環境省保健・化学物質対策国際的動向と我が国の取組諸外国の新規化学物質審査規制制度の概要

諸外国の新規化学物質審査規制制度の概要

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有害化学物質管理法  |  化学物質登録・評価法  |  産業安全保健法
【はじめに】
 この資料は、平成27(2015)年1月時点の情報を基に作成しました。分かりやすく説明するために、手続の一部を省略、条文に厳密に沿っていない場合がありますので、制度の詳細については原典等で御確認ください。環境省は利用者がこのサイトに掲載されている情報を用いて行う一切の行為について、何らの責任を負うものではありません。


  1. 制度の経緯、背景等
  2. 法規等
  3. 所管当局
  4. 既存化学物質リスト
  5. 届出者
  6. 届出を要する物質
  7. 届出の種類及び時期
  8. 届出の種類及び時期
  9. 要求される情報
  10. 届出の提出方法
  11. 届出の審査及び製造・輸入の開始
  12. その他
0.  制度の経緯、背景等
  目的:「有害化学物質管理法」(以下「旧法」とする)は、国民保健、環境保全を目的として、有害化学物質の適正な管理のために新規化学物質審査登録評価制度として1991年2月に施行された。有毒物質、観察物質、禁止・制限物質の指定、事故対備物質や流通量の調査などの法令の改定が重ねられた。
  2015年1月1日より化学物質の登録、有害性評価、有害化学物質の管理、流通量の調査等が、新たに制定された「化学物質の登録及び評価に関する法律」に移管された。
2011~13年に加湿器の殺菌剤に使用されていた化学物質(PHMG*およびPGH*)の吸入を通じて利用者が蒸気を吸い込むことで呼吸器系への損傷を起こしたことにより、およそ120名の妊婦および幼児が死亡したと推定され、製品で使用されているすべての化学物質のリスクを事前に確認することの重要性が認識された。これに伴って、有害化学物質含有製品の情報伝達、危害憂慮製品の危害性評価の制度が新設された。
*PHMG (Polyhexamethylene guanidine) , **PGH(Oligo(2-(2-ethoxy)ethoxytyl guanidine chloride)
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1.  法規等:  化学物質の登録及び評価等に関する法律(以下「化評法」という。)
化学物質の登録及び評価等に関する法律施行令
化学物質の登録及び評価等に関する法律施行規則


関連するwebサイト
国立環境科学院が提供する化学物質情報システム(NCIS)

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2.  所管当局:  環境部、国立環境科学院、地方環境官署
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3.  既存化学物質リスト
  旧法により、既存化学物質の管理、新規化学物質の審査が行われたリストが公開されている(化学物質管理法の3.既存化学物質リスト 参照)
  化評法では、化学物質の製造・輸入量の報告義務に、既存化学物質リスト記載の物質に閾値を設けており、リストに記載されている化学物質が報告や個別登録が免除されるわけではない。ただ、環境部長官は登録対象既存化学物質を指定・告示する際にこのリストを基本としている。
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4.  届出者:  韓国国内の化学物質の製造/輸入者(報告、登録)、化学物質を販売する者(報告)
韓国国外の製造者が指名した代理人(登録)
韓国化評法の概略
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5.  届出を要する物質   
  1. 〇 新規化学物質(報告、登録)
  2. 〇 年間1t以上製造・輸入される既存化学物質(報告)
  3. 〇 登録対象既存化学物質、環境部長官が指定/指示した化学物質(登録)
    <報告が免除される物質>
  • * 輸入された機械装置内の化学物質
  • * 試運転のために輸入された機械装置内の化学物質
  • * 使用中に切り離されることのない固形の製品に含まれる化学物質
  • * 調査研究を目的として製造・輸入された物質
  • * 大統領命令等に記載されているその他の化学物質
    <登録が免除される物質>
  • * 国外に全量輸出するために年間10t以下で製造・輸入する化学物質
  • * 国外に全量輸出する他の化学物質を製造するために年間10t以下で製造・輸入する化学物質
    <初回のみの登録と報告が要求される化学物質>
  • * 数平均分子量が10,000以上の高分子化合物で、分子量1,000未満の含有量が5%未満、分子量500未満の含有量が2%未満の非イオン性高分子化合物
  • * 数平均分子量が1,000以上10,000未満の高分子化合物で、分子量1,000未満の含有量が25%未満、分子量500未満の含有量が10%未満(単量体の条件がある)
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6.  届出の種類
  * 化学物質の登録申請
  * 高分子化合物の特例
  * 殺生物剤の特例
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7.  届出時期
 * 報告対象:既存化学物質(1トン/年以上)、新規化学物質(量の閾値は無い)についての報告が必要。
 * 告示された登録対象化学物質の登録については、猶予期限がある。
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8.  要求される情報
  化学物質の登録申請資料
種類 A B C D
物理化学的特性 1)物質の状態
2)水溶性
3)融点/凝固点
4)沸点
5)蒸気圧
6)水分配係数/nオクタノール
7)相対密度
8)粒度
1)可燃性
2)爆発性
3)酸化特性
1)粘度
解離定数
  
毒物学的特性 1)急性経口毒性、暴露経路が吸入であると判断した場合急性吸入毒性
2)微生物復帰突然変異試験
3)皮膚刺激性/腐食
4)皮膚感作性
1)経口経路による急性毒性または吸入による急性毒性
2)眼刺激性/腐食
3)体外哺乳類染色体異常試験
4)体内哺乳動物細胞遺伝子変異試験
5>げっ歯類における28日間反復投与経口毒性試験
6)生殖/発達毒性スクリーニング試験
1)追加変異導入毒性(生殖細胞変異原性試験) 1)亜慢性口経毒性試験(90日)
2)催奇形性
3)2世代生殖毒性試験
4)発がん性
生態毒性試験 1)魚における短期毒性試験
2)易生分解性
3)無脊椎動物における短期毒性試験
1)藻類生長阻害試験
2)pH関数としての加水分解
1)本質的生分解性試験
2)分解生成物の情報
3)魚類における慢性毒性試験
4)オオミジンコ繁殖試験
5)陸生植物生長試験
6)ミミズ急性毒性試験
7)活性汚泥、呼吸抑制試験
8)吸着/脱着スクリーニング
1)環境動態と分布の追加情報
2)陸生植物の繁殖試験
3)ミミズ生殖試験
4)吸着/脱着スクリーニングの追加情報
5)土砂水ユスリカ毒性
6)生物濃縮・魚類を用いる連続流水式試験方法
7)分解生成物の追加情報
*1-10t:14項目(A),10-100t:25項目(A+B),100-1000t:36項目(A+B+C),1000t以上:46項目(A+B+C+D)
*高分子化合物の特例
  • 高分子特性に関する試験資料が必要(分子量、分子量分布、モノマー名、酸、アルカリ溶液での安定性など)
  • 製造輸入量に応じた試験項目は通常の登録申請資料より軽減される
*殺生物剤の特例
  • 殺生物剤の活性成分分析に関する試験資料が必要(活性成分分析、防除効能など)
  • 製造輸入量に応じた試験項目は通常の登録申請資料より強化される
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9.  届出の提出方法
環境部長官に所定の資料を提出する。
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10.  届出の審査及び製造・輸入の開始
7.届出時期の表を参照
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11.  その他
(1)  化学物質の情報提供
  登録された化学物質または混合物を譲渡する際に、以下を含む化学物質安全情報を作成、提供しなければならない。
  • ①譲渡者情報
  • ②商品名、物質の名称、登録番号等
  • ③分類表示
  • ④使用可能な用途又は制限用途
  • ⑤物化性状、有害性情報
  • ⑥暴露シナリオ等
  • ⑦有害化学物質の含有量
  • ⑧取扱、非常時対処、漏出防災、廃棄方法等の安全使用情報
  • ⑨関連法令規制情報
(2)  有害化学物質含有製品・危害憂慮製品
* 混合物としての製品の内に有害化学物質(有毒物質、許可物質、制限物質、禁止物質その他)を規定濃度以上で規定合計量以上含有した場合、環境部長官(地方環境官署の長)に申告を行わなければならない。
* 申告した有害化学物質含有製品を譲渡する者は環境部令で定める情報を作成、提供しなければならない。
* 危害憂慮製品の危害性評価は国がリスク評価を行い、基準の制定や必要な場合の流通禁止措置を行う。


関連するwebサイト
国立環境科学院が提供する化学物質情報システム(NCIS)
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