大臣談話・大臣記者会見要旨

生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)第一部 ハイレベルセグメントにおける山口壯環境大臣発言

○共同議長、条約事務局長、ご列席の皆様
みなさまの献身的なご努力によりこの会議が開催されることに、心より感謝申し上げます。

○そして、COP14議長国のエジプトのヤスミン・フアド大臣のリーダーシップのもと、野心的なポスト2020生物多様性枠組に向けて検討が進められてきたことに心より敬意を表します。

○ポスト2020生物多様性枠組への期待、そして我が国のコミットメントの2点についてお話しします。

○第1に、人類の生存基盤である生物多様性を保全し、生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せるために、経済社会をリデザインすることが重要です。

○このため、私たちは、COP15第二部において野心的なポスト2020生物多様性枠組に合意する必要があります。

○新しい枠組みを野心的なものとするためには「30by30」はとても重要な要素であり、日本は生物多様性野心連合に参加する国々とともにこれを支持します。私は、この「30by30」ができるだけ多くの国に共有されることを望みます。そして、気候変動・環境対策においても自然を活用した解決策(NbS)が重要です。また、生物多様性と経済成長の好循環を構築させることも重要です。

○愛知目標の教訓を踏まえて重要なことは、締約国が生物多様性国家戦略に定めた国別目標を着実に実施する、強固なPDCAサイクルを含めた新しい枠組みを作ることです。

○愛知目標が未達成となったことは残念です。COP10議長国としてこれをまとめた日本は真摯に受け止めています。しかし、かなりの進捗があったことも、地球規模生物多様性概況報告書GBO5は指摘しており、この進捗のうえに更に取組を発展させ、2050年ビジョン「自然との共生」を目指そうではありませんか。

○第2に、日本は、次期生物多様性国家戦略の検討を開始しており、新しい枠組みの採択後、30by30を含め、速やかに行動に移します。

○そして、生物多様性国家戦略については、日本は自国での改定にとどまらず、途上国の改定プロセスを促進するための支援も進める考えです。

○日本は2011年に条約事務局に生物多様性日本基金(JBF)を設置し、総額6,000万米ドルを拠出しました。

○私は、ここで、追加的貢献も含め、生物多様性日本基金第2期として総額1,700万米ドル規模での国際支援を表明します。

○さらに、SATOYAMAイニシアティブについても、自然環境を活用して気候変動対策を含む社会課題解決に貢献する良き実践を進めます。そして、新しい枠組みの実施にも貢献する途上国でのプロジェクトを開始するなど、さらに取組を発展させていきます。

○これらにより、日本の取組を加速し、2050年ビジョンの実現に貢献します。

○私は、本会議において充実した議論がなされ、全ての参加者にとって有意義なものとなることを期待します。

○ありがとう。

令和3年10月12日

(日本語仮訳)