大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年12月1日(火) 8:52~9:22 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日は冒頭は1件です。気候変動影響評価報告書についてですけど、まずはこれからいきたいと思います。昨日、中央環境審議会の会長から気候変動影響の評価に関する答申がなされました。この答申を踏まえて、我が国における気候変動の影響を総合的に取りまとめた報告書を気候変動適応法に基づいて初めて作成して、今月中に公表する予定です。先週、国会で気候非常事態宣言決議がなされましたが、気候危機とも言われる状況の中で、気候変動は様々な分野に重大な影響を与えていて、対策は急務です。どんな状況がこれから気候変動によって予想されるか。これは、例えば2081年から2100年の期間まで、今世紀中ですけど、日本沿岸では、気温が2度上昇した場合は約0.4メートル、4度気温が上昇した場合は約0.7メートル海面水位が上昇して、それに伴って、2度上昇では62%、4度上昇では83%の砂浜が消失すると、こういう予測があります。より具体的に地名を挙げてそのリスクを紹介すると、海面水位が0.3メートル上昇すると伊豆半島などで、0.6メートル上昇すると相模灘や伊勢湾などで砂浜が100%消失する、そういう予測もあります。つまり、気候変動対策の強化をしなければ、今世紀中に伊豆半島、相模灘、伊勢湾、こういったところの砂浜がすべてなくなる可能性があるということであります。砂浜がなくなることで、漁業、農業、レクリエーションやスポーツ、こういった様々な分野への影響が懸念されます。また、水温が高くなることで、例えば既に青森県ではホタテ貝の大量死、そして広島県ではカキの死ぬ割合の上昇、茨城県の霞ケ浦でもワカサギが死んだことが報告をされています。今後も水温の上昇によって、このような食卓に上がる水産物への影響が懸念されます。なお、日本を含む複数国を対象とした調査では、極端な高温、低温によって少なくとも1年間分の寿命が短くなると、そういう可能性を指摘する文献も見られるということです。このほかにも答申では、農林水産業、自然生態系、自然災害、健康や産業など、多岐にわたる分野における影響を扱っていて、自治体や企業の方々にはそれぞれの分野での影響の把握や対策の検討に役立てていただきたいと考えています。来年度には気候変動適応計画を改定して、想定される影響を踏まえた気候変動対策に万全を期していきたいと思います。今日は冒頭、私からは以上ですので、幹事社さんから質問がありましたらお願いします。

2.質疑応答

(記者)日本テレビの川崎です。今の気候変動のお話しについて、もう少し詳しく教えてください。地球温暖化による深刻な影響だと思います。対策を急ぐといっても簡単にできるわけではないと思います。今後に向けての大臣の思いをもう少し聞かせてもらってよろしいでしょうか。
(大臣)今紹介したものについては、最新の科学的な知見を総合的に取りまとめたものです。これを効果的な気候変動対策に反映させていきたいというふうに思います。先ほど言ったとおり、来年度には気候変動適応法に基づいて気候変動適応計画を改定する予定としています。また、この報告書は、気候変動への適応のみならず、気候変動の緩和の推進にも欠かせない知見であります。この報告書を様々な場面で活用して、気候変動対策の必要性について分かりやすく発信していきたいと思います。また、これから様々な場が予定もされていますので、そういった場でもこういった事例を紹介しながら、例えば先ほどの漁業に関することなども、先日、水産庁から話を聞きました。そのときの例も非常に変化が分かりやすく、漁業者の皆さんに気候変動は自分たちの問題だと感じていただきやすいんじゃないかなという例が幾つかありました。ブリが今まで捕れなかった、なかなか揚がらなかった北海道でブリが揚がっていることもそうですし、サンマも沖合まで出ないと捕れなくなった。このことによってより油を使うわけですし、コストも掛かる。そしてそれが家計に、サンマの値上がりという形で、今まで値頃な選びやすい価格だったものが、だんだんサンマが高くなってきた。これは家計ですごく感じられることだと思います。これもやっぱり沖合に行かなきゃいけないことが一つの要因です。そしてまた南の方、西の方に行けば、今までいなかったナルトビエイというエイが水温の上昇によって南の方から日本の方に上がってきて、瀬戸内海、そして九州、有明海、こういったところでアサリを食べ尽くすような、そういったことが起きている。こういった一つ一つ、それぞれの分野にとっても、自分事になりやすい事例というものを共有することで、「ああ、気候変動って、別にカーボンニュートラルは30年後の話じゃなくて今のことなんだ」と、そういうふうに思ってもらえる一つの大事な素材だと思いますので、この科学的知見をしっかりと政策にも生かしていきたいと思っています。

(記者)共同通信の水内です。脱炭素社会に向けたライフスタイル転換のうち、食、食べることについて伺います。食品ロス削減対策を進める考えを示していると思います。また、畜産業からは大量の温室効果ガスが排出されると指摘されて、海外では肉食機会を減らして菜食を取り入れるといった動きが、日本と比べて活発だと思います。国内でも同様の動きが広がっていて、マーケットも拡大中ではありますけれども、この脱炭素と肉食減、菜食の関わりについて、大臣御自身の御関心や、広がりへの期待があるかどうか、環境省として何か取り組まれるというか、お考えも含めてお聞かせください。
(大臣)まず食。これについての気候変動との関係というのは、密接不可分なものは、環境省はライフスタイルをカーボンニュートラルに向けて変えなければいけないという中で、食に起因するものが約12%、このカーボンフットプリントで、12%を占めているという報告もありますので、この食をどのようにより持続可能な方向に変えていくか、これが不可欠なポイントなのは間違いありません。ですので、環境省はこの食品ロス、これの削減にも取り組んでいるのは、まさに日本というのは大量の食料を海外から輸入して、しかもそれを大量の量を捨てている、無駄にしている、こういったところを何とか変えなければいけない、そういったことは多くの方が実感をしていることだと思います。その観点からも、今、持ち帰りを推奨する取組であるmottECO(モッテコ)、新しい名称を決めて、そしてこれからそれをいかに社会に普及させるかを考えているのもまさにそういった観点であります。そして今、社会の中でも様々な取組が進んできたと思います。最近コンビニを見ても、今、例えばこの食ロスの削減に貢献をする商品ということで、一つのシールのようなものが貼られていて、それを買えばほかの商品よりもポイントが付く、こういった取組もこの前見ました。素晴らしいことだと思います。そして、私の中でも最近驚いたのは福島県の中学校、ふたば未来学園、今日もそこのマスクをしているんですけど、この給食が週1回、ベジタブルマンデーということで、植物性たんぱく質を使った、動物性のものを一切使っていない、そういった給食がもう週1回取り入れられている。栄養士さんの思いは、やはり食にまつわる気候変動の問題を学生の皆さんに給食を通じて考えてほしい、こういったことというのは私は非常にいい取組だなと思いましたし、私自身も環境大臣になってから自らのライフスタイルを見直す中で一つ心掛けているものは、肉を完全に食べないということは今していませんが、時々自分の中で心掛けて、今日は肉は食べない日とか、野菜をメインにしようとか、そういったことを通じて、最近も世界で1位というランキングを取ったヴィーガンレストランもお邪魔しましたけど、今の最新の状況、これは本当に私も驚きましたね。多くの方にそういった現状を知っていただきたいし、そういったところを通じて、なぜ国際社会の中では気候変動とこの食、そういった問題が浮かび上がっているのか。やはりそういったところに多くの方に気付いていただけるような発信もしていきたいというふうに思います。それと、自分がこういうことをやる中で感じていることは、実はあまり対外的には言っていないけども、世の中によく知られている方々の中でも、そういう食生活などをやっている方も結構いらっしゃる、そういったことを感じますね。ちなみに、昨日秘書官に用意してもらってお昼御飯を大臣室で食べたんですけど、それは大豆ミートのハンバーガーを食べました。これもあるハンバーガーチェーン、ファストフードチェーンがもう既にそれを商品化していますよね。こういった取組が進んでいるのも間違いなく環境を考えてそういった取組も広がっている。私としては心強いと思いますので、こういった取組も自分も実践しながら多くの方にも紹介をしたいと思っています。
(記者)時々菜食を取り入れているということですけれども、いつぐらいからそういったことをされているか、もしわかりましたら。
(大臣)そうですね、私、比較的、政治の世界って会食が多いので、その中で野菜をできる限り食べようというのは健康の観点からも今までもやっていました。これは環境大臣になる前からです。ただ、やはり環境大臣になって自分がいろんなことに気付かされる中で、何を食べるか、何を飲むか、そういったことと環境とのつながりというのを深く考えさせられる中で、これだったらむしろ体にとっても負担が少ないから、自分の中で望んでそういった菜食を心掛けるようになりました。我慢をするのではなくて、自分から食べたい。そして驚いたのは、この前のレストランもそうですけど、質の高さですね。言われなかったら私、気付かないで焼き鳥だと思われるものを、植物性なんですけども、言われなかったら分からないなというクオリティーもありました。それともう一つ、これも新しく出てきたなと思ったものは、日本酒がヴィーガン認証というものの認証を取って、ヴィーガンの方向けに販売をされている、そういったマーケットをつかみに行っている日本酒のメーカーもある。そういったところに私は間違いなくこれから海外でのマーケット、この前これは官邸で総理も出席をされた観光戦略会議でも事業者の方から紹介があったほどですけど、私は日本というのはそういうところでも大きな、広い分野で言うと気候変動の中での脱炭素のマーケットの一つは食もあるというふうに思っています。

(記者)日経新聞の鈴木です。脱炭素に向けた国民会議についてお伺いしたいのですけれども、一部の報道で12月中旬に国民会議を立ち上げて、関係者を集めて生活スタイルに関する制度を検討していく話があるようですが、大臣も出席されるようですが、具体的にどのような枠組みでどのようなことを決めるのか、内容を教えていただきたいです。
(大臣)今、官房長官の下でそういったものを調整されているところだと思います。これは私の中でも官房長官とも意見交換をしていますけど、やはりプロだけが気候変動のことを議論しているというのは違うし、世界を見れば一番この問題に取り組んで熱い思いを持っているのは若い人たち、まさに自分たちの未来のこの地球の在り方というのが、深刻さを持って受け止めている。もうこのままじゃ駄目だと。そういったことを考えれば、この国民会議というものは環境省とか役所の中での審議会とはまた全然違う。むしろそういったところではない方々にいかにこの問題を前向きに盛り上げていただけるか。そういった観点から、一つは若者、そしてまた世の中に身近に感じていただけるような発信を得意とするような方々、そういった方々に入っていただくというのが一つのイメージなんですけどね。そこには環境大臣ももちろん入って、一緒になって機運を高めていきたいと思っています。時期は調整中だと思います。

(記者)NHKの吉田です。公害財特法のことについて伺わせてください。総合政策部会もこれからあるところなんですが、先週金曜日の公害財特法の今後の在り方に関する小委員会で、今年度末で期限が切れる公害財特法の今後の在り方について答申案がまとまったところなんですけれども、この中で1971年から続けられてきた法律ではあるとは思うのですが、産業の集積による甚大な公害への対処というところがおおむね達成しつつあるという指摘がされていまして、今年度末をもって失効することを取りまとめ案の中では触れられているのですけれども、この法律は環境庁が設立されてから、環境庁、環境省とともに公害対策ということで極めて大きな意味を持ってきた法律だと思うのですけれども、改めてこの法律の失効のことについて大臣の所感があればお願いいたします。
(大臣)まず、11月27日に開催された中央環境審議会総合政策部会公害財特法の在り方検討小委員会において、公害財特法の今後に関する意見具申案が取りまとめられたところです。その中において、今御紹介がありましたとおり、公害財特法の立法目的にあった激甚な公害への対処はおおむね果たされたことからこの法律は失効させるものの、事業の必要性がある地域も一部見られるため、同法の失効後一定期間は適切な配慮が必要だと、そういう指摘があったことは承知しています。制度の在り方については、今日開催予定の中央環境審議会総合政策部会で引き続き議論されるものと承知しています。今年度限りで公害財特法が失効することとなった場合においても環境保全に支障が生じないよう、制度の共管省庁である総務省、その他関係省庁と必要な対応を検討してまいりたいと思います。また公害、これに対しての環境省の責任、こういったものは仮に同法が失効になるということがあったとしても、我々の原点として、水俣をはじめとして、公害問題が環境庁、そして環境省になっても引き継がれている大切な責任として、全省庁、全職員、そして我々政務も含めて共有していると、そういったことは変わりはありません。
(記者)今後のことについては今大臣がおっしゃられたとおりだとは思うのですけれども、50年前にできた法律なので、当時の高度経済成長期の中で出てきた甚大な公害がこの50年で一区切り対策が終わったと言えるような状況にもなってきたかなと個人的に感じる部分もあるのですが、時代の変化については大臣はどうお思いでしょうか。
(大臣)そうですね、特に先日、公害の影響によって様々な健康の課題などを抱えている方々、そういった方々と現実にこちらでお会いをしたり、またウェブでも意見交換をさせていただいたりしました。あのときに、こういった方々の今までの様々な御努力、そういったことがあって、私の世代もきれいな空気を東京でも吸うことができたり、そして今までだったら泳げなかった海でも泳げるようになったり、魚がいなくなった海や川にもう一度豊かな生き物を発見することができたり、こういった環境を当たり前と思ってはいけないなと。間違いなく改善された面が日本はすごく多くあって、そこは誇るべきことだと思います。世界の中ではまだまだ大気汚染が深刻で、健康の問題にも苦しんでいる人たちはいっぱいいます。ただ、そうはいっても日本の中でまた時代が変われば新しい課題というものは出てきます。そういった中でその一つ一つに役所として、環境省としての責任を果たしていく意義、これは一つの課題がクリアされたからといって終わりではありませんから、そこを忘れないでこれからも責任を果たしていきたいと思います。

(記者)産経新聞の奥原です。国民会議について改めて伺いたいのですけれども、この国民会議は政策を打ち出していくというよりも、ある程度脱炭素に向けた機運づくりというところが大きいのかということと、あと、メンバーなんですけれども、若者の存在ということを一つ言われましたけれども、それは影響力の高さゆえの、例えばインフルエンサーみたいな人たちを想定されているのか、あと、閣僚は全閣僚出席されるのかを伺えればと思います。
(大臣)これは、今、官房長官の下でも様々アイデアを出していただいていると思いますので、我々環境省の方からもこういった方はいかがですかとか、そういった形で最終的には決められるものだと思います。いずれにしても、奥原さんが言ったように、やはりライフスタイルを変えていくというときに、いかに前向きに世の中全体とその思い、気候変動の課題、共有できるかですから、専門家の方にとどまらない若い人たち、そしてインフルエンサーの方、そういった方々に入っていただくというものはこのカーボンニュートラルの理解、そして盛り上がり、これにとっては不可欠なことだと思っています。まだメンバーや時期は最終調整中だと思います。

(記者)エネルギーと環境の清水です。冒頭お話のあった気候変動影響報告書に関連して伺いたいのですが、気候変動対策を食品ロスで拡大して対応していくのはいいことだと思うのですが、ただ、問われるのはこの気候変動影響評価報告書を政府としてどう認識して、現在の政策の中にきちっと位置付けるのか、政府としてどう共有していくのか、それが1点伺いたい。もう一つは、具体的に政府の覚悟のほど。国会でもあれだけの決議がされて、政府として経済政策なり環境政策を本当に一体化していくために何をやるのか。例えば経済社会諮問会議とかそういうところで、経済政策とCOの排出をパラレルに常にウォッチしながら計画アセスメントでやっていくとか、そういう政府の覚悟というか、国民は直感的には気候変動は危ないというのは相当分かってきていると思うんですよ。ただ、危機感、オオカミ論だけではなくて、環境をやるということはこんないいことがあるんだよというものも併せてぜひ環境省は打ち出していってほしいと思うのですけれども、そうした2点について御認識を伺いたいのですが。
(大臣)まず1点目、この評価報告書については、気候変動適応法に基づいて作成となったのは初めてであります。これをいかに政府全体にということは、まさに先ほど言ったとおり、来年度にはこの気候変動適応計画を改定するわけで、それこそ政府全体の一つの武器でもあります。そして、2点目にもつながりますが、何よりも菅政権というのはグリーンリカバリー政権ですから、その中で脱炭素というものが、清水さんからすると、環境に取り組むといいことがあるんだという訴えが必要だという御指摘に答えるとすれば、私は脱炭素というのは世界最大の成長分野だと思っています。そして、世界最大の投資分野だと思います。なぜなら、パリ協定の加盟国は、世界のほとんどの国が入っていますよね。そして、これからアメリカも復帰をすると、そういったこともバイデン大統領候補は言っています。そういった中で、こぞってこれだけ一つの分野で世界中が投資をするということを明確に言っている分野はほかにないんじゃないでしょうか。この分野で稼がなくて、一体どのほかの分野で稼ぐんですか。いろいろ課題はあります。EVの問題も再エネの問題も、再エネについては日本のメーカーがあまり体力がなくて、産業としては勝てるのかとか。EVにしても、車載用の電池は中国じゃないか。それでEVのマーケットでいいのかとか。いろいろあると思いますけど、私は四の五の言っている場合じゃないと思う。とにかくEV、再エネ、そういったことを含めて、ここの分野で日本が勝っていかなかったら将来一体ほかで何で食うんだと。そういった方向に早く頭が行かなければ、本当に日本はガラパゴスになると思いますね。私は今の状況はガラパゴスになるか、世界のマーケットでルールメイキングも含めて、市場も含めて取っていけるか、この岐路にあると思っています。日本は、EVで言えば、自動車メーカーは9社ありますから、ガソリン車しか造っていないところもありますから、EVだ、FCVだと言われてもというところもあると思います。だけど、そういう事情で日本はガソリンだよねと言ったら、将来的にどういう世の中になっているかと言えば、世界の先進国はEVが主流になっている中で、日本だけガソリンばっかりで走っていると、そういった未来になりかねない。だから私は早く頭を切り替えて、日本って頭を切り替えれば早いですから。見てください、このカーボンニュートラルを総理が宣言して以降を。毎日脱炭素、環境の、この企業がこれぐらいの投資を決めました、この企業はこれをやります、この企業がこのグリーンボンドを発行します。一気に新たな投資先が生まれましたよね。私は、これから間違いなくこの分野が最大の日本の稼ぎ頭の候補である、そういう思いを伝えて、世の中全体で前を向いていこうと、そういう機運が盛り上がるようにやっていきたいと思います。最後になりますけど、そういった観点からすれば、今日河野大臣の下で再エネタスクフォース、これが1回目が開催をされて、風力発電、それと容量市場、この2点で環境省も呼ばれています。この中で環境省は風力について言えばアセス、この部分が、1万キロワット、これが適正かどうかという、この風力発電をより促進するために、こういった観点から環境省は意見を述べることも求められている中で、私としては今日はまずはキックオフだと思いますから、しっかりと環境省の立場を説明するように事務方には指示をしていますが、カーボンニュートラルの実現に資するような、そういった方向性でこのキックオフを捉えて、環境省の中で議論を進めて具体的な答えを出していきたいというふうに思いますし、容量市場についても今まで私、記者会見で何度もその問題意識を言ってきました。なかなかこの問題意識が広がらなかった中で、今回、河野大臣の下でこの容量市場についてもテーマとして設定をされて、果たしてこの容量市場というものが、総理がカーボンニュートラルを宣言された後に、事情は変わったわけですから、本当にこのままでいいのか、それは脱炭素に資するのかと。こういったことも含めて、今、経産省の方でも制度の見直しの議論をやっていると思いますが、海外の事例も含めてですね。今日は論点の一つは炭素基準を容量市場でどうするかということだというふうに聞いています。CO排出、そういった観点からすれば、環境省としてそういった考え方についても今日まずその意見を述べる側からもしっかり聞いた上で、我々としても必要な主張をしていきたい、そういうふうに思っています。

(記者)朝日新聞の戸田です。今、最後容量市場のところで、改めて確認というか、お伺いしたいのは、本当にこのままでいいのかということは疑問点を出していくというイメージなんでしょうか。容量市場に対して改めて小泉大臣の考えをもう少し教えてください。
(大臣)まずは今日はキックオフですから、炭素基準、こういったものがどういったものを想定されているのか。私の聞くところによれば、例えばイギリスとかドイツとか、この容量市場の在り方で日本の今やっていることとは違う形で制度としてやっているところがあって、そっちの方がコストは安いんですよね。日本は今回落札が高い、こういったところが言われていますが、そういったこともこの総理がカーボンニュートラルを宣言する前の状況だったんです、あの制度のあの応札というのは。例えばこの炭素基準みたいなものが入っていった場合に、石炭火力とかにお金が回っていくのかどうか。これは海外の場合だとそれは入れていないという国がありますから。ただ、日本の場合だとそれは非効率のものにもお金が入ってくる、こういった形で今のところなっているわけです。これを果たしてそのまま行くことが、総理が脱炭素、カーボンニュートラルというふうに行こうという中で、本当にこのまま行くのか、それでカーボンニュートラルが達成できるんですかということを含めて議論されるようになれば一番いいと思います。私たちとしても必要な主張はこれからもしていきたいと。これはエネルギー政策は経産省だというんじゃなくて、気候変動対策全体をまとめる立場というのは環境省であって、そういった観点から必要な主張はしていきたいと思います。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/zWtBhX4sonw

(以上)