大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年7月3日(金)11:48 ~ 12:21 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 7月1日から、環境省の施策としてレジ袋の有料化、そして熱中症警戒アラートの二つがスタートしました。国民の皆さんにこれらの施策についてより理解をしていただくために、改めて今日はこの二つの施策の目的を申し上げたいと思います。
 まず、おととい7月1日からレジ袋が有料化されました。今日で3日目となりますが、有料化に賛成という御意見もある一方で、例えば店員と顧客、お客さんの間でマイバッグをやりとりすることが新型コロナウイルスの感染拡大につながるのではないか、レジ袋はプラスチックごみ全体から見れば数%にしかすぎず、レジ袋だけ減らしても意味がないじゃないかと、こういうような御意見もいただいております。マイバッグの使用が新型コロナウイルスの感染拡大を引き起こすのではないかという点については、現時点では科学的な証拠は見当たりません。そして、マイバッグを使うかレジ袋か、いずれにしても一番大事なことは手を洗うこと、消毒をすること、そして手を洗うまでは御自身の口や鼻に触れないようにすること、こういった基本的な感染予防が最も大事なことであります。また、レジ袋だけ減らしても意味がないんじゃないのかと、こういった批判については、今までも繰り返し申し上げているとおり、このレジ袋の有料化はそれ自身がなくなることでプラスチックの問題が解決をするとはそもそも考えてもいませんし、それは解決はしません。この目的は、レジ袋の有料化をレジ袋に限らず、プラスチック全体について持続可能な循環経済の在り方を考えるきっかけにしていただきたいと、それが我々の思いです。かねてから、これからの経済社会の在り方を再設計(リデザイン)する上で最も大事なことは、三つの移行を進めることだというお話をしてきました。脱炭素化への移行、そして循環経済への移行、分散型社会への移行、この三つの移行のうち、循環経済への移行を進める観点からは、製品の設計段階から廃棄物の処理やリサイクルの工程を考慮する製品のリデザイン(再設計)、イコール環境配慮設計、これを徹底することが重要なポイントの一つです。このことをより理解していただくために、本日は日本発のリデザインの成功モデルでもあるペットボトル、このペットボトルは国民の皆さんにとっても水分補給や日常的にも大変身近なものでありますので、今日は実物のペットボトルを紹介しながら、この循環経済の移行を考えていただきたいというふうに思います。まず、そもそも、ペットボトルが登場した1970年代後半以降、飲料メーカー各社それぞれの開発が進められて、まずこちら、ブランドごとに見栄えを重視して、緑や青など、これは青ですけど、着色のボトルを使用していた、そういった歴史もありました。そして、これはなかなかというか、ほとんど見ないそうでありますが、自立させるためにボトル部分と素材の異なるベースカップ、このベースカップというものを付けている時代もありました。これを見たときに、私も学生時代、野球部のときに、よくこういうのを飲んでいたなと、そう思えばと思いますが、これはもう全く使われていません。そして、我が省には私がミスタープラスチックと呼ぶ土居さんがいますけど、いろいろお話をしながら聞いたところ、何でこのベースカップを使っていた時代があったかというその理由は、このベースカップを使わないと、自立する形にこのペットボトルを成形する技術がなかった、だから、このベースカップを使って立つようにしていたというのが理由だそうです。そしてまた、これもよく飲みましたね、野球部時代。樹脂リサイクルにおいてキャップが異なる、このアルミ製のキャップが使用されているペットボトルもありました。多分、皆さんもこういうのはあったなと思うんではないでしょうか。こういった時代があって、その後、1995年の容器包装リサイクル法が制定されたことなどもあって、業界の努力が更に進んで、着色ボトルがこのように無色の透明ボトルへ転換をして、これが再生樹脂の品質の向上に大きく寄与していること、そして先ほどのものと比べたら分かるとおり、もうベースカップは廃止をされて、使用樹脂量が大幅に削減をされたこと。先ほど説明したのは、この形にすることが当時はできなかったからベースカップを使っていたと、そういったことでもあるそうです。そして、持ちやすさ、そして強度、これを両立する形で薄くする、薄肉化、そして軽くする、軽量化、このことでいろんな今みたいなものが出てきました。そして、さっき見たこのキャップも、今はアルミが使われることなく、このようなポリプロピレン製のキャップへ転換したことで樹脂選別の容易化、簡単にすることにつながったということがあります。こういった軽量化、リサイクルを前提とした製品設計が進められて、今ではペットボトルのリサイクル率は85%を達成しています。ヨーロッパは40%、そしてアメリカは20%でありますから、日本のリサイクル率が圧倒的に高いことが分かります。加えて、最近ではこちら、ラベルレス、ラベルがないということですね。そして、これがリサイクルペット、リサイクルをしたプラスチックを100%使っているボトル、「ボトルtoボトル」というふうにも言われます、こういったものが販売されるなど、更に先進的な取組も進められていて、清涼飲料業界として2030年度までにペットボトルの100%有効利用を目指すというプラスチック資源循環宣言をされています。また、飲料メーカーの中には2030年までにすべてのペットボトルの素材をリサイクル素材と植物由来素材に100%切り替えるという、更に踏み込んだ目標を掲げているところがあります。こうした環境配慮設計は日本の強みでありますから、新たな成長エンジンとなることから、これに更にイノベーションに磨きをかけて、国内外に広く展開、浸透されるようにこれからも強力に後押しをしていきたいと思いますし、このレジ袋の有料化をきっかけに、今日はペットボトルを紹介させていただきましたが、プラスチック全体、これをまさに経産省と一緒になって今後全体の戦略をどうやって具体化をしていくかということをやりますが、ぜひ多くの国民の皆さんにもレジ袋の有料化を通じて、このような資源循環のより加速した循環経済への移行を共に進める理解者として取り組んでいただきたいというふうに思います。ペットボトルについては、私からはまずは以上です。
 2点目になりますが、おとといから、これも環境省と気象庁による熱中症予防に関する新たな情報発信、熱中症警戒アラートの運用を関東甲信地方で開始をしています。今日は東京都でアラートを発表されていませんが、こちらのモニターに表示しているように、東京の本日の最高暑さ指数予想は、ここに書いてあるとおり25ということになります。日ごろから十分に熱中症に注意をしていただきたいと思いますし、この夏の間は閣議後のこのような会見の開始時にこのように毎回表示をしていきたいと思います。また、7月から8月の間、渋谷と原宿の大型ビジョンで、その日の予想される最高暑さ指数に応じた形で、今御覧になっていただいている画像で発信をされます。これが厳重警戒、30になるとこういう形になります。そして、次のスライドで、危険となるとこの画像が渋谷と原宿でも流れます。そして、これが本当に一番危ないですよということですけど、熱中症警戒アラート33、これを超えるとなると、この画面が渋谷、原宿でも大型ビジョンで流されるということになります。熱中症警戒アラート発表時は、今御覧いただいているこの真っ赤な表示であります。そもそも熱中症についての日常生活や運動に関する指針では、暑さ指数31以上、これは30を超えてこの31以上危険や、ここまで、31以上は危険とされて、運動は原則中止とされています。そして、暑さ指数33以上となることが予想される場合に発表される熱中症警戒アラートは、特に熱中症の危険性が高いと予想される日に最後通告との意味合いで発表するものなので、外出はなるべく避けて、運動は原則中止するなどの対応を取っていただきたいと思います。ちなみに、昨年の東京都において7月の下旬から8月にかけてこの熱中症警戒アラート、この基準を超えた回数は18回あります。7月の下旬から8月にかけてで18回です。それだけ最後通告が多く出たということでもあります。また、今年の夏は新型コロナウイルス感染症の流行に伴って、新しい生活様式の実践が求められていて、これを踏まえた熱中症予防に取り組むことが重要です。環境省では厚労省と一緒に、5月に引き続いて先月、新たなリーフレットを作成して、屋外で人と2メートル以上離れているときなどには熱中症を防ぐためにマスクを外しましょうと呼び掛けています。今回このリーフレットは、マスクを外しましょうというのを一番大きく書きました。これはオレンジ、黄色、そして青と、3種類のリーフレットを作っているので、ぜひ使いたい色を使っていただきたいと思います。ただ、最近、株式会社タニタの調査によって、約5割の方が、屋外で2メートル以上離れているときなどは熱中症を防ぐためにマスクを外してもいいと、外しましょうということを50%の方が知らないという回答が出ています。ですので、今日新たに御紹介をした方がいいと思ったのは、こういった屋外で2メートル以上離れているなどの場合、熱中症を防止するためにもマスクは外しましょう、ぜひ、こういったことはより一層周知に努めていきたいと思います。先週1週間の熱中症による救急搬送者数が1651人と、昨年同時期の1.7倍となりました。また、平成30年に記録的な暑さになった際には災害級の暑さと呼ばれましたが、気候変動などの影響もあって、このような状況が今後も続く可能性があります。自民党の熱中症対策推進議員連盟からもおととい、熱中症対策に関して的確な情報発信や政府の体制強化など様々な御提言をいただきました。環境省としてはこの提言も受けまして、関係省庁との熱中症に対する連携、体制をより強化して、積極的に熱中症対策に取り組んでいきたいと思います。
 この7月から始まった環境省も関わる施策については以上としたいと思いますが、今日は冒頭、最後に、経産省から先ほど発表があった石炭のことについて一言触れたいと思います。梶山経済産業大臣から、今日の閣議後の会見におきまして、非効率な石炭火力のフェードアウトや再エネの主力電源化を目指していく上でより実効性のある新たな仕組みを導入すべく、今月中に検討を開始して取りまとめるよう事務方に指示をしたという会見がありました。私は、国際社会の一部から批判されていた石炭火力発電について、昨年のCOP以前から脱炭素化への移行を進めていく重要性を提起してきました。本日の発表によって、国内において非効率な石炭火力発電のフェードアウトに向けた取組の具体化が進んでいくこととなり、梶山経産大臣のリーダーシップに敬意を表したいと思います。今回の発表は、パリ協定で掲げる脱炭素社会の実現に向けた日本の揺るぎない姿勢を国際社会に示す大きな一歩となるものです。今後とも経産大臣と密接な意思疎通を図って、2050年にできるだけ近い時期の脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。また、石炭火力発電の輸出支援に係る4要件の見直しの調整については、今、最終的な詰めをやっていますので、これについては引き続き最後まで関係省庁としっかり調整の労を図っていきたいと思います。今日は冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)時事通信の武司です。梶山経産大臣の石炭火力発電に関する方針発表についてですが、休止・廃止をするのは古いタイプで、効率が高いものは残すというふうになっています。小泉大臣は以前から、コールにクリーンはないとか、クリーン・コールというのは海外に通用しないとおっしゃってきていますが、経産大臣の方針について受け止めをお願いします。
(大臣)まず、今日のフェードアウトをしていくというふうに今まで言っていたことで、じゃ、どうやってフェードアウトをやるのか、これが具体性を持って語られていなかったのが今までです。今回の経産大臣のリーダーシップによって、それが具体化をしっかりと制度も含めて進むことになりました。まずは、このことを私は評価をしていますし、恐らく私も様々な仄聞をしますが、経産省内でもいろんな声があったはずです。そういった中でも梶山経産大臣のリーダーシップによって、明確に退出をさせていくという国内の石炭についての一歩を踏み出したことは、そこは評価されるべきだと思います。そして、では、これから高効率の石炭火力はどうするのかと、そういったことについては私も様々な関係者との意見交換をする中では、このエネルギーの世界は技術が日進月歩で早く進化をします。クリーン・コールというふうに言われた時代から、最終的にはこれから火力だけどゼロ・エミッションであるということは決して夢ではない時代がやってきます。環境省としては、高効率のものを更に高効率にしていく技術開発の支援、そしてまた最終的には火力だけども、COの排出がないという火力、これをゼロ・エミッション火力というふうに言われますが、そういったことについても私は大いに可能性の追求はすべきだと思います。いずれにしても、この一歩は動かざること山のごとしというふうに見られたこのエネルギー政策は、がんじがらめになってなかなか解きほぐすことができなかったことに、一歩解きほぐすような風穴が開いてくると、エネルギー政策全体の議論にもつながることだと思いますので、改めて梶山経産大臣のリーダーシップに敬意を表したいと思います。

(記者)朝日新聞の水戸部です。国内の石炭火力のことでお伺いしたいのですが、大臣は繰り返しコロナ後の社会として脱炭素化ということをおっしゃっているのですが、これからエネルギー基本計画の議論も始まっていくと思うのですけれども、その際、脱炭素化と言ったときに大臣は化石燃料として原子力発電所については、除染を担当する環境省の大臣として再稼働や新設についてはどのようにお考えでしょうか。
(大臣)まず、原発については、いかなる需要よりも安全性を優先することは当然だと思います。原子力規制委員会が科学的、技術的に審査をして、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めたものについてその判断を尊重するというのが一貫した政府の方針です。また、原発への依存度は省エネ、再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などによって震災前の想定を見直して、可能な限り低減をさせるということが政府の方針です。環境省は、外局として独立性の高い三条委員会である原子力規制委員会を所管していることから、原発推進の是非については控えさせていただきますが、こうした政府方針に沿って、環境省としても徹底した省エネ、そして再生可能エネルギーの最大限の導入を進めていきたいと思います。いずれにしても、今回の石炭、これが国内のものも含めて大きく前にエネルギー政策が動き出したことは、事実上、エネルギー政策全体の議論が大きく動くことにもつながると思います。その中で環境省としてファクト検討会という場で石炭の議論やエネルギー政策の議論をしたように、ファクトに基づく議論がされていくことを私としては期待をしています。

(記者)日経新聞の安倍です。石炭火力の関連で、冒頭にもお話、後の方に出ました、輸出の厳格化について、まさに今4要件について最終調整している段階だとは承知しているのですけれども、報道にも一部出ていますけれども、輸出要件を厳格化していく見直しの議論について、今、大臣はどのように見ていらっしゃるかということを、もう一度お聞かせいただけますでしょうか。
(大臣)今、最終の詰めをやっていますので、今ここで予断を持ったことは言うべきではないと思いますが、現時点で言えることは、今日の朝も経産大臣の会見で経産大臣が言われたことに尽きるかなと思います。今日、経産大臣は最後に質問で問われて、この4要件の調整がどうなっているかと。厳格化ということが今日一部の新聞で報道されています。そのことを受けて、経産大臣は、厳格化に向けてはっきりさせるというお答えをされました。現時点で言えるのは、私もそこだろうと思います。

(記者)環境新聞の小峰です。エネルギー問題と離れまして、中国公船の尖閣諸島の領海への接続水域への侵犯がやみません。南シナ海や東シナ海だけでなく、西太平洋地域の海洋覇権の意図も露骨になっている。そうした中、4月1日に施行された改正自然環境保全法の小笠原諸島沖合の地域指定を急ぐべきではないでしょうか。
 また、山田宏参議院議員や稲田朋美幹事長代行ら自民党の有志議員が尖閣諸島の生態系調査へ向け、議員立法制定の動きを活発化させています。こうした議員立法化の動きを小泉大臣はどう受け止めていますか。
(大臣)昨年、自然環境保全法の改正によって、沖合域の自然環境を保全するための沖合海底自然環境保全地域制度が創設をされて、今小峰さんが御指摘をされたように、今年の4月1日に施行されました。沖合海底自然環境保全地域の指定に関しては、法改正当時から優先的、先行的に保全を図る海域とされてきた小笠原方面の沖合域の指定に向けた調整を今進めているところです。これはスケジュールとしてどうなのかということでありますが、まず、今月中にパブリックコメントを開始して、関係機関や地元の関係者などとの調整を経て年内に指定できるように努めていきたいと思います。
 そして、もう一つ、山田宏議員、また稲田幹事長代行ら自民党の有志議員が尖閣の生態系の調査へ向けて議員立法の制定の動きをされているということをどう受け止めるかということでありますが、尖閣諸島に関しては、環境省では、平成20年(2008年)と、平成27年(2015年)の調査によって、航空写真や人工衛星画像の解析によって植生図を作成して、自然環境の把握に努めているところです。環境省としては、引き続き現段階で可能な方法による情報収集と現状把握に努めたいと考えています。そして、今触れた2008年、2015年の調査、最新ですと2015年ですから5年たっています。そういった中で、今、最新の状況がどうなっているのか、航空写真、人工衛星画像の解析をかつてはしている中での発表となっていますから、今、衛星で撮ったらどうなっているのかとか、そういったことを含めてこの議連のサイドから必要な様々な情報提供の話とか、こういったことがあれば環境省としても協力をしていきたいというふうに思っています。

(記者)NHKの吉田です。石炭のことについて伺わせてください。経済産業大臣の発表で非効率な石炭火力発電所については段階的に削減を進めていくような方向性になったかと思いますが、やはりその上で今後課題となるのが代替電源をどうするかという点だと思います。環境省では昨年度から、ゼロカーボンシティを宣言する自治体も増えてきて、再生可能エネルギーへのニーズは相当高まってきていると思うのですが、今後課題になるのはどのように拡大させていくのか、社会実装させていくのかというところに尽きるかなと思います。CCSあるいは水素を活用した発電でも技術革新が必要とされる部分がありまして、どうやって社会に実装させていくのか、送電をどうするのかという点も問題になろうかと思うのですけれども、そういった再エネの導入に関して、今後、大きな需要ができたところで再エネの導入を具体的にどう進めていくのか、お考えを伺わせてください。
(大臣)まさにそこがポイントだと思います。そういった中では大変前向きな動きがあるのは、自治体の2050年のゼロカーボン宣言が、もう人口の過半数を超えるところの水準まで来たことで、需要が相当に高まってきているということ、それと最近の様々な企業の要望活動も私は受けますが、企業サイドから再エネをもっと必要としているから、その環境を整えるような政府の動きをしてほしいという、企業側から再生可能エネルギーを求める動きが出ていること、そしてその企業の中には更に企業が個人の再エネ契約へ切り替えるような取組まで出てきている、こういったことは前向きなことだと思います。そして、そういった中で、先日の記者会見でも質問がありましたが、NTTなど今までの既存のこの電力供給のシステムとはまた別に、まさに環境省が目指している自立分散型のネットワークの形成に向けた民間の動きというのが、これは今までと大きく変わる可能性も秘めている、そういったものが出てきています。我々としては、これをしっかり後押しをすると同時に、今質問の中でも触れられた様々な技術開発、イノベーションの支援もしていきたいと思います。私としては、例えば今、石炭火力の話も問題になっていますが、そこにバイオマスを混ぜて燃やしたり、またアンモニアを混ぜて燃やしたり、そういったことだけでも相当大きなCOの排出減につながります。そして、最近一部の事業者なども言っていますが、火力だけどゼロ・エミッションであるという、こういう技術開発が今急速に動きを進めています。仮にそういったものが実現性を帯びた場合、エネルギー政策の議論のゲームチェンジャーになる可能性は秘めています。こういったことを後押しすることも再生可能エネルギーの主力電源化、これに向けて環境省としてできること、あらゆることを全力で後押しをしていきたいと考えています。

(記者)フジテレビの加藤です。熱中症警戒アラートについてお伺いしたいのですけれども、先ほど、大臣からは、危険の最後通告だと、熱中症警戒アラート。僕もそう思っているのですけれども、気象庁が今災害のレベル分けをしていると思うのですけれども、レベル5の特別警報、このときは危ないですよというのが熱中症警戒アラートだと思うのですよね。その場合、気象庁が出す場合はレベル3が出て、レベル4が出て、レベル5が出るんですけれども、熱中症警戒アラートの場合、熱中症警戒アラートは33で出るんですけど、31のときの先ほど言っていた危険、そのときは原則運動はしちゃいけないということだと認識しているのですが、31はどこにも出ないわけですよね、環境省のHPにも。例えば、メールを登録すればメールで配信はされるけれども、メディアで積極的に発信しなければ環境省からも気象庁からも危険ですよ、厳重警戒ですよというのは、段階的に出るわけではなくて、アラートでしかもしかしたら人が知る方法がない可能性があるわけですよね。ここは問題点があるのかなと個人的には思っているのですが、そこのところはどうでしょう。
(大臣)もちろん、メディアの皆さんの御協力というのは非常に大きいので、我々行政だけで伝わらないところというのはぜひ御協力もお願いしたいと思います。ただ、おっしゃるように、この33は最後通告で、もう熱中症はもはや災害級である、この今の現状、これを考えたときに、しっかりと伝えるべき方々に伝えていくために、より漏れがないような体制で発信をすべだというのは、私もそのとおりだと思います。事務方にも再度、そこはよく検討していただきたいと思いますが、何か補足はありますか。
(事務方)今、大臣からもお話がありましたとおり、気象庁と一緒にやっている共同の検討会でもこの点の議論がありました。情報を何度も何度も出すことでオオカミ少年になってしまって、国民の皆さんが逆になかなか行動に移さなくなるというような経験を、災害時の情報の発信で気象庁さんとしてはお持ちだったそうで、なので、どのタイミングで情報を出すのが本当に国民の方に届くのかという観点から議論をしてまいりまして、今、大臣からお話がありましたとおり、非常にそのままでは危険だと、最後通告だという意味でこのアラートは出すわけなんですけども、それ以前、例えば暑さ指数31のときも熱中症については非常に危ない状況でありますので、そちらについては環境省のホームページ等でも皆さんにお伝えしていくという手段を少し分けて対応しようということで今検討を進めています。
(記者)ホームページだけだと全く周知になっていない、環境省はホームページをずっとやっているじゃないですか、何年も暑さ指数については。
(大臣)問題意識としては、例えば、気象庁が命を守る行動を取ってくださいというふうに、台風とかああいったときに起きるように、このアラートが33以上になりますよというときは、例えば会見をするなど、そういった形で積極的にやるべきじゃないかという御指摘ですか。
(記者)33は多分、大々的に報道されるのは理解してます。31です。レベル4です。土砂災害であればレベル4、避難勧告、避難指示に当たるもののときは環境省のホームページでしか確認ができない、全く今、発信されていないことにもつながるかと思うんですよね。だから、今すぐどうにかしてくれというわけではないんですけど、今回やってみて秋に見直すなど、そういうことも含めて検討してもらった方がいいのではないかと思って。
(大臣)そうですね。そこはまさに、今、発信の中で様々なことを試みたらいいと思います。例えば、環境省のツイッターなどもやっていますので、33に限らずに、今日はこれぐらいの数字ですというのは、これから私も会見のたびに、今日は25というのがありましたけど、それは紹介をしていきたいと思います。例えば、今テレビの情報番組などでは気象予報をやりますので、そのときに33に行かなくても活用していただくとか、そこの民間の皆さんの御協力、メディアの方の御協力と、我々として33に行かずとも情報発信、どうすべきかは、しっかり我々も考えていきたいなと思います。

(記者)産経新聞の奥原です。先ほどの、小峰さんの質問の更問なんですけれども、自然環境保全法の改正によって小笠原地域が指定されるということは、その名のとおり環境保全が目的だと。ただ、地域では6年前に宝石サンゴの回収事業者が海外からかなり来ましたし、そういう意味で日本の周辺地域の実効支配というところを、その名のとおり実効支配たらしめるという効果も期待できると思いますけれども、この点について大臣のお考えを伺いたいのと、あと石炭火力に関しまして大きな動きが出てきたという中で、梶山さん先ほどの会見で、大臣とは隣の席で良好に意思疎通を図っていますということを笑顏でおっしゃっていましたけれども、所管外とはいえ、国内のSC以下の削減に向けて大臣が経産側と働きかけた話について、もしおっしゃられる範囲があれば教えてください。
(大臣)まず、1点目からお答えをしたいと思いますが、先ほどの自然環境保全法の改正、この関係で、実効性たらしめるためにも大事ではないかという奥原さんの御指摘ですが、これは環境省のみならず、政府全体として実効性たらしめるためのあらゆる手段を活用していく、これは当然のことだと思います。その上で、今回この小笠原方面の沖合域の指定に向けた調整を今月中のパブコメ、そして年内の指定、これを見据えて、今、関係者とも調整を進めているので、そこは御理解をいただきたいと思います。また、こういった海洋保護区域、これをしっかりと指定をしていくことは、来年、中国でCOP15、これは生物多様性COPですが、こういったところの目標達成に向けても、日本がしっかりと生物多様性の分野においてもリーダーシップを発揮していくことも非常に大きなことですので、日本として取るべきことは、関係省庁とも連携をして、やれることは全部やっていきたいと思います。
 そして、2点目、経産省とのコミュニケーション、梶山大臣とのという御指摘がありました。私も先ほど梶山大臣の会見を拝見させていただいて、最後に私とのやりとりは何かあったのかということに、梶山大臣が小泉大臣とは折に触れてということを御発言されていました。私からのお答えは同じで、梶山大臣とは折に触れてコミュニケーションを取っております。

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=u7FTWYkj6sA

(以上)