように、自分の身近にあるものから化学物質を考えるわけです。
 今家庭用品のことが出ているので、そういうふうに申し上げているのですけれども、そういうデータを例えば環境省のどこかのホームページでも出ているとは思いますが、分かりやすい情報、なかなか一言で言っても「わかりやすさ」は難しいですけれども、そういう市民が関心を持っている製品からの情報も含めてぜひ提供していただかないと活用できません。市民が活用する、活用するといっても、「本当にレベルの高いNGO」と、一般の環境問題に取り組んでいる「その他」という市民というか消費者等を含めて、日ごろ例えば地元住民と対話を行っていらっしゃるでしょう企業の方も含めて、情報の共有といってもなかなか難しいというふうに思っています。MSDSで言えば、市民のところまで公表していただいて、手に届けば一番いいとは思うのですけれども、まだまだ読み込めないので、私はこのPRTR制度の中で、そういうデータのわかりやすさや伝え方の工夫がぜひ欲しいというふうに思っています。

○大塚座長 必要性があるということと、それからMSDS、多分かなり詳し過ぎるかも知れないので、このまま市民のところにいって分かるかという問題があるかもしれませんし、他方でインターネットで国が公開するというのは、国がそこまでやれる余力があるかどうか、あるいは情報は事業所さんの方がよく知っているかもしれないという問題もあって、今申し上げるような幾つかの点を考慮して検討していく必要があるのではないかと思います。
 まだまだご意見があろうかと思いますけれども、時間の関係もございますので、本日のところはこのあたりで終わらせていただければと思います。
 次回も数名の有識者へのヒアリングを実施して、さらに論点を抽出していきたいと考えております。事務局は、論点の取りまとめが行えるよう、資料の準備を進めておくようにお願いいたします。
 では、第4回以降の懇談会の進め方などにつきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。

○戸田補佐 ありがとうございました。
 本日は、活発なご議論ありがとうございました。環境省における活用状況などいろいろお答えすべき点もあったかと思いますけれども、できるだけご提言いただきたいということで、あえて口答えと言いますか、いたしませんでしたけれども、そういった国における活用方法でありますとか、そういったことも含めまして、前回までにご説明したものもございますので、そういった我々が、事務局の方からご説明したことも含めて、こんな意見があったよ、こんな意見があったよというふうなペーパーを次回用意させていただこうと思っております。そのペーパーを見ながら、次回フリーディスカッションのときに、さらに議論を深めていただきたいと思います。現段階でもし、そういうペーパーにはこういうふうに盛り込むべきだというふうなご意見がございましたら、できるだけ早く、明日ぐらいに事務局の方までお知らせいただければ、ご参考にさせていただきたいというふうに思います。
 次回でございますけれども、ゲストスピーカー、当初3名というふうに予定しておりまして、化学物質問題市民研究会、日本電気工業会、名古屋市、この3名を予定していたのですけれども、事業者の関係でいろいろ当たっておりましたところ、2名の方から新たにお話しいただけると。1つは、ウレタンフォーム工業会、プラスチック工業ということでお願いをいたしました。1つは、金属加工業といたしまして、全国鍍金工業組合連合会の方にも何らかの話をいただけるということで、本日と同じ5人ということになり、ちょっと時間が押す傾向があるかもしれませんけれども、そういった形で次回は5名の方にプレゼンテーションをいただいた後、事務局の方で作成をいたしますペーパーをごらんいただいて、さらにそこで掲げられた論点について、さらにご意見、ご議論を深めていただければというふうに考えております。
 安井先生の方から、もっとちゃんとした図が書けるのではないかというのがございまして、次回までに書けるかどうか、ちょっと心許ないですけれども、そういったことも含めて事務局の方でも検討させていただきたいと思います。
 次回は、8月3日に開催いたしますが、1時から4時まででございます。
 第5回につきましても、8月29日ということで取っておりますけれども、併せて第6回と言いますか予備日も一応取っておりますので、第5回でできれば議論を取りまとめていただきたいと思いますが、もう少しかかるようであれば9月の半ばまでずれ込むかなというふうなところでございます。
 事務局の方からは以上でございます。

○大塚座長 今後の進め方について、ご説明いただきましたけれども、何かご意見ございますでしょうか。
 では、今ご説明いただきましたように進めていきたいと思います。
 本日は、まだ十分にご指摘いただけなかったご意見などにつきましては、できるだけ早く事務局の方に出していただきたいということですので、明日までですか、本当に忙しいですけれども、恐れ入りますけれどもご協力いただければ幸いでございます。
 では、どうもありがとうございました。

○戸田補佐 すみません、今までいただいたご意見をある程度我々の方でまとめるつもりですので、もし何か特にあればということでございます。
 次回につきましては青学会館で開催いたしますのでよろしくお願いいたします。

○大塚座長 では、本日の懇談会を閉会にいたしたいと思います。
 本日は長時間にわたりましてどうもありがとうございました。

午後零時30分閉会