PRTRインフォメーション広場  

パイロット事業とは
パイロット事業の目的
  環境省では、我が国にふさわしいPRTRシステムの構築を目指して、1997(平成9)年度から2001(平成13)年度までPRTRパイロット事業を実施しました。これは、我が国におけるPRTRシステムの導入に当たっての技術的な問題点等を検証するとともに、行政、事業者、市民・NGOといったPRTRに関係する人たちに、PRTRについての理解を深めていただくことを目的としたものです。
 
パイロット事業実施の経緯
  環境省では、1996(平成8)年2月のOECD理事会勧告を受けて我が国におけるPRTR導入に向けた取り組みを早急に進めることとし、同年10月に「PRTR技術検討会」(座長:近藤次郎東京大学名誉教授)を設置しました。この検討会において、諸外国の制度を参考にパイロット事業の設計が行われました。
  検討会は検討事項を1997(平成9)年5月に「PRTR技術検討会報告書」として取りまとめました。パイロット事業はこの報告に沿って開始されたものです。
  パイロット事業は、その所期の目的を達成し、2001(平成13)年度をもって終了しました。2002(平成14)年度からは、法律に基づくPRTRの届出が開始されました。
 
パイロット事業の内容
  パイロット事業では、対象地域内の事業者の方に、自治体を通じて
 
  • 化学物質の排出量・移動量の報告
  • 実施の際の問題点などを把握するためのアンケート及びヒアリング調査
をお願いし、ご協力いただきました。また同時に環境省において
 
  • 対象事業所以外の発生源からの排出量の推計
を実施し、これらを併せて集計し取りまとめてきました。
パイロット事業の結果は、貴重な資料として、PRTRシステムの構築や施行の準備に活用されています。
 
・対象地域および対象事業所数
パイロット事業開始の際の対象地域は、それまでに工場・事業場における化学物質の取扱量調査を実施した県の中から、業種の分布なども考慮して選定しました。
当初は神奈川県地域および愛知県地域の2地域で開始しましたが、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化学物質排出把握管理促進法)」が公布された1999(平成11)年度は、PRTRの試行を通じたPRTR制度の普及啓発をねらい対象地域を13都道県市に拡大、2000(平成12)年度~2001(平成13)年度は2年間をかけて全都道府県全政令指定都市を対象に実施しました。(2000(平成12)年度:30都道府県市、2001(平成13)年度:29府県市)
対象地域の拡大に伴い、対象事業所数も当初の1,818事業所から、2000(平成12)年度は16,149事業所、2001(平成13)年度は11,602事業所に増大しています。
 
 対象物質数
  報告の対象とする化学物質は、パイロット事業開始当初は、環境規制の対象物質及びこれに準ずる物質に、有害性およびその化学物質の暴露の可能性の両方の観点から選定した物質を加えた178物質(物質群を含む)を対象としました。1998(平成10)年度および1999(平成11)年度は、農薬としての登録が失効している2物質を除き176物質としました。
2000(平成12)年度からは、化学物質排出把握管理促進法に基づく「第一種指定化学物質」である354物質をパイロット事業の対象物質としています。

各年度の対象地域、対象事業所数、対象物質数
年度 対象地域 対象事業所数 対象物質数
平成9年度 2地域(神奈川県地域、愛知県地域)
1,818事業所
178物質
平成10年度 3地域(神奈川県地域、愛知県地域、福岡県地域)
2,040事業所
176物質
平成11年度 13都道府県市(全域または一部の地域)
8,425事業所
176物質
平成12年度 30都道府県市(全域または一部の地域)
16,149事業所
354物質
平成13年度 29府県市(全域または一部の地域)
11,602事業所
354物質
 報告状況
対象事業所からどのくらいの報告を得られたかの状況です。報告用の調査資料の発送数に対する報告数の割合で示しています。

事業所からの報告状況
年度 発送数
(a)
様式1 別紙
報告数
(b)
報告率
=(b)/(a)
報告数
(c)
報告率
=(c)/(b)
平成9年度 1,818 943 51.9% 502 53.2%
平成10年度 2,040 1,110 54.4% 587 52.9%
平成11年度 8,425 5,009 59.5% 1,891 37.8%
平成12年度 16,149 7,499 46.4% 2,327 31.0%
平成13年度 11,602 4,761 41.0% 1,474 31.0%
注1) 様式1: 事業所の概要等(調査資料を送付した全ての事業所に報告を依頼)
  別紙 : 対象化学物質の排出量・移動量等(対象化学物質を報告対象量以上取り扱っている事業所等に報告を依頼)
注2) 2000(平成12)年度PRTRパイロット事業以降は、1999(平成11)年度までのパイロット事業と比較して、報告対象となる取扱量等の要件が大きく変更になったため、単純な比較はできない。
注3) 1999(平成11)年度までは、規模等が対象外の事業所の件数も含まれる。
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