◆化審法における生態毒性試験の位置付けについて
化審法の一部改正法(平成15年法律第49号)の施行により、動植物への影響の観点も含めた審査規制制度が導入された。その概要は以下のとおり。
1.規制の対象物質
| 動植物への影響の観点からの規制対象物質のカテゴリーとしては、(a)(生態影響の観点からの)第一種特定化学物質、(b)(生態影響の観点からの)第二種特定化学物質、(c)第三種監視化学物質の3種類があり、それぞれ以下のとおり定義されている。 |
| (a) |
第一種特定化学物質(化審法第2条第2項) 難分解性かつ高濃縮性を有し、かつ)継続的に摂取される場合には高次捕食動物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのあるもの |
| (b) |
第二種特定化学物質(化審法第2条第3項) 高濃縮性でないものの、継続的に摂取され、又はこれにさらされる場合には生活環境動植物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのあるもの |
| (c) |
第三種監視化学物質(化審法第2条第6項) 高濃縮性ではないものの、動植物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのあるもの |
2.生態毒性試験の位置付け
| 化審法では、化学物質が上記のカテゴリーに該当するかどうかの判定等のため、以下の3つの時点において生態毒性試験の実施が定められている。 |
(1) 新規化学物質の届出
<制度の概要> 国は、新規化学物質の製造し、又は輸入しようとする者からの届出があったときは、その届出に係る新規化学物質について既に得られているその組成、性状等に関する知見に基づいて、特定化学物質及び監視化学物質相当であるか又はいずれにも該当しないかの判定をすることとされている。(化審法第4条第1項) ただし、いずれに該当するかどうか明らかでないと判定したときは、その新規化学物質について実施される試験成績に基づいて、判定をすることとされている。(化審法第4条第2項) |
<試験項目>
| i. |
継続的に摂取される場合には高次捕食動物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのあるもの(生態毒性の観点から第一種特定化学物質に該当するもの)であるかどうかの判定※ ※難分解性かつ高濃縮性の新規化学物質に求められる試験であるが、これまで届出・判定はなされていない。
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| ii. |
第三種監視化学物質に該当するものであるかどうかの判定
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(2) 第一種監視化学物質の有害性調査
<制度の概要> 国は、第一種監視化学物質について、「継続的に摂取される場合には、高次捕食動物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれがある」と疑うに足る理由があると認める場合であり、かつそれを判定する必要があると認めるに至ったときは、当該化学物質の製造又は輸入の事業を営む者に対し、高次捕食動物の生息又生育に及ぼす影響についての調査(有害性調査)を行い、その結果を報告すべきことを指示することができる。(化審法第5条の4第1項) なお、これまで第一種監視化学物質については、1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)について、平成22年9月30日付けで有害性調査の指示が出されている。 (参考資料)化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律第5条の4第1項の規定に基づく有害性の調査の指示について[PDF
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(3) 第三種監視化学物質の有害性調査
<制度の概要> 国は、第三種監視化学物質について、「継続的に摂取され、又はこれにさらされる場合には生活環境動植物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれがある」かどうかを判定する必要があると認めるに至ったときは、当該化学物質の製造又は輸入の事業を営む者に対し、継続的に当該化学物質が摂取され、又はこれにさらされる場合における生活環境動植物の生息又は生育に及ぼす影響についての調査(有害性調査)を行い、その結果を報告すべきことを指示することができる。(化審法第25条の3第1項) なお、これまで第三種監視化学物質の有害性調査の指示は出されていない。 |
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◆優良試験所基準(GLP:Good Laboratory Practice)について
平成15年度までは、化審法の化学物質GLP(分解度試験、濃縮度等試験及び毒性等試験)を参考として、生態影響試験に適用するためのGLPとして「生態影響試験実施に関する基準(生態影響GLP)」を定め、これを満たす試験施設において環境省の生態影響試験が実施されてきた。(環境省が行う化学物質の生態影響試験についての詳細はこちら。)
平成15年の化審法改正により、平成16年度からは、事業者が新規化学物質の製造又は輸入の届出を行う際に生態毒性試験の試験成績の提出が求められることとなった。このため、化学物質GLPの適用範囲について生態毒性試験を含むよう拡大し、生態影響GLPを引き継ぐ形で「化学物質GLP(動植物毒性試験)」を新たに定めて、化審法テストガイドライン※に適合するとの確認を受けた試験施設において生態毒性試験が実施されている。
※ 新規化学物質等に係る試験の方法について(平成15年11月21日薬食発第1121002号、平成15・11・13製局第2号、環保企発第031121002号通知)の別添の方法
化審法では、新規化学物質の届出及び有害性調査のための試験については、試験成績の信頼性を確保するために必要な施設、機器、職員等を有し、かつ、適正に運営管理されていると認められる試験施設等において実施されなければならないものとされている。この試験の実施により得られるものは、原則として化審法テストガイドラインに適合する試験施設において試験され、まとめられたものでなければならない。このため、化審法に基づき実施される試験は、原則として化学物質GLPの適合確認を受けた試験施設で実施される必要がある。ただし、OECD-GLP原則に準拠していると認められる外国のGLP基準に適合する試験施設において実施された試験については、基準適合試験成績として取り扱うことができる。
化学物質GLP(動植物毒性試験)の確認の対象となる試験の項目は、以下の7試験項目である。(なお、「ほ乳類の生殖能及び後世代に及ぼす影響に関する試験」については、化学物質GLP(毒性等試験)の確認の対象となっている。)
現在、下表のとおり10試験施設が適合確認を受けている。上述したとおり、現時点では化審法に基づく生態毒性試験の実施は、新規化学物質の製造又は輸入の届出に当たり、第三種監視化学物質に該当するものであるかどうかの判定を行うために必要な「藻類生長阻害試験」、「ミジンコ急性遊泳阻害試験」及び「魚類急性毒性試験」の3試験項目が主として行われている。
| 表 化学物質GLP(動植物毒性試験)適合確認試験施設一覧 |
| (平成22年7月現在。五十音順。) | |
| 試験施設の名称 |
連絡先 |
適合確認を受けている試験項目 |
| 〒 |
住所 |
電話番号 |
FAX |
藻類生長阻害試験 |
ミジンコ急性遊泳阻害試験 |
魚類急性阻害試験 |
ミジンコ繁殖試験 |
魚類初期生活段階毒性試験 |
底質添加によるユスリカ毒性試験 |
鳥類の繁殖に及ぼす影響に関する試験 |
いであ株式会社 環境創造研究所 |
421-0212 |
静岡県焼津市利右衛門1334-5 |
054-622-9552 |
054-622-9522 |
○ |
○ |
○ |
○ |
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一般財団法人化学物質評価研究機構 久留米事業所 |
839-0801 |
福岡県久留米市宮ノ陣3丁目2番7号 |
0942-34-1500 |
0942-39-6804 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
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| 株式会社クレハ分析センター |
974-8232 |
福島県いわき市錦町落合16 |
0246-63-6755 |
0246-62-3753 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
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| 住化テクノサービス株式会社 |
665-0051 |
兵庫県宝塚市高司4−2−1 |
0797-74-2100 |
0797-74-2715 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
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| 財団法人畜産生物科学安全研究所 |
229-1132 |
神奈川県相模原市橋本台三丁目7番11号 |
042-762-2775 |
042-762-7979 |
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○ |
株式会社日曹分析センター 小田原事業所 |
250-0216 |
神奈川県小田原市高田345 |
0465-42-3115 |
0465-42-3586 |
○ |
○ |
○ |
○ |
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財団法人日本食品分析センター 多摩研究所 |
206-0025 |
東京都多摩市永山6−11−10 |
042-372-6712 |
042-372-6713 |
○ |
○ |
○ |
○ |
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○ |
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富士フイルム株式会社 安全性評価センター |
250-0193 |
神奈川県南足柄市中沼210 |
0465-73-7440 |
0465-73-7975 |
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○ |
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| 保土谷コントラクトラボ株式会社 |
305-0841 |
茨城県つくば市御幸が丘45 |
029-858-6886 |
029-858-6895 |
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三菱化学メディエンス株式会社 環境リスク評価センター |
227-0033 |
神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000 |
045-963-3541 |
045-961-6296 |
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