保健・化学物質対策

第3回東アジアPOPsモニタリングワークショップ議長総括 | POPs

  1. (1) 第3回東アジアPOPsモニタリングワークショップは、2005年10月11日から13日の3日間、東京において開催された。会議は日本の環境省が主催し、東アジア地域の12ヶ国から参加者があり、うちインドネシア、日本、韓国、マレーシア、モンゴル、フィリピン、シンガポール及びベトナムから行政官及び環境モニタリングの専門家、カンボジア、中国、ラオス及びタイから行政官が参加した。また、国連環境計画(UNEP)POPsモニタリング担当官をはじめ、北極圏監視評価計画(AMAP)、国連大学(UNU)、北西太平洋地域海行動計画 (NOWPAP)及びストックホルム大学から専門家が参加した。
  2. (2) 環境省環境保健部環境安全課の上家和子課長から、POPs問題における地域協力の重要性についての開催挨拶があった。
  3. (3) 参加者は、POPsモニタリングの現状と分析能力、及び東アジアPOPsモニタリングへの参加意思について説明を行った。招聘された専門家は、第1回締約国会議での決定事項、UNEPモニタリングガイドダンス文書、POPs 分析機関の能力構築に関する地球環境ファシリティ(GEF)プロジェクト、AMAPの経験及び情報ウェアハウスに関する韓国の取組状況等について説明を行った。
  4. (4) ワークショップは、政策グループと専門家作業グループの2つのグループに分かれて議論を行った。政策グループの主な議題は以下のとおりである。
    • ストックホルム条約第16条に基づく有効性評価に貢献するための地域的な取り決め
    • 東アジアPOPsモニタリングの計画
    • POPs 分析機関の能力構築に関するGEFプロジェクトへのインプット
  5. (5) 専門家作業グループ会合は、2005年1月に東京で開催された会合に引き続く第2回会合として開催したものであり、以下のテーマについて議論を行った。
    • 試行的東アジアPOPsモニタリングの結果の評価
    • 他のバックグランド大気モニタリング活動に関する情報共有化
    • 2005年度の東アジアPOPsモニタリングの技術的観点からの検討
  6. (6) インドネシア、韓国及びベトナムから提出された測定結果、あるいは結果の精度管理に関する情報(QA/QC)を含む試行的モニタリングに関する情報が専門家グループ会合で情共有された。韓国は、測定手法の比較に関するデータについて提供したが、アルドリンの回収率が低いことに関連して、データの質についての懸念を表明した。ワークショップは、専門家作業グループが結果を十分に共有するように推奨した。
  7. (7) 専門家会合から説明された試行的モニタリングの総括的な結果報告は、ワークショップからの成果報告の一部として公表されることになる。インドネシア、韓国及びベトナムは、10月の中旬までに説明資料の訂正をした上で、事務局に提出することとされた。データの報告様式、データの質の評価、バックグランド濃度の代表性の検討を含む試行的モニタリングの最終報告に関するその他の事項については、Eメールを活用して議論するとともに、次の会合で検討することとされた。
  8. (8) 日本の環境省は、2005年度は、3つの新たな国について、POPsモニタリングを支援するための予算があること、及び2006年度も予算要求を引き続き行うことを述べた。なお、2005年度のサンプリングは、予算の執行計画上、12月末日までに、なされることが必要である。参加を希望する国は、2005年12月までにサンプル採取の遂行可能性、サンプリング地点についての考え、及びハイボリュームエアーサンプラーを含めた装置の貸与希望について、事務局に情報提供を行うこととされた。
     事務局は、提出された情報を精査し、2005年度のサンプリングに関する計画を策定する。また、併せて2006年度のサンプリング候補地についても検討することとされた。もしも、2005年度のサンプリング地が3カ国を下回った場合には、インドネシアとベトナムにおける継続的なモニタリングを支援する用意があることとされた。
  9. (9) 政策グループ合意されたように、日本の環境省は、東アジアにおける地域的モニタリングの取り決めに関し、暫定的な事務局として活動することとされた。この活動について、UNEP事務局と緊密に連携を保ち、加盟国の正式な参加を求めるとともに、第2回締約国会議への中間的な活動報告の提出に向けて活動することとされた。
  10. (10) 専門家作業グループは、地域モニタリング・評価の確立に関する事項や、地域を代表するバックグランド地点であることを確保するための基準、モニタリングの頻度、既存データの活用の可否、費用対効果の観点からのハイボリュームエアサンプラーとの比較検討を含むパッシブサンプラーの活用に関する検討評価に関する事項等について引き続き議論することとされた。
  11. (11) 日本国環境省は、2006年9月に次回ワークショップを主催する予定があることを述べた。また有効性評価に関する地域UNEPワークショップ、及びPOPs分析機関の能力構築に関するGEFプロジェクトとの協力体制の構築について模索することとされた。
  12. (12) ワークショップの参加者は、このワークショップの開催に関し、日本の環境省、国立環境研究所及び(財)日本環境衛生センターに対して感謝の意を表明した。また、招聘専門家を含むすべての参加者の貢献に対し、感謝の意を表明した。