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環境省保健・化学物質対策科学的知見の充実及び環境リスク評価の推進化学物質の内分泌かく乱作用に関するホームページ内分泌かく乱作用とは >はじめにQ4

このサイトで使用する用語の解説

内分泌かく乱作用 endocrine disruption
生体の複雑な機能調節のために重要な役割を果たしている内分泌系の働きに影響を与え、生体に障害や有害な影響を引き起こすことです。
内分泌かく乱(化学)物質 endocrine disruptor
内分泌かく乱作用をもつ化学物質のことです。日本政府の見解では「内分泌系に影響を及ぼすことにより、生体に障害や有害な影響を引き起こす外因性の化学物質」とされています。
世界保健機関/国際化学物質安全性計画(WHO/IPCS)の見解では「内分泌かく乱化学物質とは、無処置の生物やその子孫や(部分)個体群の内分泌系の機能を変化させ、その結果として健康に有害な影響を生ずる単一の外因性物質または混合物である」とされています。
環境ホルモン environmental hormone
科学的名称内分泌かく乱化学物質の通称として環境ホルモンという語が使われることがあります。環境中に存在してホルモン様の作用を示すものという意味です。
化学物質
このサイトにおいて化学物質という語は、chemical(非意図的生成物を含む人工の化学物質)のみを指すわけではなく、英語におけるsubstance(物質)の意味で用いられます。
※用語をクリックすると解説を表示します。

アンケート

「内分泌かく乱作用とは」

内分泌かく乱作用とは
はじめに

「はじめに」

Q4:化学物質が内分泌をかく乱する仕組みを教えて下さい

化学物質が内分泌をかく乱する例として以下の5つが挙げられます。
再生ボタンマークをクリックすると、動画でご覧いただけます。

1.受容体に結合して、ホルモンのふりをする(促進)

本来のホルモンの代わりに、かく乱作用を持つ物質が結合してホルモンのふりをします。その結果、本来よりも指令がたくさん出されてしまいます。

正常なホルモンの動き
かく乱(促進)される場合

2.受容体に結合して、ホルモンの邪魔をする(阻害)

本来のホルモンの代わりに、かく乱作用を持つ物質が結合してしまい、必要な指令が出されなくなってしまいます。

正常なホルモンの働き
かく乱(阻害)される場合

3.受容体に結合せず、ホルモンの生合成、代謝を促進/阻害する

受容体には結合せず、かく乱作用を持つ物質がホルモン自体の合成を邪魔したり促したりします。その結果、必要な指令が出されなくなったり、本来よりも指令がたくさん出されてしまいます。

合成阻害/代謝促進
合成促進/代謝阻害

4.受容体の数を増やしたり減らしたりする

かく乱作用を持つ物質が受容体の数を増やしたり、減らしたりします。その結果、必要な指令が出されなくなったり、本来よりも指令がたくさん出されてしまいます。

受容体の数を減らす
受容体の数を増加させる

5.本来のホルモン量の調節(フィードバック)を狂わす

フィードバック機構とは:
本来、人間の体には、ホルモンを作り出す器官に必要以上のホルモンを体に出させないようにするホルモン量の調節(フィードバック)機構が備わっています。
かく乱作用を持つ物質によってフィードバックが行われなくなると、必要のない指令が出され続けます。

本来のフィードバック
フィードバックを阻害