大臣談話・大臣記者会見要旨

OECD環境大臣会合 全体セッション1「ネットゼロに向けて:緩和と適応の野心ギャップを埋める」山口環境大臣発言

○ 議長ありがとうございます。日本国環境大臣の山口壯です。今回、残念ながらパリで皆さんとお会いすることができませんが、OECD環境大臣会合の冒頭にオンラインで発言させていただくことを光栄に思います。

○ はじめに、ロシアによるウクライナ侵略は、ウクライナの主権及び領土一体性の侵害であり、明白な国際法違反です。また、戦争は環境に対する最大の敵であり、ロシアのウクライナ侵略による環境破壊は、人類全体に対する許しがたい罪であります。

○ ロシアを厳しく非難するとともに、困難な状況に置かれているウクライナの人々への連帯の意を表します。

○ しかしながら、このような乱気流にもかかわらず、COP26における我々の合意は揺るぎません。

○ 日本は、国内では、岸田総理が述べたように、エネルギー供給構造の変革だけでなく、産業構造、国民の暮らし、そして地域の在り方全般にわたる、経済社会全体の大変革に取り組んでいます。とりわけ、脱炭素型の地域づくりの重要性に注目し、全国のモデルとなる「脱炭素先行地域」の創出に取り組んでいるところです。

○ また、国際的には、1.5℃目標の達成に向け、世界全体の排出削減の更なる深掘りのためには、パリ協定6条の活用が有効な手段と考えています。このため、JCMパートナーを拡大するとともに、パリ協定6条の実施に向けた能力向上を支援すべく、6条に関するオンラインの国際会議を2回にわたり開催しました。

○ さらに、都市・地域の脱炭素化に向けた取組を促進するため、脱炭素都市国際フォーラム2022を開催し、我が国における「国と地方の協働モデル」を発信するとともに、都市間連携等の国際協力の先行事例についても共有しました。

○ 同時に、気候変動影響への適応も国内外で進める必要があります。日本はCOP26で、今後5年間で約100億ドルの追加資金、また適応への支援を倍増することを表明しました。これを着実に実施しており、最近では適応基金への約600万ドルの新規拠出やUNDP経由での脆弱国等23ヵ国を対象とした約4200万ドルの気候支援を決定しました。今後もコミットメントをしっかり実行し、世界の気候変動対策を支援していきます。

○ OECDは世界の知恵の源として、ロシアの侵略を超え、2050年カーボンニュートラルに向けての道筋を示して欲しいと考えます。OECDが世界の脱炭素化の灯台となることを期待します。ありがとうございました。

令和4年3月30日

(日本語仮訳)