大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和3年10月12日(火)9:31~9:41 於:衆議院本会議場正玄関側)

1.発言要旨

おはようございます。よろしくお願いします。本日、私から発言させていただくのは、2点です。1つは、ジョン・ケリー、アメリカの気候問題担当大統領特使との会談について。それから2つ目は、生物多様性条約第15回締約国会議についてです。1つ目のジョン・ケリーさんとの会談は、8日の金曜日の夜、アメリカのジョン・ケリー気候変動問題担当大統領特使と電話会談を行いました。COP26の開催が迫る中で、就任後早い時期に、ケリー特使から電話いただいて、直接お話しすることができ、非常によかったと思います。引き続き、COP26に向けて、日本とアメリカが協力して対応できるように、緊密に連携していこうということになりました。生物多様性条約第15回の締約国会議については、昨日から、COP15第1部が、中国の昆明で開催されています。今日の夜の閣僚級会合、ハイレベルセグメントで、私もオンラインで参加して、次の2点について発言をする予定です。1点目は、生物多様性分野における新たな世界目標として議論されている、ポスト2020の生物多様性枠組みについてです。新たな世界目標で、その生物多様性の損失を止め、回復に向かわせるために、野心的なものにしなければならないと思っています。そのため、2030年までに、陸と海30%を保全・保護するという、いわゆる「30 by 30」を世界目標に含めるということを目指したいと思います。G7から、このCOPの大きな枠組みということですね。2点目は、我が国のコミットメントについてです。途上国による生物多様性国家戦略策定への支援、あるいは我が国の国内における「30 by 30」の実現といった、そういうコミットメントを表明して、世界目標の議論を後押ししたいと思います。今回、コロナだからしょうがないんですけれども、オンラインということで、その国際会議、本当は顔を合わせて、実際に肌の温度を感じながらいかないと、ケミストリーがなかなか反応しないという面はあるんですけども、でも、いろんな工夫してこうやって国際会議やるということの意味は大きいと思います。私的には、本当は顔と顔を合わせてやりたいところですけれども、とりあえず形としては、一番最初の国際会議ということになります。きちんと日本の立場を表明させていただきたいと思っています。詳細については、今日、事務方のほうから説明会を予定していますので、そちらのほうにも是非御参加いただければと思います。以上です。

2.質疑応答

(記者)幹事社のフジテレビの安宅です。このCOP15について、国際社会の中で議論を進める、日本としてどのような立場で、今回の議論に臨んでいきたいか、その1点ともう1点だけ、大臣として初めてのこういった国際会議になります。そこに向けたお気持ちの部分も併せてお願いします。
(大臣)この日本のCOP15に対する関わりということでは、日本が10年前に愛知目標ということもやったわけですから、そういうものを受けて、その後、どうするかということで、何か1つの大きな目標的なものに続くものできればいいなと思っています。その間、日本は「SATOYAMAイニシアティブ」というようなものもやってきましたんでね、そういう点での貢献も大きなものがあったと思います。物心両面の貢献やってきたと思いますので、そういう立場から、引っ張っていければ、あるいは後押しできればというふうに思っています。あともう1つ。
(記者)大臣自身の初めての国際会議で。
(大臣)あまり初めてっていう感覚なくて、そういう意味では、今までの私自身の経験とか、あるいは感覚とか、そういうものがまた生きるように。今回、中国でということでいろいろな見方があると思うんですけどね、やっぱり環境というのは、この世界をつなげるという大きな意味がありますから、このつながることによって、いわゆる平和というものもできてきますんでね、「環境問題に国境なし」というところがあると思います。資本主義のいろんな限界が言われる中で、この地球環境問題というのも、その1つでしょう。だから、どういうふうにみんながつながって、解決に向けてコラボしていくか、力を合わせていくか、そういう意味では大事なことだと思いますんでね、オンラインでの助け借りながらとかいろんなことを工夫しながら、参加させていただきたいなと思っています。

(記者)毎日新聞の信田です。生物多様性日本基金のことで伺いたいんですけれども、2011年に6,000万米ドル拠出、これ10年間でだと思うんですけれども、今回2,700万ドルというのも次の10年間の規模ということでしょうか。それはつまり、減額ということになるんでしょうか。
(大臣)詳しいことはまた説明があると思いますから、そっちのほうで聞いていただいたほうがいいと思います。数字の多寡というよりも、やはりどういうふうに日本がそれに関わっていくかということがポイントだと思いますから、そこは減った増えたという話じゃなくて、どういうふうに日本が枠組みについても関わっていくか、その中でJBFというものをどういうふうに続けていくかというふうに捉えていただいたほうが、日本の気持ちが、数字が減ったから気持ちが減ったということではないというふうに理解いただければどうでしょうか。

(記者)時事通信の武司です。ケリー特使との会談なんですけれども、COP26に向けてどういったところを特に協調していこうということだったでしょうか。
(大臣)お互いに内容をそのままにしておきましょうということだから、そういう意味で詳細について少し控えなきゃいけないかもしれませんけれども、やはりいろんな国がいろんな立場がありますんでね。先進国、途上国という中でいろんな立場があるから、その辺を乗り越えてどういうふうに1つの心合わせができるかと。それについてお互いやれることをやりましょうという話ですね。
(記者)途上国の対策を強化できるようにということでしょうか。
(大臣)途上国との心合わせがこの気候問題、一番ポイントの1つですからね。そういう途上国の中にもいろんな立場があるわけだから、その辺1つ1つ国の状況を思い浮かべながらお互いやっていきましょうということですね。ものすごくケリーさん、もう30年以上ですかね、この環境問題やってこられて、自分自身の専門的な見識、あるいは知識大きいと思うんです。そういう意味では、私自身が今回、環境大臣という仕事を引き受けさせていただいて、「一緒にどうやってやっていこうか」という気持ちで電話いただいたんだと思うんです。日本とアメリカはいろんな意味で協力していますけれども、この国境なしの環境問題でそうやって話をしていくってことは大きいし、いろんな多岐にわたる問題の中で今回はやっぱりケリーさん、自分の長いキャリアの中でリーダーシップ発揮したいという気持ちもあるだろうし、それを私がどこまで一緒に頑張れるかなというところもあるでしょうから、そういう話をさせていただきました。

(記者)電気新聞の匂坂と申します。先週の岸田首相の所信表明のことで恐縮なんですけれども、首相が演説の中でクリーンエネルギー戦略の策定に向けて意欲を示されましたけれども、温暖化対策を成長につなげるという観点で。とはいえ、エネルギー基本計画を改定したばかりですとか、グリーン成長戦略もある中で、新しいクリーンエネルギー戦略というのはどういったものを政府としては作ろうとしているのでしょうか。
(大臣)政府の立場ってはっきりしていると思うんですよね。長期的に2050のカーボンニュートラリティがあって、その間、2030までに46なり50の温室効果ガスの削減があって、そういう中で最大限にこの再生可能エネルギーを導入していくことができることによって、いろんなポリシーミックスの状態というのができていく。その再生可能エネルギーを一番のポイントに考えていくということが1つの大きな話だということが、そこははっきりしていると思うんです。その中でおっしゃったことだと思っています。
(記者)現時点で環境省に具体的な何か指示とかは下りてきていますか。
(大臣)いろんな事務方ではあるんでしょうけれどもね。いろんな役所と連絡取り合ってやってますから。ただ、私的にはそういう大きな枠組みの中で捉えさせていただいています。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/In8DBJUtQmw

(以上)