大臣談話・大臣記者会見要旨

国連環境計画(UNEP)創設50 周年記念イベント(UNEP@50)における山口壯環境大臣発言(ビデオメッセージ)

 議長、アンダーセンUNEP事務局長、御列席の皆様、日本の環境大臣の山口壯です。UNEP創設50周年を記念する重要なイベントに、日本政府を代表しメッセージをお届けすることを光栄に存じます。

 UNEPの50周年は、1971年に環境庁が発足した後の我が国の環境問題への対応の歴史と重なります。この間、我々は手を携えて、環境問題の解決に努力してきました。

 わが国では、環境庁の発足当時は大気汚染等の公害が問題となっていましたが、それから50年の間に、地球温暖化や生物多様性の損失をはじめとする地球規模の環境問題が顕在化し、国内だけではなく、国際的な対処が必要となってきました。

 こうした地球規模の環境問題に取り組む上で重要なことが二つあります。第一に、最新の科学的知見に照らして専門家が対処すること、第二に、言うまでも無いことですが国際社会が協調し取り組むことです。

 この二つの点において、UNEPの存在は不可欠なものでした。UNEPがWMOとともに立ち上げたIPCCが、世界が気候変動対策に一致して取り組む科学的な礎を与えたほか、モントリオール議定書、生物多様性条約、ワシントン条約、バーゼル条約、水銀に関する水俣条約など、数多くの国際環境条約がUNEPの下での専門家による調査研究や議論を経て成立し、運営されてきています。

 残念なことに、これらの精力的な取組をもってしてもなお、環境問題は新たな問題にも対処せねばなりません。海洋プラスチックごみ問題及びその解決に向けた循環経済の構築など新たな課題も現れてきています。我が国はこれまで、JICAクリーンシティイニシアティブなど、環境保護の制度支援から具体的な事業の形成に至るまで、包括的な支援を実施しております。今後も、地球環境問題の解決に向け、UNEPの下で他国と協調・連携して取り組む所存です。

 皆様、豊かな地球環境は、世界のすべての人々がその特徴を生かしながら、安心して生活できる基盤であり、私たちが目指す持続可能な開発目標(SDGs)の達成を基礎から支えるものです。

 環境問題に国境なし。今後もUNEPを通じ、脱炭素、循環型で、自然と共生する持続可能な経済社会の実現に向け、ともに手を携えて取り組んでいきましょう。

 ありがとうございました。

令和4年3月4日

(日本語仮訳)