中央環境審議会環境保健部会PRTR法対象物質専門委員会
生活環境審議会生活環境部会PRTR法対象化学物質専門委員会
化学品審議会安全対策部会化学物質管理促進法対象物質検討分科会
第3回合同会合議事録


1.日  時  平成12年2月1日(火)10:00~12:45

2.場  所  通商産業省本館17階第一共用会議室

3.出 席 者

中央環境審議会環境保健部会PRTR法対象物質専門委員会委員
(委員長)鈴木 継美
(委 員)池田 正之中杉 修身
 石井 康雄畠山 成久
 岡田 光正林  裕造
 北野  大若林 明子
 
生活環境審議会生活環境部会PRTR法対象化学物質専門委員会委員
(委員長)黒川 雄二
(委 員)井上  達林  裕造
 内山 巌雄安田 峯生
 長谷 川隆一山本  都
 
化学品審議会安全対策部会化学物質管理促進法対象物質検討分科会委員
(分科会長)中西 準子
(委  員)池田 正之松本和子
 田中 慶一宮本 純之
 西原  力(五十音順)
 
(事務局)上田環境庁環境保健部環境安全課長
 鏑木環境庁環境保健部環境安全課調整官
 照井通商産業省基礎産業局化学物質管理課長
 村上厚生省生活衛生局企画課生活化学安全対策室長 他

4.議  題

  (1)PRTR等対象化学物質選定の考え方について
  (2)その他

5.議  事

○事務局  定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会環境保健部会PRTR法対象物質専門委員会・生活環境審議会生活環境部会PRTR法対象化学物質専門委員会・化学品審議会安全対策部会化学物質管理促進法対象物質検討分科会の第3回合同会合を開催いたしたいと思います。私、通商産業省基礎産業局化学物質管理課の課長補佐の小野でございます。

 なお、本日は冒頭のテレビカメラ撮りがございますので、委員の方々については、ご了承おき願います。

 本日の欠席者でございますけれども、生活環境審議会にご所属の林眞先生、化学品審議会ご所属の大前委員、清水委員、それから中央環境審議会、生活環境審議会及び化学品審議会共通のご所属の櫻井委員がご欠席との連絡をいただいております。

 本日の合同会議におきましては、第1回の合同会合においてご確認させていただきました申し合わせ事項に基づきまして、化学品審議会安全対策部会の中西分科会長に議事進行役をお願いしたいと思っております。中西先生、よろしくお願いいたします。

 なお、本日のカメラ撮りの方は、ここまでにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○中西分科会長  それでは、事務局からの説明にもありましたように、第1回合同会合の申し合わせ事項により、本日は私が議事進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 まず事務局の方から資料の確認をお願いします。

○事務局  それでは、資料の確認をさせていただきたいと思います。本日の会合の資料におきましては、数日前に各先生方のお手元にお配りさせていただいたものでございますけれども、その後事務局の方で一部修正やデータ整理をさせていただきまして、今回、改定版を配付させていただいております。本日は、この当日の配付資料に基づいて、ご審議いただきますようにお願い申し上げます。

なお、前回の議事録案については、各先生方でご検討いただきまして、訂正になる場合には、前回の事務局であります厚生省の生活衛生局生活化学安全対策室の方までご連絡いただきますように、お願い申し上げます。

 それから、委員の皆様へ配付いたしましたけれども、パブリックコメントに添付されていた参考資料、これは根拠となる有害性データ等でございますが、これについて、コピーしたものを5セットほど用意しておりますので、もし参考にご覧になりたい委員の方々がいらっしゃいましたら、教えていただければ、席にお持ちいたします。

○中西分科会長  ありがとうございました。

 ちょっと確認したいのですが、参考資料のうち、「パブリックコメント(意見部分)(委員限り)」というのは、既に郵送されているものだという意味ですね。

○事務局  そうです。

○中西分科会長  わかりました。

 それでは、早速議事に入りたいと思います。

 本日は、平成11年11月19日から12月18日まで実施いたしました特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律に係る指定化学物質等の意見募集結果、寄せられた意見に対する対応(案)について審議をいただいて、3審議会の各部会への対象物質に関する最終報告案をまとめたいと思います。

 それではまず初めに事務局から、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律に係る指定化学物質等の意見募集結果に関する資料についての説明をお願いします。

○事務局  それでは、資料1に基づきまして、ご説明をさせていただきます。

 お手元の資料1でございますが、今、中西先生の方からご説明がありましたように、11月16日の各部会のご審議を受けまして、対象化学物質の選定、それからそれ以外の対象事業者、製品等の定義について、パブリックコメントを求めました。11月19日から1ヵ月にわたりまして、環境庁、厚生省、通産省を通じまして、意見を求めたところでございます。

 全体といたしましては意見提出者数として 164件ありまして、企業が96件、団体45件、個人23件ということでございます。ただ、提出の中に、複数の意見を述べられておられる方がおりますので、それらを合わせ、延べ件数で計算いたしますと 473件ということになります。ただ、この件数については、製品の要件、それから対象事業者に対する意見については現在さらに分類をしているところでございますので、変更になる可能性があるということをご了承願いたいと思います。

 今回の3合同分科会専門委員会の案件であります対象物質については、全部で 219件ということでございます。物質選定の考え方等々合わせてそのような件数になるわけでございます。個別の、さらに詳細の内訳については2ページに総表がありますが、それぞれの意見が、どういう提出者から出されたか、企業か事業者団体かNGOか等について分類をしているものでございます。

 3ページについては、個別のパブリックコメントがどのような団体から提出されたものであるか、どういう意見について述べているものであるかということで、企業は企業名を書いておりませんが、業種名を書いてあります。団体については団体名が書いてあるわけでございます。

 それから6ページ以降、いただきましたコメントの内容について、それぞれの分類に従いまして要約をしているということで、物質選定の考え方への意見、対象候補物質全般への意見等々、いただいたコメントについて、全部列挙をしているということでございます。

 11ページからの分類は、先日、個別のパブリックコメントの生のご意見の資料をお送りしたわけでございますけれども、それと今回の意見との分類の関連性、省庁別連番ということで、個表のパブリックコメントとこの意見がどのように対応しているかという整理をしたものでありますので、それぞれ、個表のパブリックコメントの右肩に書いてあります番号をみていただければ、もともとのご意見がどういうものであるかという詳細が、ここで関連づけてみられるということであります。

 以上、今回1ヵ月にわたるパブリックコメントで非常に多くの意見をいただいたということでございます。全体状況については以上でございます。

○中西分科会長  ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明について、ご意見やご質問があれば、どうぞお願いします。内容については、次の資料2で個別にやりますので、細かな内容は後にしてください。何かご意見、ありませんか。

 ご意見ないようでしたら、NGOというのが適当かどうかというのは、後で検討してください。というのは、企業もNGOとよくいいます。

 それでは次に、寄せられた意見に対する対応(案)ついて、資料に基づいて説明をお願いいたします。

○事務局  それでは資料2に基づきまして、今回物質選定について寄せられたご意見の内容、それからそれに対する対応の案について、ご説明をさせていただきたいと思います。それでは、資料2の横長の資料に基づきまして、ご説明させていただきます。

 まず物質選定の考え方への意見ということでございます。№1ですが、現時点でリスクが低いとされているものであっても、安全性が学術的に確認されたもの以外はすべて対象にすべきと。あるいは№2は、外因性内分泌かく乱物質のような例もあって、現時点では毒性が低いとされる物質も広く対象にすべきということですが、対応の案としては、この2つについて、今回の法律については、化学物質が環境中に存在している状況が実際に人や動植物に悪影響を及ぼすかどうかという因果関係が立証されていないものも含めて、動物実験などによって一定以上の有害性があるという科学的根拠があるものを、基本的には対象とし、なおかつ、相当広範な地域の環境での継続的な存在が認められ、あるいは見込まれる物質、1種、2種という形になるわけですが、そういうものを対象としようということで、法律では要件が明確に定められているわけであります。そういうことで、この法律の趣旨を踏まえまして選定をしていくこととしております。内分泌かく乱作用につきましては、現在、そのような作用をもっている物質についての科学的な知見というものが十分に集積されていないということで、国会でもご議論になったわけですが、これらの物質については試験方法や評価方法の確立を急いで、その後、優先度の高い物質から早急に試験を行って判断することが適当ではないかということでございます。

 №3、対象物質に指定することによって大きな影響が出てきますということで、真に重大な危険有害性が認められるものに限定すべきではないかと。

 また、4番は化粧品関係の方のご意見ですが、化粧品については全成分表示ということが導入されていくということで、今回、PRTRの対象物質になりますと、不必要な恐怖をあおられて、消費者の混乱を招く可能性があるということで、化粧品原料となる物質には社会的需要性も考慮して選定してほしいということです。これら3番と4番の意見に対する対応も№1、№2と同じような考え方で、基本的に本法については化学物質の用途がどうかということで、ある特定の用途を除くというような体系にはなっていないわけでございますので、先ほどの科学的な有害性の根拠があって、相当広範な地域の環境での継続的な存在等が認められるものを対象にしていくということが必要ではないかということでございます。危険有害性については、すべての化学物質について十分に知見があるという現状ではございませんので、それらについては知見の充実、それから国民の理解等を深めるよう、努めていくということが必要かと思います。

 それから№5、医薬品を除外してほしいというご意見でございますが、これも特定用途のものを除外するということではなく、元素及び化合物は本法の対象になっておりますので、放射性物質だけは除かれているということで、アプリオリに医薬品を除くということは適当ではないと考えます。

 6番についてはご質問ですが、「自然作用による化学変化」の自然作用とはどういうものかということです。ここでは、なかなか表現は難しいわけでございますけれども、「自然的作用による化学的変化により、容易に生成する」というように法律では書いてあるわけですが、通常の環境中での分解反応、加水分解等によって容易に生成されるものを考えているということでございます。

 それから7番について、選定方法についての考え方のところで、事故的な大量排出の際などでは問題となるが、通常の環境濃度レベルでは問題とならない有害性については、それのみをもって物質選定のための有害性項目として用いる必要はないと考えられると。それのみをもってという表現をしないといけない物質で何が想定されるかということで、具体的に検討すべきということですが、ここで特定の物質を想定して、このような記述をしたということではなくて、一般的な選定の基準を考える際の有害性の項目を検討する際に、ここではそのような表現をしたということでございます。

 8番、9番は、物質選定の基準となっている生産・輸入量 100トンというものについて、どのような根拠で 100トンが出てきたのか。あるいは 100トンという基準は大き過ぎないかということですが、環境庁が行っている、いわゆる黒本調査、環境モニタリングでは、 100トン未満のものの環境検出率は10%以下、 100トンを超える化学物質については41%ということで、 100トン以上のものについては検出の数がかなり高くなっております。それで 100トンというものを1つの目安にしたということでございます。

 10番、明らかに環境中に放出されやすい物質の基準というのは何かということです。使用形態を特定することが困難であるから、使用形態を考慮しないというのは安易過ぎないかということですが、化学物質は単純に1つの用途ということで決まっているわけではなく、多々、いろいろな用途に使われると。それから用途も変わるわけでございます。そういう意味で、個別の物質ごとに使用形態を考慮することはなかなか難しいということで、今回、このような基準になったわけです。それから農薬については、使用形態からみて明らかに環境中に放出されるということで、製造・輸入量10トンということで裾切りを低くしているということでございます。

 №11ですが、物質選定の基本的考え方に、次の項目を追加してほしいと。大気汚染防止法と他の環境法令等で対象となっている物質を優先選定してほしい。それから、目的は異なるとしても、同様の制度が既に存在する場合には、それらの制度との整合性を重視して対象物質が選定されることが必要であるということでご意見をいただいているわけですが、原案どおりが適当ではないかと考えております。本法は、物質選定の要件、先ほどから申し上げているとおりでございますが、排出量等について、他法令に基づいて既に排出量の把握、集計等が行われている場合には、重ねて本法の対象とはしない、あるいは既存の法律での毒性の評価について参考にしていく等の整合性というものを重視して検討を行っていると考えております。

 12番ですが、その他の留意事項に次の項目を追加してほしいというご意見でございます。諸外国で使用が禁止されている物質で、我が国で使用が認められている物質。そういうことで使用を禁止すべきという意見が出されている物質については必要に応じて追加。それから、物質の使用により死亡者などの重大な被害が発生しているという報告がある物質については優先的に検討した上で追加ということですが、基本的に、今回の選定においては国際的な動向等を踏まえ、海外の有害性の情報等を勘案して選定しているわけでございますので、基本的にはご意見の趣旨を踏まえていると考えております。

 それから13番の産業衛生学会等の許容濃度の適用に誤りがあるのではないかということですが、この許容濃度については数値をそのまま大気汚染、一般室内汚染の許容濃度の限界値としてはならないというように記述されているわけで、そのまま適用できないと。ご指摘のとおりでありますが、今回は、これを環境の許容限界値として、環境濃度として用いているということではなくて、物質選定の際の人への有害性のデータの1つとして用いさせていただいているということでございます。

 2つ目の大きな分類としましては、対象候補物質全般への意見ということでございます。1つ目、(金属)元素及びその化合物ということで、物質の分類をまとめているわけでございますが、その場合、元素自体に毒性がある場合、その元素を含む化合物全体を対象とすることの根拠が示されていない。それから、元素及びその化合物とすると、対象物質の特定が困難であると。これは個々に特定する、あるいは安全性が証明されたものは除外するということが必要ではないかと。

 2番の意見は、元素としての含有量に幅がある。有害性に強弱があるということで、元素含有量によりランク分けすることが必要ではないかということですが、基本的には原案どおりとすることが適当ではないかと考えます。今般の(金属)元素及びその化合物ということの物質の選定に当たりましては、元素自体に毒性があるということと、それからその化合物も個別に一応毒性データがあるかどうかということをみた上で評価して、それらが同等の毒性ということであれば、ひとまとめにしているということで、諸外国でもそのような形で元素及びその化合物ということで分類しているわけであります。ただし、個別に、金属とその化合物について、毒性の評価が別々であったというものについては、それは分けて対応していくという、選定の作業としてはそういう考え方でやっているわけであります。ただし、パブリックコメントに供しました基本的な考え方の報告書がございましたけれども、その報告書の最後のその他の留意事項ということで、先の資料になって恐縮ですが、資料の4の7ページでございます。2つ目の (2)、元素自体に毒性があるということで下線を引いている部分がありますが、今回、この報告書の文章を修正しております。と申しますのは、前回は元素自体に毒性がある物質については、原則として、当該元素及びそれを含む化合物全体を対象とすることが適当であるということで、あたかも元素に有害性があれば、その化合物も自動的に入るような印象を与えるような記述になっていたわけです。しかし実際の作業としては、元素とその化合物について、それぞれどういう有害性の評価をされているかということをみて、くくれるものはくくる。くくれないものは別々に分類していくという作業をやっておりますので、そういう作業から表現いたしますと、今回の新しい報告書の下線部分のように直すことが適当ではないかというように考えます。

 またもとの資料に戻らせていただきます。

 3番ですが、合金類、金属間化合物は無害な形態をとっているから、指定化学物質の対象から除くことが適当ではないかということです。合金類というのは、学術的には金属間化合物も含むということですが、合金類の中には金属の混合物として扱うことが適当なものもあるので、そういうものは混合物として扱うと。ただし金属間化合物、これは一応化合物ということで、元素及びその化合物として指定された金属を含むものを対象とすべきということでございます。

 それから4番は、複合酸化系顔料は金属酸化物の複合体であり、単一金属酸化物の有する物理的・化学的性質は失われている。また米国でFDAでも認可されており、指定化学物質から除外してほしいという意見が出てきております。それから溶解性金属化合物には、金属がイオンとして溶解する以外に、含金属染料などの有機キレート化合物がある。これは除外していただきたいと。基本的に、金属元素とその化合物ということで、物理化学性状等が違うではないかということで除いてほしいというご意見ですが、基本的に有害性の評価のときに元素及びその化合物ということで評価されているものは、そういうものも含んで評価をしていると考えておりますので、それらは原則として対象になるということでございます。

 溶解性の定義を明確にしてほしいということですが、決まった溶解性の定義が明確になっているものも、必ずしもあるというわけではないのですが、ここでは常温で、中性の水に対して1%(質量%)以上溶解するものを溶解性という形で定義させていただきたいと思います。

 それから7番、「溶解性」指定の有無根拠。これは、「溶解性」と書いてあるものがございますが、ACGIHにおける作業環境の許容濃度等の設定が溶解性化合物、solubleと書いてあるものがあるわけですが、そういうもの。あるいは生態毒性で水に溶けるということで有害性を示すもの、溶解性の有無で有害性が変わるもの、こういうものについて「溶解性」と指定しているものがございます。

 8番は、金属類についてはすべて「溶解性」を入れてくれと。それから廃棄物については、溶出試験による項目を入れてほしいということでありますが、原案どおりでよろしいでのはないかということです。溶解性のものに限るかどうかは上の7番の回答のとおりです。廃棄物の溶出試験については、これは移動量の算定の方法の件でございますので、別途検討すべき話ということでございます。

 9番、化審法で生分解性ありと判定された物質については、一義的に除外すべきではないかということですが、基本的に本法の対象物質選定の考え方に当てはまるものを対象とすべきではないかということで、今般、有害性と、それから一般環境中での検出状況ということで、生分解はするけれども、必ずしも短時間で行われるわけではなく環境中に全くないということではありませんので、一律に除外するというのは適当ではないのではないかということでございます。

 それから、技術的に可能であれば、対象化合物の最終的な有害性分類、1つの物差しでランキングをつけてほしいということですが、有害性の項目ごとにそれぞれエンドポイントは異なっておりますので、それの評価を1つの物差しで行うことは単純にはできないと。

 それから、有機、無機の定義を明確にしてほしいということですが、これは化学大事典に書いてあるとおり、従来の、基本的には炭素を含むか含まないか。一部炭素を含んでいても無機のものがあるという、従来の伝統的な分類でやっているということでございます。

 それから、異性体は無視しても構わないかということですが、有害性等同一であるとか、取引上混合物になっているというものは一緒にしておりますし、そうでない有害性が別々に評価されているようなもの、別々に流通されているもの、そういうものは一応分けているということで、これは以前にも審議の際に異性体についてご議論していただいております。

 有害性の具体的な数値、選定根拠があいまいではないかということですが、これはこの審議会でそういう基準を明確にして審議いただいていると考えております。

 それでは次に、第1種指定候補物質、これは個別のそれぞれの物質についての意見ということでございます。多くの意見がありますので、詳細には立ち入りませんが、かいつまんでご説明させていただきます。

 1番については、異性体があって、他の番号に包含されるものについては入れてくれということで、1,3‐ジイソシアナト(メチル)ベンゼンというものについて、分類の見直しということでございます。これは見直しをします。

 それからテトラフルオロエチレン、ピロカテコールはIARC3であり、2である基準に合わないということですが、最新のデータでは2Bということで原案どおりでいいのではないかと。

 3番の3,3’-ジクロロベンジジン、これを除外してくれと。用途も中間物であり、環境中への排出はないということですが、一応原案どおりで、3,3’-ジクロロベンジジンは有機顔料の原料ということでございます。

 グルタルアルデヒドは十分管理されているので、使用実態から考えると、対象外としてくれということですが、基本的には法の趣旨から入れることが適当ではないかと。

 5番のエチルチオメトンについては、農薬の経口毒性表のADI値というのがありまして、それに基づいて算定すると、経口クラス3になるということで、これは修正をするということでございます。

 6番、ビス(ジメチル ―)二スズというのは、二亜鉛の誤りではないかという、これは申しわけございません。誤りでございました。

 7番、メチレンビス(4,1-シクロヘキシレンイソシアナート)の名称を、IUPAC命名法に準じながら、できるだけ実用に近い表現にしていただきたいということですが、見直しを行いまして、ご要望の名前ではないのですが、別な名前に変更させていただいております。

 それから8番のビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウム塩酸塩、これはアンモニウムクロリド、4級アンモニウム化合物ではないかということで、これは変更いたします。

 それからp-ジクロロベンゼンの発がんクラス2、経口クラス3及び作業環境4を削除していただきたいということですが、発がんクラスについては、厚生省の方で評価をやっておりまして、げっ歯類特異性であると。したがって、人へのリスク評価に反映することは難しいということであるので、その旨を脚注に記載すると。ただし、IARCの方ではクラス2ということですので、そのまま残しておきますと。それから経口毒性については経口クラス3、作業環境クラス4というデータがありますので、これはそのまま残しておきます。

 10番はポリ(オキシエチレン)=4-オクチルフェニル=エーテル、11番はポリ(オキシエチレン)=ノニルフェニル=エーテルということで、界面活性剤関係ですが、ポリ(オキシエチレン)の重合度が10モル以下のものに変更してほしいと。これは、重合度が低いものについてはLC値が低いといいますか、毒性が低くなるので、そういうものに限定してほしいということでございますが、基本的にはこれは混合物で、重合度がさまざまなものが入っているということでございますので、一体で流通しているということで、これについては原案どおり10モル以下という形にはしないということでございます。

 12番、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、これは生分解性がよいと。それで、環境中濃度が生態毒性影響濃度よりも十分低いから第1種から除外してほしいということですが、基本的には、これは有害性の観点でいえば生態毒性がクラス1から2と、ものによって、そういう分布になっているわけです。それから環境中からも検出されるということで、1種に選定をしておくべきではないかということでございます。

 ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテルについても生分解性がいいからということでございますが、LASと同じような観点で、原案どおりが適当ではないかということでございます。

 ポリ(オキシエチレン)=アルキル=エーテル、これもポリ(オキシエチレン)の重合度を小さいものにしてほしいということですが、前のものと同様の対応で原案どおりということでいいのではないかということでございます。

 15番の錯塩を除く無機シアン化合物について、シアン酸ナトリウム等のシアン酸塩類は、これはもともと悪さをしていると考えるシアンイオンを生成しないということで、毒性も異なるので、シアン化合物と同じ分類として区別するべきではないと。ご指摘のとおりシアン酸塩を除くということで、名称としては無機シアン化合物(錯塩及びシアン酸塩を除く)というように変更をすべきと考えております。

 10ページ以下からは、金属元素関係のものでございます。一件一件やるべきとは思いますけれども、ほぼ同様のご意見及び対応案ということでございますので、全体的にお話をし、個別のものについては適宜コメントをするという形でご紹介したいと思います。

 クロム及び3価クロム化合物は溶解性に乏しい、あるいはクロム及び3価クロムのうち以下の物質は安全と考えるので、指定物質から除外してほしいということですが、基本的にはこれらはクロム及び3価クロム化合物ということで、既にいろいろなデータが出ておりますので、原案どおりが適当ということでございます。

 6価クロムについては物質を特定しほしい、それから6価クロムからクロム酸鉛を除外してほしいということですが、6価クロムはIARCで発がんクラス1ということでございます。クロム酸鉛についても、アメリカNTPでは発がんクラスAとされているので、除外する必要はないということです。

 19も同じでございます。

 20、ニッケルの発がん性、感作性、経口毒性、作業環境について、最新のACGIHが反映されていないということで見直しをしてほしいということですが、確かに最新のACGIHはあるわけですが、IARCの評価は変わっていない。産業衛生学会におけるTWA値も変わっていないということで、これらを優先して、原案どおりとすべきということでございます。

 ニッケル化合物の発がんクラス、これはいろいろ毒性的にご議論されているようでございますが、基本的に科学的根拠が明確になるまでクラス2というご意見ですが、一応、IARCでは発がん性クラス1ということで分類しておりますので、原案どおりでいいのではないかということでございます。

 溶解性ニッケル化合物、ACGIHではA4という形で分類されているということで、硫酸ニッケルなどは確認されていないということですが、基本的にIARCではニッケル化合物という形で評価されているので、原案どおりとするのが適当と。

 その他、ニッケル化合物個別のものの御意見ですが、23番も同様の対応でよろしいのではないかと思います。

 24番はアンチモンを含有するチタニウムエローということですが、これについても、それぞれWHOの水質ガイドラインから経口クラス2、作業環境クラス2となっておりますので、原案どおりということでいいのではないかと。

 25番、ビス(2-ピルジオチオ-1-オキシド)亜鉛は、亜鉛化合物(溶解性)に含まれるかということですが、溶解度をみますと、先ほどの基準以下でございますので、溶解性には含まれないと。

 それから亜鉛化合物(溶解性)から酸化亜鉛を除外してほしいということですが、酸化亜鉛は水に不溶ということで、溶解性亜鉛化合物には該当しないと。

 27、スズ及びその無機化合物を削除願いたいということですが、毒性のデータをみましたら、これは粒子状物質としてTWA値が定められておりまして、その基準でいきますと、今回の選定対象基準以下ということですので、第1種指定候補物質から削除させていただきたいと思います。

 28番、銀化合物(溶解性)ということですが、フリーの銀イオンを生じないチオスルファト銀錯塩などのように、有害性の低い物質も対象としているため、個別名称を挙げていただくか、銀化合物(フリーの銀イオンを生じる溶解性銀化合物)としていただきたいと。これは原案どおりとすることが適当ということですが、これは銀化合物(溶解性)ということで指定しているので、フリーの銀イオンを生じるか生じないかというものに限定されないということでございます。

 コバルト及びその化合物について除外してほしいということですが、コバルト及びその化合物ということで毒性の評価が行われているということでございます。

 31の銅は、汎用金属のうち銅のみが指定されることは納得できないというご意見ですが、毒性の有害性のデータを調べますと、ACGIHの銅については、ヒューム、ダスト、ミストということで、これは急性的な影響によるものによる評価ということで、今回の指定の観点からは除くべきということで削除してはどうかということでございます。

 32の銅化合物(溶解性)から、水溶性銅フタロシアニンを除外願いたいということですが、これは銅化合物(溶解性)の有害性というのは、生態毒性ということでございまして、これはフリーの銅イオンを出すものが対象になるので、フタロシアニン系のものは対象にならないと考えます。

 33について、食品添加物は除外してほしいということですが、生態毒性を示すものについては、食品添加物で認められているものについても、一応対象になるということでございます。

 34、マンガン及びその化合物です。これも2価と4価で毒性が異なるということですが、今回の有害性については、それぞれ評価されているということで原案どおりと。

 モリブデンについて、データの信頼性に疑問があるということですが、基本的に、WHOの記述についてはいろいろと書いてあるわけですが、最終結論として、飲料水水質ガイドライン値を決めているということで、これをもとにしているということと、環境検出3ヵ所というのは複数地点で、今回の基準を満たしているということで選定されております。

36、37、モリブデン及びその化合物ということですけれども、これも毒性の評価が行われているということで、38もです。モリブデン化合物も対象になると。

 それから五酸化バナジウムについて、バナジウム化合物ということで、より広い物にしてほしいということですが、評価されているのは五酸化バナジウムということで特定されているので、これのみに限っております。

 それからホウ素及びその化合物にトリフェニル(n‐オクタデシルアミン)ボロンは含まれるかということですが、含まれるということです。

 それから無機フッ素化合物を除外してもらいたい、水道水中に含まれているではないかというご意見。それから42番は無機フッ素化合物について、六フッ化硫黄や螢石、フッ化カルシウムでございますが、比較的無害な物質も含まれると。真に対象となる物質名で規定すべきということですが、これは無機フッ素化合物からフッ化水素及びその塩(溶解性)と変更いたします。理由は、フッ素イオンというのは環境基準が定められているわけですが、経口クラス4ということで、今回の有害性の基準の1つ下になっておりますが、環境中でそれを上回って検出されている地点があるということで、特別、その他留意事項の観点で選んだものでございます。それから、実際に有害性の根拠については、フッ素イオンということですので、フッ素イオンを生成するものに限るということで名称対象を限定いたしました。

 それでは15ページ、第2種指定候補物質に移らせていただきます。

 アミトロールは、農薬登録が失効しているが、環境中に見出されるということで、これは環境庁のモニタリング調査によって複数地点以上から検出されておりますので、第1種ということでございます。

 2番、№49の物質ですが、4,4’-メチレンビス(フェニレンイソシアナート)としてほしいということで、これは名称を変更いたします。

 3番、インジウム及びその化合物ということで、これが選定されているわけですが、同じTWA値の金属銀というのが選定されていないので除いてくれということです。銀については、皮膚の表面がちょっと問題となってくるということで、そういうものは入れなくてもいいのかなというような観点でご議論いただいた経緯があるわけなのですが、同じTWA値が定められているということで、銀も対象とすべきではないかと。したがって、インジウムもそのまま変更せず原案どおりということにすべきではないかということで、さらに銀金属も入れるべきという形に変更すべきということでございます。

 4番の白金化合物(溶解性)は、2種から外してほしいということですが、もともと白金化合物は溶解性塩のものについて対象とすべきであったものでございますが、そのものについて、製造・輸入量を確認いたしますとありませんので、また環境中からの検出実績もないということで、対象から外したいと思います。

 その他、対象物質への追加意見。追加してくれというご意見でございます。

 バリウムについて、追加すべきではないかということですが、これは確かに製造・輸入量を調べますと、1万トンありました。作業環境クラス3ということで、バリウム及びその化合物(溶解性)として第1種指定物質に追加すべきと考えます。

 それからアスベストについて、第1種指定化学物質に指定すべきということですが、発がん性クラス1で製造・輸入量10万トン以上、それから環境中からも当然検出されるということで、これは追加すべきではないかと考えております。

 ベンゾ[a]ピレン、メチルコラントレン等の多環芳香族炭化水素類は、発がん物質として知られているので、対象物質とすべきではないかということですが、原案どおり対象物質としないことが適当と考えております。理由は、これらの物質については、基本的に製造・輸入量がなかなか認められないということと、このような付随的に生成、排出される化学物質については排出量の推計が一般に難しいということで、技術的に対応が可能なものを対象とするとの今回の選定の考えにのっとって検討した結果、対象とはしなかったということでございます。

 塩化水素はなぜ外れたかということですが、今回は事故的な、いわゆる急性毒性的な観点での選定というのは、それのみをもっては対象としないということで、塩化水素は通常の環境濃度レベルで問題とならない有害性のみを有するもので、今回の対象にはなりませんでしたということでございます。

 5番ですが、次の物質が1種指定候補物質からなぜ除外されるのかということで、NOx、SOx、煤塵、モントリオール議定書付属書に記載されている物質で今回選定されていないもの、地球温暖化物質ということですが、基本的にNOx、SOx等については、大気汚染防止法等で実効性のある排出量把握、それから一部の地域については総量規制ということで量的な把握・規制をしているということで、今回、重ねて本法の対象物質とする必要はないのではないかということとしたものでございます。煤塵については、いろいろな物質の混合物であるということで、これらがPRTRやMSDSという制度になじまないのではないかと。それから、モントリオール議定書、フロン関係のものでございますが、これについては、基本的に国内での過去の累積製造・輸入量10トンという基準を満たしていないものについては、ほとんど製造・輸入量がないということから除かれていると。地球温暖化物質については、これは地球温暖化対策推進法において排出量把握、抑制する体制が整備されており、重ねて本法の対象とする必要はないのではないかということでございます。

 6番は獣医薬であるカルバドックスは発がん性がある、指定されないのかということですが、この物質については、EUにおいてクラス2と分類されているだけであるということで、今回の基準からは当てはまらなかったと。

 それからテレフタル酸ジメチルが対象となっているが、テレフタル酸は対象ではないのかということですが、テレフタル酸も対象となって、表では№ 296に1種として指定をするということで含まれております。

 オーラミンはマゼンタと同様に、同じ発がん性物質の分類に入っているということですが、なぜオーラミンが選ばれなかったのかと。製造・輸入量がゼロであったからでございます。

 それから9番、農薬は家庭用殺虫剤、いろいろな用途で用いられており、農薬の活性成分はすべて1種指定化学物質にすべきであるということですが、今回については、農薬の有効成分も一応対象にし、その他、農薬だけの用途だけではなく、それ以外の量も把握して選定をしているということでございます。

 10番について、農薬などに含まれている、特にオクタクロロジプロピルエーテルを入れるべきではないかというご意見でしたが、選定基準に当てはまれば、今回、選定しているわけでございますが、この物質については有害性を示すデータが確認されなかったので選定されていないということでございます。

 11番、放射性同位元素等も加えるべきということですが、これはそもそも本法の対象から除かれております。

 その他でございます。これは、今回の物質選定に対するコメントというよりは、要望なり、選定を見直ししていただきたいということで分類できるご意見ではございませんが、ご紹介させていただき、対応案というのを、とりあえず作成させていただいております。

 物質を多く対象とされたことは評価するとか、パイロット事業と比べるとふえているのは評価される、米国並にしていただきたいと。定期的に見直すべきについては賛成であると。見直しの際には物質をふやすべき。グレーゾーンについて適切に見直すべき等、ありますが、基本的には今回の選定については有害性、環境での継続的な存在等の観点から、1種が354、2種が81という数字になっております。

 それから、報告書案にもありますように、今後、得られたデータ等に基づきまして、定期的に見直すことが適当ということになっておりますので、見直しを行っていただきたいと考えております。具体的な方法については、今後、検討すべき問題であろうと考えております。

 物質リストでございますが、検索しやすいようにということで、できるだけ検索しやすいような工夫をしてまいりたいと考えております。

 MSDSについてですが、労働省でも労安法を改正しまして、今年からMSDS制度を義務化していくことになっております。そういうことで調整を図っていただきたいということですが、労働省の方では約 650が対象になると聞いております。この法律に基づきますと、約430が対象になるわけですが、共通の物質が 180から 200弱ほどあるのではないかといわれております。できるだけ、この制度については整合性をとれるように対応していきたいと考えております。

 9番も同様でございます。

 10番については、環境庁、日化協、あるいは経団連と、いろいろなパイロット事業がありますが、法律に基づくPRTRということで、いろいろなものができますけれども、混乱を避けるために、化学物質を一致させてほしいということです。環境庁のパイロット調査は、法律の本格導入に向けた試験的なものであるということで、これは法律に基づくものに限定されると。各民間の機関がやっているものについては、独自に行っているので、ここではコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

 駆け足でございますが、以上でご説明を終わらせていただきます。

 それから7ページに戻ります。やや細かい話でございますが、指定物質の名称でございます。名称を変更してほしいとか、IUPAC名にしていただきたいとかいうご要望があるわけでございますけれども、今回、ここに書いてあるものについても、とりあえず仮のものというようにさせていただければありがたいと存じます。政令指定の際には、ほかの法律との整合性等をみるという観点も必要になりますし、どの名称が最も適切かということを検討してまいりたいと思いますので、とりあえず今回はこのような名称で、物質そのものについては想定していただければありがたいと存じます。

 以上でございます。

○中西分科会長  どうもありがとうございました。

 大変、丁寧なご説明と、あと、多くの皆さんからの熱心なパブリックコメントに非常に敬意を表する次第です。これについてこれから議論をしたいと思いますが、4つほどに分けて議論をしたいと思います。まず最初は資料2の6ページまで、(1)物質選定の考え方への意見、(2)対象候補物質全般への意見、この2つについて議論をしたいと思います。恐れ入りますが、私の列の方は、私は顔がみえませんので、意見があるときは声か何かでお願いいたします。どうぞ、ご議論ください。

○宮本委員  2ページの6ですが、自然的作用による化学的変化というのがございます。それから、もうちょっと後だったかもしれませんが、生分解性の話が出てきます。このあたり、前にも申し上げたかと思いますが、もう少しデータがたまってきて、ある段階で見直しをするときに、定量的というとちょっと言い過ぎになりますけれども、もうちょっと定義をはっきりさせた方が皆さんにわかりやすいのではないかと思いますし、場合によっては実態にもっと即するということもあろうかと思いますので、これはコメントを申し上げておきたいと思います。

○中西分科会長  今のことについて、委員の方で反対のご意見などはありますか。ありませんでしたら、事務局の方のお考えはいかがでしょうか。

○事務局  見直しのところでコメントしておりますように、今回、この制度を動かしてみて、さまざまなデータが出てまいりましたら、そのときには見直しをするということで、製造・輸入量もどんどん変わっていきます。それから環境中の濃度というのも、いろいろなデータが出て、減少し、あるいは増加するものもあろうかと思います。それから生分解のデータで、どのような環境濃度になっていくのかということもあろうかと思います。したがいまして、今般、選んでいるのは、現在、得られている最新の情報に基づいて判断しているということでございますので、時代が変われば、それぞれ得られる情報もまたふえてくるわけでございます。そういうものを踏まえて見直しをしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○中西分科会長  では、見直しの際には、反応性とか分解性ということについても見直しをするということで、よろしくお願いします。

○中杉委員  多分、そういうことについてはデータを蓄積しなければいけないのだろうと思いますが、そうすると、今の物質選定の考え方を基本的に少し変えていく必要が出てくるかもしれないと思っています。と申しますのは、単に分解性という話で、その数字だけで語れない、例えば量が多い場合は、分解がよくても排出量の絡みが出てきますので、そこら辺のところを見直しながら議論をしていくことが必要であろうと思います。

○西原委員  もう1つ、関係しますけれども、また別のことで見直しということですが、何年おきにやるのですか。あるいは、そういうことを決めなくていいですかということです。当然データは毎年変わってきます。そうすると、毎年やるのですかと。そういうデータが出たときというと特定できないので、例えば何年おきにやるとかということを実はもう決めておいた方がいいのではないかと、私自身は思います。

○中西分科会長  先ほどの中杉委員の方のお考えは、基本的にマクロ量に対応するようなことを考えなければいけないという趣旨でよろしいですね。それで、今の西原委員の方からの、見直しの時期について、何か事務局の方でお考えがありますでしょうか。

○事務局  まだ制度を動かしていないものですから、確定的なことをここで申し上げると空手形になっていく可能性もございますので、とりあえず、データは毎年いただくわけでございます。それから、製造・輸入量等についても新しいのデータが把握されていくということで、そのようなデータを、当初はやはり提示をさせていただいて、まず現状がどうなっているのかというのをきちっとご審議していただきたいと思います。

 それから、本当にここで今回、選定のいろいろな考え方を出して、有害性の基準、あるいは環境中の状況の基準ということで検討いただいたわけでございますが、余りすぐに変えるというのも、データの継続性とか比較の観点でいいかどうかというところがありますので、まずは出てきたデータ等を踏まえてご審議をしていただきたいと思っています。したがいまして、申しわけございませんが、半年であるとか1年であるとか3年であるとかということは、ここでお約束できませんけれども、少なくとも毎年、このようなものについてご検討していただく機会はあると思いますので、そういうことでご理解いただければありがたいと思います。

○中西分科会長  ほかにございますか。

○北野委員  特に生態毒性の観点で選ばれたものについて、生分解性をどう評価するかというのは、大分いろいろ議論はあるところですが、私としては、やはりこの制度を動かして、実際の排出量なり、または環境中での検出状況なり、生分解速度なり、その辺のデータが出た時点で、それではどのように生分解性というものを入れていくのか、または入れていかないのかという、そういう経験がないと、今すぐ見直しはできないと思っております。

○中西分科会長  わかりました。ありがとうございました。

○岡田委員  もともと、この法律の趣旨からすると、ここで今回選ばれた物質があるとすれば、その物質をだんだんつくらなくなる傾向が出てくると思います。そうすると、1年もたたないうちに 100トンが30トンになるとか、そういうことが起こり得ると思います。それは、本来の目的からすると大変ありがたいことですが、そうすると、その次の年はその物質を論理的には外さざるを得ないです。その辺は、もう事務的にオートマチックにやるのか、いま少し考えておいた方がいいのではないかと。一々議論してやると大変ですから。毒性データは、そう簡単に変えられないですけれども、生産量はすぐに変わると思いますので、その辺のお考えというか、ご意見をいただきたいと思います。

○中西分科会長  大変いいポイントで、要するに生産量によってジャンルが変わっているとか、カテゴリーが変わっているものが、生産量が変わったときに、この見直しをしますという宣言をする前の事務的な作業の中で変えるのかという、そういうお話ですね。

○中杉委員  関連の意見なのですけれども、私は当面、何年になるかわかりませんが、3年ぐらいは変えられないだろうと思います。これは、追加する方というのは、当然必要があれば追加するというのはあるのですけれども、最初の数年間というのは出てくるデータ、届け出る方もなれておりませんし、信頼性の問題がかなりあるだろうと。やはりしばらくたつまでは、出てきたデータを、そのままうのみにというのは、ちょっと言い方が悪いですけれども、もう少しみていく必要があるだろうと考えています。そういう意味では、それが安定したところで考えるべきと思います。

 それで、生産量というのは前回か前々回か、私が少し申し上げましたけれども、今回は生産量で選びましたが、次回以降はむしろ生産量よりは環境放出量で選ぶ方が適当でしょうというようなことを申し上げましたけれども、実際には、そのような形に移行していこうとすると、単に生産量幾つで、下がったから落とすというオートマチックな形で今、決めるというわけにはいかないのではないかという気がします。

○中西分科会長  事務局の方は、今のご意見に何かありますか。

○事務局  この制度は非常に新しい制度であるということで、制度をきちっと定着させていくということがまず必要であろうと思います。それから、生産量とか環境濃度とかいうのは常に一定ではなくて変動するものであると。1回ふえてもまた減る、あるいは減ってもまたふえるということで変動しますので、1年ごとにそういう形で機械的にやると、かなり事業者の方も混乱するという可能性もあるので、制度の安定性がどの程度あるのかというのをみながら、見直しについては検討していった方がいいのではないかと思っています。

○中西分科会長  よろしいでしょうか。どうぞ。

○林委員  見直しについてのことですが、今回の、この化学物質の選定は、現在の科学的なデータと生産量、あるいは使用実態から考えられた日本独自のものと思いますけれども、これらの物質の中には、国際的にみて、日本では選定されているが、欧米では選定されていないもの、あるいは、その逆のものが含まれています。よく考えてみますと、選定の基準について、確かにそれぞれの国によって違いがあると思いますけれども、科学的な基準とか、基準の解釈というのは、やはりこれは共通でなければいけないと思いますし、生産量、あるいは使用実態というのが一番大きな問題になってくると思いますが、その場合に、同じような使用実態でありながら、あるいは生産量が同じようでありながら違っているような判定をしているものがあるように感じられます。そうしますと、見直しの場合に、そのような物質を早急に行う必要があるのではないかと思います。日本にとっては、PRTRの制度は新しいものです。しかし、諸外国においては、もっと以前から採用しているところもあります。そうしますと、PRTRの先進国と比べて選定が違っていて、しかも使用実態、製造量が、それぞれの両国において同じようであるという場合には、その物質については、やはり早急に見直す必要があるのではないかというように感じます。

○中西分科会長  ちょっと教えていただきたいのですが、アメリカと比べますと、日本のこの選定物質の数は少ないですが、ほかの国と比べますと、むしろ多いですね。先生、諸外国といわれるのは、アメリカということですか。

○林委員  諸外国といいますと、やはりPRTRについての経験が長い国ということになります。ですから、その国で使われている選定の理由あるいは選定基準を取り入れる必要があるのではないかということです。

○中西分科会長  それは参考の意見として承っておくということでいいですか。それとも何かご意見、ありますでしょうか。

○事務局  PRTR、MSDSの制度というのは、同じところもあれば、それぞれの国によって、目的がまず違う。それから選定の基準です。有害性の観点も異なっています。それから、もちろんこれを何のツールに使うのかということでも変わってきます。共通の部分もありますが、異なっている部分もある。それから製造・使用量も、国によってかなり大きく違う。そういうさまざまな要素が絡まって、それぞれの国で、この制度になる対象物質を選んでいるというように思っています。したがいまして、諸外国でどういう物質を対象に、どういう形でやっているのかということは、我々、この物質を選んでいくときの大変重要な情報でありますけれども、全くそれと同じになるということにもならないのだろうと思っています。今般のものについても、ある程度、そういう横並びをみながらやっているわけですが、有害性の情報のデータそのものについては、かなり共通のものを使っていると考えておりますので、共通にできるものは使う、そうでないものは、それぞれの目的に従ってやっていく。できるだけ、国際的にハーモナイゼーションできればいいわけですが、アメリカとイギリスと、ドイツ、フランス、オランダでは、それぞれまた異なっているということですので、それぞれの法に則してやっていくべきなのかなと思っております。

○林委員  製造量とか使用実態が非常に類似して、日本だけが違った対応をしている物質があったら、それについては早急に見直した方がいいと申し上げているだけです。

○中西分科会長  ありがとうございます。

○池田委員  今までずっと、exclusion criteriaのことを主に議論していると思うんですけれども、逆に、例えば新たな用途が開発されることによって環境への負荷が大きくなるとか、いろいろなinclusionのクライテリアがあり得ます。それも、見直しのプロセスの中で取り組まれていくというように理解してよろしいでしょうか。

○中西分科会長  それはよろしいですね。

○事務局  すべてものが見直しの対象というように考えております。

○中西分科会長  それでは、ここの部分の討議はこれで終わりたいと思うのですが、ここの部分については、この案のとおりということで、特に訂正の箇所はなかったかと思います。ただご意見は参考にしていただくとして、この原案どおりということでよろしいでしょうか。

 では、その次に進みます。次は(3)の第1種指定候補物質への意見というもので14ページまでありますが、そこについて、ご議論願います。

○西原委員  11ページの27番、それから31番です。これは、第1種指定候補物質から削除しますということですが、ということは、第2種に自動的に入るということですか。

○事務局  27番はスズですね。

○西原委員  スズですが、すべて第1種を削除するというのは、自動的に第2種に入れるということなのか。

○事務局  有害性の基準で、スズ及びその無機化合物を削除したわけですので、2種にも入りません。

○中西分科会長  入らないですね。1種と2種の違いは量ですね。

○事務局  銅もそういう意味では同じでございます。2種にも入りませんということで、両方から除かれるということでございます。

○中西分科会長  ほかにご意見は……どうぞ。

○松本委員  10ページの16、17、18のあたりですけれども、クロムの化合物の取り扱いが、価数によって毒性が違うので、6価クロムが別個になっているのはいいのですけれども、16、17のところのクロム及び3価クロム化合物となっておりますが、これはなぜこういう表記になっているか、経緯が何かあるのかなと。単にクロム化合物としてはいけないのかどうか。

○中西分科会長  クロム及びクロム化合物とした方がいいのではないかというご意見ですね。

○松本委員  いえ、そういうのではないですけれども、ほかの化合物は、例えばニッケル化合物と、ただなっているものもありますし、それから銀化合物(溶解性)とか、いろいろ金属の表記の仕方が若干違うものですから、それは、理由があるのかなと思って……。クロム及び3価クロム化合物という言葉の意味は、クロムの化合物という、要するに6価以外のものという意味ですか。あるいはクロム(金属)という意味ですか。意味があるのかどうかということです。ちょっと以前は気がつかなくて、きょうは聞いていて、はっきりしない表記の仕方だなと、受け取ったものですから。

○中西分科会長  ご質問の趣旨はわかりますか。

○事務局  どうしてクロムについては3価クロム化合物としているかということですか。

○松本委員  そう。わざわざクロム及び3価クロム化合物となっていて、なぜクロム化合物でないのかということです。

○事務局  これは、3価クロムと6価クロムについては、有害性の評価が別々に行われているということで、まずこれは分ける必要があるであろうと考えました。それから、クロム金属そのものと3価クロムは、基本的には別々にやっていますけれども、両方含んで毒性の評価をしているものが多いので、クロムと3価クロム化合物については同等の有害性ということでひとまとめにしました。

○松本委員  では、これは金属という意味ですね。

○事務局  そうです。

○松本委員  (金属)と、ほかのものでは書いてあるものもあります。だから、やはり(金属)と入れておいた方がいいのではないですか。

 ちょっとしつこくなって申しわけないですけれども、クロム(金属)及び3価クロム化合物が、この№ 336では対象になると、そういうことですね。

○事務局  はい。

○中西分科会長  どうぞ。

○池田委員  今の金属と書くかどうかの問題ですが、むしろニッケルが特殊で、他の物質については、例えば鉛及びその化合物というのは、金属としての鉛及びその化合物という意味だと、私は理解をしているのですが。逆にニッケルの場合だけ、ニッケル(金属)というように書いて、だからこれは、全体を通じての理解の問題で、誤解を招くというのだったら、すべての金属、あるいは亜金属について入れていく。

○中西分科会長  全体として整合性をとった方がいいと。

○池田委員  はい。

○事務局  名称のクロムの後ろに(金属)を入れるかどうかについてですが、これは最終的に政令をつくるときに、ほかの法律等の横並びをみながら、混乱の起きないように名前をつけていきたいと思います。今のところで、もしそんなに誤解がなければ、カドミウムといえば、まさしくカドミウムの元素ということなので、それが固まれば、基本的にはカドミウム金属というようにご理解いただければ、このままにさせていただいて、最終的には政令で名前をつけるときには、先ほど課長から説明があったように、この名前とはかかわりなくというか、この名前を参考にしながら、全く同じ範囲のもので、ほかの政令でどう書いているかというのをみながら名前をつけていきます。いずれにしても、カドミウムとか、このように単体になっているものは金属、またはその元素、またはシアンでいえばシアンということになります。

 それと、(金属)をつけているものとつけていないものとの違いというのは、単体で表示している場合にわかりづらいということで、あえて(金属)という言葉を入れさせていただいたものです。

○中西分科会長  わかりました。では、その点は皆さんの誤解のないようにと、あと他の法令との関係で検討するということで……。

 ほかにご意見、ありますでしょうか。

○宮本委員  松本委員がおっしゃったのと若干関係があります。やはりケミストリーとしてちゃんとわかるように書いていただくというのが非常に大事なわけです。ところが、実際の有害性のデータは、そんなことはお構いなし……というのはちょっと語弊がありますけれども、データが出ていますから、そこのところで、先ほど来議論しているような問題点としてクローズアップされてきたのではないかと思います。

 ご存知の方は多いと思いますが、IARCのレポートの書き方などをみていましても、必ずしもここで議論しているほど、つまりケミストリーとしてはっきりしていないところが随分あります。だから、有害性のデータがあるということで、そっちに引っ張られて、ケミストリーとしては余りはっきりしないところがあるのではないかと思うので、余りすぱっと割り切ると問題が起こるのではないかと。つまり、せっかくここで審議したにかかわらず、そこのところをよく考えてやらないと、何か有害性のデータがないものが中に混じっているというようなことも今後、出てくるのではないかと思いますので、その辺は、先ほど来、いろいろご答弁ありますけれども、もう少しよくわかるように、だれしもがわかるようにしていただくといいと思います。お願いします。

○中西分科会長  できるだけケミストリーにということですが、既にある法律がケミストリーに従っていないということですか。

○宮本委員  私はそうはいっていません。

○中西分科会長  いや、そういうことが本当に多いので、非常に苦しいところかと思います。

 ほかにご意見、ございますでしょうか。

○松本委員  ちょっと今のは遺憾でして、事務局の方がさっき、金属によって(金属)をつけるものとつけないものとあるように、おっしゃったのですけれども、非常に違和感を、私個人としては大変おかしくて、やはりそこら辺は統一的な表記の仕方というのを、正確にわかるようにするべきだと思います。

○中西分科会長  それはどうでしょうか。

○事務局  通常、我々はここでクロムとかカドミウムとか書いている場合、元素そのものと想定しているわけですが、ニッケルについて(金属)と書いているのは、先ほど池田先生からお話がありましたように、どうもニッケル金属だけはニッケル化合物と違う毒性があるということで、これは金属と化合物とは同じ元素を含んでいても違う有害性を示すのですよということを強調したいがために、ニッケル(金属)というように入れているというように理解しています。ここは、区別をよりわかりやすくするために、ここの資料では、そういう書き方をしている部分があると。ただし、一般的にはニッケルというと、通常、だれでも金属だというように、元素そのものは想定しますので、本来であれば、それは入れる必要がないものであろうと思います。

 したがって、物質名の表記については、通常は(金属)というものは入れない形で横並びをとり、カドミウムについても入れませんし、クロムについても入れない。ですからニッケルについて入れないというのが、横並び上は正しい表記になるのではないかと理解していますが、今回、ここでの有害性の議論をするときに、あえてここは区別したかったということで、(金属)が入っているということをご理解していただければありがたいと思っています。

 もちろん、政令に書く書き方というのはまたあるわけですが、そこはできるだけ最大限、我々、わかりやすくなるように努力をさせていただきたいということで、ご理解願えればと思います。

○中西分科会長  この件、よろしいでしょうか。それでは、この点については、物質名の表記のことについて工夫をしていただくということを除きまして、原案が認めていただけたというように考えてよろしいでしょうか。

 それではその次に入ります。次は15ページの(4)と(5)について、(4)は第2種、(5)は対象物質への追加意見です。それについてご意見を伺いたいと思います。

○中杉委員  16ページの対象物質への追加意見の3番のPAHでございますけれども、原案に反対というわけではなく、現時点ではこれは仕方がないのだろうと思いますが、これらの物質については排出量の推計、例えば非意図的生成だけではなくて、タールなどには成分として含まれているというようなことがございますし、今後、見直しに向けて推計方法を検討いただく。次回の見直しでは困難であるということを克服していただいて加えていただくことが必要ではないかと思いますので、コメントさせていただきます。

○中西分科会長  私も同じことについて意見を申し上げたいのですが、3のところの多環芳香族炭化水素類全部を対象にするということはできないと思いますが、ベンゾ[a]ピレンは対象にすることが適当ではないかというように、私は考えるます。と申しますのは、1985年に初めてアメリカでこういうリスク評価が行われたときのサンタクララバレーの事例で、空気を媒介としたものの中で最も発がん性の高いのがベンゾ[a]ピレンでした。もちろん今は状況は違っていると思いますが。それから1993年の日本の環境庁の測定データ、国設測定点ですか、そこのデータを用いまして私が発がん確率を計算したのでも、トリクロロエチレンなどよりは大きい、テトラクロロエチレンよりも大きいぐらいの発がんリスクがあります。ですから、私はこれは対象物質とすべきではないかというように思うのですが、どうでしょうか。

○事務局  今回、ベンゾ[a]ピレン等について対象としなかった理由でございますが、16ページにありますように、今回の対象の基本的な考え方というのは、排出量の推計が可能なものということでありますので、このような事業活動に伴って付随的に排出、生成される物質については、現在のところ、技術的に排出量の推計が難しいのではないかと。それから、技術的にどこまで対応が可能かというところについて、今回の考え方に従って選定した結果、今回は難しいということで、対象としなかったものでございます。実際に測定の義務、測定がどこまでできるかということに大きく依存しているのではないかと思っています。

 それで、米国、あるいはオランダなどで対象物質になっていると聞いておりますが、どのような算出方法でこれらを行っているのか、あるいは排出量を報告しているのかというのは、残念ながら、現時点ではよくわかりませんでしたので、今後、諸外国等における算出方法について調査いたしまして、どのような形で技術的に対応可能かどうか、検討していきたいと思っております。

○中西分科会長  わかりました。ただ、もう20年も前から問題になっている物質で、分析が難しいとも思えないし、排出量の推計が困難だからこそ、我々はPRTRをやるのではないのかなと思うので、ちょっと心外な部分もあるのですが、わかりました。頑張って、今後、やってください。

 もう1点ですが、ちょっと私ばかり申し上げて申しわけありません。5番の窒素酸化物、硫黄酸化物が入っていないというのは、確かにこのご意見のとおりではないでしょうか。おかしいのではないでしょうか。

○事務局  大気汚染防止法をあずかっております環境庁の方からご説明いたします。

 そこに書いてございますように、窒素酸化物及び硫黄酸化物につきましては、大気汚染防止法等により、実効性のある排出量把握、及び一部の地域においては総量規制がなされておりまして、重ねて本法の対象物質とする必要はないのではないかと。大気汚染防止法でやればいいのではないかと、このように考えたわけでございます。

○中西分科会長  そうしますと、まず1つは、総量規制というのは全国にかかっているわけではないということが1つありますね。もう1つ、個別の事業所のデータは、請求すればみせていただけるのでしょうか。

○事務局  まず今、総量規制のお尋ねですけれども、総量規制は確かに行われていない地域はございます。個別の事業所については、大気汚染防止法に基づいて排出濃度に関する届け出がなされております。それからまた、これはある部分任意ですけれども、環境庁は承認統計によって、大気汚染物質排出量総合調査を全国の事業所に対して行っております。これらの結果は都道府県別、あるいは対象施設別等の集計データとして公開されておりますし、また、先ほど申し上げました都道府県知事に対して届け出されております各事業所のSOx、NOxの排出濃度及び排ガス量、これについても基本的には情報公開条例等により、開示の対象になると、このように理解をしております。

○中西分科会長  それは、現在も、請求すれば、それをみることはできるということですか。

○事務局    ですから、それぞれの都道府県の情報公開条例の仕組みに依存するということで、そういう仕組みがあれば、基本的には可能ではないかと。実際にそういう事例があるかどうか、現実的には都道府県の判断がよく分からないのですけれども、個別にあれば、対応は可能ではないかと。

○中西分科会長  都道府県では、情報開示の条例がないところ、あるいはあったとしても、都道府県が、これは開示が適当ではないというように判断すれば、その情報は得られないということになります。

○事務局    でも、これは基本的には開示の対象になると思っています。それから国におきましても情報公開をという形になっておりますから、自治体の方もこれに並んで、そういう制度は次々とできていくのだろうと思っております。

○中杉委員  中西先生、ご指摘の問題はあるかと思いますけれども、この資料2の3ページの11番のところのご指摘で、他の法令で指摘したのは重ねてという意見に対して、対応案として、重ねて本法の対象としないという記述がございます。そういうことも考えていくと、もしそこら辺に不備があれば、今の大気汚染防止法の中でそういう情報を公開していくのが適当であろうと思います。重ねて事業者に届け出を求めていくというのではなくて、そちらの方で実際のデータが出るような仕組みを考えていくべきではないだろうかと、私は考えます。

○中西分科会長  ほかにご意見、ありますでしょうか。

○林委員  中西先生がおっしゃいましたベンゾ[a]ピレンの問題についてですが、この物質は工業国としては日本もその他の国も、それほど生成量は変わらないと思います。やはり排出量の推計が一般に困難であることから、その対応に国際的な違いが生じているように思います。そのように違っているものについて早急に見直してほしいと思います。先ほどの12、13の場合についても諸外国の考え方を入れて、早急な見直しが必要だと思います。

○中西分科会長  ほかにご意見、ありますでしょうか。

○中杉委員  今、林先生がちょっともとに戻られたので、それに対しての私の考え方を申し上げます。先ほどの9ページの12番とか13番の話ですけれども、これは生分解性がいいということが環境に存在しないということではなくて、最初に申し上げましたように、大量に環境に出てくるという話で、実際問題、これは生態毒性影響濃度よりも低いのか、そこら辺、疑問があります。これは、平均的にみると、下回っているところがあっても、地域的にみればかなり高濃度なものもございますし、また、生態毒性影響濃度そのものと比較していいのかどうか。これに、実際には安全係数を掛けたような形で評価をしていくと、かなりのところで超えている可能性がある。ですから、そういう意味では、ただ単に諸外国と違うからというのには、十分な理由をつけてやらなければいけないのですけれども、それにならう必要は、必ずしもないと思います。

○宮本委員  先ほど来、環境で分解するとかしないとかということと生態毒性との関係ですけれども、これはOECDでテスティングのハーモナイゼーションを、今から15年前でしょうか、20年前ぐらいから、始めたときからの問題なわけです。問題といいますか、2つポイントがありまして、1つは、先ほど来出ていますように、生分解性とか環境における分解というのは、その地方、地域のいろいろな気象条件、その他によって、大変に変わってくるということがあり得るということと、もう1つは、住んでいる生物が必ずしも同じではない。もしくはかなり違うということですので、その2つのファクターを勘案して考えないといけないので、そういう意味では、ハーモナイゼーションというのは、同じことをするということではないということです。しばしば誤解があるのですけれども、これは違うと思います。ハーモナイゼーションというのは、お互いに化合物の環境許容濃度だとか安全性について、読みかえができるような関係をつけるということがポイントだと思いますので、これから見直しをしていただくときに、その辺を十分お考えいただくとありがたいと思います。

○事務局  外国とのデータとか、物質の比較とか、事務局の方でもいろいろやっておりまして、いろいろな国でどのようになっているかというのをみております。外国の中でも、やはり最初にこういう物質をやると決めて始めたけれども、例えば、逆にほかの国で行っているので、うちの国も行うというように、後から追加しているケースもあったりします。ですから、外国での動きというのは、池田先生がおっしゃったように、追加する方と除く方と、多分、両方みなければいけないと思いますが、うちだけでやっているから、ほかの国でやっていないから、それは余分だということには、必ずしもならないと思いますし、いろいろな国でやっていても、これは生産量の方かもしれませんけれども、我が国ではこれは使われないとか、そういういろいろな事情もありますので、その辺はよくデータをみて調べて、諸外国も動いておりますので、これからも諸外国の動きはみていきたいと思っています。ただ、我が国の状況も踏まえて、両方を勘案していきたいと思っております。

○若林委員  細かい議論が行われているようですけれども、今後のためもありますので、ちょっと生分解性についてコメントをさせていただきたいと思います。

 現在、生分解性について、LAS、あるいは非イオン界面活性剤のことが問題になっていますが、やはり活性汚泥で分解されるということと、環境に出ての分解性とは違うと思われます。LASも、ここではコメントとして化審法で良分解性だというお話がありますけれども、実際に河川水中での分解をみますと、例えば冬の時期では1週間たっても2割とか3割とか、分解できない。LASの場合は、どちらかというと現在の界面活性剤の中では分解性が悪いといわれているようなものではないかと思います。それで、LASの場合は分解されると生態毒性の低いものに移行しますが、非イオン界面活性剤の場合は、逆に分解されて毒性の高いものに変わっていくという事実もありますし、さらに生分解性の項目を入れますと、この間の会議のとき、私が申し上げた蓄積性みたいなものも、やはり生態毒性では考慮しなければいけないという問題が出てきますので、改めて見直す場合には、もし、そういう細かいところに入るとしたら、かなり総合的に評価をしていかなければいけないと思われます。

○中西分科会長  どうもありがとうございました。

 私は、個人的にはSOx、NOxについてもっと言いたいですが、座長ですので、我慢します。それで、ちょっと中杉委員のご意見にですが、ほかの法律でということを言い出すと、例えばダイオキシンだとか、いろいろなものの法律があって、それを全部PRTRから除いていってもいいような形になるのもおかしいので、SOx、NOxは歴史があることですので、大防法で規制しているということで、それでいいと思いますが、PRTR並の情報開示ということに、ぜひ努めていただきたい。これは私個人の意見です。

○鈴木委員長  中西さんが座長でものがいえないというので、かわりになるかもしれませんから。

 今回、この議論とは、直接つながらない話になるかもしれませんけれども、一番大きな問題は、いわゆる非意図的生成物質に対して、行政として何をどう考えるのかという、そこが体系的に整理できているかどうか。そこが非常に大きな問題になるのだろうと思います。とりあえず妥協の産物として、例えばダイオキシンはダイオキシン対策法に乗っかって排出量がわかるからという形で取り込んできたわけですけれども、将来的にいえば、そこの整備をどうするかというのが一番大きな問題になるのだろうと思います。そういうcontextの中で、例えばSOx、NOx問題も扱わなければいけないだろうし、ベンゾ[a]ピレン問題も扱わなければいけないだろうし、それだけではなしに、よくわかっていない、予測もしていない新しい、とんでもない化学物質ができてしまうような危険性だって、我々の視野の中には入れておかないといけないと、思っているわけです。

○中西分科会長  どうもありがとうございました。

 それでは、この部分はこれで討議は終わりということでよろしいですか。

○事務局  事務局から一言だけ。また蒸し返しになったら逆効果なのですが。ベンゾ[a]ピレンの件ですけれども、これは鈴木先生の方から非意図的生成物質というお話が出ましたが、非意図的生成物質というのは、意図しないで出てしまうものですから、非常にそういう意味で管理がより難しいわけです。そういうことで、今回対象になっているのは、実測義務が一応かかっているものにしました。というのは、このPRTRという制度そのものが、分析器か何かで必ず測定をして出すということではなくて、別な方法でも、おおよそ推計で出して報告してくださいという、大体の値を出していただくということでできるものというように考えているわけです。しかしながら、非意図的生成物質については、そういう形で実際に測定をしませんとなかなか難しい部分が多いものですから、そういう意味で今回は実測可能な、事業者の方も実測義務がかかっているような人たちを対象にしているという事実があります。実測してやるというのは非常に重い義務であるというように、我々考えておりますので、その際について十分ご理解をいただければありがたいなと思っております。

○中西分科会長  それでは、非意図的な排出物については、今後も幾つかのいろいろな問題があるということ、それからNOx、SOxについても、そういう要望が出されたということで、そのことを残して、あと原案どおりでよろしいでしょうか。――どうもありがとうございました。

 では、最後のその他というところに行きます。

○長谷川委員  最初から何回かお話が出ている見直しですけれども、ここで見直しということと、それから先ほど追加については適宜というようにも受け取れるご返事があったように思いますが、その点はいかがですか。

○事務局  適宜というインターバルと、定期的なというインターバルがどの程度かというのは非常に難しいわけですが、少なくとも1年ごとにデータは上がってくるということでありますので、そういう意味ではこの物質についてはやった方がいいのではないか――現在の基準でです――というものが明らかになったものについては、適宜といったら、またはっきりしないのですけれども、追加することはいいのではないかと思います。したがって、申しわけございませんが、その時期を1年後とか2年後とか3年後というのは、今のところ、まだ申し上げられませんけれども、制度を動かして、柔軟にそこは対応してまいりたいと思います。

○中西分科会長  ちょっと済みません、その適宜追加するということと見直しとは同じ意味ですか。それとも、見直しと称しているのと違う時期にも追加があるという意味ですか。

○事務局  広い意味での見直しというのは、例えば有害性そのものの項目を追加削除するというのは、多分、大きな見直しだと思いますけれども、製造数量等が非常にふえてきたものがありますとか、環境中からたくさん検出されてきているというようなものがあれば、それは現在の基準を変えずに追加していく、あるいは削除……削除はさっき、簡単にできないというお話がありましたけれども、そういう意味での追加というのはあり得るのではないかと思います。そういう意味で、見直しについては、考え方そのものの見直しと、それから個別に物質そのものについての見直しもあると考えております。

○長谷川委員  今ちょっと質問させていただきたいのは、ご存じのように、OECDの高生産量化学物質の評価をやっていまして、大体年間アグリーメントが20ぐらい出ているわけです。これから、いわゆるICCAイニシアティブという形で予定どおりいけば50とかいう、そこまではいかないだろうとは思いますが、少なくともアグリーメントが年間20以上は出るであろうと。それは、一応評価された結果が出るということになると思うのです。そうすると、必ず検討しなければいけないのかなというのが1点あります。

 それとは別に、多分、毒性試験とか発がん性試験で新しくしっかり出ましたよというのは、アピールが必ずあると思います。その場合に、今、決めている方法というのは、例えばIARCとか、どこかのレビューをした結果に基づいて決めている。そうすると、そういう新しいデータが出てきたときに、レビューをどこかでしていただいて、それに基づいてやるのか、それとも日本としてレビューをしてやると、そういう対応もするのかということは、一応、次の追加というか、リバイスなのか、それに向けて決めておかないと、次のアクションができないのではないかと思います。

○事務局  安全性に関することだと思いますので、厚生省の方から少しお話をさせていただきたいと思います。

 今回、既存の安全性情報に基づいて、できる限り機械的に物質選定を行ったわけであります。今後のお話として、非常に問題になるような、例えば非常に強い発がん性があるということが明らかになって、緊急に対応しなければならないような状況になれば、それはその時点で何らかの方策を講じなければならない場合は当然出てくると思います。だから、緊急の場合の追加とかいうことは当然あるだろうと思いますが、その話と、先ほど来のルーチンで、できる限り国際的な整合性をもってとか、あるいはPRTR法の対象物質の見直しをするというのとはちょっと違うのではないかと思うのです。だから、随時やらなければならない場合はあるだろうと思います。

○中西分科会長  ほかにご意見、ありますでしょうか。

○林委員  今、おっしゃった見直しのことですけれども、これは今まで国際的整合性がとれていないものについては、やはりデータの選定基準に本質的な違いがあるのではなく、データの細かい解釈に違いがあるように思います。したがって、データの解釈に影響を与えるような知見が報告された場合には、その考えを取り入れた見直しを実施するということが大事ではないかと思います。

○池田委員  別のトピックになりますが、構いませんか。

○中西分科会長  はい。

○池田委員  19ページのところで、7、8、9のあたりです。MSDSと呼ばれているものの対象物質が、労働衛生の場から、つまり労働省のMSDSと、それから現在の3省庁のMSDSと2種類共存することになります。これは、場合によっては新たな混乱を招き得るわけです。具体的には、例えばクロスインデックスができ上がることがそれぞれのMSDSの中で大事です。つまり物質の見間違いがないという意味では、単に政令で定められた名前だけではなくて、ほかの物質名からも、これが対象物質であるかどうかが判断できるような、そういうインデックスが要るだろうと。それからもう1つは、労働省版と3省庁版の間のクロスインデックスが要ることになります。多分、つくる側からいうと、これは労働省版のMSDSです、これは3省庁版のMSDSです、中身はかなり違いますということになると、ますます混乱が起こります。その辺の整合性、例えば望むことができるとすれば、1つのフォーマットで両方のバージョンができますと。極端にいえば、労働省版プラス3省庁版で、重複する部分は1つと数えて、全部つくったら両方ともいけますみたいな形になりますと実効性が高まると思うのですが、そのあたりの見通しはいかがでしょうか。

○中西分科会長  対象が違うので、全く同じというわけにはいかないでしょうけれども、片方の方にはある部分が空欄になるというようなことも含めて、そういうフォーマットの統一みたいなことが図れるのかどうかということです。

○事務局  MSDSについては、従来からISOで国際規格というのは定められております。それで、日本で業界団体の日化協の方でMSDS制度というのを自主的な制度として運用してきております。それから、通産省、労働省、厚生省も含め、行政指導ベースで、この制度を自主的に運用していただくということでお願いをしたきた経緯があります。その際に、フォーマットとしては労安法、それから今回の法律にも対象になるような1つのフォーマットでできる、そういうものをつくるということで、ISOのフォーマットをベースに現在のJIS規格として、日本のフォーマットをつくる予定にしております。ですから、それができますと、そのシート1種類ですべての法律を満たす形で流通させることができる。一応2月21日をめどに、そのフォーマットを作成する予定です。もちろん、これは国際的にも整合されているということですので、海外とのインターフェースもほぼ問題ない形でできるような仕組みになっていきます。そういう形でやっていけば、整合性が十分とれ、重複の問題というのも改善されるのではないかと思っております。

○中西分科会長  大変、いいニュースだと思います。

 ほかにご意見は……。

○山本委員  MSDSのことについてですけれども、労働省のMSDSとこれの、16項目とか、そのようなフォーマットは同じになるだろうと思うのです。それで、ちょっとお伺いしたい部分ですけれども、今までつくられているMSDSというのは、企業とか、化学物質を扱う工場などで作業をする人たちとか、それから実際に加工したり運ぶ人たちが対象だったかと思うのですけれども、この法律に基づくMSDSということになりますと、環境や何かに排出するとか、そのようなことも考えたときに、ユーザー対象はどういうところなのかと。その場合に、例えば記載する情報、毒性情報とかで濃度とか、そのようなところで変わりが出てくるのかどうなのかと、ちょっと思ったのです。

○事務局  従来から、日本で告示等でお願いしているMSDSというのは、基本的には一企業に対して同じ製品であれば1回出せばいいということになっております。それは労働者向けというよりは、どちらかというと、労働者にも行きますが、社長さん向けというか、経営者向けに出してもらって――要するに相当細かい情報、専門家向けの情報が入っていますので、それを経営者がかみ砕いて従業員に伝えてあげる。またはそのまま従業員に伝えるという方法もありますし、従業員向けに別途加工して出すという方法もあります。そういった意味では、今までのも、この法律で出すMSDSについても、同じような考え方で、1回同じ製品について出せば、改程するまでは出さなくていいという考え方でいっております。そういった意味では従来のものとそう大きな違いはないのかなと思います。ただ、確かに労働安全という観点であれば、環境への配慮という事項が入りません。16項目の中には、既に環境への配慮について、どう注意すべきかということを記入することになっています。労働安全という観点と環境配慮という観点の両方と、合わせて16項目のMSDSを一つ作れば用は足りるということだと思います。

 あと、情報提供については、MSDSの情報というと、ちょっと専門家向けなので、それは企業の方がそれをみて、そしゃくして、消費者向けへの表示等に反映していただくということを当方としては願っております。

○中西分科会長  ほかにはご意見、ございませんか。

 それでは、この項目については、見直しなどについて幾つかのご意見があったということで、ただしこの見直しは、やはり動かしてみないとわからないという面がありますので、動かしながら考えていただくということで、この部分について原案どおりということでよろしいでしょうか。――ありがとうございます。

 それでは一応、資料2の寄せられた意見に対する対応を、原案どおり承認したいと思います。

 それでは次に指定候補物質の一覧がありますので、資料3について説明をしてください。

○事務局  それでは資料3を説明させていただきます。

 資料3は、指定候補物質の新旧対照表ということで、今、コメントをいただいて修正をしたものを一括して表示しているものでございます。資料3の1ページ目については第1種の指定化学物質について、追加した3物質を最初に載せております。アミトロール、石綿、バリウム及びその化合物(溶解性)と。次に削除したものを載せております。それから、名称が変わったもの等について掲載しております。物質名称以外で、例えば環境検出覧で複数地点から出ているものをYYと表示したり、毒性のクラスの部分について一部変更したもの、あるいは脚注をつけたものということでございます。

 3ページが第2種の指定候補物質について、削除したもの、名称等を変更したものということでございます。

 それから、資料3の参考資料ということで、全体的に今のものを入れ込んで、従来の番号をもとに整理し直したものが参考資料1ページから始まっているものでございます。一応、こういう形で、原案とどのように変更がなされたかということを整理させていただきました。また名称等、IUPAC命名法でやると変わるとかいうものもありまして、そういうものもあわせて入れておりますので、ご理解願いたいと思います。資料3は以上でございます。

○中西分科会長  ありがとうございます。今までの議論をいただいたことのまとめです。何かご意見、ありますか。特別ないようでしたら、これはもう先ほど承認いただいたことですから、その次に移りたいと思います。

 それでは、今度は資料4に沿ってですが、これまでの検討結果をまとめて、3審議会の部会に最終報告を行いたいと思っています。この最終報告について、パブリックコメントの結果を踏まえて、あるいはきょうの議論を踏まえて、事務局の方で最終報告の案をつくっていただいておりますので、それについて説明を願います。

○事務局  それでは資料4をご説明させていただきたいと思います。

 これは、基本的な骨格についてはパブリックコメントで物質選定についての考え方、それから具体的な物質そのものを提示したわけでございますが、それを最終的に修正見直しをして、2月9日の部会にご報告する案でございます。構成といたしましては、従来と基本的に変わっておりませんが、Ⅰは物質選定の基本的考え方ということで、字句上の修正を除いて、基本的には変わっておりません。7ページが、表現ぶりが変わったところでありますが、元素とその化合物の問題でございますけれども、これについては、より正確に記述をさせていただいたということです。選定のプロセスをきちっとここで書いているということで、元素自体には毒性があり、その化合物も元素と同様の毒性があると評価されている物質については、原則として当該元素及びそれを含む化合物という形で対象とする。また、元素とその化合物が異なる毒性を示す場合には、両者を区別して取り扱うことが適当であるということで、典型的な例としては ニッケル金属とその化合物というのが、これは区別する場合には対象になるということでございます。この部分が修正されている部分でございます。

 そのほか、9ページ以降は有害性の範囲ということで、具体的な選定基準を記述している部分でございますが、字句上の修正がある部分については、一部修正していますが、内容的には、基本的には修正はございません。

 21ページからパブリックコメントを踏まえまして、今般、修正したものを載せております。別表1が第1種物質のリストということで、第1指定化学物質の候補物質でございます。先ほど申し上げましたように、上3つは追加された物質ということで、あと、前回のパブコメのときに載っていた物質を、基本的には順番どおりに載せております。

 右端に発がん性クラス1という形で*印がついておりますけれども、この*印がついているのは、全部で多分、12あったと思いますが、12物質はクラス1ということで、裾切りとしては低めに設定されているものとなります。

 第1種物質については、一応分類的には 354ということで32ページまで続いております。33ページからが第2種指定化学物質候補リストということで、別表の2という形で81物質がリストアップされております。

 最後に毒性関係の情報ということで、これは参考資料として添付しております。基本的に前回のものと変わっておりません。こういう形で、2月9日に予定されている部会の方に報告をさせていただきたいと存じております。

○中西分科会長  どうもありがとうございました。文章の中の修正は7ページのところだけですね。何かご意見ございますでしょうか。

○西原委員  ここに書かれている物質のリストの順番なのですが、これはどういう順番でこの番号をつけられたのでしょうか。

○中西分科会長  最終的には、50音……。

○西原委員  というのは、50音か何かに統一しないと、50音にしても、物質の頭の50音にするのか、それから英語が入ってきているのがありますので、それがややこしいので、その辺をきちっとしておいた方が、先ほどのコメントの中にもありましたけれども、次に探すときに非常に大変なんです。

○中西分科会長  宮本先生、何かいいサジェスチョンはございませんか。

○宮本委員  いや、特にありません。

○中西分科会長  物質名は、まず科学的な知見になるべくよるようにと。それから、他の政令とか法令との関係、それからIUPACなどで決めるように。それからcross citationができるように、検索しやすいようにと、こういう難しい注文がついておりますが、その注文を入れた上で、なおかつアイウエオ順とか、そういう形でまとめていただけるものと思っているのですが、よろしいのですか。

○事務局  まずはこのリストの順番ですが、これは突然ここで、パブリックコメントをしたときのリストの順と変えると混乱が起きるかなと思いまして、パブリックコメントの順番で、削除したものはそのままずらして、上に追加したものを3つ加えたという形になっています。最終的に政令をつくるときにはアイウエオ順なのかなと。政令を担当している部署と相談をしなくてはいけないのですが、なるべくそのようにわかりやすい形にしたいと思います。

 それと、労働省との付け合わせということについても、例えばCASナンバーで付け合わせをするとか、何かそういう工夫は、労働省の方と相談をしながらやっていきたいと考えております。そっちの方は政令とはまた別に、別の解説書みたいになると思うので、別な形で出したいと考えております。

○中西分科会長  ほかには。

○池田委員  だめ押しみたいな発言で恐縮です。31ページあたりから……もう少し前から*印で発がんクラス1というのがあります。これは、例えばIARCのもとのものをみますと、特に金属及びその化合物の場合には、IARC自身が、その部分に米印をつけて、この情報はすべての物質についてチェックしたわけではないだとか、ヘッジをつけています。しかし、この場合、実際の扱いとしては、例えば31ページをごらんいただきますと、下から2行目、ベリリウム及びその化合物と。これはそういうIARCのヘッジにかかわらず、当該物質は全部カバーしているという理解でよろしいのでしょうか。

○中西分科会長  これはいかがでしょうか。

○事務局  現在、これまでご検討していただきましたように、化合物といって表記してある部分については、その元素を含む化合物全体というように解釈しております。ただ、確かにその表記の仕方については、もう少しひと工夫要るのかもしれません。

○中西分科会長  今回、金属と金属の化合物については幾つか議論があったと思いますが、一応、その仕分けとして、先ほど事務局から説明がありましたようなことで解釈すると。ただし、確かに本当にこの表記でいいのかどうか、若干、今後また検討していただくことにします。

 ほかにご意見、ありませんでしょうか。もし、ご意見がないようでしたら、皆様からのご賛同がいただけたというように理解してよろしいでしょうか。(一同賛成)どうもありがとうございます。

 それでは、これについては、次の2月9日に開催される予定の中央環境審議会環境保健部会、生活環境審議会生活環境部会、化学品審議会安全対策部会において、部会委員の皆様にご説明をしたいと思います。なお、物質の名称については、ぜひもう1度よく検討をしていただきたいと思います。事務局の方にこれはお願いいたします。あと幾つかの注文があったということは、ぜひ忘れないでいてください。

 それでは、その他、何か事務局の方でありますか。

○化学物質管理課長  それでは、事務局の方からごあいさつと申しますか、御礼を申し上げたいと思います。

 昨年の10月から、この分科会、専門委員会の合同委員会におきまして、新しい制度であります化学物質管理法、PRTR法の対象物質について、精力的に1日数時間に及ぶご審議を何回もやっていただきまして、まことにありがとうございます。限られた時間の中で、これだけ慎重にご検討していただきまして、多くの物質を候補物質としてご提案していただいたわけでございます。ここで改めて御礼申し上げたいと思います。

 私どもの政府といたしましても新しい制度でありまして、現在、有している限られた情報の中で、こういう物質が選定されたわけでございますが、さらに法律の趣旨にもございますように、科学的知見をさらに今後充実していくことに努めてまいりたいと思いますし、ぜひとも新しい仕組みが、この法律には盛り込まれているわけでございますので、そのような制度がうまくきちっとワークするように、国民への理解を深める努力をさせていただきたいと思います。引き続き、審議会の皆様にはご指導、ご協力をお願いしたいと思います。本当にありがとうございました。

○環境安全課長    環境庁の環境安全課長でございます。各審議会の関係の委員の皆様、本当にありがとうございました。おかげさまで、ようやく対象物質の見通しといいますか、我々も先がみえてきたということで、大変心強く思っている次第でございます。

 対象物質が決まりましたが、2月9日にまた審議会がございまして、その後、できるだけ速やかに政令を定めたいと思っているわけですが、その暁には、排出量などの算定のマニュアル、あるいはそれぞれの情報提供のあり方、あるいは届け出の仕組み、利便性を考えるとか、次はこの辺のことに全力を投入していくわけですが、先生方のご努力を、実を結ばせるように最善の努力をしてまいりたいと思っています。

 また、見直しにつきましては、先ほどいろいろ議論がございました。この物質についての政令について見直しをする場合には審議会の意見を聞くことになっておりますので、事務局が勝手にやるということはございませんので、その点はまたよろしくご承知おきをいただきたいと思います。いずれにしましても、大変、お世話になりました。今後とも引き続きご指導のほど、お願い申し上げます。ありがとうございます。

○生活化学安全対策室長  厚生省の生活化学安全対策室長でございます。本日は、お忙しいところ、お集まりいただきまして、3回にわたる長時間のご議論をしていただきまして、今回、このようにとりまとめていただいたことに対しまして、心から御礼申し上げます。今後とも、どうかよろしくお願いいたします。

○中西分科会長  どうも、ご丁寧なごあいさつ、ありがとうございました。

 それでは、私と鈴木委員長、黒川委員長からも一言ずつごあいさつをさせていただきたいと思います。

 長い間、それからきょうは特に皆さん、ご協力をいただきまして、ありがとうございました。それから事務局も、本当に大変なお仕事であったと思います。またもう1つ、これだけ熱心な多くのパブリックコメントが寄せられたということに、非常に感激しております。皆さんの、パブリックコメントのすべての意見を取り入れられないというのも、ちょっと申しわけないような感じはしますが、寄せられたご意見は必ずどこかでまた生きてくる、生かしたいと思っておりますので、これからも国民の皆さん全体に、もっとこういうことに関心をもって、参加していただくようにお願いしたいと思います。本当にありがとうございました。

○鈴木委員長  最初に滑り出すときに、3つの審議会の、それぞれの委員会が集まってという、これが果たしてどのくらい円滑に動くものであろうかと、いささか心配はしていたのでありますが、やってみたら、思ったより、ずっとスムーズに動いているので、これはやはり世の中、だんだん変わってきているなという気がしました。それは、この問題の対策が、いわゆるcommand and control という言い方をしますけれども、お上が命令を出して、それに人々が従って動くという時代から、だんだん変わってきているという、そういう変化の中にあるのだろうなと、そう思いました。

 いずれにせよ、ご関係の皆さんのご努力に感謝し、何となく意を強くしたというのが私の実感です。

○黒川委員長  国立衛研の黒川でございます。今、お話にあったように、最初、座長が3人で持ち回り、それが何回来るのかと思っていましたが、1回ずつで済んだということで、非常にスムーズに終わって、ご同慶の至りと思います。それから、パブリックコメント、これの対応も、聞くところによると徹夜でいろいろあったそうで、まことにご苦労さまでございました。

 いい機会ですから、ちょっとだけ追加といいますか、パブリックコメントの最初の方に、4番ですか、身体に対して安全な化学物質と環境を汚染する化学物質と明確に分類して判断できる消費者は少なくとか、消費者を混乱に陥れる可能性が高いというようなコメント、つまりリスクコミュニケーションが、これからこの法律を広める場合に非常に重要なことであって、いわゆる用量相関ということを全然踏まえないで、怖い物質であるとか安全な物質であるというような言い方、これが出回っている時代でございますから、その辺は非常に注意していただきたいと思います。

 それからもう1つ、判断材料に毒性情報、発がん性なら発がん性で、IARCのクラスとか、いろいろ使っております。これは私ども十何年来懸案になっておりますけれども、日本としても、やはりナショナルレビューを行って、日本独自のランキングというものを、発がん性であれ、変異原物質であれ、何であれ、そろそろつくらないと、国際的にみてちょっと後進国ではないかというような思いがいたします。今、鈴木先生のお話にもあったように、今回の事業が3省庁で非常にスムーズにいったと、そういう実績がございますから、今後、そういう枠を取り除いてやっていくことは可能ではないかと思っております。どうもありがとうございました。

○中西分科会長  それでは、合同会合の審議をこれで終了させていただきます。長い間、ご審議、ありがとうございました。

――了――