このウィンドウを閉じる | 平成16年度(2004年度)版 「化学物質と環境」 |
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用語集 (あいうえお、アルファベット順) |
【あ】 | |||||||||||
アジェンダ | |||||||||||
国連環境開発会議で採択された文書のひとつで、21世紀に向けて持続可能な開発を実現するための具体的な行動計画である(1992年6月採択)。4部構成全40章からなり英文で500ページにも及ぶ。第1部「社会的/経済的側面」、第2部「開発資源の保全と管理」、第3部「NGO、地方政府など主たるグループの役割の強化」、第4部「財源/技術などの実施手段」となっており、女性や貧困、人口、居住などの幅広い分野をカバーしている。アジェンダ21の実施状況をレビュー監視するために、国連に「持続可能な開発委員会(CSD)」が設置されている。また平成9年の国連環境特別総会ではそれまでのレビュー結果を総括して「アジェンダ21の更なる実施のためのプログラム」が採択された。また国レベルや地方自治体レベルでアジェンダ21の行動計画やローカルアジェンダが策定されている。(参照:EICネット・環境用語) |
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【い】 | |||||||||||
異性体 | |||||||||||
同一の分子式でありながら性質の異なる化合物が存在することを異性といい、異性の関係にある化合物を異性体という。有機化合物では構造式が異なる構造異性と構造式は同じだが原子の立体配置が異なる立体異性(幾何異性、回転異性、光学異性など)とに区別される。(岩波理化学事典) |
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一般毒性 | |||||||||||
急性毒性、亜急性毒性(亜慢性毒性)、慢性毒性をまとめて、一般毒性と言う。これらは、毒性学の領域において、もっとも基本的なもので、化学物質の危険性を知るための基礎を提供する。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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【え】 | |||||||||||
エクマンバージ型採泥器 | |||||||||||
浅海や港湾・湖沼において底質を採取する機器。船上からロープを繋いだ採泥器を海底に着床させ、メッセンジャーと呼ばれる重りをロープを通して落とすことにより左右に開いた試料採取部(バケット)をバネの力で閉じ、堆積物の表層をつかみ取る方式となっている。 |
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【お】 | |||||||||||
オクタノール/水分配係数 | |||||||||||
→LogPow | |||||||||||
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【か】 | |||||||||||
化学物質安全性政府間フォーラム | |||||||||||
→IFCS(Intergovernmental Forum on Chemical Safety) | |||||||||||
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化学物質審査規制法) | |||||||||||
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下「化学物質審査規制法」という。)は、PCBによる環境汚染問題を契機として、昭和48年10月に制定され、昭和49年4月に施行された。同法により新規化学物質については、自然的作用により化学的変化を生じにくく(難分解性)、生物の体内に蓄積されやすく(高蓄積性)、かつ、継続的に摂取される場合には人の健康をそこなうおそれ(慢性毒性)があるかどうかを、その製造前又は輸入前に審査するとともに(新規化学物質の事前審査)、それらの性状をすべて有する化学物質を特定化学物質(現在の第1種特定化学物質)として指定し、製造(輸入)・使用等の規制が行われるようになった。 |
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改正化審法における審査・規制制度の概要へ (PDF形式) |
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化学物質審査規制法 化学物質 | |||||||||||
化学物質審査規制法第2条第1項において"化学物質"は次のように定義されている。『この法律において「化学物質」とは元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物(放射性物質及び次に掲げる物を除く。)をいう。』(次に掲げる物とは、(1) 毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)第二条第三項に規定する特定毒物、(2) 覚せい剤取締法(昭和26年法律第252号)第2条第1項に規定する覚せい剤及び同条第5項に規定する覚せい剤原料、(3) 麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第2条第1号に規定する麻薬) |
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化学物質審査規制法 新規化学物質 | |||||||||||
次に掲げる以外の化学物質。 |
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化学物質審査規制法 既存化学物質 | |||||||||||
昭和48年の化学物質審査規制法制定に伴い作成された既存化学物質名簿に記載されている化学物質。 |
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化学物質審査規制法 第1種特定化学物質 | |||||||||||
次の条件に該当するものであり、平成17年3月末現在、PCB等13物質(群)が指定されている。 |
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化学物質審査規制法 第2種特定化学物質 | |||||||||||
次の条件に該当するものであり、平成17年3月末現在、トリクロロエチレン等23物質が指定されている。 |
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化学物質審査規制法 第1種監視化学物質 | |||||||||||
次の条件に該当するものであり、平成17年3月末現在、22物質が指定されている。 |
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化学物質審査規制法 第2種監視化学物質(平成15年5月改正前の「指定化学物質」に相当) | |||||||||||
次の条件に該当するものであり、平成17年3月末現在、クロロホルム等842物質が指定されている。 |
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(化学物質審査規制法 指定化学物質) | |||||||||||
昭和61年の改正で定義された、難分解性で慢性毒性(人)に該当する疑いを有する化学物質(慢性毒性があり第2種特定化学物質に指定されていないものを含む)。平成15年5月改正(平成16年4月施行)により「第2種監視化学物質」と名称変更された。 |
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化学物質審査規制法 第3種監視化学物質 | |||||||||||
次の条件に該当し、第1種特定化学物質及び第2種特定化学物質に指定されていないもので、平成17年3月末現在では指定されていない。 |
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化学物質の環境リスク | |||||||||||
人の活動によって環境に加えられる負荷が環境中の経路を通じ、環境の保全上の支障を生じさせるおそれをいい、人の健康や生態系に影響を及ぼす可能性(おそれ)を示す概念。(環境省・自治体のための化学物質に関するリスクコミュニケーションマニュアル) |
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化学物質排出把握管理促進法 第1種指定化学物質 | |||||||||||
「化学物質排出把握管理促進法」に規定され、次のいずれかの有害性の条件に当てはまり、かつ環境中に広く継続的に存在すると認められる354物質が指定されている。(1)人の健康や生態系に悪影響を及ぼすおそれがある物質。(2)自然の状況で化学変化を起こし容易に有害な化学物質を生成する物質。(3)オゾン層破壊物質。(環境省・PRTR・化学物質排出移動量届出制度) |
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化学物質排出把握管理促進法 第2種指定化学物質 | |||||||||||
「化学物質排出把握管理促進法」に規定され、第1種指定化学物質の有害性の条件に当てはまり、かつ環境中にはそれほど多くはないと見込まれる81物質が指定されている。(環境省・PRTR・化学物質排出移動量届出制度) |
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環境ホルモン | |||||||||||
→内分泌攪乱化学物質 | |||||||||||
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【き】 | |||||||||||
既存化学物質の安全性点検 | |||||||||||
昭和48年に化学物質審査規制法が公布された際に、現に業として製造され、又は輸入されていたとして既存化学物質名簿に収載された既存化学物質約2万物質については、法律上、従来通り製造、輸入を行うことができるが、法制定時の国会付帯決議及び改正後の法附則第4条に基づき、国がその安全性の点検を行うこととされている。(環境省・化学物質審査規制法ホームページ・化学物質審査規制法の概要) |
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既存化学物質名簿(既存化学物質番号) | |||||||||||
「化学物質審査規制法」の公布以前に、既に製造・輸入されている物質として官報に掲載された、化学物質の名称を記載したリストのこと。また、既存化学物質番号とは、この官報に掲載された整理番号のことで、構造等により9種に分類されている。同名簿に名称のない新規化学物質を製造・輸入するにあたっては、同法に基づく事前審査が必要であるが、新規化学物質の審査結果を告示されたものも、整理番号が付与され、既存化学物質と同様に扱われる。なお、労働安全衛生法にも同法に基づく既存化学物質リストがあるので、注意が必要である。(EICネット・環境用語) なお、既存化学物質番号は「(X)-XXXX」 の形式となっており、()内 の数字は次の分類を示している。 |
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(1) 1類 :無機化合物
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急性毒性 | |||||||||||
動物あるいはヒトに化学物質等を単回投与あるいは短期間に投与した場合に投与開始直後から1~2週間以内に現れる毒性。急性毒性試験では、症状の種類、程度、持続時間、死亡の状態等を指標として、中毒量や致死量を算出する。急性毒性の指標の一つとしてはLD50(半数致死量)がある。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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揮発性有機化合物 | |||||||||||
→VOC(Volatile Organic Compounds) | |||||||||||
キャニスター | |||||||||||
大気の減圧捕集と加圧捕集を行うステンレス製容器。減圧捕集の場合はN2(窒素)ゼロガスで加圧希釈する。 |
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【く】 | |||||||||||
クロマトグラフィー | |||||||||||
固定相と移動相との親和性の差を利用して物質を分離する装置。 |
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クロルデン類 | |||||||||||
化学物質環境実態調査ではtrans-クロルデン、cis-クロルデン、trans-ノナクロル、cis-ノナクロル、オキシクロルデン、γ-クロルディーン、ヘプタクロル、ヘプタクロルエポキシドの8種をさす。殺虫剤、シロアリ防蟻剤。クロルデンの農薬登録期間は昭和25年5月~昭和43年12月、ヘプタクロルの農薬登録期間は昭和32年4月~昭和47年8月。クロルデン類は昭和61年9月に「化学物質審査規制法」の第1種特定化学物質に指定され、製造・輸入が禁止されている。クロルデン、ヘプタクロルは環境ホルモンとしての疑いがもたれている。また、POPs条約の規制対象物質に指定されている。(参考:EICネット・環境用語) |
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【け】 | |||||||||||
検出下限(検出限界) | |||||||||||
特定の化学物質測定方法において前処理からGC/MSによる測定までの一連の操作において検出できる最小量。また、定量下限は同様の一連の操作において定量が可能な最小量で、一般にはこの定量下限付近にくらべ,検出下限付近では3倍程度の誤差が見込まれている。(環境省・ポリブロモジベンゾ-パラ-ジオキシン及びポリブロモジベンゾフランの暫定調査方法・第1章概論) |
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欠測扱い | |||||||||||
化学物質環境実態調査の初期環境調査において、試料の分析は調査地点を管轄する地方公共団体の試験研究機関で行っており、試料の性状や利用可能な測定装置が異なることから各機関での検出下限値は必ずしも同一となっていない。調査全体を評価する立場から、同一化学物質に対しては分析法開発調査における検出下限値を目標検出下限値とし、検出下限値が目標検出下限値より大きく、かつ調査対象物質が検出されない場合は「欠測」として扱われる。 |
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【こ】 | |||||||||||
高次捕食動物 | 生活環境動植物に該当する動物のうち、食物連鎖を通じて化学物質(難分解性かつ高蓄積性のもの)を最もその体内に蓄積しやすい状況にあるものをいう。(化学物質審査規制法 第2条) |
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高濃縮性 | |||||||||||
→生物濃縮 | |||||||||||
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【さ】 | |||||||||||
残留性有機物に関するストックホルム条約 | |||||||||||
→POPs条約 | |||||||||||
【し】 | |||||||||||
四塩化炭素 | |||||||||||
無色、不燃性で水に難溶性の液体(常温)。フロン11、フロン12などの製造原料である。大気中の寿命はきわめて長く、特定フロンと同程度のオゾン破壊能力がある。日本では、平成1年当時約5万7000t生産されていたが、平成2年に開催されたモントリオール議定書の締約国会合で規制物質にとり上げられ、さらに平成4年の改定では全廃スケジュールが前倒しされ平成7年までに15%以下とし、平成8年には全廃することが決定された。(EICネット・環境用語) |
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【せ】 | |||||||||||
生活環境動植物 | |||||||||||
その生息又は生育に支障を生ずる場合には、人の生活環境の保全上支障を生ずるおそれがある動植物をいう。(化学物質審査規制法 第2条) |
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生殖・発生毒性 | |||||||||||
化学物質等の要因が生殖・発生の過程に有害な反応を引き起こす性質。一般には生殖毒性は生殖能の障害、発生毒性は生殖細胞の形成から受精、出生を経て、個体の死に至る発生の何れかの時期に作用して、発生障害(早期死亡、発育遅滞、形態異常、機能異常)を引き起こす性質と定義される。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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生物濃縮 | |||||||||||
生物が外界から取り込んだ物質を体内に高濃度で蓄積する現象を生物濃縮という。特に生物が生活にそれほど必要でない元素・物質の濃縮は生態学的にみて異常であり環境問題となる。動物には餌にするものと餌にされるものがありこれを食物連鎖というが、蓄積性のある物質が食物連鎖により生物濃縮を起こす。例えば海水中に含まれるDDT、HCH、有機水銀、PCBなどの生体内で分解しにくく、蓄積性のある化学物質や放射性物質が魚の体内に蓄積され、その魚を人間が食べ人間の体内にそれら物質が蓄積され、自然状態の数千倍から数万倍にまで濃縮され、生体に悪影響を与え公害病の原因となることがある。具体例として熊本県の有機水銀による水俣病などがある。(EICネット・環境用語) |
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船底塗料汚染 | |||||||||||
船底に海藻、貝類が付着するのを防止したり、サビの発生を防止するために、船底に塗る塗料による環境汚染のこと。従前はTBT(トリブチルスズ、有機スズ化合物)が使われてきたが、毒性が強いので、現在ではTPT(トリフェニルスズ類)が使用されている。TBT化合物及びTPT化合物は、「化学物質審査規制法」で第1種あるいは第2種特定化学物質に指定されている。(EICネット・環境用語) |
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【そ】 | |||||||||||
装置検出下限値 | |||||||||||
→IDL(Instrument Detection Limit) | |||||||||||
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【た】 | |||||||||||
ダイオキシン類 | |||||||||||
ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)及びコプラナーPCB (Co-PCBs)の総称である。PCBと同じく塩素のつく位置や数により、多くの種類があり、種類によって毒性が異なる。特にダイオキシンの一種である2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)は動物実験でごく微量でもがんや胎児に奇形を生じさせるような性質を持っている。ダイオキシン類はこれまで意図して製造や使用されたことはないが、他の化学物質の製造や燃焼などにともなって非意図的に発生する。ダイオキシンが一般に注目され出したのは、ベトナム戦争の時に使用された枯葉剤に微量含まれていたために、その後多くの奇形児が生まれる原因になったと考えられたときである。その後日本ではゴミ焼却炉の焼却灰の中から検出され問題となった。現在、ゴミ焼却場についてはダイオキシンの発生を防止するための施設や設備の構造、焼却条件についてのガイドラインが示され、また、製紙・パルプ工場に対してはダイオキシンの発生の原因となる塩素の使用量をできるだけ少なくするよう指導が行われている。(EICネット・環境用語) |
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大気のサンプリング | |||||||||||
化学物質環境実態調査において大気試料の捕集は幅広い物性、濃度範囲の物質を対象としているため、複数の捕集装置が採用されている。石英繊維フィルター(QFFと略記)とポリウレタンフォーム(PUFと略記)をハイボリュームエアサンプラー(HVと略記)ないしミドルボリュームエアサンプラー(MVと略記)と組み合わせた方法を基本とし、HCB,ヘプタクロル、低塩素化PCBなどについては粘着力の比較的強いスチレン・ジビニルベンゼン型樹脂捕集材を使うローボリュームエアサンプラー(LVと略記)による捕集方法、および揮発性有機化合物(VOC)については吸着剤を使用しないステンレス製容器のキャニスターによる捕集方法がある。QFFとPUFを用いた大容量捕集には、1分間あたり 100 Lの通気量が確保できるMV、または1分間あたり700Lの通気量が確保できるHVを用いる。1試料あたりの通気量は 1,000m3 としMVの場合は7日間、HVの場合は24時間の連続運転による捕集を行う。MVの場合は、7日間捕集1回の値をそのまま測定結果とするのに対して、HVの場合は24時間捕集を3日間繰り返し、その結果を平均して1回の測定結果とする。LVの場合は、1分間あたり3L程度の安定した通気量があり、1日以上連続運転できるポンプであれば特に形式を問わず、24時間捕集×3日間の結果を平均して1回の測定結果とする。(参考:環境省・モニタリング調査マニュアル) |
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濁度 | |||||||||||
水の濁りの程度を表すもので、精製水1L中に標準物質(カオリンまたはホルマジン)1 mgを含む場合と同程度の濁りを濁度1度(または 1 mg/L)としている(JIS K0101参照)。測定値には標準物質の種類を付記する必要がある。これを光電式で比較するようにした装置には、透過光測定式、散乱光測定式がある。透過光式は波長 660 μm付近で測定する。いずれも上記標準液によりあらかじめ検量線を作成する。また積分球式光電光度法は、水柱の示す散乱光と透視光の比を用いるもので、適用範囲が広い特長がある。近年、工場排水、生活排水による環境汚染が増加しており、濁度測定を必要とする場所は、上下水道だけでなく、河川・湖沼海域など広い範囲にわたっている。浮遊懸濁物質濃度が同じであっても粒子の種類や大きさによって濁度は異なる。一般に河川の上流では1~10度で、下流に行くに従って50~90度ぐらいになる。水道水基準値は2度以下。(EICネット・環境用語) |
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【ち】 | |||||||||||
蓄積性 | |||||||||||
化学物質は水によく溶けるものと、油によく溶けるものとに分類できる。たとえば、ダイオキシン類は水にほとんど溶けず油によく溶けるので、体内に取り込まれると脂肪にたまる。この性質を「蓄積性」といい、一般に水に溶けにくく油に溶けやすいものは体内の脂肪に蓄積しやすく、逆に水に溶けやすいものは体外へ排出されやすい傾向がみられる(環境省・自治体のための化学物質に関するリスクコミュニケーションマニュアル・用語の解説)。化学物質審査規制法における指定化学物質の基準となる「高濃縮性」については魚介類の体内における化学物質の濃縮度試験を行い、(1)濃縮倍率(「BCF」を参照のこと)が5000倍以上であること。(2)濃縮倍率が1000倍以上、5000倍未満の場合には必要に応じ排泄試験および部位別(可食部)の濃縮倍率の成績を考慮して総合的に判断をする。(環境省・指定化学物質への妥当性の判定等に係わる試験方法及び判断基準) |
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中央環境審議会 | |||||||||||
「環境基本法」(平成5年法律91号)第41条に基づいて環境省に設置された審議会。内閣総理大臣が任命する学識経験者の委員80人以内で構成され、環境の保全に関する基本的事項、重要事項の調査審議等を行う。この審議会の組織、運営に関しては、中央環境審議会令により定められている。なお、昭和42年に設置された中央公害対策審議会は廃止された。(EICネット・環境用語) |
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【て】 | |||||||||||
定量下限 | |||||||||||
→検出下限。 | |||||||||||
テトラクロロエチレン | |||||||||||
有機塩素系溶剤の一種。ドライクリーニングのシミ抜き、金属・機械等の脱脂洗浄剤等に使われるなど洗浄剤・溶剤として優れている反面、環境中に排出されても安定で、トリクロロエチレンなどとともに地下水汚染の原因物質となっている。急性毒性は目、鼻、のどなど皮膚・粘膜への刺激、麻酔作用が主で、手の痺れ、頭痛、記憶障害、肝機能障害等の症状が、また慢性毒性は、神経系への影響や、肝・腎障害等の報告がある。「化学物質審査規制法」により、平成元年に第2種特定化学物質に指定された。また、大気・水・土壌について環境基準が設定され、水質汚濁防止法(昭和45年)、大気汚染防止法(昭和43年)で排出が規制されている。(EICネット・環境用語) |
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【と】 | |||||||||||
同族体 | |||||||||||
分子式におけるCH2の数だけを異にする一群の有機化学物質の系列を同族列とよび、同族列中の各化合物を互いに同族体(homologue)であるという。同族体は一般に科学的性質が類似し、物理的性質はCH2数の増減に対して規則正しい変化を示す(岩波理化学事典)。 |
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特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
(化学物質排出把握管理促進法) |
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化学物質による環境汚染の未然防止へ国民の関心が高まったことや国際動向から、有害性が判明している化学物質について事業者による管理活動を改善・強化する枠組みの整備を目的として平成11年(1999年)に制定された。主な項目は、(1)対象物質の選定に環境大臣は中央環境審議会(環境省)、厚生大臣は生活環境審議会(厚生省)、通商産業大臣は化学品審議会(通商産業省)の意見を聴くこと、(2)化学物質の排出量等の届出の義務付けること(PRTR制度)、(3)国はPRTRの集計結果等を踏まえて環境モニタリング調査及び人の健康等への影響に関する調査を実施すること、(4)化学物質安全性データシート(MSDS)の交付を義務付けること。(環境省・PRTR・化学物質排出移動量届出制度) |
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トリクロロエチレン | |||||||||||
トリクロロエチレンは有機塩素系の化学物質でトリクレンとも呼ばれている。常温では液体で蒸発しやすく、いろいろな有機物質を溶かす力が強いため、油分や繊維製品のよごれを落とす目的で、工場や事業所などで使われ、特に半導体の製造産業などでは欠かせないものとなっていた。しかし、トリクロロエチレンは人や動物の体に蓄積することはないものの、環境中で分解されにくい化学物質で、肝臓や腎臓に障害を及ぼすとされ、動物実験では、がんを引き起こす恐れのある物質であることがわかってきた。また近年、トリクロロエチレンを使用する地域の地下水中にトリクロロエチレンが検出され問題となった。「化学物質審査規制法」により、平成元年に第2種特定化学物質に指定された。また「水質汚濁防止法」に基づき、有害物質に指定され、排水基準が定められている。(EICネット・環境用語) |
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トリクロロエチレン等による地下水汚染 | |||||||||||
トリクロロエチレン等による有機塩素系溶剤により、近年、地下水が全国的に広範に汚染されていることが明らかになってきた。昭和57年度に環境庁(当時)が全国を対象に地下水の汚染実態調査を行ったが、トリクロロエチレン等の化学物質が多くの井戸で検出された。この中には、WHO(世界保健機関)により勧告されている飲料水の水質ガイドライン値を超える濃度が検出されたものもあった。汚染が確認された井戸に対して、昭和58年、追跡調査を行ったが、大部分の井戸で地下水の汚染の継続が確認され、また、多くの場合その汚染がある程度の広がりを持っていることが認められた。昭和59年以降は、毎年度、地方公共団体で実施された地下水質の調査結果の全国的なとりまとめが行われてきている。また、平成元年には、有害物質による地下水汚染の未然防止を図ること等を目的として「水質汚濁防止法」の一部改正が行われた。(EICネット・環境用語) |
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トリフェニルスズ化合物(TPT) | |||||||||||
スズ原子に3つのフェニル基が結合した化合物の総称で、防黴剤、防汚剤、農業用殺菌剤などの用途がある。船底塗料汚染の主要化学物質。トリフェニルスズ脂肪酸塩など7物質が、「化学物質審査規制法」の第2種特定化学物質に指定されている。また、トリフェニルスズは環境ホルモンとしての疑いが持たれている。なお、化学物質審査規制法以外の法令等による規制では、毒物劇物取締法(昭和25年)における劇物として規制され、廃棄物処理法(昭和45年)においても有機塩素系化合物として規制される可能性がある。(参照:EICネット・環境用語) | |||||||||||
トリブチルスズ化合物(TBT) | |||||||||||
スズ原子(Sn)にブチル基(C4H9-)が3つ結合した化合物で、酢酸塩、塩化物、リノール酸塩などの種類がある。農・漁業、製紙・製材・塗料製造事業で殺菌剤、防黴剤、防汚剤として用いられる。船底塗料汚染の主要化学物質。ビス(トリブチルスズ)オキシド(TBTO)は「化学物質審査規制法」の第1種特定化学物質に指定され、塩化トリブチルスズなど13物質が第2種特定化学物質に指定されている。また、トリブチルスズは環境ホルモンとしての疑いが持たれている。なお、化学物質審査規制法以外における法令等による規制では、毒物劇物取締法(昭和25年)の劇物として定められているほか、大気汚染防止法(昭和43年)では、排出規制はないが、環境庁の「有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質」(234物質)リストに掲載されている。ただし、「優先取組物質」(22物質)には入らない。(参照:EICネット・環境用語) |
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【な】 | |||||||||||
内分泌攪乱化学物質 | |||||||||||
シーア・コルボーン他著による「奪われし未来」やデボラ・キャリバリー著による「メス化する自然」により内分泌攪乱化学物質が世界的な関心を集めた。研究者や機関によって定義が確定していないが、「環境ホルモン戦略計画 SPEED’98」(平成12年11月改定)では「動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常ホルモンの作用に影響を与える外因性の物質」とし、疑われる化学物質として65物質をあげている。(EICネット・環境用語) |
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難分解 | |||||||||||
→分解性 | |||||||||||
【は】 | |||||||||||
バイヤルビン | |||||||||||
調査試料の採取及び分析に用いる円筒型ガラス瓶。 | |||||||||||
暴露評価 | |||||||||||
暴露評価とは、作業環境や一般環境において、ヒトが肺、皮膚、口から体内に取り込む化学物質の量、またはヒトが浴びる放射線、電磁波、紫外線などの量を推定する作業のこと。化学物質の暴露評価では、対象となる化学物質の環境濃度の測定値や予測値、個人サンプラーを用いた個体ごとの暴露量の測定値、血液や尿中に含まれる化学物質またはその代謝物の濃度などに基づき行われる。暴露評価に当たっては、暴露経路(大気、水、食物)の寄与の程度とともに、生活様式等の違いによる暴露量の変動の両方を考慮する必要がある。(EICネット・環境用語) |
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パージ・トラップ法 | |||||||||||
試料中に不活性ガスを通気することで揮発性有機化合物を気相中に移動させトラップ管に捕集し、トラップ管を加熱して揮発性有機化合物を脱着し、冷却凝集装置で冷却凝縮(クライオフォーカス)させる。さらにガスクロマトグラフ質量分析計に導入するか、トラップ管に捕集し、引き続きトラップ管を加熱して揮発性有機化合物を分離し、ガスクロマトグラフ質量分析計に導入して検出には選択イオン検出法 (SIM)又はこれと同等の方法を用い、各々の選択イオンのクロマトグラフを測定して、揮発性有機化合物の濃度を求める方法である。(JIS K0125) |
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反復投与毒性 | |||||||||||
化学物質を繰り返し投与したとき、明らかな毒性変化を示す用量とその変化の内容および毒性変化の認められない用量。 |
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【ひ】 | |||||||||||
非意図的生成化学物質 | |||||||||||
ダイオキシンなどのように燃焼過程などで非意図的に生成される化学物質のこと。化学物質には、1)製品として生産・使用され、使用・廃棄の過程で環境を汚染するもの、2)製品に副生成物または不純物として含まれ、製品の使用・廃棄に伴って環境を汚染するもの、3)生産工程や焼却に伴って発生し、大気、水質などの環境の汚染を引き起こすもの、の3種類がある。非意図的生成化学物質とは、上記2)および3)に該当する物質といえる。ダイオキシンの場合、2)の事例としてはPCP農薬による環境の汚染、また3)の事例としては廃棄物焼却施設による環境の汚染があり、非意図的生成化学物質の代表といえる。(EICネット・環境用語) |
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比重 | |||||||||||
ある温度で、ある体積を占める物質の重量と、それと同体積のある標準物質の質量との比をいう。普通は標準物質として4℃における水を採用する。液体の比重は、その温度(たとえば 25 ℃)と基準になる水の温度(たとえば4℃)を付記し、d425 = 0.7972(またはd4250.7912)などと記すことが多い。(岩波理化学事典) |
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【ふ】 | |||||||||||
フガシティーモデル | |||||||||||
大気、水、土壌、生物、懸濁質、底泥の環境の各相における化学物質の分配を表すモデルである。化学物質の濃度が非常に低い状態では、化学物質の分配は熱力学もしくは化学平衡論で表現される。ここでは極めて短時間に平衡状態が成立し、その平衡状態は熱力学的関係によって規定される。このモデルの特徴は、予測モデルの構築にあたって、特に各相間の化学物質の動きを表す指標として、化学物質が各相の外に出ようとする傾向を表すフガシティーという変数を導入したことにある。また、化学物質の環境での挙動を把握するのに適しており、必要とするパラメータも数も少ないのが特徴である。(環境省・平成15年度第2回内分泌攪乱化学物質問題検討会曝露経路調査 参考資料1 フガシティーモデルについて) |
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分解性 | |||||||||||
化学物質は自然環境中で酸化したり、分解されたりし、自然環境中での化学物質の寿命は数秒から数十年とさまざまである。自然環境中で分解されにくいものは「難分解性」であるといい、微生物に分解されやすいものは「生分解性が良い」という(環境省・自治体のための化学物質に関するリスクコミュニケーションマニュアル・用語の解説)。化学物質審査規制法における指定化学物質の基準となる「良分解性」であるかどうかは微生物等による化学物質の分解度試験を行い、3つの試験容器のうち2つ以上で BODによる分解度が60%以上であり、かつ3つの平均が60%以上であること等により総合的に判断をする。(環境省・指定化学物質への妥当性の判定等に係わる試験方法及び判断基準) |
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分子式 | |||||||||||
単体または化合物を構成する分子の組成を表す式。成分元素の記号に1分子中に含まれているその原子の数を付記して表す。たとえば酸素の分子式は O2、水蒸気ではH2O、グルコースではC6H12O6である。(岩波理化学事典) |
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【ヘ】 | |||||||||||
ヘッドスペース法 | |||||||||||
バイアルに試料及び塩化ナトリウムを空間が残るようにとり、一定温度で気液平衡状態とし、その気相の一定量をガスクロマトグラフ質量分析計に導入して、検出には選択イオン検出法(SIM)またはこれと同等の方法を用い、各々の選択イオンのクロマトグラフを測定して、揮発性有機化合物の濃度を求める方法である。(JIS K0125) |
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【ま】 | |||||||||||
慢性毒性 | |||||||||||
長期間の継続暴露(反復暴露)により引き起こされる毒性。例えば、げっ歯類の場合には慢性毒性試験は、3 ヶ月以上の長期間にわたって反復投与して、中毒症状を引き起こす用量とその経過を明らかにし、その化学物質を使用する場合の安全量を推定することを目的に行われ、血液生化学的検査や肝機能・腎機能の検査等、確立されている検査のほとんどを行う。3ヶ月ないし6 ヶ月以内のものを亜急性毒性、あるいは亜慢性毒性試験といわれる。(環境省 環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) | |||||||||||
【ゆ】 | |||||||||||
有機水銀 | |||||||||||
メチル、エチルなどのアルキル基やフェニルなどの基と水銀とが結合している化合物を有機水銀という。有機水銀種子消毒剤、水田のいもち病用農薬などに使用されていた。しかし現在有機水銀は農薬として認められていない。有機水銀は、無機水銀に比べ毒性が強く、特にメチル水銀化合物の毒性は強い。メチル水銀などの毒性は、主として神経系を損傷する。熊本県水俣で、工場から排出されたメチル水銀が魚介類に蓄積され、それを食べた人の体内に取り込まれ、その結果、水俣病が発生した。有機水銀については、水質汚濁に係る環境基準が設定され、「水質汚濁防止法」(昭和45年法律138号)、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和45年法律137号)において有害物質として、厳しく規制されている。(EICネット・環境用語) |
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有機スズ化合物による海洋汚染 | |||||||||||
TBT(トリブチルスズ)及びTPT(トリフェニルスズ)の有機スズ化合物は、船底・海洋建造物・漁網等の防汚塗料、プラスチックの可塑剤、木材の防腐剤等に広く利用されてきた化学物質で、イボニシをはじめ多くの巻貝でインポセックスと呼ばれる生殖異常固体を生じさせる代表的な外因性内分泌攪乱物質(環境ホルモン)と考えられている。国内では法律に基づき、これらの製造、使用、輸入を厳しく規制している。しかし現状では大型船舶の防汚塗料として他に有効な代替品が無いため国際的に使用が続いている。(国立環境研究所・環境GIS・日本近海海洋汚染実態調査・海洋環境モニタリング調査について) |
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【よ】 | |||||||||||
要調査項目 | |||||||||||
水環境を経由した多種多様な化学物質からの人の健康や生態系に有害な影響を与えるおそれを低減するため、あらかじめ系統的、効率的に対策を進める必要があるとの認識のもと、今後の調査を進める際に優先的に知見の集積を図るべき物質が平成8年度に環境庁(当時)によって 300選定されている。選定基準は(1)我が国において一定の検出率を超えて水環境中から検出されていること。 (2)国内、諸外国、国際機関が水環境を経由した人への健康被害の防止または水生生物の保護の観点から法規制の対象としている物質であって、我が国においても水環境中から 検出されている物質、あるいは一定量以上製造・輸入・使用されている物質。(3)国内、諸外国、国際機関が人への健康被害または水生生物への影響を指摘している物質であって、我が国においても水環境中から検出されている物質、あるいは一定量以上 製造・輸入・使用されている物質。(4)我が国で精密な調査・分析が行われていない物質等であるが、専門家による知見等により、水環境を経由して人あるいは水生生物に影響を与える可能性のある物質。(環境省・「水環境保全に向けた取組のための要調査項目リスト」について) |
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【り】 | |||||||||||
リスク管理 | |||||||||||
米国大統領・議会諮問委員会(1997)で定義されているリスク管理は以下のとおりである。「リスク管理は人間の健康や生態系へのリスクを減らすために、必要な措置を確認し、評価し、選択し、実施に移すプロセスである。リスク管理の目標は、社会、文化、倫理、政治、法律について考慮しながら、リスクを減らしたり、未然に防止するための科学的に妥当で費用対効果の優れた一連の行動を実施することである。」
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リスクコミュニケーション | |||||||||||
化学物質による環境リスクに関する正確な情報を市民、産業、行政等のすべての者が共有しつつ、相互に意思疎通を図ること。(環境省・自治体のための化学物質に関するリスクコミュニケーションマニュアル) |
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リスク評価 | |||||||||||
化学物質の環境リスク評価は、リスク管理の中ではリスク分析に位置付けられる。化学物質の環境リスク評価は、評価対象とする化学物質の人の健康及び生態系に対する有害性を特定し、用量(濃度)-反応(影響)関係を整理する(有害性評価)とともに、人及び生態系に対する化学物質の環境経由の暴露量を見積もり(暴露評価)、両者の結果を比較することによってリスクの程度を判定するものである。これらには、まず多数の化学物質の中からスクリーニングするための「初期評価」と、次の段階で化学物質の有害性及び暴露に関する知見を充実させて評価を行い、環境リスクの管理方策などを検討するための「詳細評価」がある。(環境省・自治体のための化学物質に関するリスクコミュニケーションマニュアル) |
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【A】 | |||||||||||
ACGIH American Conference of Governmental Industrial Hygienists | |||||||||||
米国産業衛生専門家会議。米国の産業衛生の専門家の組織で、産業保健分野を扱っている。毎年、化学物質や物理的作用及びバイオモニタリングについての職業上の許容濃度の勧告値や化学物質の発がん性の分類を公表しており、世界的にも重要視されている。(環境省 環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第2巻・参考3・用語集等) |
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ADI Acceptable Daily Intake | |||||||||||
1 日許容摂取量。健康影響の観点から、ヒトが一生涯摂取しても影響が出ないと判断される、1日当たり、体重1 kg 当たりの摂取量。農薬や食品添加物の残留基準の設定の参考として用いられ、ここまでなら許容できる量を示すもの。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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AIHA American Industrial Hygiene Association | |||||||||||
米国産業衛生協会。(日本フルオロカーボン協会・MSDS用語解説) |
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AQUIRE AQUatic toxicity Information Retrieval | |||||||||||
米国環境保護庁(U.S. EPA) が水生生物や水生植物に対する化学物質の毒性影響の知見を基に構築しているデータベース。1970 年以降に発表された大半の論文を収録しており、定期的にデータを追加している。2001年10 月31 日改訂時の収録化学物質数は7,964 物質、収録文献数は17,717 文献である。AQUIRE (水生生物)、PHYTOTOX (陸生植物)、TERRETOX (野生動物)を統合したものをECOTOX と呼んでいる。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第2巻・参考3・用語集等) |
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【B】 | |||||||||||
b.p. boilimg point | |||||||||||
沸点。液体の沸騰が行われる時の温度。一定圧力のもとでの飽和蒸気とその液相とが平衡に共存しうる温度で通常、圧力 1気圧の下での沸点をその物質の沸点とする。(岩波理化学事典) |
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BCF Bioconcentration Factor | |||||||||||
生物濃縮係数。生物濃縮を表す定量的方法で、生物中の化学物質濃度と、環境あるいは食物中の濃度との比である。生物濃縮は食物連鎖による化学物質の進行性の蓄積を意味する。 |
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BOD Biochemical Oxygen Demand | |||||||||||
生物化学的酸素要求量。水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量で、河川の有機汚濁を測る代表的な指標。環境基準では、河川の利用目的に応じて類型別に定められている。また水質汚濁防止法(1970)に基づく排水基準が定められている。BODが高いとDOが欠乏しやすくなり、10mg/L以上で悪臭の発生等がみられる。なお、BODは生物によって代謝されやすい有機物を表現しているもので、代謝されにくい物質については正確でない。また排水中に生物に対して有毒な物質が含まれていると、生物の活性を低下させるため、実際よりも低い値となる。一方、アンモニアや亜硝酸のような無機物質による酸素消費が長時間のBOD測定で検出され、測定値が実際よりも高くなる場合がある。(EICネット・環境用語) |
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【C】 | |||||||||||
CAS登録番号 Chemical Abstracts Service Registration-Number | |||||||||||
米国化学会のCASが化学物質を一つ一つ識別するために付けた番号で、CAS登録番号が同じならば名称が異なっていても、同一の物質であると言うことができる。CAS登録番号は最高で9桁の数字からなり2つのハイフンにより3つの部分にわかれている。左側の部分は2桁から6桁の数、真ん中の部分は2桁の数、右側の1桁はCAS番号が正しいかをチェックするための数である。((社)日本化学物質安全情報センターホームページ) |
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COD Chemical Oxygen Demand | |||||||||||
化学的酸素要求量。水中の有機物を酸化剤で分解する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもので、水質の有機物による汚濁状況を測る指標となる。測定方法は世界的には重クロム酸ナトリウムで酸化する方法が一般的だが、日本では日本工業規格 K0102(工場排水試験方法)に準拠して、硫酸酸性で過マンガン酸カリウムにより沸騰水浴中(100℃)で30分間反応させたときの消費量を測定し、試料中の有機物の汚濁度を算出する。なお、二価鉄や亜硝酸塩などの存在によって測定値が高くなる場合がある。環境基準では、河川にはCOD値は設定されず、湖沼および海域で類型によりあてはめることとなっている。また、水質汚濁防止法(昭和45年)に基づき排出水の規制のための基準値が定められている。(EICネット・環境用語) |
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【D】 | |||||||||||
DO Dissolved Oxygen | |||||||||||
溶存酸素量。水中に溶解している酸素の量で、酸素の溶解度は水温、塩分、気圧等に影響され、水温の上昇につれて小さくなる。酸素の溶解度が小さくなると同時に、光合成の原料となる二酸化炭素の溶解度も低下して光合成速度が落ちるため、水中の溶存酸素濃度は低下する。一方で、水温の上昇によって生物の活動は活発化し、呼吸や有機物の好気的分解による酸素消費速度量が増加する。水質の汚濁状況を測る指標として用いられる。一般に清浄な河川ではほぼ飽和値に達しているが、水質汚濁が進んで水中の有機物が増えると、好気的微生物のよる有機物の分解に伴って多量の酸素が消費され、水中の溶存酸素濃度が低下する。溶存酸素の低下は、好気性微生物の活動を抑制して水域の浄化作用を低下し、また水生生物の窒息死を招く。一般に魚介類が生存するためには 3 mg/L以上、好気性微生物が活発に活動するためには 2 mg/L以上が必要で、それ以下では嫌気性分解が起こり、悪臭物質が発生する。(EICネット・環境用語) |
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【E】 | |||||||||||
EC50Effect Concentration 50 | |||||||||||
半数影響量。1 回の投与で1 群の実験動物の50%に影響を及ぼすと算定される濃度。 |
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ECDIN Environmental Chemicals Data and Information Network | |||||||||||
EC(Europe Community)環境化学物質データベース。 | |||||||||||
EUSES The European Union System for the Evaluation of Substances | |||||||||||
欧州化学物質影響評価システム。USES (Uniform Substance Evaluation System) をベースにEUで改良されたリスク評価用のソフトウエアで各環境媒体間(大気、水質、土壌、底質)の移行比率を算定する。 |
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【G】 | |||||||||||
GC-ECD Gas Chromatograph-Electron Capture Detection | |||||||||||
電子捕獲検出器ガスクロマトグラフ。 | |||||||||||
GC/MS-SIM Gas Chromatography Mass Spectrometry-Selected Ion Monitoring | |||||||||||
選択イオン検出法によるガスクロマトグラフ質量分析計。選択イオン検出法は走査(SCAN)による分析に対して特定成分を高感度に定量する場合に用いる。 |
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GC-HRMS Gas Chromatograph-High Resolution Mass Spectrometer | |||||||||||
ガスクロマトグラフ高分解能質量分析装置。極微量環境汚染物質、特にダイオキシン類やPCBsなどの定性・定量分析に有効に利用されている。 |
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GEF Global Environment Facility | |||||||||||
地球環境ファシリティ。89年7月のアルシュ・サミットを受け、途上国の地球環境問題への取り組みを支援するファシリティの設立が検討され、91年5月、94年までのパイロットフェーズとして設立された。その後、92年にリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)での議論を受け、パイロットフェーズの経験を踏まえた改組・増資の討議が行われ、94年3月、GEFの基本的枠組み及び向こう4年間の資金規模が合意された(GEF-1)。さらに、98年3月、2002年8月にそれぞれ以降4年間の活動のための増資交渉が合意された(GEF-2及びGEF-3)。開発途上国が地球環境の保全・改善に取り組むことにより増加する費用を賄うため、原則として無償資金を供給することを目的としており、2002年10月末現在の参加国数は173か国(そのうち拠出国は36か国)である。世界銀行、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)の3実施機関により共同運営されており、世界銀行に信託基金を設置している。設立以来、地球温暖化防止、生物多様性保護、国際水域汚染防止、オゾン層保護の4対象分野に取り組んできている。特に、地球温暖化防止及び生物多様性保護に関しては、GEFは、それぞれ気候変動枠組条約及び生物多様性条約の資金メカニズムとして指定されている。日本は米国に次ぐ第2位の拠出国であり、GEF-1では約457億円(拠出シェア20.5%)、GEF-2では約487億円を拠出している。(参考:外務省・ODAホームページ) |
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GEF/UNEPのPTS Regionally Based Assessment of Persistent Toxic Substances | |||||||||||
残留性有害化学物質(PTS)による被害と脅威を世界12地域の多国間で評価するプロジェクト。地球環境ファシリティー(GEF)の資金供給を受け、国連化学物質部門(UNEP Chemicals)によって実行されている。日本は中央及び北東アジア地域に属している。この地域ではPTSとしてPOPs条約で製造・使用が禁止されている12物質に加えて、HCH, PAHs, ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE), ペンタクロロフェノール(PCP), 有機水銀化合物, 有機スズ化合物 が重要視されている。(参考:国連化学物質部門・中央及び北東アジア地域レポート) |
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【H】 | |||||||||||
HV High Volume Air Sampler | |||||||||||
ハイボリューム・エア・サンプラー →大気のサンプリング | |||||||||||
【I】 | |||||||||||
IARC International Agency for Research on Cancer | |||||||||||
国際がん研究機関。WHO により1965 年に設立された国際的な機関。ヒトのがんの原因に関する研究を進め、また協調を図り、がんを科学的に制御するための方策を研究することを目的とし、ヒトに対する化学物質の発がん性について次に示す5段階で分類評価を行っている。1:ヒトに対して発がん性が有る。2A:ヒトに対して恐らく発がん性が有る。2B:ヒトに対して発がん性が有るかもしれない。3:ヒトに対する発がん性については分類できない。4:ヒトに対して恐らく発がん性がない。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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IDL Instrument Detection Limit | |||||||||||
装置検出下限値。分析に用いる測定装置が、分析方法に記載されている検出下限値や定量下限値を満足するか否かは、回収率、ブランク測定結果及び装置検出下限値(IDL)を算出することで判断する。IDLは標準溶液の繰り返しによる分析値のバラツキに基づき算出する。検量線作成用標準溶液の最低濃度(定量下限値付近)、もしくはシグナル/ノイズ(S/N)比が5~15程度に相当する標準溶液を通常7回、可能であればそれ以上繰り返して測定し、得られた分析値から標準偏差(s)を求め、次式より装置検出下限値を求める。
標準溶液の繰り返し分析の値は正規性を示していることが前提となるので、繰り返しの分析値の中にはずれ値など異常値と判定される値が得られた場合は、装置の再調整を行い、再測定しなければならない。試料採取量、最終試験液量、分析装置への導入量等から、IDLの試料換算濃度を求め、この値が各分析方法の目標検出下限値以下であることを確認する。もし、これを満足しなければ、装置の再調整などによって原因を解消しなければならない。また、装置の感度が改善しない場合は、試料の供試量を増やす、試料濃縮率を高めるなど分析法の変更を試みてもよいが、この場合は、変更を加えた分析手順が妥当であることを示す科学的データを提出しなければならない。(参考:環境省・モニタリング調査マニュアル) |
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IFCS Intergovernmental Forum on Chemical Safety | |||||||||||
平成4年6月に「国連環境開発会議(UNCED)アジェンダ21」おいて採択された行動計画の19章に「有害かつ危険な製品の不法な国際取引の防止を含む有害化学物質の環境上適正な管理」が位置付けられ、化学物質の国際的に取り組むべき項目が示された。これらの効率的なフォローアップを行うため、平成6年4月に設立された。(環境省・「環境基本計画-環境の世紀への道しるべ-」(平成12年12月22日閣議決定)について)(2)参考・用語解説) |
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ILO International Labour Organisation | |||||||||||
国際労働機関。1919年国際連盟の機関(加盟42か国)として発足した。日本は、ILO創立時の加盟国であったが、1940年の脱退を経て1951年に再加盟し、1954年以降主要産業国の1つとなっている。労働条件の改善を通じて社会正義を基礎とする世界の恒久平和の確立に寄与するとともに、完全雇用、労使協調、社会保障等を促進することを目的としている。本部はジュネーブ。(参考:外務省・ODAホームページ) |
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in vitro | |||||||||||
「試験管内の」、「生体外の」という意味。多くの場合、生物体機能の一部を試験管内において行わせることを指す。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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in vivo | |||||||||||
「生体内の」という意味で、対象とする生体の機能や反応が生体内で発現される状態を示す。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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IPCS International Programme on Chemical Safety | |||||||||||
国際化学物質安全性計画。WHO、ILO、UNEP の共同事業で、化学物質による健康障害を未然に防ぐために化学物質の安全性に関する科学的な評価を取りまとめ、国際簡潔評価文書(CICAD)、環境保健クライテリア(EHC)、国際化学物質安全性カード(ICSC)等を発行している。また、アジェンダ21 の決定に基づき、化学物質の危険有害性の分類等について国際的調和をはかっている。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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IRIS Integrated Risk Information System | |||||||||||
米国環境保護庁(U.S. EPA)により、化学物質のリスク評価やリスク管理に利用することを目的として作成されている化学物質のデータベースシステム。化学物質によるヒトへの健康影響に関する情報(慢性毒性評価、発がん性評価)が個々の化学物質ごとに収集されている。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第2巻・参考3・用語集等) | |||||||||||
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【L】 | |||||||||||
LAS Linear Alkylbenzensulfonic acid and its salt | |||||||||||
合成洗剤の界面活性剤として当初使われていたABS(Alkyl Benzene Sulfonate)は生分解が困難で発泡が問題化されたため分解の早いLASに転換された。 |
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LC/MS Liquid Chromatography Mass Spectrometry | |||||||||||
LC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分析法)は、GC/MSでは困難であった難揮発性、高極性、熱不安定化合物を直接的に分析対象とすることができる。近年の内分泌かく乱化学物質問題に見られるように、非意図的に又は意図的に作り出された化学物質によるヒト及び生態系への微量長期暴露影響の問題には、この技術の更なる発展を必要としている。LC/MSはこの方向性を更に進める方法であり、GC/MSと並立する汎用性の高い微量分析法として、環境分析の分野への全面的な導入が強く期待されている。(環境省・LC/MSを用いた化学物質分析法開発マニュアル) |
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LC50 Lethal Concentration 50 | |||||||||||
半数致死量。短時間の吸入暴露(通常1 時間から4 時間)で 1 群の実験動物の50%を死亡させると予想される濃度。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) | |||||||||||
LCLo Lethal Concentration Lowest | |||||||||||
最小致死濃度。特定の暴露時間での吸入によりヒトまたは動物を致死させた暴露濃度の最小値。関連した報告値の中での最小の致死濃度(Lowest Published Lethal Concentration)の意味に用いられることもある。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第2巻・参考3・用語集等) |
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LD50 Lethal Dose 50 | |||||||||||
半数致死量。1 回の投与で1 群の実験動物の50%を死亡させると予想される投与量。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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LDLo Lethal Dose Lowest | |||||||||||
最小致死量。ヒトまたは動物を致死させた吸入暴露以外の経路による投与量の最小値。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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LOAEL Lowest Observed Adverse Effect Level | |||||||||||
最小毒性量。毒性試験において有害な影響が認められた最低の暴露量。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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LOEL Lowest Observed Effect Level | |||||||||||
最小影響量。最小作用量ともいう。毒性試験において何らかの影響が認められる最低の暴露量。影響の中には有害、無害両方を含むので、一般にはLOAEL に等しいかそれより低い値である。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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LogPow | |||||||||||
化学物質の疎水性を表す指標とされ、一般的に対数値(log Pow)で表記される。化学物質の濃縮・蓄積性は脂質への溶けやすさ(疎水性)と正の相関があることが知られている。すなわち、この数値が大きいと水よりもオクタノールに多く分配することから脂質に移行し易く、生物に濃縮する可能性があることを示し、数値が小さいと生物では排泄し易く濃縮しにくいことを示す。このため、化学物質の濃縮・蓄積性を予測するのに用いられる。「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」の新規化学物質の審査では、蓄積性のスクリーニングとしてPowが利用されている。また、魚に対する毒性の強さにも疎水性が関係しており、作用様式によって程度は異なるが、疎水性が高くなるに従って毒性も強くなることが知られている。このため、化学物質の魚毒性(LC50)を予測するのにもPowが利用される。海外文献ではKowと標記されることが多い。(参考:EICネット・環境用語) |
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LV Low Volume Air Sampler | |||||||||||
→大気のサンプリング | |||||||||||
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【M】 | |||||||||||
m.p. melting point | |||||||||||
融点。個体の融解が行われる時の温度。一定圧力のもとで固相にある物質が液相と平衡を保つ温度で、通常圧力1気圧の下での融点をその物質の融点とする。(岩波理化学事典) |
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MAK MAKMaximale Arbeitsplatz-Konzentration | |||||||||||
ドイツ研究協会(DFG)が年1回定期的に作成する作業現場環境衛生のための暴露許容濃度勧告値。その他、皮膚吸収性、感作性、発がん性、生殖毒性等に関する情報を掲載。発がん性はカテゴリー1~5の5分類。((社)日本化学物質安全・情報センターホームページ) |
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MDL Method Detection Limit | |||||||||||
分析方法の検出下限値。ここではモニタリング調査における検出下限値について記述する。定量下限値付近の濃度をもつ試料を用いて、所定の操作により分析し、得られた分析値を試料濃度に換算する。この操作を7回以上繰り返して、その時の標準偏差から次式により分析方法の検出下限値を求める。
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MEDLINE Medical Literature Analysis and Retrieval System On-Line | |||||||||||
アメリカ国立医学図書館 (National Library of Medicine)によって提供される医学分野における世界最大の文献データベース。1966年以降、毎年40万件の文献情報が蓄積されている。 |
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MSDS Material Safety Data Sheet | |||||||||||
化学物質等安全データシート。事業者が化学物質や製品を他の事業者に出荷する際に、その相手方に対して、その化学物質に関する情報を提供するためのものである。PRTR法では、政令で定める第1種指定化学物質、第2種指定化学物質及びこれらを含む一定の製品(「指定化学物質等」)について、このMSDSを提供することが義務化された(第14条)。(環境省・PRTR・MSDS(化学物質等安全データシート)とは) |
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MV Middle Volume Air Sampler | |||||||||||
→大気のサンプリング | |||||||||||
【N】 | |||||||||||
ng/m3 | |||||||||||
大気1立方メートルあたりの物質量を表す単位。ng(ナノグラム)は10億分の1gを表わす。また、mg(ミリグラム)は千分の1を、μg(マイクログラム)は100万分の1を、pg(ピコグラム)は1兆分の1gを表す。 |
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NIOSH National Institute for Occupational Safety and Health | |||||||||||
米国国立労働安全衛生研究所。職業上の疾病や傷害を防ぐための研究や勧告を行う米国保健福祉省疾病予防管理センターに所属する機関。約15 万の化学物質の毒性情報を収載したRTECSデータベース(Registry of Toxic Effects of Chemical Substances)を編纂している。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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NOAEL No Observed Adverse Effect Level | |||||||||||
無毒性量。何段階かの投与用量群を用いた毒性試験において有害影響が観察されなかった最高の暴露量のことである。この値に安全係数や不確定係数を乗じて、ADI やTDI を求めることがある。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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NOEL No Observed Effect Level | |||||||||||
無影響量。毒性試験において影響が認められない最高の暴露量。影響の中には有害、無害両方を含むので、一般にはNOAEL に等しいかそれより低い値である。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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n-オクタノール/水分配係数 | |||||||||||
→LogPow | |||||||||||
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【O】 | |||||||||||
OECD Organisation for Economic Cooperation and Development | |||||||||||
経済協力開発機構。OECDの加盟国は30か国で日本は1964年に加盟した。本部はフランスのパリに置かれ、先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、1)経済成長、2)貿易自由化、3)途上国支援に貢献することを目的としている。(参考:経済産業省・対外経済政策総合サイト) |
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OSPAR条約 Oslo-Paris Convention | |||||||||||
海洋投棄に関するオスロ条約(1972年)と陸源物質の海洋汚染に関するパリ条約(1974年)を統合・発展させたもので,北西ヨーロッパ沖合を海洋汚染から保護するために1992年に採択され,1998年に発効した。ベルギー,デンマーク,欧州委員会、フィンランド,フランス,ドイツ,アイスランド、アイルランド,ルクセンブルグ、オランダ,ノルウェー、ポルトガル,スペイン,スウェーデン,スイス、英国から構成されている。OSPAR条約の有害化学物質戦略は海洋域の汚染を防止するために有害化学物質の放出を継続的に減らす戦略であり、2020年までに有害化学物質の放出停止を目指している。規制対象となる物質については「規制優先物質リスト」及び「規制優先有害物質リスト」が作成されている。(参考:OSPAR条約ホームページ) |
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【P】 | |||||||||||
PCB Polychlorinated Biphenyl | |||||||||||
水に溶けにくく、沸点が高いなどの物理的な性質を有する主に油状の物資。また、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定な性質を有することから電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙など様々な用途で利用されてきたが、現在は製造・輸入ともに禁止されている。PCBとはポリ塩化ビフェニル化合物の総称であり、その分子に保有する塩素の数やその位置の違いにより理論的に209種類の異性体が存在し、中でも、コプラナーPCBと呼ばれるPCBの毒性は極めて強くダイオキシン類として総称されるものの一つとされている。PCBが大きくとりあげられるきっかけとなったカネミ油症事件では米ぬか油中脱臭工程の熱媒体として用いられたPCB等が混入したことが原因で昭和43年に西日本を中心に広域にわたって米ぬか油による食中毒が発生した。一般にPCBによる中毒症状として目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着などから始まり、ついで、座疱様皮疹(塩素ニキビ)、爪の変形、まぶたや関節のはれなどが報告されている。(環境省・パンフレット「ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の適正な処理に向けて」) |
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pH | |||||||||||
水素イオン濃度指数。水溶液の酸性、アルカリ性の度合いを表す指標。一般に「水素イオン濃度」といわれることもあるが、正確には、水素イオン濃度の逆数の常用対数を示す値。pH試験紙やpH計などで簡易に測定できる。pHが7のときに中性、7を超えるとアルカリ性、7未満では酸性を示す。河川水は通常pH6.5~8.5を示すが、河口での海水の混入や、石灰岩地帯や田畑など流域の地質、生活排水、工場排水などの人為汚染、夏期における植物プランクトンの光合成等の要因により酸性にもアルカリ性にもシフトする。河川におけるpHの環境基準は類型別に定められており、「6.5(あるいは6.0)~8.5」を地域の状況によりあてはめる(類型あてはめ)。ただし、pH値は厳密には温度によって変化するので、測定時の水温も付記する必要がある。一方、雨水中の溶存物質等により、雨水が強い酸性を示すことがあり、pH5.6以下の雨を酸性雨と定義づけている。pH5.6の意味は、大気中に存在する炭酸ガスが雨水に溶け込み平衡状態になったときの値が5.6のため。ただし、人間活動がない場合でも火山からの二酸化硫黄(SO2)の放出や、海洋からのジメチルサルファイドの放出による硫酸イオンの生成など、自然活動によっても雨水が酸性化し、特に海洋近傍ではpH5.0前後がバックグラウンド値となる。(EICネット・環境用語) |
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PNEC Predicted No Effect Concentration | |||||||||||
予測無影響濃度。水生生物への影響が表れないと予測される濃度を指す。環境中の全生物種への影響を捉えることは困難なため、試験生物種の毒性濃度から全生物種への影響を推定した値である。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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POPs Persistent Organic Pollutants | |||||||||||
残留性有機汚染物質。環境中で分解されにくく、生物体内に蓄積しやすく、一旦環境中に排出されると有害な影響を及ぼす恐れがある化学物質で、例えば、ダイオキシン類(POPs条約では、ダイオキシン類については、PCDDs、PCDFsを2物質と数えている)やPCB(ポリ塩化ビフェニル)、DDTが挙げられる。国内では製造・使用を既に法律(POPs条約)で原則として禁止されているが、海外ではPOPsの使用が行われ、汚染対策が行われていない国もある。(環境省・POPsパンフレット) |
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POPs条約 | |||||||||||
環境中での残留性が高いPCB、DDT、ダイオキシン等のPOPsについては、一部の国々の取組のみでは地球環境汚染の防止には不十分であり、国際的に協調してPOPsの廃絶、削減等を行う必要から、2001年5月、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」が採択された。50ケ国の締結により条約が発効している(2004年5月)。各国が講ずべき対策は以下のとおり。(1)製造、使用の原則禁止(アルドリン、クロルデン、ディルドリン、エンドリン、ヘプタクロル、ヘキサクロロベンゼン、マイレックス、トキサフェン、PCB)及び原則制限(DDT)。(2)非意図的生成物質の排出の削減(ダイオキシン、ジベンゾフラン、ヘキサクロロベンゼン、PCB)。(3)上記POPsを含有するストックパイル・廃棄物の適正管理及び処理。(4)これらの対策に関する国内実施計画の策定。(5)その他の措置(新規POPsの製造・使用を予防するための措置、POPsに関する調査研究、モニタリング、情報公開、教育等、途上国に対する技術・資金援助の実施)。(環境省・ストックホルム条約(POPs条約)の概要) |
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ppb parts per billion | |||||||||||
ppmと同様の単位で10億分の1を意味する。 |
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ppm parts per million | |||||||||||
微量に含まれる物質の割合を表わす単位で、%が100分の1をいうのに対して、ppmは100万分の1を意味する。例えば、1m3の大気中に1cm3の物質が存在する場合の濃度を1ppmという。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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PRTR Pollutant Release and Transfer Register | |||||||||||
PRTRとは「化学物質の排出量等の届出の義務付け」を指し、有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握し、集計し、公表する仕組みである。 対象としてリストアップされた化学物質を製造したり使用したりしている事業者は、環境中に排出した量と、廃棄物として処理するために事業所の外へ移動させた量とを自ら把握し、行政機関に年に1回届け出を行う。行政機関は、そのデータを整理し集計し、また、家庭や農地、自動車などから排出されている対象化学物質の量を推計して、2つのデータを併せて公表する。PRTRによって、毎年どんな化学物質が、どの発生源から、どれだけ排出されているかを知ることができるようになる。諸外国でも導入が進んでおり、日本では1999(平成11)年、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」により制度化された。(環境省・PRTR・化学物質排出移動量届出制度) |
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PRTR法 | |||||||||||
→特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 | |||||||||||
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【R】 | |||||||||||
RTECS Registry of Toxic Effects of Chemical Substances | |||||||||||
150,000 種以上の化学物質の基本的な毒性情報を収録するデータベース。米国国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health)が編纂している。 |
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【S】 | |||||||||||
SS Suspended Solid | |||||||||||
浮遊物質量。水中に浮遊または懸濁している直径 2 mm以下の粒子状物質のことで、沈降性の少ない粘土鉱物による微粒子、動植物プランクトンやその死骸、分解物、付着する微生物、下水、工場排水などに由来する有機物や金属の沈殿物が含まれる。検体の水を孔径 1 μmで直径 24~55 mmのガラス繊維ろ紙を用いて瀘過し、乾燥したのち瀘紙上に捕捉された量を秤量する。検体の水1リットル中の重さに換算して浮遊物質量とする。浮遊物質が多いと透明度などの外観が悪くなるほか、魚類のえらがつまって死んだり、光の透過が妨げられて水中の植物の光合成に影響し発育を阻害することがある。排水の排水基準、公共用水域の環境基準、下水道への放流基準で規制されている。(EICネット・環境用語) |
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Sw Solubility in Water | |||||||||||
水に対する溶解度。飽和溶液中(水)における溶質の濃度をいう。固体の液体に対する溶解度は水1lに対する溶質の量(ミリグラム数)で表される。溶解度は一般に温度によって変化する。水への溶解度は [.....] mg/L([.....]℃) で表わされる。 |
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【T】 | |||||||||||
TBT Tributyltin Compounds | |||||||||||
→トリブチルスズ化合物 | |||||||||||
TDI Tolerable Daily Intake | |||||||||||
耐容1 日摂取量。健康影響の観点から、ヒトが一生涯摂取しても影響が出ないと判断される、1日当たり、体重1 kg 当たりの摂取量。ヒトが摂取する可能性のある作物などに適切な方法で使用して有用性が認められる農薬や添加物のようなものでなく、ヒトの体内に取り込まれる可能性のある物質には、従来から用いられているADIにかわり、TDI を用いることが国際的に行われている。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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TDLo Toxic Dose Lowest | |||||||||||
最小毒性量。ヒトまたは実験動物に毒性症状をおこさせた吸入暴露以外の経路による投与量の最小値。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第1巻・参考2・用語集) |
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TLm Median Tolerance Limit | |||||||||||
魚毒性試験における半数致死濃度(LC50)のこと。一般には、薬剤を段階的に希釈した試料水中で、特定の供試魚(コイなど)を一定時間(24、48、96時間)飼育し、供試魚の半数が死亡する薬剤濃度をTLmとする。農薬では、農薬の製剤や原体についてコイを用いた魚毒性試験を行い、48時間のTLmを求めることが規定されている。一般の化学物質の魚毒性試験では、TLmの代わりにLC50が用いられるのが一般的である。(EICネット・環境用語) |
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TLVThreshold Limit Value | |||||||||||
作業環境許容濃度。ほとんどすべての作業者が毎日繰り返し暴露しても、有害な健康影響が現れないと考えられる化学物質の気中濃度についてのACGIH による勧告値。産業界の経験、ヒトや動物による試験・研究等の利用可能な情報に基づいている。これら情報の量と質は物質によって異なるため、TLVの精度には幅があり、また、TLV は安全濃度と危険濃度の間のはっきりした線ではないし、毒性の相対的な指標でもない。TLV は時間加重平均(TWA)等で示される。(環境省・環境リスク評価室 化学物質の環境リスク評価 第2巻・参考3・用語集等) |
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TPT Triphenyltin Compounds | |||||||||||
→トリフェニルスズ化合物 | |||||||||||
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【U】 | |||||||||||
UNEP United Nations Environment Programme | |||||||||||
国連環境計画。1972年6月の国連人間環境会議(ストックホルム)で採択された「人間環境宣言」及び「国連国際行動計画」を実施に移すための機関として、同年の第27回国連総会で設立された。国連環境計画(UNEP)は、国際連合のもとで、環境問題に関する諸活動の全般的な調整を行なうとともに、新たな問題に対しての国際的な取組を推進することを目的とした国際機関である。事務局本部はケニヤのナイロビに設置されており、各国からの拠出金等を財源に運営されている。管理理事会は国連総会で選出され、日本は当初から理事国となっている。(EICネット・環境用語) |
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UNCED United Nations Conference on Environment and Development | |||||||||||
環境と開発のための国連会議。1972年6月にストックホルムで開催された国連人間環境会議の20周年を機に、1992年6月にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された首脳レベルでの国際会議。地球サミットと呼ばれることもある。人類共通の課題である地球環境の保全と持続可能な開発の実現のための具体的な方策が話し合われた。
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UNECE United Nations Economic Commission for Europe | |||||||||||
国連欧州経済委員会。55ヶ国からなる加盟国の経済成長促進のため、加盟国間のコミュニケーションを図り、取引・輸送・環境に関する国際的取り決めの策定、経済及び環境データの提供を行っている。(参考:UNECEホームページ) |
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【V】 | |||||||||||
VOC Volatile Organic Compounds | |||||||||||
常温常圧で空気中に容易に揮発する物質の総称で、主に人工合成されたものを指す。比重は水よりも重く、粘性が低くて、難分解性であることが多いため、地層粒子の間に浸透して土壌・地下水を汚染する。一方、大気中に放出され、光化学反応によってオキシダントやSPM(浮遊粒子状物質)の発生に関与していると考えられている。1970年代初頭から農薬や、主に電気工場や半導体工場で洗浄剤などとして大量に使用されていたが、当時規制する法律がなく、土壌にそのまま廃棄されていたのが、再開発等によって汚染事例が数多く判明してきており、社会問題化している。一方、大気中に放出されるVOCは、環境省の試算では国内で年間約185万トン、諸外国と較べて単位面積当たりの排出量が高く、濃度も高い等の理由から、特に固定発生源からの削減義務等を規定する大気汚染防止法(昭和43年)の改正の動きも進んでいる。(EICネット・環境用語) |
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【W】 | |||||||||||
WEEL Workplace Environmental Exposure Level guides set by AIHA | |||||||||||
米国産業衛生協会により設定された作業環境許容濃度、1日8時間、週40時間の繰り返し労働において作業者に対し有害な影響を及ぼさない時間加重平均濃度。(日本フルオロカーボン協会・MSDS用語解説) |
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WHO World Health Organization | |||||||||||
世界保健機関。1948年に設立された国連の専門機関。世界のすべての人々に可能な限り高い水準の健康をもたらすことを目標とした。本部はジュネーブ。(参考:外務省・ODAホームページ) |
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