大臣談話・大臣記者会見要旨

第1回パリ協定6条国際会議における山口壯環境大臣発言(ビデオメッセージ)

 はじめまして。日本国環境大臣の山口壯です。
 このたびは、日本国環境省主催のパリ協定第6条の実施拡大に向けた国際会合にご出席いただき、心より感謝申し上げます。
 また、この場を借りまして、本会合の開催にご協力をいただいた国連気候変動枠組み条約事務局、COP26議長国である英国、COP27議長国であるエジプトの関係者の皆さまにも改めて感謝申し上げます。

 COP26では、1.5度努力目標に向けた野心的な取組を促すことができ、市場メカニズムのルールを含むパリ・ルールブックも完成した。歴史的なCOPであったと考えている。
 我が国としても、パリ協定6条交渉の合意や気候資金への今後5年間で最大100億ドルの追加コミットメント等、COP26の成功に貢献できたと考えている。

 私も短い時間であったが、グラスゴーに出張し、閣僚級協議を行い、それぞれの会談では、6条交渉を中心に議論を行い、COP26の成功に向けて貢献できた。

 本日及び来月の本会議は、COP26での6条交渉の合意を踏まえ、今後の6条の実施拡大に向けた理解促進と能力向上を加速化することを主な目的としている。

 世界全体の削減への貢献について。1.5度努力目標を達成するためには、新興国、途上国を含む世界全体の排出削減を進めなければならない。

 6条メカニズムが実施されれば、各国において、より効率的かつ追加的な削減の促進が可能となる。各国が提出したNDCでは120か国以上が6条の活用に言及している。
 専門家による試算では、6条の実施により2030年までに世界全体で年間最大で90億トンCO2の追加的削減量が実現されうるとの試算もある。これは単純な比較はできないが、直近のCO2排出量の約3割に相当する量が6条により追加的に削減され得るということ。さらにグローバルな脱炭素市場や民間投資が活性化することにより、世界的な排出削減と同時に各国の経済成長にも貢献し得る。
 今後は、市場メカニズムを活用した世界での排出削減の進展が期待されている。

 この会議では、6条の市場メカニズムを実施している国より先行する取組事例について報告をいただき、能力構築の支援分野や国際航空分野と6条の関係など、今後の世界的な6条の実施に向けて必要となる協力連携について議論を行っていきたい。

 本日及び来月の6条国際会議はこのアクションを具体化するものである。活発な意見交換により今後の6条の実施拡大に向けた理解促進と能力向上が加速化できる成果が得られることを心より期待している。

令和4年2月17日

(日本語仮訳)