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平成15年度の調査結果の概要は次のとおりである。
今回の調査では新たな調査対象物質として、ヘプタクロル類2物質(cis-ヘプタクロルエポキシド、trans-ヘプタクロルエポキシド)、トキサフェン3物質(Parlar-26、Parlar-50、Parlar-62)、マイレックス、HCH類2物質(γ-HCH、δ-HCH)、有機スズ化合物3物質(モノフェニルスズ化合物、ジブチルスズ化合物、ジフェニルスズ化合物)及びテトラブロモビスフェノールAを追加した。
平成14年度調査に引き続き高感度の分析が行われ、特にPOPsについては水質および底質のトキサフェンを除き調査を実施した全物質・媒体から検出された。
なお、大気については温暖期と寒冷期に調査を実施し、温暖期の測定結果が寒冷期の測定結果より高濃度であり、気温による濃度差が確認された。このため、平成14年度との比較では、気温分布が比較的近い寒冷期の測定結果を用いることとした。
調査結果に対する評価を物質(群)別に以下に示す。 |
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1) PCB類 (経年変化図) |
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水質は、直近4年間の調査結果があり、幾何平均値で平成12、13、14、15年度がそれぞれ 560 pg/L、440 pg/L、460 pg/L、530 pg/Lとなっている。残留状況は横ばい傾向であり、4年とも全地点・全検体から検出されており、依然として広範な地点で残留が認められる。 |
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PCB(総量) |
実施
年度 |
幾何
平均値 |
中央値 |
最大値 |
最小値 |
定量[検出]
下限値 |
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検出頻度 |
検体 |
地点 |
水質
(pg/L) |
14 |
460 |
330 |
11,000 |
60 |
0.18~0.90
[0.06~0.30] |
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114/114 |
38/38 |
15 |
530 |
450 |
3,100 |
230 |
0.3~6
[0.07~2] |
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36/36 |
36/36 |
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(注) 定量[検出]下限値の欄には同族体ごと及びコプラナーPCBの定量[検出]下限値の範囲を記載した。PCB類については以下同じ |
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底質は、直近4年間の調査結果があり、幾何平均値で平成12、13、14、15年度がそれぞれ 15,000 pg/g-dry、15,000 pg/g-dry、9,200 pg/g-dry、8,200 pg/g-dryとなっている。平成14、15年度とやや低いものの、4年とも全地点・全検体から検出されており、依然として広範な地点で残留が認められる。 |
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PCB(総量) |
実施
年度 |
幾何
平均値 |
中央値 |
最大値 |
最小値 |
定量[検出]
下限値 |
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検出頻度 |
検体 |
地点 |
底質
(pg/g-dry) |
14 |
9,200 |
11,000 |
630,000 |
39 |
0.21~1.5
[0.07~0.5] |
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189/189 |
63/63 |
15 |
8,200 |
9,500 |
5,600,000 |
39 |
0.4~6
[0.2~2] |
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186/186 |
62/62 |
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貝類は、調査開始当初の残留状況は減少傾向にあり、近年は検出下限値(10,000 pg/g-wet)未満の値が多かった。平成15年度は定量下限値 2.1~11 pg/g-wet、検出下限値 0.69~3.7 pg/g-wetにおいて全地点・全検体から検出された。過去の検出下限値が高いため残留状況の傾向の判断は困難であるが、広範な地点で残留が認められる。 |
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魚類は、調査開始当初から近年までの残留状況は減少傾向にあるが、平成14年度、平成15年度とも全地点・全検体から検出されており、依然として広範な地点で残留が認められる。 |
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鳥類は、地点数が2地点と少ないことに加え調査地点の変更もあり、調査開始当初からの残留状況の傾向の判断は困難である。近年の残留状況は横ばい傾向であり、依然として残留が認められる。 |
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PCB(総量) |
実施
年度 |
幾何
平均値 |
中央値 |
最大値 |
最小値 |
定量[検出]
下限値 |
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検出頻度 |
検体 |
地点 |
貝類
(pg/g-wet) |
14 |
10,000 |
28,000 |
160,000 |
200 |
1.2~3
[0.4~1] |
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38/38 |
7/7 |
15 |
11,000 |
9,600 |
130,000 |
1,000 |
2.1~11
[0.69~3.7] |
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30/30 |
6/6 |
魚類
(pg/g-wet) |
14 |
14,000 |
8,100 |
550,000 |
1,500 |
1.2~3
[0.4~1] |
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70/70 |
14/14 |
15 |
11,000 |
9,600 |
150,000 |
870 |
2.1~11
[0.69~3.7] |
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70/70 |
14/14 |
鳥類
(pg/g-wet) |
14 |
11,000 |
14,000 |
22,000 |
4,800 |
1.2~3
[0.4~1] |
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10/10 |
2/2 |
15 |
18,000 |
22,000 |
42,000 |
6,800 |
2.1~11
[0.69~3.7] |
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10/10 |
2/2 |
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大気は、直近4年間の調査結果があり、幾何平均値で平成12、13、14年度がそれぞれ 430 pg/m3、280 pg/m3、100 pg/m3と減少した。平成15年度は 110 pg/m3(寒冷期)で、平成14年度と同レベルであった。平成14年度、平成15年度とも全地点・全検体から検出されており、依然として広範な地点で残留が認められる。 |
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PCB(総量) |
実施
年度 |
幾何
平均値 |
中央値 |
最大値 |
最小値 |
定量[検出]
下限値 |
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検出頻度 |
検体 |
地点 |
大気
(pg/m3) |
14 |
100 |
100 |
880 |
16 |
0.015~90
[0.005~30] |
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102/102 |
34/34 |
15寒冷期 |
110 |
120 |
630 |
17 |
0.013~3.2
[0.0043~1.1] |
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34/34 |
34/34 |
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PCB類はPOPs条約に掲げられている物質であり、全地球的な汚染監視の観点からも、今後さらにモニタリングを継続し、その消長を追跡する必要がある。また、PCB類の分解処理が始まっており、この効果・影響の監視も視野に入れる必要がある。なお、PCB類については総量に加え、同族体ごと並びにコプラナーPCBの測定も実施していく。 |
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2)HCB >> |