大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年11月24日(火)8:52~9:05 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日は冒頭、私からは1件あります。11月1日、今月から伊勢志摩国立公園内の横山ビジターセンターと伊勢志摩国立公園の管理事務所において、再エネ100%の電力調達を開始しました。今回、リバースオークションサービスを活用した共同調達を実施したところ、単価を上げることなく再生可能エネルギー100%の電力調達を行うことができました。これによって、再エネ100%の電力調達を実現した施設が環境省の所管で9施設となって、年度当初の8施設という目標を1施設上回る形で超過達成することができました。また、すべての地方環境事務所の管内においてモデルとなる事例をつくることができたということになります。2030年までの環境省RE100達成という目標に向けて、来年度は国立水俣病総合研究センターなど、比較的電力消費量の多い6の施設において再エネ100%の電力調達に着手をしたいと思います。カーボンニュートラルに向けて、率先して、一つでも多くの環境省施設で再エネ100%の電力調達を実現できるように取組を加速していきたいと思います。今日は冒頭、この1件で私からは終わります。あとは幹事社からお願いします。

2.質疑応答

(記者)日本テレビの川崎です。2050年カーボンニュートラルの実現を考えると、使用電力を再生可能エネルギーで調達するという取組は当然環境省だけではできるものではないと思います。他の省庁、自治体に広げて全国各地域での取組を後押ししていくことが大切だと思いますけれども、その辺りの考え、環境省としての取組をお聞きしたいです。
(大臣)菅総理からカーボンニュートラル、この宣言があった後に私に指示が下りた一つが、需要側の高まりをいかにつくっていくか、この需要側の対策ですね、まさに使用電力を何にするか、これは需要側の話ですので、RE100のアンバサダーである環境省としては、まず自らがしっかりと取り組んだ上で、それを各省庁、そして全国の自治体に広げるようにリーダーシップを発揮していきたいと思います。政府の中でいうと、環境省だけじゃなくて防衛省、そして外務省、この2省も同じRE100アンバサダーとして取組を進めていますので、これは恐らく2省としても前へ進んでいく話だろうと思います。また、先月締結した環境省と農水省との連携協定でも、農水省の庁舎での再エネ調達について盛り込みました、合意書の中に。さらに農水省にとどまらず、政府全体にもこうした動きを広げていけないか検討していきたいと思っています。また、自治体については今年の6月に再エネ調達実践ガイドを作成して、全自治体に私からのメッセージを添えて周知を行って、これまでに多数の自治体から具体的な相談をいただいています。また、よく私の大臣室、またその他の機会に自民党の地方議員の皆さんとか首長さんにお会いする機会もあるので、そのときに具体的にお話しをした結果、地元の自治体の議会でこういった質問などもしていただいているようで、その自治体での庁舎の再エネ調達、こういった話も進み始めたところが幾つかあると聞いていますので、これを更に広げていきたいというふうに思っています。

(記者)共同通信の水内です。環境行政には直接関係ないのですけれども、「桜を見る会」の問題について伺います。安倍前首相側が開催した前日の夕食会、前夜祭と言われていますけれども、その飲食代をめぐって公設第一秘書を捜査当局が事情聴取したということが明らかになった上に、数百万円規模で安倍前首相側がその費用を補填していた疑いがあるということが報じられています。そのことについての受け止めを大臣から伺えますでしょうか。
(大臣)詳細を把握していませんので、コメントすることはありません。

(記者)テレビ朝日の藤原です。動物愛護の点をお聞きしたいのですけれども、先週パブリックコメントを締め切られて、10万件を超す意見が届いたのではないかという話もありますが、その受け止めと、そのパブリックコメントなどを踏まえて、今後のお話の進め方で何か注意していきたいことがあれば教えてください。
(大臣)まず、10万を超えるというぐらいの非常に多くの方、また、特にこの動物愛護というテーマにおいては非常に熱心に取り組まれている方が多いですので、関心を持っていただいていること自体に、まずは私としてはありがたくは思います。同時に、この問題は時にすごく対立がある、そういうテーマでもあります。ですので、今回のことを、飼養管理基準を動物愛護の精神に立脚して、そして今まで議員立法だったという、そういった経緯も踏まえて、我々環境省としての踏み込んだ案を出したこと、その思いを、動物愛護という精神で対立ではなく、より一歩前に多くの方が進んでいけるようなきっかけになればというふうに思っています。特に、今回話題となっている1人当たりの頭数だとか、そしてまた繁殖の年齢とか、様々今回環境省が出した案の中には具体的な数値が盛り込まれるようになりました。このことを受けて、今後、自治体がチェックしやすい在り方につなげていきたいとも思いますし、救えるはずの命を救いたい、こういったことももちろんあります。ただ、一方で課題もありますので、そういった課題に対しても、やはり社会全体で、より犬猫の譲渡が進みやすいような環境整備をする、こういった新たな社会につなげていきたいと。我々環境省としてもその譲渡しやすい環境整備、これにより頑張らなければいけないなと思っています。例えば一例を挙げると、私の地元の横須賀には、高齢者施設で飼い犬と一緒に入居ができる、そういう施設があります。これは全国的にも珍しいんですけど、仮にこういった例がより多くのところに浸透していくことは間違いなくプラスですし、また、海外の事例を見れば、例えば刑務所で更生のために保護犬、保護猫を活用するという事例もあります。そして、最近産経新聞さんでも紹介がありましたけど、今年、クマが最多の出没件数だという中で、長野県がベアドッグという、犬をクマよけで活用する、そういった事例もありますし、本当に社会の中で様々な恩恵を我々人間は犬猫によって受けています。こういった犬猫のための活躍の機会、そして一生豊かに過ごせるような環境、これを整備していくきっかけになればと思っています。

(記者)日刊工業新聞の松木です。先ほど再生可能エネルギーの話に関連してなのですけれども、先日、日刊工業新聞で調べたところ、中小企業は全国で20社ぐらいが再生可能エネルギー100%を達成しているという調査が出たのですけれども、少なくともなんですけれども、上場企業の場合はESG金融ということで再生可能エネルギー利用が投資家に評価される仕組みがあるかと思うのですけれども、中小企業はそういうものがなくて、なかなか志だけでやっている場合が多いというふうに伺いました。環境省の方で、再生可能エネルギー100%を達成した中小企業が評価されるような仕組みを考えていることがありましたら教えてください。
(大臣)まず、RE100は大企業向けなんですよね。中小企業はなかなか規模的にも入れない。その中で民間の取組でREアクションというものが生まれて、こういったところで中小企業の取組が評価されやすい環境整備も進んできました。そして、環境省としては、ESGが大手だったり機関投資家とか、そういったところだけでとどまることがないように、個人投資家、それとまた中小、そういった地銀、信金も含めて頑張っている、今御指摘のあったRE100を既に達成している中小企業とかが報われるような金融環境だったり、経済環境をつくっていく、その後押しを私たちはやっていきたいと思います。例えば、最近聞いて私も勇気づけられた一つは、私の地元は横須賀と三浦ですけど、三浦はマグロの町で有名です。マグロ屋さんが多いんですけど、あるマグロ屋さんがRE100の取組を始めたんですね。自社に太陽光パネルを設置してやっているその思いを聞いたら、マグロは遠洋漁業じゃないですか。相当油を使いますよね。さらに急速冷凍で、その冷凍庫はものすごい電力を使います。そういった一連のサプライチェーンを振り返ったときに、何とかしなければいけないというふうに思ったそうです。そして、一方でマグロは、例えば大間のマグロとかうちの三崎のマグロとか、そういった産地によってのブランドというものはあるかもしれませんけど、それ以外の付加価値、これをどうやって付けていくかというときに、この再生可能エネルギー、それによって環境にも配慮しているマグロ、再エネとマグロという非常に面白い、こういう差別化もしっかりしていきたいと、こういう思いを聞いて、とうとうマグロ屋さんがカーボンニュートラルに向けて動きだしたなと。地元のこととしてうれしく思ったし、私はそういうものを積極的に食べたい、買いたい、そういう一消費者でもありますから、間違いなく次の世代、若い世代は消費者がそういう消費者になってきましたよね。なので、そんな取組が次々と、私が出したものはある意味一事例ですけど、こういう企業がどんどん生まれている。それはなかなか言わないと伝わらないところもあると思うので、そういう企業がちゃんと報われるような、取組をやっているところが報われる表彰制度とか、環境省はいろいろやっていますし、背中を押したいですね。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/WHV0FEvUrKg

(以上)