大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和3年11月10日(水)9:32~9:48 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

おはようございます。今日もよろしくお願いします。本日の閣議におきまして、辞表の取りまとめがありました。冒頭私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)TBSテレビの緒方です。環境大臣就任から1か月が過ぎましたが、所感はいかがでしょうか、教えてください。
(大臣)そうですか、あっという間に1か月なんですね。本当、自分自身は、毎日毎日、無我夢中でやっているというのが、本当実態ですけれども、様々な関係者の方々と議論をまず深めることができたとは思います。国際分野については、いずれもオンラインで、生物多様性COP15、あるいはASEAN+3の環境大臣会合に参加させていただきました。生物多様性のCOPでは新たな途上国支援の表明による議論への貢献、あるいはASEAN+3では気候変動分野の協力の強化といった、そういう成果があったと思います。国際会議以外でも、アメリカのケリー特使、あるいは中国の解振華特使とオンラインで会談する機会がありました。COP26の成功に向けての意見交換を行わせていただきました。また、環境大臣として最重要の課題である福島の復興については、就任直後に内堀福島県知事にお会いさせていただいた。あるいは、大熊町、双葉町の両町長とも意見交換の機会を持たせていただきました。この1か月の出来事を改めて振り返りますと、環境省が取り組む課題、非常に多岐にわたるということを改めて実感するとともに、1つ1つの課題を乗り越えるために、努力をしてきたわけですけれども、それを更に加速させていきたいなと思います。その間、選挙がありましたしね。私も有権者の方々にそういう環境問題について、自分の考えを述べること多々あったわけですけれども、やっぱり地球温暖化の話等については、日本だけではできない。だから、そういう意味では全世界の心合わせをしなければいけない。そういう意味では、私自身も頑張らせていただきたいというふうに言ったところ、やっぱり有権者の方々、そういう意識というものを非常に強く持っておられるなということは、私は強く感じましたね。そういう意味では、環境問題について、やはり有権者の方々の意識も、世界の流れについて非常に敏感になっておられるんじゃないのかなというふうに感じました。選挙が終わって、またいろんな意味で流れが、この間、岸田総理はCOPに行かれたわけですし、そういう大きな世界の流れの中での環境省の仕事だというふうに受け止めています。

(記者)テレビ朝日の川﨑です。今もありました、就任から1か月ということなんですけれども、環境大臣としてですね、温室効果ガス46%削減、先頭に立っている1か月でもあったと思うんですが、この野心的な目標のためには、行動変容ということがすごい大事だと、重要だと言われているわけですけれども、1か月あってですね、大臣自ら、例えば、再エネ電気を売っている電力会社に契約を切り替えるパワーシフトであるとか、いわゆる大臣として具体的に何か行動を変えられたものとかありますでしょうか。
(大臣)具体的にね。政策的にやっぱり世界の中でどういうふうに日本が貢献するかとそっちのほうに、頭、徹底的にいっているんで、私ちょっともう少し何ができるかというのはもうちょっと考えてみますかね。
(記者)特に生活の中で変わった変化とかは、なかったですか。
(大臣)そう言われると非常に。自分自身この環境について意識を更に高めると。これは私自身も以前から、例えばビニールの袋が川にいっぱい捨ててあるわけですね。あるいはペットボトルとか。ペットボトルとかビニールというのは溶けないわけです。紙だといずれ溶けるかもしれない。雨が降って川が増水して、川の中にある木にビニールがまとわりつくわけですね。その次の日、ビニールの花がいっぱい咲いているわけですよ、木に。ああいうのって、すごく気になるものですから、今まで仲間たちと一緒にビニールを順番に川で拾っていって、1時間もしたら軽トラックいっぱいになるんです。そういう意味では、意識はある意味でSDGsの関係でも持ってきたつもりだけれども、この1か月に急にぽんと変わるということは、あまりなかったかもしれないけど、更に大きな観点での仕事をさせていただく立場になって、更にそういう意識を高めていきたいなと思っています。

(記者)電気新聞の匂坂と申します。COP26についてお伺いしたいと思います。改めて、COP26閣僚級会合ももう既に始まっていますけれども、山口大臣として、改めて出席や参加の意気込みですとか、思いを聞かせていただきたいというのと、また、この会期中も事務方から適宜報告も受けられているのではないかなと想像しているんですけれども、それの感想といいましょうか、今、交渉が順調に進んでいるとか、煮詰まっているですとか、その他いろいろな受け止め、感想がございましたら、お聞かせいただければと思います。
(大臣)COP26に私が行けるかどうかというのは、国会のほうで議論いただくことだから、その結論次第なんですけどね。でも私自身は、やっぱりこの大事な会合、岸田総理がステートメントを述べられて、いろんな意味で日本の貢献について、例えば100億ドルの追加支援、これも相当ポジティブに受け止められたというふうに、総理からもお聞きしましたし、それは現にそういうことだったと思います。それに引き続いて、いわゆる事務方の人、いわゆる交渉の立場に当たる各省の方々、今いろいろと細部について議論しているわけですよね。このCOP26、今回の会合、やはりみんなの気持ちが全世界的に何らかの合意点を見つけたいという気持ちは共通して持っているというふうに私も聞いていますし、また、それはそうなんだろうなと。この機会を逃したくないという気持ちは非常に強いんだろうと思います。だから、そういう意味では、それぞれの全世界の人たちが集まってのことですから、私自身ができることというのは、そういう意味では1人の閣僚としてであるけれども、日本という立場を代表させてもらって行くわけですから、ルールブックの完成に向けて、貢献させていただきたいなと思います。それは、幾つかの国とも話をしながら、そういう中で話が進めばいいなというところだと思います。
(記者)交渉は順調に進んでいるようでしょうか。
(大臣)毎日毎日、やっぱりいろいろと話をする中で、一定の成果を得られているんじゃないのかなと思います。どうしてもデッドロックになって大変だというようなことは聞いていません。何らかの形での進展は毎日あるんだと思います。

(記者)テレビ朝日の川崎なんですけれども、COP26で国会の承認があればということになると思うんですが、是非会談してみたい国とかですね、あるいは楽しみといいますか、是非これには出てみたいというイベントなどあれば、教えてください。
(大臣)やっぱりこの一番熱心な国の1つというのがアメリカだと思うんですよね。それから、やはり大きな存在というのが中国だと思いますから、そういう中で、アメリカあるいは中国の代表の方と意見交換できればなと思います。電話でも、ケリーさん、あるいは解振華さんとは既に話したわけですけれども、実際に対面するというのは、また別の意味がありますからね。そういう意味でも、是非そこはお会いしたいなと。世の中的には、米中の対立とか、いろいろ言っていますけど、「環境問題に国境なし」という面があるのは、そこは中国もよく分かっているし、そこはアメリカももちろん意識しながら、1つの大きな世界をつないでいくということが必要な部分ですからね、環境問題。そういう中で、日本として、アメリカ、中国との間で、1つの合意点の形成につながるようなことになればいいなと思います。サイドイベントで幾つか日本の関係もあるわけですけどね、先ほど川﨑さんもおっしゃったように、我々の行動パターンみたいなものも変えていくという意味では、企業の考え方、例えば企業の環境問題について、どういうふうに会計的な、あるいは企業経営の中で生かしていくのか、あるいは生かさなきゃいけないことになるのか、いろいろな今、考えが議論されていると思うんですね。そういう1つのサイドイベントも予定されているようですから、そういうところでも、参加させてもらって、政府あるいは民間、みんな一体となって、あるいは個々人も含んだ格好での「2050年ネットゼロ」というところの意識を高めていくという、そういうサイドイベントもありますから、それを楽しみにしています。

(記者)時事通信社の根元です。COP26で気候変動と生物多様性の損失の危機というものの重要性が、また改めて問われ始めていると思うんですけれども、やはりまだ日本では気候変動のほうが重要視されているというか、生物多様性の損失については、まだあまり認知のほうが足りていないのかなと思うんですけれども、この2つの危機について、環境大臣として、どう取り組んでいかれるとか、意気込みなどありましたら、教えていただきたいです。
(大臣)気候変動については、1.5度とか2度とか、そういう大きな、いわゆる野心について向上というんですかね、その辺についての心合わせというものが、1つ大きな流れとしてあると思うんです。それは非常にたくさんの国々の心合わせをしなきゃいけないから、そういう意味では非常に簡単な話ではないとは思うんですけれども、でも、少しマクロ的に見てみたら、中国も2030年にピークアウトして2060年までにはネットゼロとか、我々の2050年と少し隔たりがありますけれども、でも、そういうところまで来ているわけですから、そういう意味で、中国自らを途上国というふうに分類している面もあるようですけど、GDPでは世界で第2位ですから、そういう面も含めて、話の中で一緒に、できるだけ一緒の観点からやれるように話を持っていきたいなというふうに思います。こういう一致点を見つける、あるいは心合わせというか、そういうことは非常に大事だと思うんですね。一発で決まるような話ではないけれども、でも、かなり煮詰まってきている話ではある面があるから、そのうちの1つの通過点だと思うので、大きな一歩が少しまた歩み出せればいいと思います。生物多様性についても、この間、経団連の方々ともいろいろと意見交換した中で、やっぱり経団連でもこの生物多様性について、非常に意識高く持っておられるということを改めて認識した次第です。だから、そういう意味では、気候変動の問題と並んで、生物多様性の話、その辺も同様に、いろいろと取り組ませていただければと思います。 この、今年の6月ですかね、G7サミットで合意した「30 by 30」という、これをどういうふうに、今の道筋、いわゆるロードマップの検討を、我々は進めているわけですけれども、来年の4月から5月にかけてCOP15が開催されて、新たな世界目標が決定されるというスケジュールも考えられているという中で、我々が我が国のロードマップを取りまとめて発信して、国際的な議論に積極的に貢献できればなというふうに思っています。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/WiaOIhKz2KM

(以上)