大臣談話・大臣記者会見要旨

務台副大臣・大岡副大臣・穂坂政務官共同記者会見録(令和3年10月7日(木)11:15~11:40 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

(務台副大臣)皆さん、初めまして。環境副大臣、それから原子力防災の内閣府副大臣を拝命しました務台俊介です。今日から仕事始めということですが、環境行政はですね、これまでは経済と若干対立するような局面にあった、そういういうふうに思っていますが、これからは経済を組み込んだ環境行政をしていかないと経済は成り立たない、そういう意味では環境行政がステージアップしていくその局面に、我々今入り込んでいる、そんなふうに思っておりまして、職責をしっかりと果たさせていただきたい、こんなふうに思っております。未熟者でございますが、どうかよろしく御指導いただきたいと思います。本日はありがとうございます。

(大岡副大臣)改めまして、皆さんこんにちは。今回、環境副大臣を拝命いたしました衆議院議員、滋賀県、滋賀1区の大岡敏孝でございます。どうかよろしくお願いいたします。 私もこれまで環境に関わる仕事を幾つか申し上げますと、1つは生態系ですね。政治家としてやってきた仕事で申し上げますと、生態系を守る活動、それから原子力発電所リプレイス、再稼働を進める仕事、こうしたことは政治家として取り組んでまいりました。また、環境部会の会長代理をやってまいりましたので、それまでに培ってきたことをしっかりと発揮できるように頑張ってやっていきたいと思っております。幾つか抱負として申し上げると、1つは環境というものの意識、国民の意識、国際的な意識、変わりつつあるし、理解が進みつつあるんだけれども、環境というのは、やっぱりこの、いろんな価値観がありますよね。1人1人の価値観がある、多様な価値観がある。この環境の多様な価値観をできるだけ国民の皆様が納得できる形に、納得感のある環境行政を作っていきたいというふうに思っています。例えば、人によってはソーラーパネルはたくさん貼って再生可能エネルギーを作ったほうがいいという方もいるし、それを作るために森林伐採をするので、いや、森林のほうが自然に優しいじゃないかと、森林を伐採してまでソーラーパネルを作るべきではないという方がいらっしゃいます。だとすると、どこに妥協点が見つかるのかということを、しっかり私たちが、皆さんの納得感がある形でですね、行政をやっていくということが大事だと思っております。そうした多様な価値観、多様な選択肢をしっかりと国民にお示しをして、選択肢をちゃんと作っていきたいと思っています。2つ目は、環境省だけで環境問題を取り組むわけではありません。御存じのとおり、環境省には省益はなくて国益があると。国民全体がこの環境政策のメリットを恵与しないといけないということを常に考えています。したがって、環境省だけではなくて他省庁としっかり連携して、他省庁の持っている政策も環境の視点を必ず入れてもらえるように、環境の目から見たときにプラスなのかマイナスなのか、今、目の前だけじゃなくて、5年、10年たったときに、環境の視点から見たときにトータルでプラスなのかマイナスなのか、こういったことを全ての省庁の様々な政策に視点として入れてもらえるような取組をこれからやっていきたいと思っております。全力で働きますので、また皆様から様々な御意見、様々な声、聞かせてくださいますようによろしくお願い申し上げます。

(穂坂政務官)皆様こんにちは。この度環境大臣政務官、内閣府大臣政務官を担当いたします、衆議院議員の穂坂泰です。埼玉4区から選出されました。今、副大臣の皆様がおっしゃったとおり、環境行政、経済であったり、外交であったり、また防災であったり、非常に重要な分野だというふうに思っております。大臣、副大臣をしっかりと補佐をしながら、この環境行政がステップアップしていくようにしっかりと頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2.質疑応答

(記者)環境新聞の記者の小峰と申します。ちょっと、トップバッターで恐縮ですけれども、本紙環境新聞は、靖國神社で英霊に哀悼の意をささげることのない政治家は、日本国及び世界の環境保護を訴える資質はないと見ています。そこでお3人にお尋ねします。お3人はそれぞれこれまで靖國神社に参拝したことはありますか。また、あるとしたならば、副大臣、政務官になられても、今後、靖國参拝を行いますか。以上です。順にお願いいたします。
(務台副大臣)私は、春秋の例大祭に参加させていただいております、今年まで。そして今後についてもですね、個人としてしっかりと判断していきたいというふうに思っております。なお、私は長野縣護國神社の総代会長もさせていただいておりまして、英霊に対する敬意をしっかり表していく、当たり前のことだと思っております。ありがとうございます。
(大岡副大臣)私も例大祭に参加しておりました。今年は、でも、コロナで行かなかったと思いました。ちょっと今言われて、記憶が定かじゃないですけど、今年はコロナで行かなかったと思います。去年は行っています。そんな感じで参拝させていただいております。政府としてはですね、偉い方に聞いていただきたいと思っておりますけども、個人としてはこれからもその都度様々なことを判断して行いたいと思っております。
(穂坂政務官)ありがとうございます。私も例大祭を始め、様々な場面で参拝はさせていただいております。今後も、個人として、しっかり判断をして対応していきたいと思っております。
(記者)ちょっとすみません、更問で、難しい話ではないのですけども、私は記者としてですね、いつも大臣、総理を始めですね、この日の丸に対して、まず礼をしてから会見に臨むのが礼儀だと思っております。それで、この礼の心が入っているかどうかで見て、この政治家の資質を見ようと思っていますけども、今日はばたばたしているので、恐らく礼は皆さん欠かされたと思いますけども、今後、環境新聞としてはしっかりと礼をしていただきたいということを要望いたします。以上です。

(記者)読売新聞の山波と申します。本日はありがとうございます。各副大臣、それぞれ御担当の施策業務等を、述べられた方もいらっしゃれば、環境省の副大臣としての全体の抱負を述べられた方もいらっしゃると思いますので、改めてそれぞれ御担当に対して、その関連のある施策に対して抱負をおっしゃっていただければと思います。よろしいでしょうか。お願いいたします。
(務台副大臣)務台ですが、担務がそれぞれ分かれております。ただ、環境省全体として、皆さんがそれぞれ補完してやっていくということでございます。私は、環境省の中で特に健康被害とか原子力防災とか、そういうことも手がけさせていただく、水俣病の話もあります。まだ、十分ですね、所管業務の説明を受けていないんですが、立場としては全体をしっかり見据えて自分の担当分野を深めていく、そんなことをやっていきたい、そのように思っています。ありがとうございます。
(大岡副大臣)私も、さっき申し上げたとおりなので、基本的な考え方はそういう視点でやらせていただきたいと思いますので、項目ごとに質問していただければ、それぞれに対する私自身の考え方をお伝えするようにいたしますので、遠慮なく聞いてください。
(穂坂政務官)私は務台副大臣の下で同じ業務を主たる業務としてやらせていただきます。しっかりと補佐できるように、微力ながら頑張っていきます。

(記者)テレビ朝日の川﨑といいます。よろしくお願いいたします。お3方にですね、エネルギー電源としての原発をどう考えてらっしゃるか伺いたいんですけれども、よろしくお願いいたします。
(務台副大臣)再エネをね、主力電源として、できるだけ再エネを進行する。それだと思います。原発については、それを補完するエネルギーとして当面使っていくということであり、その方向が正しいというふうに理解しております。
(大岡副大臣)私は先ほど申し上げたとおり、電源の多様性というのも非常に大事だと思っていてですね、どれか1つに依存するというのはよくない。したがって、原子力も火力も水力もソーラーも風力も地熱もと、こういうバランスのいい電源構成が一番望ましいと考えています。原子力発電所の再稼働とか新築とか、こういった話はですね、環境省だけで当然決められることではございませんので、私からは申し上げることはできないんですけど、ただ1つはっきり言えることは、私は原子力の未来を信じている、原子力の未来の可能性も信じているということは、はっきり申し上げたいと思います。
(穂坂政務官)ありがとうございます。繰り返しになるかもしれませんが、やはり私も再生可能エネルギー、これを環境省として中心として進めていきたいと思っています。
(記者)すみません、大岡副大臣にちょっと伺いたいんですが、今、将来を信じているということだったんですけれども、それは減らしていくとかそういったことなのか、それとも維持する、あるいは発展的に考えているということなのか。どうでしょうか。
(大岡副大臣)私は、今の短期的あるいは中期的な目標はですね、政府が言って、今回のエネ基とかでも議論していますですよね。それはそれと。その先はどうなんだということを考えると、私が原子力の可能性を信じているということは、発展的に信じているということです。

(記者)先ほどは失礼しました。読売新聞の山波と申します。今月、環境の関連で国際的な会議等が多数あります。まず、生物多様性のCOPのほうがオンラインで開幕しますし、月末ですと、気候変動に関連するCOPのほうが、いよいよ開幕となります。そういった国際的な場がある中での環境省として、それぞれまず生物多様性と気候変動への取組については、何かお考えがあれば、お願いいたします。
(大岡副大臣)これは私から。まず、生物多様性につきましては、先ほど少し冒頭の抱負で申し上げましたけれども、私自身も生態系を守る議員連盟ということでですね、これ、小渕優子議員が会長でございますけれども、ずっと活動しておりまして、生物の多様性を守るということは、私は重要な環境の価値観、先ほど申し上げた価値観の中の1つと捉えていますので、ここは力を入れてやっていきたいと思っています。今のところですね、もうよく御存じだと思いますけれども、COP15が近くオンラインで開催されるということでございますので、大臣がどうされるのか分かりませんけれども、できれば大臣に頑張っていただきたいなと思っております。それから、来月の頭のCOPはですね、これは当然我が国としてですね、どういった取組をするのかということでございますので、環境省が中心的に頑張りたいと思いますけれども、やはり岸田総理のですね、強いメッセージを世界に向けて出していただきたいと私は願っております。

(記者)電気新聞の匂坂と申します。よろしくお願いします。3人の皆様にお伺いしたいんですけれども、2050年のカーボンニュートラルと、2030年の温室効果ガス46%削減に向けてですね、どういったことが課題と認識されているかということと、どういった取組をしていきたいかなど、お考えをお聞かせいただければと思います。
(務台副大臣)2050年カーボンニュートラルで、菅総理が本当にすばらしい決断をしていただいたというふうに思っています。温室効果ガスの46%の話もですね、本当に目標としては相当高い目標だというふうに思います。これ、どうやって実現していくか、その手法についてはですね、相当国民生活、経済生活、経済活動にも多大な影響が生じるものというふうに思います。我々1人1人の生活者としても、本当に生活のスタイルを変えなきゃいけない、そういう事態が想定されます。それをどのように、みんなで痛みも含めて、どのようにこれを実現していくか、しっかり考えていかなきゃいけないんで、他人事ではなく、1人1人の国民が自分のこととして受け止める、これをしっかりやっていくことが、今のところ重要だというふうに思っています。
(大岡副大臣)務台副大臣言っていただいたとおりなんですけれども、多分、何か犠牲にしていただかないといけないものも出てくるんじゃないかなと思うんですけれども、私たち、やっぱりそのときに考えないといけないというか、国民にちゃんとですね、向き合って説明しないといけないのは、何をどれだけ犠牲にするということに、国民は納得感を持っていただけるのか、というところだと思います。最初に申し上げたとおり、環境に対する価値観ってすごく多様です。それをどこまで受け入れていただけるのかということを私たち、国民とですね、ちゃんと向き合って、逃げずにですね、説明していかないといけないと思っています。相当高い目標ですから、なりふり構わずやらないといけないという部分があるのかもしれないけれども、私は、そのなりふり構わずやるというのが正しいかどうかということは、やっぱり折に触れて、国民との対話を通じて考えていかないといけないと思っています。よく、官僚の人たちに対する私たちの価値って実はそういうところもあってですね、官僚の皆さんって、みんなね、まあ務台先生もそうだけど、難しいテストを受けて、東大を受かって、官僚になってと。なりふり構わず受験勉強してきた人、多いんですよ。高校時代に失ったものも多くてね。でも、その大きな目標のために頑張ってきたと。でも、それが、失ったものの大きさと得たものの大きさってどうなんだろうって、これ、人それぞれの価値観があるから、だから、そこは、よく国民と対話して、議論したいというかですね、もちろん、一生懸命やります。一生懸命やるけど、どこまで許してもらえるの、というところは、ちゃんとやらないといけないと思っています。
(穂坂政務官)ありがとうございます。私も46%の目標は、かなり厳しいところにあると思っております。だからこそ、今までの延長線上ではなく、具体的なことをいろいろ考えていければな、というふうに思っています。そしてまた、何よりも、国民の皆様の行動や意識にしっかりと訴えかけられるような、やっぱり納得というのは非常に大事だな、そんなふうに思っております。以上です。

(記者)信濃毎日新聞の実延です。務台副大臣にお尋ねします。代議士の活動として、山岳関連やバイオマスといった活動をライフワークされているかと思いますが、日本の自然環境を生かした環境行政についてどのようにお考え、進めていきたいか、その辺りの所感、意気込みをお願いします。
(務台副大臣)ありがとうございます。日本の自然環境は、本当に世界に冠たるものだと思います。四季の中で、例えば私の選挙区はスキー場がいっぱいありますけど、首都圏からこんなに近いところでスキーができるなんてね、本当にまれなことだというふうに思います。これまでどっちかというと、国立公園の中は、利用が非常に制約されていたというふうに感じています。ヨーロッパの産業リゾートを見ると、本当に上のほうまで登山列車があったりして、こういう使い方があるんだということがあるんで、まあ環境行政も、これまではどちらかというと保護とか規制でやってきた嫌いがあると思うんですが、できるだけその活用、それは国民のためになるんだということ、それから保護の、両立ですよね。これを目指していくことが地域を元気にすることにつながる、このように思っておりまして、私は、山小屋の関係者とか、スキー場の関係者とか、そういう声もしっかり聴いて、環境行政との両立を図っていきたい、そんなふうに思っています。