大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年9月29日(火) 10:32 ~ 10:58 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日は国立公園の関係について2点お知らせをしたいと思います。最初に、9月25日金曜日から26日にかけて北海道の阿寒摩周国立公園と釧路湿原国立公園を訪問してきましたので、その報告をしたいと思います。今回、阿寒摩周国立公園においては、唯一無二の自然共生の精神を持つアイヌ文化や大自然の魅力を改めて実感するとともに、国立公園満喫プロジェクトにおいて地域の方々とその利活用に向けた様々な取組が行われていることを把握することができました。また、地域の関係者の生の声を聞くことができて、国立公園における課題、そして取組の把握、また今後の魅力の向上に向けてヒントの多い大変有意義な視察となりました。特に今、スライドで、映像で見せていますが、この川湯温泉では、環境省が地域とエリア再生に向けて進めている廃屋の撤去、この状況を視察して、廃屋が国立公園の魅力を大きく損なっている、このホテルの廃屋がありますが、とにかくホテル、旅館、廃屋の数があまりに多くて、この廃屋だけではありませんが、課題が集中しているところも見られましたし、一方で川湯温泉というのは、この「川湯」という名前のとおり、私も本当に初めて見て驚きましたが、川のように温泉が流れているんですね。だから川湯という地名が付いたと思います。本当に川のようで、最初は本当に温泉なのか信じられないぐらい、この魅力を、この廃屋など景観を大きく損ねるものと一緒になっているエリアがかつて観光でにぎわったのに、今では全然当時の面影がない寂れた状況になっている。これを何とかしなければいけないという、地域の皆さんも、現場で私もお話しさせていただいたので、今回、環境省でもこの廃屋の撤去に乗り出すという、このメッセージを重く、そして心強いと、勇気づけられたという声もいただきました。そして、次になりますが、この二つ目、これは阿寒湖の近くですけど、電線、電柱、この写真でも分かると思います。摩周湖では展望台付近に伸びる樹木が展望台からの景観を損なっている現場も視察をしました。官民連携で縦割りを打破しながら景観改善を進めることが必要であると改めて実感しました。今後、国際観光旅客税などを用いて、廃屋対策などの利用拠点の景観改善や上質化、これに力を入れていきたいと考えています。
 そして、二つ目、9月16日の閣議後の会見で、環境省の入省1年目の職員の有志によって、職員によるワーケーションを推進する「ワーケーション・デイズ」という提案がなされて実現することになったことを紹介しました。ちょうど先週が対象期間で、私も出張で訪問した阿寒摩周国立公園などで10名以上の職員が体験したと聞いていますので、実施結果について1年目の職員の和田さんからその取組を、結果報告、説明をしていただきたいと思います。それでは、和田さん、よろしくお願いします。
(事務方)環境省入省1年目の和田と申します。「ワーケーション・デイズ」の実施結果について御説明させていただきます。今回、係員から課長級まで約10名の職員がワーケーションを行い、全国の国立公園、温泉地で4種類のワーケーション、文豪型、地域協働型、ファミリー型、そしてチームビルディング型を実施しました。アンケートの結果、朝や夕方に温泉につかったり自然豊かな場所で働いたりすることで、9割の職員がモチベーション高く働けた、そして心身健康が増進したというふうに回答しております。また、業務効率も7割の職員がよくなったと回答して、残りの3割も通常勤務と変わらない効率で勤務できたようです。次に、類型別では、家族と過ごすファミリー型、複数の職員で行くチームビルディング型について、それぞれ業務に励みながら家族の時間を満喫できた、同僚との親密性を高められたという声をいただいております。また、大臣から御説明のあった地域協働型として実施した阿寒摩周国立公園でのワーケーションについては、コロナ禍における温泉地の現状について現場の生の声を聞いたり、また国立公園での廃屋撤去の現場を視察して、今後の業務の参考にできたと伺っております。また、地域課題解決のために地域の方々との意見交換も行うことができました。今後、今回の体験や効果を省内に発信することによって、更なる省内ワーケーションの普及につなげたいというふうに考えております。次の第2回「ワーケーション・デイズ」は10月30日の土曜日から11月3日の火曜日、これは文化の日になっているんですが、この4日間の飛び石連休を予定しております。以上です。
(大臣)ありがとうございます。1年生、話すのうまいね。この前の大原君もそうだったけど。ありがとうございます。そして、このワーケーションには1年生の声掛けも受けまして、先輩の職員たちも参加をしたということで、その1人の岡野さんからも、どういった業務をやってきたかを含めてお話しいただければと思います。
(事務方)ただいま御紹介いただきました温泉地保護利用推進室の岡野と申します。私は「ワーケーション・デイズ」の呼び掛けに賛同いたしまして、地域協働型のワーケーションということで、大臣も行かれた阿寒摩周国立公園の方を訪れてまいりました。私の方は地元の国立公園管理事務所の計らいで地域の観光協会の方々とか、あるいは役場の方と、環境省の政策について御説明をさせていただいて意見交換をしました。先ほど報告の中にもありましたけども、やはりコロナ禍で非常に観光地は厳しい状況ではあるということではあったんですけれども、実は直前の4連休はどこもホテルはいっぱいだったという話を聞きました。そのお客さんは道内を中心に国内の方々がたくさん来られていて、いろんな方々から、改めて私たちが大切にしなきゃいけないお客さんというのは誰だったのかということを非常に考えたというお話をいただきましたし、やはり地元の資源というのをもう一度見直して地域の活性化につなげることが大切だという話も聞くことができまして、環境省が目指していく分散型の社会の一つの方向性、そういったものとも通じるのかなということを感じてまいりまして、環境省でできることを今後の議論の中で考えていきたいなと、そんな感想を持ちました。私からは以上でございます。
(大臣)ありがとうございました。それでは、岡野さん、そして和田さんも、お仕事があると思うので、これで大丈夫です。先週末、阿寒摩周国立公園の出張で、私も環境省の補正予算を用いてホテルやキャンプ場にワーケーション環境が整備されている状況を視察しました。そして、現場のキャンプ場では東京からワーケーションに来ているという方にも直接お会いすることもできました。やはり国立公園などの自然豊かな地域での働く環境を整えていくことで、ニューノーマルというのが徐々に浸透しているなと改めて感じることもできました。今後、観光庁、そして関係省庁とも連携しながら取組を進めていきたいと思います。一方で、今回の出張でも国立公園の魅力はまだまだ国民の皆さまに十分に伝わっていないということも感じています。今回、私の後ろには「GoToトラベル」と併せて国立公園のバックパネルを作らせていただきましたが、政府は「GoToトラベル」キャンペーンで国を挙げて観光の復活を目指していて、10月1日からは東京からの旅行も対象に加わるというふうに聞いています。この機会を捉えて感染対策を万全に行いつつ、このキャンペーンを利用してぜひ国立公園にも行っていただきたいと。「GoTo国立公園」という思いで、我々としてはそのPRをしていきたいと思います。実際に国立公園を対象にしたツアーを大手旅行会社のキャンペーンウェブサイトで紹介をしていただくなど、今、官民連携を進めていますので。私も大臣になってから国立公園へ幾つか行かせていただいて、間違いなく国立公園のファンになっています。一度行けば、こんなに素晴らしいところがあったのかと、そこを感じていただけると思いますし、一方で、ここをもうちょっとこうしたらもっとよくなるのにねということも感じられると思いますので、そういったこともしっかりと我々は受け止めて、国立公園の魅力を更に高めていきたいと思います。

 そして、今日は全く別ですが、最後になりますが、1点、最近報道でありました電力の容量市場、これについて一言触れておきたいと思います。この容量市場は、エネルギー安定供給の観点から電力の供給力、調整力を中長期的に確保していくための仕組みであって、その意義は理解はしています。ただ、その一方で、今回の容量市場の結果については落札価格がかなり高かったと受け止める声は私にも届いています。落札価格が高い場合、再生可能エネルギーを主に扱う小売電気事業者にとって負担となって、ひいては再生可能エネルギー由来の電気料金の値上がりをもたらすとの懸念も聞かれます。こうしたことから、今回の容量市場の落札結果については、落札価格が公的機関の設定した上限に近い水準となったこと、そして海外の容量市場と単純に比較しても高い価格水準であったこと。ちなみにどれだけ高いかというと、今回、日本のこの容量市場、この約定価格、1キロワット当たりの価格、これは1万4137円でありますが、これはイギリスと比べて約5倍、そしてアメリカと比べて約2倍強、そしてフランスと比べて何と約10倍強、こういったことがシンクタンクの方からも言われてもいます。そして、約8割の電源がゼロ円で応札をされていること。こういったことについて、それが果たして本当に妥当性があるのか、こういったことを明確に国民に説明できることが必要であって、より一層の透明性の追求に向けて環境省としてできることをやっていきたいと思っています。環境省自身も2030年までのRE100、再生可能エネルギー100%調達をするということを目指していますので、今年度は新宿御苑の電力を100%再生可能エネルギーで調達するなど取組を進めています。将来における電気料金への影響については、我々自身も一需要家として注目もしています。今後、容量市場が供給力、調整力確保という本来の目的を果たしつつ、再生可能エネルギーの主力電源化という政府の方針に対してどのように影響を及ぼしていくのか、環境省も政府の一員として関連するファクトの整理を行った上でよく見極めていく必要があると考えています。今日は冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)共同通信の田井です。御説明のあった国立公園の課題について伺います。国立公園に関する縦割りの打破に向けて、現状では、もう少し具体的にはどういった課題があると考えられていて、どのような解決の方向性があるのかお伺いします。
(大臣)今回、改めて阿寒摩周、そして釧路湿原を見て、国立公園は魅力もいっぱいありますが、一方で縦割りもいっぱいあるなと、そういったことを痛感しました。例えばこの廃屋撤去については省庁間の縦割りというよりも権利の調整、これが非常に大変だなというのは分かりますが、その他例えば電線、電柱、これについては国交省が主として所管をしている事業の中で撤去や地中化、これを進めていますので、国交省との連携、これは不可欠なことでもあります。そして景観の向上のための樹木の伐採、これは修景伐採というふうにも言われます。この対象となる樹木を林野庁などが管理をしているということが多くありますので、こういう状況を打開して、国立公園の魅力をスピード感を持って高めていくには、国交省、林野庁、そういった様々な関係省庁との連携だけでなくて、官民の連携、そして国と地方自治体、その連携、そして地域の関係者の方の連携、こういったものの合意形成を、努力をしなければなかなか課題は解決していかないので、結果、私は内閣府の地方創生担当なども連携をする必要も出てくるんだろうなと、まちづくりが一体的に必要ですから。こんなことも含めて、現場に存在している多くの縦割りが国立公園の中にもいっぱいあると。それを解消していくことが我々としては重要だと捉えています。この前も言いましたが、この国際観光旅客税を活用して、廃屋の撤去は既に令和元年度は4公園、6カ所、令和2年度は7公園、7カ所、こういったことも進めていますが、これを更に進めていきたいと思います。

(記者)産経新聞の奥原です。ワーケーションの浸透について伺いたいのですけれども、大臣の考えとしましては、今回、環境省の職員、1年生プロジェクトと銘打って始めておられますけれども、霞が関から社会へワーケーションの浸透を図っていきたいのだと推察いたしますが、今後、ワーケーションを所管している他省庁との連携とか、他省庁の官僚さんらにもこういったワーケーション・デイズを持っていただくような考えはあるかということと、中曽根さんの合同葬の経費として約1億円の予備費の計上が話題になっているのですけれども。閣議決定された案件ではありますけど、改めて御所感を伺えればと思います。
(大臣)まずワーケーションについては、そもそものきっかけというのは、我々環境省が旗を振って補正予算の中に計上したというのがスタートでもあります。それはその後、いかに環境省だけじゃなくて政府全体として取り組むべきか、これは自治体からも要望があったので、それを受けて当時の官房長官の菅官房長官にこのお話をして、官邸での会議でこのテーマになり、そして今では観光庁を含めて他の省庁でもワーケーションをやっていこうということになり、最近の新聞なども拝見をすると、相当様々なシンポジウムやフォーラムなどがこのワーケーションのテーマでも行われるようになりました。今度10月5日には環境省の国立公園課長もこういったフォーラムにも出席をして、このワーケーションについてはお話をしてくださると。自民党の方からは平衆議院議員が出席をされるということも聞いています。こんなことが、広がりが出てきたのは、間違いなくこのワーケーションのニーズというのがあるからだと思います。そして、そもそも環境省が旗を振る前から、三、四年前から既に取り組んでいる民間企業の皆さんとも、私も意見交換をしましたし、既に自治体としては昨年から取り組んでいる協議会が設立をされています。ですので、これから我々環境省が就業規則をリモートワークができるように改正をしたり、様々な課題を突破する当事者として世の中に対して説明をしていくことによって、こういう課題を解決すればもっとリモートワーク、そして多様な働き方が実現できるんだと、そんなことも広がっていくような取組を進めていきたいと思います。今日も某新聞ではワーケーションのこと、観光庁が更に進めていくという話も出ていましたので、これはだいぶ広がりが出てきたなと感じています。そして、中曽根元総理の自民党と内閣での合同葬、これについては、一部高いのではないかとか、そういった批判が出ていることは私も承知をしています。先ほど私は容量市場の話でも、これは結果として最後は国民の負担に跳ね返ってくるものでもあります。今回、9600万円ということを言われていますが、先ほどの容量市場の話はそれ以上に大きい国民負担の話になる可能性が出てきています。ですので、いずれにしても我々政府が行う事業というのは、国民の皆さんの税金によって事業が行われるわけですから、それに対する理解をしっかりと得られるような説明をする、これは不可欠なことだと考えています。

(記者)テレビ朝日の藤原です。「GoToトラベル」の関係で先ほど大臣からも話がありましたが、感染症対策も必要になってくるということですが、「GoToトラベル」での感染症対策がどういったところが必要になるのかというのと、それに伴って、先ほど国立公園を推されていましたが、コロナ対策という意味で国立公園に行けばこういう利点があるのではないかとか、国立公園を推される理由があれば教えてください。
(大臣)やはり国立公園というのはアウトドアの魅力ですよね。この自然の中で密な環境を避けることが容易にできるのが、この国立公園での魅力でもあるし、そもそもこのワーケーションに限らずに、「GoToトラベル」の対象として多くの方が行かれるような宿泊施設、観光地においても、それぞれ万全の感染防止対策はやっているという前提で取り組まれていると思います。ですので、今の私の問題意識としては、むしろしっかりと感染拡大防止をやった上でいかに経済を回していけるかという、この両立については本当に様々多くの方が努力をされている中でも、やはり時に合理的ではないようなことで、むしろデメリットの方が大きかったり、経済の面から言えばマイナスが大きかったり、そういったことをそれぞれが努力をしながら最適の答えを見つけていくようなフェーズに入ってきているのではないかなというふうに思います。私も様々こうやって出張に行きながら、いろんな地域、そして企業、現場が努力をしているのを見ていますが、安全サイドに振りたい気持ちはよく分かりますが、ただ、これって本当に合理的な感染防止対策なんだろうかと思うことは多くあります。ですので、国立公園、こういう自然あふれた環境の中では特に感染防止対策の基本でもある3密の回避、これについては他のところに比べれば容易に回避が可能な部分でもありますので、そんな魅力も味わっていただきたいなと思います。

(記者)毎日新聞の鈴木です。ワーケーションの関連でお聞きします。まだ、ワーケーションの普及に向けた認知度という部分に課題があると大臣はおっしゃっていたのですけれども、特にまだ全然ワーケーションを取ったことがない人にとっては、どのように取ればいいのかというところから、まずそこからいろいろ疑問があると思うのですけれども、諸外国で言うと、アメリカとかですと、有休に合わせて取得したりとか、ほかにも出張に合わせてワーケーションをそのまま継続して取ったりするようなこともあるようなんです。大臣はどのようなワーケーションの取り方が理想だとお考えでしょうか。
(大臣)これは今日、1年生が発表してくれたとおり、一人一人に合わせて理想の形は変わるんじゃないかなと思いますね。今回、1年生が考えてくれたのは、文豪型、ファミリー型、チームビルディング型、地域協働型、この四つのタイプを紹介してくれました。私は三重県の鈴木英敬知事ともお話をしたときに、三重県としてはファミリーワーケーション、そういったことに力を入れたいということをお話しされていました。そして今回、阿寒摩周国立公園のキャンプ場でお会いをした、ワーケーションをしている東京から来ていた方々にお話を聞いたら、その方々は金曜日に来てそこでワーケーションをやって、土日は自然の魅力を満喫すると、そういった形だったので、それぞれの多様なワーケーションの取り方を可能とするような環境をつくること、Wi-Fiの整備などは、このワーケーションをやる上では通信環境というのは死活的に重要なので、ここら辺はしっかりと後押しをしていきたいと思っています。

(記者)エネルギージャーナルの大村です。先ほど容量市場の話をされました。容量市場は経産省で所管しているかと思いますが、経産省に対する取組というか、アプローチを教えてください。それと、国立公園の話は、今まさに中環審で自然公園としての制度の見直しを進めていますが、これをどのように生かしていくのかその辺を併せてお願いいたします。
(大臣)まず、容量市場について経産省に対してどうするかということでありますが、やはりこれは再生可能エネルギーの主力電源化という政府全体の方針と、この容量市場で今回入札が行われてこれだけ落札価格が高くなって、結果、このまま行けば2024年の電力料金に再生可能エネルギーを主に扱っている小売電気事業者と契約をしている家庭、そういったところの負担が特に高くなるのではないかというような中では、なぜここまで高いのか、そういったことについても透明性の高い説明が求められると思います。先ほど言ったとおり、日本の今回の価格というのはイギリスと比べて約5倍、アメリカと比べて約2倍強、そしてフランスと比べて約10倍強というこの開きは、菅総理は携帯電話の話で、各国と比べて日本の携帯料金は高過ぎるという話をされていますが、この容量市場の先進国との比較を見れば携帯電話どころの話ではありません。10倍という価格差が、同じ先進国の中でここまでつくものなのか。イギリスは約5倍ですけど、こういったことに対して、これは国民の皆さんの負担にもつながってくる話なので、私は説明が求められるし、環境省としてそれを透明性高く国民の皆さんに伝わっていくようなやり方として我々ができることは何があるのか、ちょっと今、中でも議論をしていますので、考えていきたいと思います。そして、国立公園の今、中環審での議論、そして来年の法改正も含めたところへのワーケーションとの関係ですが、このワーケーションに限らず、今回、国立公園をこれから魅力を抜本強化するために八つの満喫プロジェクトを全国34カ所すべての国立公園に展開を抜本的に広げていく、こういった話もしています。その中で、法律を改正することが必要な部分というのがまたこれから出てくると思いますので、そこはこれから来年の国会に臨むに当たっての議論の中でいかに反映させるべきか、しっかりと議論、検討を進めていきたいと思います。

(記者)幹事社としてフリージャーナリストの横田氏から質問を預かっています。読み上げます。国交省有識者会議の議論を静観するだけでなく、環境省として地下水300メートル以上の低下の問題について悪影響が懸念される南アルプス国立公園内の該当地区の現地視察や、川勝知事や静岡県専門部会との意見交換をする考えはないでしょうか。
(大臣)リニアに関する環境影響評価においては、その事業規模の大きさから相当な環境負荷が生じることは否めないこと、そのため国土交通大臣には事業者が十全な環境対策を講じることによって、環境の保全について適切な配慮がなされることが確保されるよう、本事業者に対して適切な指導を行うことを求める旨、環境大臣意見として発出をしているところです。その意見において述べている当該地域の自然環境を保全することの重要性の認識は今も変わりはありません。現時点で川勝知事との面会などの予定はありませんが、私は以前から申し上げているとおり、いろんな課題について各地域の首長さん、自治体の長たちとお会いすることは普段からやっていることでありますので、その地域の課題についてお申し出があれば、それはいつでもお受けしたいと思います。引き続き有識者会議の議論を見守りたいと思います。

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=_WNR3qOjyYY

(以上)