大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年6月5日(金) 9:45 ~ 10:13  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日、6月5日は環境の日ということで、今日は私から地産地消をキーワードに一言私の思いを申し上げたいと思います。この日は何で環境の日なのかというところから始めたいと思いますが、1972年6月5日からストックホルムで開催された国連人間環境会議を記念して、国連において世界環境デーとして定められたものでありまして、日本では環境基本法によって環境の日と定められています。例年、この時期にはエコライフ・フェアをはじめとする環境イベント、そして公害健康被害者の皆さんとの意見交換を通じて環境保全への思いを新たにしているんですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、残念ながら、軒並み延期となっている状況であります。私は今までもこの記者会見の場で、コロナ後の経済復興に関して環境を置き去りにした経済復興の道はなく、経済社会をより持続可能でレジリエントなものへと変革していく再設計が必要だと、そういったことを何度も申し上げていました。それでは、一人一人が取り組めるその再設計(リデザイン)とは何だろうかと、そういったことを考えてみましたが、先月22日の国際生物多様性の日のメッセージでも強調したように、その一つが地産地消であると私は改めて思っています。地産地消という言葉からは、今日は日本農業新聞さんもいらっしゃいますけど、地場の農産品の消費というだけの印象を持たれる方もいると思いますし、産品の輸送に伴うCOの排出の削減に着目をするという、そういう見方もあると思いますが、私の地産地消の理解はもう少し広く捉えています。生産者と消費者が顔の見える関係性をつくっていくこと、そして自分が住んでいる地域や縁の深い地域との関係を見つめ直すことが地産地消という4文字に込められていると私は理解をしています。地産地消は強いコミュニティーをつくっていくための一つの鍵でもあります。最近、私もこのコロナの影響を受けて、地元で農家の皆さんが大変な思いをしているということで、地元の農家の方から野菜ボックスを宅配で届けていただいて、私自身も地産地消の取組を今まで以上に強化をしました。そういった行動を始めると、この行動が自分の中で、今まで元々強い地元に対する郷土愛、それが更に強くなり、そしてそこに住んでいる人々、そしてなりわい、その基盤となる環境、こういったことをもう一度見つめ直して大切に思う気持ちをより強く育むことにつながると、そういうふうに感じています。こうした積み重ねが魅力的で、活力あふれる強い地域コミュニティーをつくっていくと考えています。この強い地域コミュニティーというのは、防災にもつながっていると考えています。おととい6月3日に開催した「気候変動×防災」の意見交換会の中で、有識者の涌井先生は、防災の大切な視点としてコミュニティーの強化ということをおっしゃっていました。そして、昨年、大変な台風被害を受けた長野県の阿部知事からは、2014年の白馬村での地震では、住民同士の助け合いによって死者が一人も出なかったことが白馬の奇跡と語られることもあるが、日ごろからの助け合いが当たり前になっている地域住民にとっては奇跡でも何でもなく、当然のことであったと、そういうエピソードが語られました。このように、地産地消は強い地域コミュニティーをつくることを通じて防災にまで貢献するものだと思います。まさに一人一人が具体的に取り組むことができるリデザイン(再設計)であり、コロナ後のニューノーマル、この一つが今まで以上の地産地消の取組の輪を広げていくということだと思います。今日は6月5日、環境の日であります。国民の皆さんにも今日の環境の日に限らず、この6月は環境月間ということでもありますので、ぜひこの機会にコロナ後の新しい社会は地産地消から始まると、それぐらいの思いで一人一人ができることをぜひ始めていただけたらと思います。これは食べ物に限らず、私は今日はかりゆしを着ていますが、日ごろスーツのときも、例えばシャツは熊本県の人吉のシャツを着たり、そしてマイバッグは熊本の震災で使われたブルーシートを再利用したものなども使っています。様々なものが顔が見える、地域が見える、そういったものを身につけたり食べたり、消費をしたり利用したり、こういったことがきっと今後の新しい社会をつくる第一歩になると私は信じています。先ほども申し上げましたおとといの「気候変動×防災」に関する意見交換会では、阿部知事から昨年の台風被害を受けて、気候非常事態宣言とゼロカーボン宣言を出されていたこと、さらにこの4月に再生可能エネルギーの生産量を3倍以上にすることなどを柱とする気候危機突破方針を策定されて、気候変動対策と経済対策、経済成長を両立させながら進めていく、そんな方針を御紹介いただきました。そして、昨日、6月4日の全国知事会議においては、長野県が主導して「ゼロカーボン社会構築推進プロジェクトチーム」を設けることが決まったということを伺いました。昨年来、ゼロカーボンシティの拡大を呼び掛けてきた私としては、大変心強い動きであると感じています。今、6300万人を超えて、一番最近でいうと、千葉県の山武市が千葉県の一番手になりましたが、ゼロカーボンの方針を示されて、今、人口ベースでいうと国勢調査ベースではとうとう人口の過半数を超えました。今後、全国の知事の皆さんとも連携をしながら、地域の脱炭素化と防災の取組を後押ししていきたいと思います。今日は後ろにシンポジウムのポスターを貼っていますが、6月30日には、内閣府や国連防災機関と共同で「気候変動×防災」に関する国際シンポジウムを開催する予定です。このシンポジウムに合わせて、これまで3回にわたる意見交換会を踏まえた武田大臣との共同メッセージを皆さんにお伝えできるように準備をしています。その上で共同メッセージに盛り込む方向性を今後の具体的な施策に反映させてまいります。今後の経済社会をより持続可能で強靱なレジリエントなものへと変革をしていく経済社会の再設計(リデザイン)が不可欠だと、そういう認識に立って地産地消の更なる推進、「気候変動×防災」、この取組を一歩一歩着実に前進をさせていきたいと思います。今日は環境の日に当たりまして、冒頭私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)読売新聞の松崎です。「気候変動×防災」の関係でお伺いしたいのですが、意見交換会とか勉強会とか重ねられていて、シンポジウムも行われるということで、情報交換とかメッセージを発出するということはされているんですけれども、その中のものをどう具体的に現場の対策に生かしていかれるのか、取組に生かしていくのかを教えてください。
(大臣)今、冒頭のメッセージの中でも申し上げたとおり、まず今月、このシンポジウムが6月30日に開催されますが、そこに向けて武田大臣と共同でメッセージを作って、そしてそのメッセージの中には今後、施策として展開をされていくような、そのポイントを盛り込んでいきたい、そういうふうに考えています。阿部知事、涌井先生、中村先生、片田先生、この4名に最近の6月3日の勉強会には御参加いただきましたが、特に印象に残った点、私としても今後に大きな一つの参考となる御意見をいただいたなと思うところを少し紹介させていただくと、長野県がまず昨年の台風被害を受けて復旧・復興に取り組みつつ、気候変動対策の強化をこの災害からの復興と同時に進めている、こういったこと。そして、涌井先生からは、日本人が古来、自然にあらがうのではなくて、しのぐ、そしていなす、こういう考え方を持って伊達政宗、武田信玄、加藤清正といった戦国武将たちが、自然が持つ機能をうまく生かした治水を実践していたこと、そしてこれはコロナ後の経済回復にもつながること、通じることでもありますけど、もう一度同じ被害を受けることのないようにするためには、これからの復旧・復興の在り方というのを単に破壊されたところを元に戻す、そういう復旧ではなくて、元どおりに戻すという発想からの脱却、これが必要なんだという、そういうお話もありました。この必要性については改めてこの勉強会でも内閣府防災と、そして我々と共に共有することができているのではないかなというふうに思います。今後については、この3回にわたる意見交換会、そして武田大臣とも共同でメッセージを作成すること、これは今月内に発表したいと考えています。6月30日には、内閣府や国連防災機関と共同でのシンポジウム、このシンポジウムの場もしくはその前のタイミングで、皆さんにこの共同メッセージをお伝えできるように今準備をしています。ですので、今後どうするのかということはまさにこのメッセージ、そしてシンポジウム、そしてその後は施策への反映、こういった形で着実に具体化を進めていくと、そういったことだと御理解いただければと思います。

(記者)毎日新聞の鈴木です。香川県の離島、豊島で起こった産業廃棄物不法投棄事件は、6日で住民と香川県との間で公害調停が成立してから20年を迎えます。この節目を捉えて何点か伺わせていただきます。豊島事件は企業がごみの行き先を考えず、ただただ安いという理由で違法の処理業者に産廃の回収依頼を殺到した結果、違法投棄につながったという結果が起こりました。その事件を教訓に、自動車リサイクル法や容器包装リサイクル法が制定されるなど国の廃棄物行政に多大な影響を与え、リサイクルという考えを定着させる契機ともなりました。まずは、この20年の節目を迎えるに当たって御所感をお聞かせください。
 また、産廃処理で国の支援を受けられる、産廃特措法の期限が2023年3月に迫っています。豊島では昨年に産廃処理が完了したものの、深刻な地下水汚染の浄化などまだまだ時間がかかる見通しです。まだ先の話でありますが、島の処理状況によっては特措法の再延長などの措置を検討するお考えはあるでしょうか。
 最後に、ごみを出さないという豊島事件の教訓は、環境省が進めるレジ袋有料化やプラスチックの資源循環戦略などにもつながる資源循環行政の原点だと思います。ごみの島とまで呼ばれた豊島の住民はきれいな島を目指して今も懸命に取り組んでいるさなかです。コロナ禍で長距離移動は難しい御時世ではありますが、大臣の任期中に豊島を視察するお考えはあるでしょうか。
(大臣)豊島の事案は日本における最大規模の産廃不法投棄事案の一つであります。島民の皆さんをはじめとする関係者の皆さんがこれまで大変な御苦労をされて、また御努力を重ねてこられた結果、全量撤去が完了して処理が完了したと承知しています。まずは、長きにわたってこの事案解決に向けて御尽力されてこられた皆さんに心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。豊島の事案は、産業廃棄物の不法投棄や不適正な処理が人々の生活と環境にいかに深刻で重大な影響を及ぼすかを浮き彫りにしました。豊島の環境を取り戻すために住民の皆さんが闘ってこられた軌跡、そして問題を解決するに当たって関係主体が共に参加・協働して新たな関係や価値観をつくって問題を解決していこうという共創、共に創る、この理念は不法投棄防止対策のみならず、その後の廃棄物行政全般の礎になっていると考えています。豊島の事案等からの反省も踏まえながら、これまで累次の廃棄物処理法の改正が行われてきました。その結果、平成10年度時点で年間1197件あった不法投棄事案の新規判明件数は、平成30年度時点で155件まで減少しています。引き続き、国、自治体、産業界、廃棄物処理事業者等の各ステークホルダーが共創の理念に基づいて、それぞれの責任を果たすことで不法投棄の撲滅と適正処理の推進に取り組んでいかなければならないと考えています。この共創の理念は、現在検討が進んでいるプラスチック対策、これをはじめとする循環型社会構築や広く環境行政全般の根底を成すものだと言えます。今後も豊島の経験を糧としながら、広く国民の皆さんと協力してよりよい環境行政を進めてまいりたいと思います。
 また、2点目、鈴木さんからあったのは産廃特措法、この期限の話がありました。現在、この産廃特措法に基づく特定支障除去等事業、この事業は豊島の事案も含め全国で11事業が実施されていて、各自治体とも期限内の事業完了に向けて取り組んでいると、そういったことであります。国としてもまずは期限内に事業が完了するように、引き続き自治体に対して財政的また技術的な支援を行っていく予定です。事業の完了後につきましては、各自治体において跡地利用などについて地元と協議の上、取り組まれるものと認識をしていますが、国としても必要な助言を行っていきたいと考えています。
 最後になりますが、現場を訪れることはないかという話がありました。もちろん、遠方まで移動が許される、そういった環境にならなければ実現はしませんが、ぜひ一度行きたいというふうに思います。私の父が総理時代も行っているんですよね。そういった縁も感じますし、今ではむしろ瀬戸内国際芸術祭とか新たな魅力を国内にとどまらず、世界中から関心を持たれる魅力あふれるところになっていますから、一度行きたいと、そう考えています。

(記者)朝日新聞の水戸部です。今日は環境の日ということで地元への思いということも語られたんですけれども、大臣の地元の横須賀で温暖化対策の強化を求める若者のグループが大臣宛てに、地元で新石炭火力発電の建設をやめることを求める手紙を190通集めて郵送したということでSNSで発信しています。もし、お手紙を見ていましたらその受け止めを聞かせていただきたいのと、国内の石炭火力や再エネの現状について、ファクト検討会でも途上国への長期戦略への策定など伴走型の支援ということをおっしゃっていたので、もしそういうことをやるのであれば、国内の脱炭素化への姿勢というのも問われてくるかと思うのですが、そこら辺を聞かせてください。
(大臣)フライデーズ・フォー・フューチャー、ついに横須賀にも誕生したということで、この若者の力を大変心強く思います。そして、その若者から届いた手紙、私も拝見させていただきました。中には5歳の方のお手紙もありました。そして、大学生、また世代を超えて幅広い方々からのこういったお手紙を私も読ませていただいて、ぜひこの若者の皆さんの声をしっかり受けて、日本が脱炭素化に取り組んでいる姿勢が揺るぎないというものを国際社会へもしっかりと発信をしていきたいし、ぜひこのフライデーズ・フォー・フューチャーの横須賀の皆さん、また若者の皆さんには、同じような強い思いを持っていなかったら4要件の見直しにだってここまで汗をかくことはなかった、その結果、動かないと思われた4省庁での見直しに向けた議論がスタートして、第一歩、それを記すことができたんだと。そして、国会の中で昨年のCOP以降、ここまで石炭において議論が活性化されることは今までなかったと思います。我々環境省としても、今までも言っていますが、石炭火力を含む火力についてはその依存度を可能な限り引き下げる、そして厳しくこれから石炭火力について見ていく、そういったことを今までもずっと言っています。そういったことを具体的なアクションに示している一つが、私が取り組んでいるこの4要件の見直し、そういったことから始めようと。これをぜひ一緒に思いを共有していただいて、最終的に日本がこのパリ協定に大きく貢献する国になったと、そういうふうにしっかりと日本の貢献が伝わるように、気候変動外交の強化も含めて取り組んでいきたいと、そういうふうに私は考えています。

(記者)エネルギーと環境の清水です。冒頭お話があったことで伺いたいんですが、私の要望も入っていますけれども、環境行政の見える化が必要だということは、地域循環圏構想とか、地産地消のポストコロナ後の対応では非常に重要だと思うんです。ただ、COの濃度がまだ国民あるいは地域の人たちにちゃんと把握されていないことが非常に気になっていまして、温暖化の見える化ということも地域社会で環境を落とし込む上で非常に重要だと思います。対策の効果がどれだけあったかということも見える化になれば一番いいんですけど。言いたいことは、COの濃度っていうのはいつも1年遅れとか2年遅れですよね、全国的に出てくるのは。精緻な精度で測定値を出すということもあるだろうと思いますけど、もうちょっとリアルタイムでCOの濃度をね。今全国にも、大臣御承知でしょうけども、一般測定局で窒素酸化物とか硫黄酸化物の測定局は全国に1000ぐらいあるわけですよ。そういうやつをね、CO濃度、もちろん地域性がないということは分かっていますけども、環境と地球の危機ということからいけば、そういうことも重要なんじゃないかと思うんですけど、どうでしょう。
(大臣)全く同感です。見える化、リアルタイムで可能となって、そして私のイメージですけど、ニュース速報ではないけど、普通のニュース番組で天気予報をやられますが、最近はPM2.5とかああいったことも出ます。花粉も出ます。そして、我々は今、環境省は熱中症対策もやっていますが、熱中症のアラート、こういったことも出ます。恐らく清水さんが、見える化とおっしゃっている思いというのはそういう形で、例えば今週のCO排出はこれぐらいでしたとか、そういうことですよね。全く同感です。そういうことが可能となる技術も出てきたので、そういったことを実現するように、環境省ができることを国民を巻き込む形でやっていかなければいけないなと思っています。今、環境省は衛星で「いぶき」(GOSAT)というのがありますから、そういった計測もやりながら、どうやって見える化をして国民全体でそういったことを共有しながら進めていけるか、今後の温対計画の見直しの中の作業とか、様々な議論の中で後押しをしていきたいなと思っています。思いは全く同感です。

(記者)TBSの守川です。コロナの影響による相次ぐ大型イベントの中止の関連でお伺いします。先ほど大臣の冒頭の御説明の中で、環境関連のイベントの中止が相次いでいると言及されましたが、今日は日本で最大級の野外音楽イベントであるフジロックフェスの中止という報道がありました。自然環境の中で文化を楽しむという日本の新しい文化として定着をしている夏の野外の大型イベントの中止が相次いでいると。国交省の所管ではありますが、国営のひたちなかが会場となっているロッキンジャパンも中止になっておりますし、いわゆる豊かな環境を楽しみながら文化を楽しむという、こういう日本の文化が危機にひんしている状況をどのように見ておられるのかということと、コロナ後、こういう豊かな環境の中で文化を楽しむという在り方がどのように変わっていくのかと見ておられるのか、御意見をお伺いできますでしょうか。
(大臣)まずは、フジロックの中止、残念ですね。環境省は今までも音楽イベントとかの連携というのもやってきました。例えば、ap bank、そういったフェスとの連携などもやっていたので、フジロックをはじめとする代表的な音楽イベントとの連携をしながら気候変動や環境のことに関心を持っていただくきっかけをつくる、それもすごく大事なことだと思っているので、今回、フジロックが中止ということになったことは、そういった取組を後押しする意味でも残念だし、またそういったイベントで何か一緒にできないものかなと考えてきた立場でもありますので、そして職員の中でも実は大のフジロックファンとかもいて、毎年、もう10年以上フジロックに行っているという、そういう職員がいることも私もこの前、意見交換で知りました。そういった野外だからこそ、そして集まってこそ熱気とか感動が味わえる、そういったものは間違いなくありますから、早くその日が来るように、感染対策、収束に向けて防止対策をしっかりやっていかなければいけないし、ここで緩んではいけないなと改めて痛感をしています。一方で、こういった中止が相次いでいる、そういった中だからこそ、改めて見直すべきことがあることも様々な面で事実なので、その中の前向きなところを決して置き去りにしないように、次のまさにニューノーマルに向けて何ができるのかという発想を持ちながら、環境行政でやれるべきことをこのイベントの中止のダメージを最小化しながら、次に生かしていく発想で次を考えていきたいと、そういうふうに思っています。

(記者)日本農業新聞の髙梨です。未除染での避難指示解除についてお尋ねします。帰還困難区域の中で復興拠点外でも一定の要件を満たせば未除染で避難指示解除ができるという方向で、今、最終調整に入っていると思いますが、除染事業の所管をする環境省として、この枠組をどのように評価しているか教えてください。また、避難指示が解除されて復興拠点外の除染がどこの予算で行われることになるのかも教えてください。
(大臣)まず、飯舘村からは特定復興再生拠点区域外の帰還困難区域において、村が復興公園を整備して避難指示解除を目指したいという御要望をいただいています。また、先日、5月28日は与党の復興加速化本部から、特定復興再生拠点区域外の土地活用の実現に向けた検討など、帰還困難区域における対応に関する申し入れを受け取りました。環境省としては現在、この復興拠点区域の避難指示の解除に向けて、家屋などの解体除染を進めているところであります。これを着実に実施するとともに、各町村の御要望をしっかりと受け止めながら、政府全体として拠点区域外の帰還困難区域の対応について検討を進めていきたいというふうに考えています。そして、どんな方向で見直すか、この見直す方向についての決定はまだしていないということでありますが、環境省としては現在、今言ったとおり復興拠点の避難指示の解除に向けた家屋などの解体除染を進めているところでありますので、着実に実施をして各町村の要望をしっかり受け止めながら、政府全体としての区域外の帰還困難区域の対応については引き続き検討を進めていきたいと考えています。

(記者)NHKの杉田です。日本犬保存会の複数の幹部が動物愛護法で規定されている業としての登録をしないまま犬の有償譲渡を繰り返していたことが一部報道で出ていたんですけれども、これに関して環境省として今把握している事実関係と、今後の対応についてお伺いできればと思います。
(大臣)今朝の報道において、御指摘のような報道があったということは承知しています。環境省が所管をしている動物愛護管理法においては、動物の販売などを業として営もうとする者は第一種動物取扱業として都道府県などの登録を受けなければならないとしているところです。報道のあった日本犬保存会に関連する事項については、現時点では環境省としては事実関係をまだ把握をしていません。今後、速やかに日本犬保存会、そして関係自治体から事実確認を行って、動物愛護管理法の適正な運用上、問題がある行為が確認をされた場合には、速やかに改善の措置を取るように関係自治体とも対応を進めていきたいと考えています。

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=JMmAbSAn1_M

(以上)