大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和3年10月15日(金)10:29~10:50 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

おはようございます。私のほうから今日は2つ申し上げさせていただきます。初めに、化学物質排出把握管理促進法施行令の改正について、そして、また大熊・双葉町長との面会について、ということで話をさせていただけます。初めの化学物質排出把握管理促進法施行令の改正については、本日の閣議において、化学物質排出把握管理促進法施行令の一部を改正する政令が閣議決定されました。今回の改正は最新の科学的知見等を踏まえ、対象となる化学物質の見直しを行うものであり、関係事業者には化学物質の適正な管理に努めていただきたいという趣旨です。内容の詳細については、お手元の資料を御覧ください。それから、本日、大熊町の吉田町長、双葉町の伊澤町長と面会して、両町からの要望をいただく予定です。両町長には、先日電話では御挨拶させていただいたわけですけども、やはり対面でお会いして、しっかりコミュニケーションをとらせていただきたいなということで、今日やらしていただきます。現地にもなるべく早くお伺いしたいと考えていますけれども、今日はまず両町の御要望をしっかりと受け止めて、私からは、福島の復興に向けて全力で取り組んでいく決意を改めてお伝えさせていただく予定です。以上です。

2.質疑応答

(記者)フジテレビの麻生と申します。まず、EUが環境分野への投資などに特化して資金を調達する環境債を初めて発行して、世界最大規模の発行額となっていますが、こちらについて、大臣の御所感を教えてください。また、環境債をめぐっては、国内でも発行が増えてますけども、今後、日本でも同様の取組を更に推し進めるなどのお考えはありますでしょうか。
(大臣)我々、2030年目標、あるいは2050年のカーボンニュートラルの実現のためには、国内外において、巨額の投資が必要になるんだと思います。こういう投資を促進するという観点からグリーンボンド、環境債市場の拡大が非常に重要だと思います。我々、環境省もグリーンボンドに関しては、国際基準と整合する国内ガイドラインの整備、あるいは発行に係る追加費用に対する補助の実施など、国内の市場拡大に向けた支援を積極的に行っているところです。今後もこうした支援策を通じて、国内におけるグリーンボンドの更なる発行拡大を目指していきたいと思います。これによって、カーボンニュートラルの実現に向けて、必要となる巨額の民間資金の導入を促進していきたいというふうに考えています。

(記者)読売新聞の山下です。COPについて、お伺いします。大臣はこれまで直接ですね、出席されたいという意向を示されていると思うんですけれども、仮にですね、出席を許された場合に閣僚級の会合等でどういうことをアピールしたいとか、どういうふうに対応したいというふうに考えているか教えてください。
(大臣)大きなところの1つはカーボンプライシングの話になると思うんですね。要するにパリ協定、どういうふうに実現していくかという話の中で幾つか論点が残っている1つがそこだと思いますから、それを、今回、10月31日まで総選挙やっている中で、11月9日なり、また国会の状況が許したとしても非常に限られていますから、本当は、もう少し産業界の意見もじっくり聞いてみたいところなんですけれども、どこまでインプットできるかどうか分かりません。でも、そういうことも踏まえながら、1つの重要なポイントはそこだと思います。あとは、確かに、先進国と途上国という相変わらず区分けがあるわけだけれども、やっぱり先進国が今まで発達してきて、途上国に、今そういうことを一律に言われてもという気持ちはあるんでしょう。だから、やっぱり心合わせとして、いわゆる途上国側にも同じように頑張りましょうという気持ちを共有してもらえるようにということが大きな流れの1つでしょうかね。どこまで、そこが実現できるかどうか、それ1回会ったからって、なかなかすっきりといかないまでも、出会わないことには、なかなか信頼関係もつくりにくいと思いますから、今回できれば行かせてもらって、出会わせていただいて、というふうには思います。

(記者)毎日新聞の信田です。今の読売さんの質問の回答でちょっと確認なんですけれども、カーボンプライシングについては、「年内に一定の方向を示す」とされていたと思うんですけれども、COPの閣僚級会合までに方向性をつけるというふうになったんでしょうか。
(大臣)なかなか11月9日と「年末までに」というのとは、若干ちょっと距離があるから、そこまでに間に合うかどうかというのは、ちょっと私、自信がないです。でも、年末までには、みんなでいろいろと協議してもらいたいなというふうに思っています。どこまで出せるか、少しまだ分かりません。事務的には、あるいはスタッフのみんなで、議論はこの1か月弱の間に進むかもしれませんけど、まとめられるかどうか少し分かりません。

(記者)共同通信の水内です。私も重ねてで確認なんですけども、年末までではなくて、11月9日辺りから始まる閣僚級で、日本として、「こういう形で進めたいと思う」と考えを表明することを目指すということなんでしょうか。
(大臣)もちろん、できるだけ、日本的には、この環境の分野、これから大事な役割を果たさなきゃいかんなというふうに思っているわけですから、いろんな面について、ある意味でイニシアチブを取れればという気持ちはありますけれども、勝手にいろんなことを言っても、それも、またバックファイヤーするわけだから、やっぱりいろんな人たちの気持ちを全部心合わせをさせてもらってからきちんとした言い方をしたほうがいいと思うんですね。専門的な、技術的な議論ですから、そこは着実に進めさせていただきたいなと思っています。

(記者)エネルギージャーナルの清水です。2点ほど伺いたいんですが、1つは解散になって、総選挙ということですけども、環境省がこれまでやってきた、例えば内閣府の気候変動対策推進のための有識者会議とか、それからエネルギー基本計画と同時の地球温暖化対策計画とか、COPの前にいろいろ決めなきゃいかん、あるいは決めるであろうということが山積していたと思うんですけども、これはあれですか、もう解散総選挙でチャラになって、選挙後の内閣を再発足、再発足というか、再任されたときの政策課題というか、検討ということになるんですか。これが1点です。それから、2つ目は、昨日官邸で、事務方の環境省、経産省の幹部が官邸に行って、何かいろいろやったようですけども、これは大臣はどういう具合にどんな案件という、どういうことで受け止めていらっしゃいますか。その2点です。
(大臣)今日も解散が昨日あった中で閣議があったわけですし、それから総選挙中も当然、閣議は必要に応じて行われるわけですよね。それから、やっぱり役所の仕事ですから、事務方でいろいろとやっていただくこともたくさんあるし、それがあっての我々大臣ですから、したがって、我々が、政治家が総選挙、これは国民の信を問わせていただく総選挙をやっているからといって、環境省の仕事は止まるわけではありません。それはもう淡々と整々と大事なことはきっちりやっていくというところですから、何もチャラになるわけではありません。いろいろとまた官邸に事務方の人が当然行って、いろんなことはされるでしょうから、大事なことは私のところに相談があるわけですし、そういう意味では、そういう形でいいと思います。
(記者)重ねてですが、温対計画とか、エネルギー基本計画とかこういったものは、近々そうしますと決定するということですか。それから、冒頭お伺いした内閣府の有識者会議なんかはどうするんですか。もう最終まとめだということになっていたと思うんですけど。
(大臣)私も必要なことは必要な形で事務方で相談いただくということで、もう大きなラインというのは今までずっと議論してきているわけですから、それを踏まえて議論していただくんだと思います。COP26の前に今、清水さんおっしゃったようなことも含めてできるだけまとまるような形でできればなと思っています。

(記者)環境新聞の小峰でございます。実質的な総選挙に入りましたけれども、自民党は衆院選の選挙公約を先日発表し、日本国憲法の改正を目指すと、その中で、特に、自衛隊の明記を行うということを衆院選の選挙公約で発表しております。一方、山口大臣にですね、環境大臣、国務大臣の前にですね、一国会議員としてお尋ねいたします。山口さんは、平成25年12月まで民主党に所属して、それから民主党を離党し、平成27年1月から自民党に入党されておりますが、民主党時代の憲法に対する考え方、それから現在の自民党に入党されてですね、憲法改正に対する考えをお聞かせ願えたらと思います。以上です。
(大臣)憲法改正については国会の憲法審査会において議論いただくわけですから、今、内閣の一員である私からコメントするのは差し控えたいと思います。それからあとは私は国民の代表として来ているわけですが、そういうことの立場でいろいろと議論していけばいいと思います。
(記者)更に尋ねますけれども、それじゃあ山口さんは憲法改正に賛成なのか、反対なのか、態度を表明しないのか、どちらなのですか、はっきりしてください。
(大臣)内閣の一員である私からはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

(記者)NHKの岡本です。私からは国連の人権理事会での決議のことでお尋ねします。 先日、「清潔で健康的な環境へのアクセスは基本的な人権である」という決議案に対して、日本は中国・ロシア・インドと共に棄権をして決議に参加しませんでした。これについて、所信質疑の中で、岸田総理は「概念が明確でない」というようなことを理由として述べられていましたけれども、こういう「環境と人権」という観点で大臣がどういうふうに今見ておられるのか、見解をお願いします。
(大臣)国際会議の場ですからいろんな意見が出るんであって、それは我々もほかの国といろいろと議論をしながら当然態度を一回一回決めていくわけだと思うんですよね。今、この人間の人権というのは歴史的に見ていろいろと進化してきているんだと思います。昔は環境に関する権利って誰も言わなかったと思うし、今はむしろそれが大事だという意識もあるし、そんな中でどういう内容かというのはよく詰めた議論を本当はしたいと思うんですね。今回、ああいう格好だったというふうで私も理解していますけれども、総理もそういう格好で「はっきりしていなかったから」というお答えされたことですし、そういう意味では、それで全部決まったわけじゃないんで、いろいろと議論がこれから更に進む中で、日本もそのときにいろんな決め方をすると思うんです。それが実態だと思います。今回、イギリスが賛成に回ったんでしょう。アメリカと豪州とカナダは投票権ないから、だから、そういう中での話だから、今、また次の会合でどういうふうにするかというのは議論したらいいと思うんです。今回は総理の言われたとおりという決め方です。

(記者)朝日新聞の川田と申します。昨日の岸田首相の会見で、COP26について、オンラインでの参加も含めて、出席の仕方、対応の仕方を検討しているということですが、大臣としては首相に出席してもらいたいと考えているのか、また実際に首相にそういったことを求めたりとかはされているのかというのを教えてください。
(大臣)COP26が大事な会合だということは、誰もみんなそういう理解ですから、そういうことであればいろんな首脳が集まるというこの機会に岸田首相にも行っていただきたなというのは、もちろん私もそう思います。他方、日にちが11月1日というふうに聞いていますから、日本とイギリスというのはそれなりに距離がありますので、行くとしたら10月31日の投票日の日に出発しなきゃいけないんじゃないかなという気もするんです。それは実際どういう状況なのか、総理がいろいろと工夫されるんだと思いますけれども、何らかの形で出席されるという趣旨が、オンラインでの参加ということを含めてということだと思うんですね。できれば行っていただきたいけれども、それはいろんな意味で、政治的な背景というか、状況も踏まえて決断されるんだと思います。

(記者)北海道新聞の大澤です。福島対策地域内の高濃度PCB廃棄物処理について、室蘭市内での住民説明会の日程が決まりましたけれども、改めまして住民の不安の声に環境省としてどのように応えていくのか、あともし搬入の時期などの見通しもありましたらお聞かせください。お願いします。
(大臣)福島第一原発の事故によって福島県の対策地域内に残されている高濃度PCB廃棄物のうち、放射性物質による影響がないことを確認できたものについては、福島の復興を進めていくため、JESCO北海道事業所で処理するという方針を今年3月に公表させていただいて、住民の説明会でも説明させてもらってきた次第ですね。この話は地元の御理解あってのことですから、したがって11月の2日と3日に住民説明を開催させていただくということも既にお伝えさせていただいていると思うんです。この環境省の考え方、あるいは搬入されるPCB廃棄物の放射性物質の確認方法、こういうことを丁寧に説明をさせていただきたいなというふうに思います。他方、搬入の時期、あるいは具体的な事項等については関係される方々の理解を得た上で調整させていただきたいなという考えです。そういうふうに理解していただければと思います。

(記者)環境新聞の小峰です。お時間がなさそうですから、手短に聞かせていただきます。 大臣がこの記者会見場にですね、今の席にお着きになる前にですね、そこに大臣の右後ろに日章旗がありますが、これに対する礼をしなかったというふうに今見えましたけれども。
(大臣)申し訳ない。気がつかなかった、見えなかった。
(記者)何か別な国旗に対する礼をしないとか、そういう意図とかそういうことじゃないんですか。
(大臣)もちろんありません。
(記者)そうですか。じゃあ次からきちんと礼をするということでしょうか。
(大臣)任せてください。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/sofnGZG_-Yc

(以上)