テトラクロロ無水フタル酸を原料とした顔料又は染料に係る報告等について
 

     
 

 

 

平成18年3月24日

厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室
経済産業省製造産業局化学物質管理課化学物質安全室
環境省総合環境政策局環境保健部企画課化学物質審査室

 


 

今般、テトラクロロ無水フタル酸(官報公示番号3-1423、CAS No. 117-08-8)に、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(以下「化審法」という。)に基づく第一種特定化学物質であるヘキサクロロベンゼン(官報公示番号 3-76、CAS No. 118-74-1)が含まれていることが明らかとなったことを受け、3月17日、厚生労働省、経済産業省及び環境省(以下「3省」という。)は、第一種特定化学物質の副生にかかる対応について公表するとともに、関係事業者に対し要請・周知を行ったところです。
 

化学物質審査規制法第一種特定化学物質ヘキサクロロベンゼンの副生にかかる対応について
ヘキサクロロベンゼンを含有するテトラクロロ無水フタル酸について [PDF104KB]
ヘキサクロロベンゼンを含有するテトラクロロ無水フタル酸の製造又は輸入について [PDF134KB]
ヘキサクロロベンゼンを含有するテトラクロロ無水フタル酸の使用について [PDF139KB]

テトラクロロ無水フタル酸を原料として製造される顔料又は染料(以下「TCPA由来顔料又は染料」という。)を製造又は輸入並びに出荷されている事業者におかれましては、これらTCPA由来顔料又は染料にヘキサクロロベンゼンが含有されている可能性が極めて高いことから、未だ3省に当該TCPA由来顔料又は染料を製造又は輸入並びに出荷している事実について報告いただいていない場合にあっては、速やかに3省までご連絡ください。

その上で、今回新たにご報告いただいたTCPA由来顔料又は染料につきましては、下記により、ヘキサクロロベンゼンの低減を進めるための適切な対応をお願いします。特に下記4.の措置については、迅速な対応をお願いします。
 

     
  1. 化審法では、化学物質を製造する際に副生する第一種特定化学物質について、可能な限りその生成を抑制するとの観点から、「利用可能な最良の技術」(BAT:Best Available Technology)を適用し、第一種特定化学物質を「工業技術的・経済的に可能なレベル」まで低減すべきとの考えに立っている。このため、今般、製造者及び輸入者に対し別紙のとおり対応を求めたところである。
     
  2. 今回既に明らかになったとおり、テトラクロロ無水フタル酸中に、その合成過程で副生したヘキサクロロベンゼンが含有されている可能性が極めて高いことから、各事業者におかれては、製造者及び輸入者における取組も踏まえ、TCPA由来顔料又は染料におけるヘキサクロロベンゼンの含有量低減に向けた最大限の取組を行うよう努められたい。その際、当該取組を進めるためにも、TCPA由来顔料又は染料におけるヘキサクロロベンゼンの含有量を未だ確認されていない事業者におかれては、可能な限り速やかに確認し、その結果を3省に報告されたい。
     
  3. TCPA由来顔料又は染料の製造又は輸入については、今後設置される「副生する特定化学物質のBAT削減レベルに関する評価委員会(仮称)」(以下「評価委員会」という。)において、BATの適用の必要性を検討し、必要と判断される場合には速やかに工業技術的・経済的に削減可能なレベルを設定することとしている。当該BATレベルが設定された後は、上記1.の考え方に基づき、当該BATレベルを超えたヘキサクロロベンゼンを含有するTCPA由来顔料又は染料を製造又は輸入することは、第一種特定化学物質の使用又は無許可輸入に該当することとなる。
     
  4. 上記3.により、TCPA由来顔料又は染料に含まれるヘキサクロロベンゼンに係るBATレベルが設定・適用されるまでの間、以下の措置を講ずるものとする。
   

i.   

3省は、事業者自らが設定したTCPA由来顔料又は染料中のヘキサクロロベンゼンに係る自主管理上限値及びヘキサクロロベンゼン低減方策等を3省に提出した事業者について、TCPA由来顔料又は染料の製造又は輸入並びに出荷を許容することとする。
    ii.  このため、TCPA由来顔料又は染料の製造又は輸入並びに出荷を行おうとする事業者は、当該TCPA由来顔料又は染料中のヘキサクロロベンゼン含有量を確認し、当該確認結果を基に自主管理上限値を設定するとともに、ヘキサクロロベンゼン低減方策等を策定されたい。
    iii. TCPA由来顔料又は染料の製造又は輸入並びに出荷を行う事業者は、BATレベルが設定されるまでの間、自らが製造又は輸入並びに出荷するTCPA由来顔料又は染料中のヘキサクロロベンゼン含有量が自主管理上限値を超えていないことを確認するとともに、ロット毎の各種データ(分析結果、製造・輸入・出荷年月日、製造又は輸入量、出荷量、在庫量、出荷先(実際に貴社商品を使用している事業者)及び用途)を定期的に3省に報告されたい。併せて、当該TCPA由来顔料又は染料のMSDSには、分析結果によるヘキサクロロベンゼン含有量を記載されたい。
    iv. 3省は、独自に行う分析結果も勘案しつつ、事業者による自主管理上限値及び低減状況を評価し、必要に応じ、更なる低減に向けた指導を行うこととする。また、3省は、事業者におけるTCPA由来顔料又は染料中のヘキサクロロベンゼン含有量低減方策を確認するため、試買検査を行うこととする。
     
  5. さらに、TCPA由来顔料又は染料の使用者及びその川下ユーザーに対し適切に情報を提供する観点から、今後、BATの適用が必要と判断されたTCPA由来顔料又は染料のMSDSには、分析結果に基づくヘキサクロロベンゼン含有値を記載されたい。
     
  6. また、3省は、今後、ヘキサクロロベンゼンの含有量の状況を確認するとともに、評価委員会における今後の検討に資するため、独自にTCPA由来顔料又は染料の分析調査及び試買検査を行うこととしている。各事業者におかれては、分析調査に係る試料の提供等ご協力をお願いする。
     
    (参考)
    化審法は、難分解性を有し、人への毒性又は生態毒性を有する化学物質による環境汚染を防止することを目的としている。第一種特定化学物質は、難分解性、及び人又は高次捕食動物への毒性に加え、生物の体内に蓄積されやすい性質(高蓄積性)を有する化学物質であり、化審法に基づきその製造、輸入及び使用は原則禁止されている。ヘキサクロロベンゼンは、昭和54年に第一種特定化学物質として指定され、当該規制の対象となっているほか、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」に基づき、国際的にもその排出削減に向けた取組が進められている。
     
  <本件に関する問合せ先>
 
 厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室
 担当:江原
 〒100−8916 千代田区霞が関1−2−2  
 (電話)03−3595−2298/(FAX)03−3593−8913
     
     経済産業省製造産業局化学物質管理課化学物質安全室
 担当:太田、河岸
 〒100−8901 東京都千代田区霞が関1−3−1
 (電話)03−3501−0605/(FAX)03−3501−2084
     
 
 環境省環境保健部企画課化学物質審査室
 担当:大井、池上
 〒100−8975 千代田区霞が関1−2−2
 (電話)03−5521−8253/(FAX)03−3581−3370