小泉大臣記者会見録(令和3年3月19日(金)8:35~8:47於:衆議院本会議場正玄関側)

1.発言要旨

 今日は環境省関連の閣議の案件が1件ありますので、そちらを御報告をします。それと、二つありますから、短く紹介させていただければと思います。
 まず、今日の閣議で環境省組織令の一部を改正する政令が閣議決定されました。今まで地球環境局国際連携課が担ってきた海外広報について、昨年8月に取りまとめた「選択と集中」に関する報告書を踏まえて、国内外の広報に関する業務を大臣官房総務課広報室に一元化するために必要な改正を行うものであります。また、現在国会で審議中でありますけども、令和3年度から大臣官房総務課広報室に海外広報専門官の増員が認められる予定でありますので、現在、人選を含めて必要な手続きを進めているところです。今年、国際対応方針でCOPの成功とか日米の連携、そしてインド太平洋の脱炭素移行支援、こういったポイントを挙げましたけど、必要な国際広報力の強化をしっかりやっていきたいと思います。
 そして、2件あるうちの一つが住生活基本計画、そして3次補正の公募開始、これについてであります。今日の閣議でこの住生活基本計画の見直しが決定をされました。2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けて、住宅の省エネ性能の義務付けなど各種規制措置の強化とともに、太陽光発電が付いたネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、通称ZEH(ゼッチ)というふうに言いますが、私からすれば、それは太陽光パネル付き住宅、分かりやすく言うと。これがこれから急激に増えてくると思います。断熱性能の低い既存の住宅向け対策の充実などに関するロードマップの作成といった内容も盛り込まれています。カーボンニュートラルに向けては、住宅分野の脱炭素化が不可欠です。今後、地球温暖化対策計画の見直しの議論と併せ、国交省、経産省と連携をして具体的なロードマップの作成に向けて議論を進めていきたいと思います。同時に住宅の脱炭素化を進めるために、来週23日火曜日から断熱リフォーム支援事業と、このZEH支援事業の公募を開始します。この冬、コロナで自宅で過ごす時間が増えて、住宅の断熱性能、そしてそれを上げることが快適性の向上につながるということも痛感された方も多いと思いますので、この機会にこの予算、補助金を活用いただきたいなと思います。
 そして最後になりますが、今日は二つのCOPのうちの一つ、COP15に向けて、これは生物多様性の方ですが、2点お話ししたいと思います。1点目が、今日公表する「生物多様性及び生態系サービスの総合評価2021」、これは通称JBO3というふうに言われるんですが、これについてです。これは日本の生物多様性と自然の恵みの現状を把握するもので、環境省の職員の言葉を借りて言うならば、日本の自然の人間ドックのようなものだということです。今回が3回目です。今回の報告を受けて感じたことは、社会を生物多様性に配慮した製品が選ばれる社会、また都市部や里地、里山などの生物多様性が回復する社会に再構築、リデザインしていくことが必要だということです。例えば、チョコレートとかシャンプーといった製品には、海外から輸入されたカカオやパームオイルが使われています。生物多様性に配慮した生産方法にしないと、海外の生物の絶滅につながりかねません。つまり、我々が当たり前に食べているチョコレート、そして当たり前に使っているシャンプー、その中に使われているカカオやパームオイルの開発によって海外の森林とか自然環境が破壊され、生態系の破壊につながっている可能性がある。こういったことが商品として、消費者の選択として、そういうことなく配慮された製品が選ばれる社会にしなければいけないと思います。1月に私は、「2030年までに地球上の陸と海の30%を保護」する、こういった方向性を目指す生物多様性の国際野心連合に日本が参加することを表明しました。このためには国と自治体の取組に加えて、民間の企業の緑地などの生物多様性保全への貢献を認証する制度を構築することも重要だと考えています。今後、生物多様性の回復に向けたロードマップを作成して、生物多様性条約COP15に向けて発信したいと思います。その関連で2点目は、今日開催される生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)の第11回委員会について、私も出席予定です。今日はUNDB-Jの活動期間をCOP15まで延長することと、COP15の後に立ち上げる新たなプラットフォームについて議論をする予定です。このUNDB-Jの主要メンバーは経団連であります。昨年11月に「生物多様性ビジネス貢献プロジェクト」を行うことで合意しましたので、今後とも経団連の加盟企業を含めて、日本の企業が持っている生物多様性についての国際的に売れる、発信できる、そういったことを共に強化して連携を深めていきたいと思います。
 冒頭、今日は私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)朝日新聞の戸田です。福島の関係で、除染で発生した土の再生利用について省令改正を検討していますが、昨年度末にパブコメで反対意見が多いことなどからいったん改正を見送りました。1年たって改正に向けた検討状況はどうなっているのか教えてください。
 もう一つは、LINEの情報管理について、個人情報が中国の業務委託先から閲覧可能になっていた問題がありましたが、その受け止めと、大臣自身はLINEを仕事でどう使っているのか、もしくは利用の仕方を再考することがあるのかなどあればお願いします。
(大臣)まず1点目、省令改正についてはスケジュールありきではなくて、専門家の皆さんや実証事業に協力いただいている地元の方々、こういった皆さんの御意見も丁寧に聞きながら検討していきたいというふうに思います。この再生利用を私は何とか進めたい、そういうふうに思いますが、やはり進めるに当たって大事なことは地元の方々の御理解、御協力、これなくては進みませんので、そこはしっかり丁寧にやりたいと思います。
 2点目のLINEですか、これについては、仕事ではLINE WORKSを使っています。
(記者)使い方とかの再考は。
(大臣)現状今、把握している限り、そこについては今は問題ないというふうに聞いていますが、いずれにしても、こういった様々報道はありますが、会社側からの説明もあると思いますし、そういったことを踏まえてしっかり適切に対応していきたいと思います。

(記者)読売新聞の山下です。PCBについて伺います。環境省の調査で全国で2000を超す大規模施設からPCBが検出されたという調査結果が出たのですけれども、その受け止めと、令和9年までに政府はすべて処分方針を掲げていると思うのですけれども、今後の対応策について伺えればと思います。
(大臣)今述べていただいたとおり、令和9年3月までに処分などを行う必要がありますので、早期に処理を進めていきたいと思います。そして、これを達成するために、令和2年3月末時点の進捗状況を取りまとめています。その結果、令和2年3月末時点で1万279施設においてPCB濃度の把握は行われていて、調査が着実に進捗しているものと認識をしています。このうち約8割の施設においてはPCB廃棄物に該当するものがなく、残り2割の施設においても低濃度のPCB廃棄物であることが確認されていますので、環境省としては今後も継続的にPCB含有塗膜の調査を行って実態把握に努めて、施設の管理者に対してその処理を促していきたいと思います。また、今後について改めてどうするかということでありますが、環境省は令和元年12月に制度改正を行って、環境大臣による無害化処理認定を取得した施設において処理できる低濃度PCB廃棄物の範囲を拡大して、処理体制を強化しています。引き続き令和9年3月まで、この期限を守れるようにしっかりと進めていきたいと思います。

(記者)新潟日報の遠藤です。東京電力柏崎刈羽原発について伺います。テロ対策の不備の件で規制委から最悪の評価を受けました。この不祥事が続く東電の体質をどう思われているのか。今回のことで再稼働が全く見通せない状況になっておりますけれども、政府はカーボンニュートラルに向けて原発を活用する方針を掲げていますけれども、そこに与える影響について大臣の御所見をお聞かせください。
(大臣)まず今回、原子炉の起動準備に関する手続きは当分の間保留することとして、施設の保全措置、施設の安全性や核物質防護の維持、又は向上に資するものに限って所要の審査や検査の継続、手続きを進めるという判断がなされたと承知していますが、環境大臣の立場としては、原子力規制委員会の所掌に関することでありますから、規制委員会においてしっかりと対応いただくものだと認識をしています。その上で、私もこういった問題を目にするたびに改めて福島の教訓を、10年という中で改めて様々我々振り返る中で、決してあの事故の教訓を忘れてはならないと。そういった中、私は問われているのはやはり東電だと思います。私も日ごろからいろんな方と意見交換をします。その中である方の言葉が私は非常に印象的でした。それは、この新潟県の県民の皆さんにとって、原発に対する賛否もあるかもしれませんが、同時に東電に対して、東電を信用できるかどうか、つまり原発問題だけじゃなくて、東電問題なんだと、こういった言葉は私は非常に重いなと思います。あれだけの事故があって、今も避難している方が多くいて、そういった中にもかかわらず、テロ対策、安全対策、そして地域住民の皆さんに対する信頼、こういったことが確立できなければ、私はこれは東電に限らず、一般論として言えば、そういった組織に未来はないと思います。

(記者)フジテレビの三上です。先ほど太陽光パネルの設置の件でお話があったのですけれども、この間の国・地方脱炭素のヒアリングのときでも太陽光パネルの設置義務化を検討しているとおっしゃっていましたけれども、その辺もこの中に入っているのか、どういうスケジュール感でやっていくのでしょうか。
(大臣)今回、基本計画の中で閣議決定された中には、これから省エネの適合義務とか住宅の性能表示、こういったものについても義務付けを含む形でしっかりと閣議決定されています。ですので、今後、私の中では、例えば自動車分野で言うと2035年以降は新車販売はすべて電動車ということになっているように、日本の中でも住宅分野において何年以降は必ずZEHとか、何年以降に建てられる集合住宅については必ずEVの充電器が設置されている、そして何年以降はパネルが据えられる、そういったことにつながっていかなければカーボンニュートラルは実現できないし、裏返して言えば、都市の屋根というのは脱炭素、再生可能エネルギーを供給する場所としてもポテンシャルを多く占めていますので、そういった方向につながるように、引き続き政府全体の中でコミュニケーションを取っていければと思っています。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/JBQdyP4Y2bs

(以上)

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