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環境省保健・化学物質対策科学的知見の充実及び環境リスク評価の推進化学物質の内分泌かく乱作用に関するホームページ内分泌かく乱作用とは >入門編Q2

このサイトで使用する用語の解説

内分泌かく乱作用 endocrine disruption
生体の複雑な機能調節のために重要な役割を果たしている内分泌系の働きに影響を与え、生体に障害や有害な影響を引き起こすこと です。
内分泌かく乱(化学)物質 endocrine disruptor
内分泌かく乱作用をもつ化学物質のことです。日本政府の見解では「内分泌系に影響を及ぼすことにより、生体に障害や有害な影響を引き起こす外因性の化学物質」とされています。
世界保健機関/国際化学物質安全性計画(WHO/IPCS)の見解では「内分泌かく乱化学物質とは、無処置の生物やその子孫や(部分)個体群の内分泌系の機能を変化させ、その結果として健康に有害な影響を生ずる単一の外因性物質または混合物である」とされています。
環境ホルモン environmental hormone
科学的名称内分泌かく乱化学物質の通称として環境ホルモンという語が使われることがあります。環境中に存在してホルモン様の作用を示すものという意味です。
化学物質
このサイトにおいて化学物質という語は、chemical(非意図的生成物を含む人工の化学物質)のみを指すわけではなく、英語におけるsubstance(物質)の意味で用いられます。
※用語をクリックすると解説を表示します。

アンケート

「内分泌かく乱作用とは」

内分泌かく乱作用とは
入門編

「入門編」

Q2:"内分泌かく乱作用"とは、いったいどんな作用なのでしょうか?

まず、「内分泌」とは何なのでしょうか?

生物の体は、その複雑な機能を調節するための仕組みを持っています。その仕組みの一つが「内分泌系」です。「内分泌」という専門用語もさらに、「内:ない」と「分泌:ぶんぴつ」の二つに分けることができます。 生物の体の中には、分泌細胞と呼ばれる、物質を作って蓄えておき必要な時に細胞の外に出す、「分泌」という働きをする細胞があります。分泌して細胞外に出す先が、生物の体の外に通じている消化管であれば、「外分泌」と呼びますし、生物の体の外には直接は通じていない血管であれば、「内分泌」と呼びます。「内分泌」を行う細胞が集まっているところを「内分泌器官」といい、「内分泌」される物質のことを「ホルモン」と呼びます。こういった生体の調節機能に関与するシステム全体が、「内分泌系」です。

では、次に「内分泌かく乱作用」とはどういったことなのでしょうか?

ホルモンは、合成・貯蔵・分泌され、血流などによって運ばれて必要な場所で作用を発揮し、その後は分解・排泄されます。この「内分泌」の一連の過程に変化を与え、生物にとって有害な影響を及ぼすことを、「内分泌かく乱作用」と呼びます。ですから、「内分泌かく乱作用」には色々な場合があります。ホルモンの合成を阻害するのも内分泌かく乱作用ですし、作用発揮(受容体への結合や遺伝子の調節、蛋白合成などの作用)を邪魔したり、かえって作用を強めたりするのも「内分泌かく乱作用」です。

つまり・・・

「内分泌かく乱作用」とは、生体の複雑な機能調節のために重要な役割を果たしている、内分泌(系)の働きに影響を与え、生体に障害や有害な影響を引き起こすこと、なのです。