大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年5月29日(金)9:00 ~ 9:32 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 後ろにありますとおり、明日5月30日はごみゼロの日です。6月8日の世界海洋デーまでの約1週間は、海ごみゼロウィークであります。まず、新型コロナ感染症のリスクがある中で、毎日、ごみを適切に処理してくださっている全国の処理業者の皆さん、そして自治体の皆さん、また現場スタッフの皆さんに改めて心から感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。今年の海ごみゼロウィークは、大規模な清掃イベントの実施はコロナの影響で大変難しいということですが、できるだけごみを増やさない暮らしの工夫を呼び掛けたいと思います。私を含めて環境省の政務そして職員一同も、まず隗より始めよということで、例えば食べ物は残さない、マイボトルやマイバッグを使う、そういったできるだけごみを出さないために実施できるところから実践をしていきたいと思います。新型コロナウイルス感染症対策のための外出自粛に伴って、家庭からのプラスチックごみが増加傾向にあることが指摘されています。特にデリバリー、テイクアウト、そういったことも関係していると思います。少しでもできることから心掛けていきたいと思います。また、例えば熊本で持ち帰り用のプラスチック容器10個を店舗に返却したら100円キャッシュバックをする、そういう取組が行われているそうです。こうしたコロナ後の新しい生活様式に対応した創意工夫の取組についても、環境省がやっています「プラスチック・スマート」キャンペーンで促していきたいと思います。そして、ポストコロナを見据えてライフスタイルの変容、持続可能な社会の再設計として海洋プラスチック対策も強化、加速をしたいと思います。今日は具体的な取組として、5点申し上げたいと思います。
 まず、第1に、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンのグローバル展開であります。昨年のG20大阪サミットで、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにする、そういうことを目指す大阪ブルー・オーシャン・ビジョンがG20で共有をされました。先週開催された国連アジア太平洋経済社会委員会で、我が国からの働き掛けによってこの決議にビジョンの内容が盛り込まれました。現在、ビジョンを共有する国と地域はG20の20カ国から約4倍の86まで拡大をしました。真に世界共通のビジョンとすべく、更に世界全体に広げるために働き掛けていきたいと思います。さらに、こちらのスライドの2点目になりますが、6月の中旬にOECDと共催でウェブ会議を開催します。ビジョン達成の道筋を各国と議論をして、成果を今年秋に予定されるG20環境大臣会合にもインプットしたいと思います。また、途上国への拡大も大変重要であり、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)に、昨年10月に設立した海洋プラスチックごみナレッジセンターへの支援予算を約7倍に当たる2億円に拡充をしました。我が国の地球環境戦略研究機関(IGES)などと連携をして、各国の廃棄物管理や人材育成などを今後も支援していきます。
 次に、第2に、対策の基盤となる科学的知見の充実であります。昨年10月のG20海洋プラスチックごみ対策実施枠組フォローアップ会合で私も出席をして述べたとおり、我が国はモニタリングとデータ整備について世界をリードしています。最近では、これまで手法が違うために比較できていなかった各国のモニタリングデータを比較できるようにするガイドラインを途上国でも利用しやすくした上で、近々公表できるように準備をしています。今、このスライドで出ているとおり、海洋プラスチックのごみを調査する船が違う、そしてまた海洋マイクロプラスチックを採取する、そういったことの在り方も違う、こういった中で正しく比較ができる、そういったためのガイドラインを作るということでもあります。さらに、これを基に、ベトナムやインドネシアなどに対してモニタリングの研修や現地調査を行って現場で使えるマニュアル作りを支援するなど、モニタリングの技術的な能力を高めるための具体的支援を行っていきます。将来的に世界各地の海洋プラスチックのモニタリングデータを集約していくことも検討していきたい、そう思います。
 第3に、自治体との連携の強化です。環境省が把握する限りでも、既に76の自治体が海洋プラスチックごみ対策に関する方針や宣言を発表しています。この動きを更に後押しをするために、今年度、河川、水路の網場の設置、ごみステーションの管理、漁業者、農家などとの連携など自治体の海洋ごみ対策のモデル事業を行います。本日、特徴ある取組を実施する5カ所をモデル事業対象として決定しました。こちらにある富山市、函館市、四日市市、そして和歌山県、熊本県、これが5カ所のモデル事業の対象地域です。モデル事業の成果を踏まえて、年度内に知見を整理したガイドラインを策定していきます。
 第4に、民間企業との連携の強化です。多くの民間企業にプラスチックと賢く付き合うプラスチックスマートの動きに参画をいただいています。ここにあるように、様々な企業が取り組んでいただいております。今般、更に多くの企業に海洋プラスチック問題への理解を深めて取り組んでいただけるように、分野ごとに課題や対策の選択肢を検索できるオンラインのプラットフォームを立ち上げることとします。これは本年中の稼働を見込んでいます。
 そして、第5に、一人一人の行動変容です。今日、こちらに「もったいないばあさん」が出ていますけど、日本以外にも世界7カ国で発行累計100万部を超える真珠まりこさんの絵本「もったいないばあさん」が在京のインド大使であるヴァルマ大使の発案でアニメ化をされることになりました。環境省とSDGsに取り組むパートナー企業が連携をして、日本語、英語、フランス語、スペイン語、中国語、そしてヒンディー語、この6言語で吹き替え、6月5日から無料配信をするということです。無料配信に当たって作者の真珠さんからもメッセージをいただいていますので、紹介をします。「もったいないばあさんは、息子に『もったいないってどういう意味』と聞かれ、答えられなかったことをきっかけに生まれた本です。もったいないは自然の恵み、作ってくれた人への感謝、他人や物を敬う心、リスペクトを意味します。私は、もったいないの心があればこの世界はもっとよくなると思うのです」、これが真珠さんからのメッセージであります。環境省も連携して、一人一人の行動変容を促していきたいと思います。
 そして、最後になりますが、7月から施行するレジ袋の有料化に向けて、今日から全国のテレビ局でレジ袋有料化のCMを放映します。ここで、皆さんにそのCMを見ていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。(CM視聴)
 何か微妙な反応ですけど、大丈夫でしょうか。僕は結構分かりやすくていいんじゃないかなと思うんですけど、今後とも小売り事業者、そして消費者の皆さんにレジ袋有料化に向けた準備や行動変容を促していきたいと思います。新型コロナウイルス感染拡大防止のために、買い物の際にはソーシャルディスタンス、フィジカルディスタンスを確保して、商品を自分でマイバッグに詰めるなどの配慮もお願いをしたいと思います。海洋プラスチックはコロナ以前からの危機であり、このままでは2050年には世界の海は魚よりプラスチックごみの方が多くなるかもしれないと言われています。次の世代のために、経済社会をより持続可能で強靱なレジリエントなものへと変革をしていく再設計(リデザイン)が不可欠との認識の下、全力で取り組んでいきたいと思います。今日は冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)読売新聞の松崎です。2点ございます。1つはごみ関連なんですが、レジ袋の有料化まで1カ月ということで、既に大手スーパーなどでは有料化が始まっている上、新型コロナでいろいろ停滞している中で、これから環境省としてはどう機運を醸成していきますか。冒頭でも熊本の例とか環境省のキャンペーンの話もありましたけれども、その辺を詳しく教えてください。そして2つ目がペット関連なんですが、各地の動物愛護センターで譲渡会が新型コロナの影響で中止になったりしていて譲渡機会が減っています。殺処分ゼロの実現には民間の動物愛護団体による積極的な引き取りが大きく関係していましたけれども、その団体も譲渡会などができず、運営が厳しい状態のようです。猫の繁殖期も迎えて、回り回って愛護センターで滞留したペットが増えることで、今後の殺処分の増加を心配する声もありますけれども、環境省として何か対策がありますでしょうか。
(大臣)まず、1点目のレジ袋についてですが、7月からのレジ袋有料化ということでありますけど、既に相当多くの企業の皆さんが動きだしていることも事実です。そういったことを考えると、7月からのキックオフというより、もう既に頑張っている皆さんのことを後押ししながら、7月には世の中がちゃんと変わっていくように働き掛けていきたいというのが正確な理解かなというふうには思います。関係省庁で連携をして、業界団体や商工会議所などを通じてチラシや店頭などでの周知用の素材の配布、紹介するなど周知の徹底を図ってきているところですけど、確かに御指摘のとおり、このコロナの影響で今回の、毎年だったらやっているこのごみゼロウィークのごみ拾いなど、日本財団さんとの連携の中で大規模にやっていたようなこと、こういったことはできていない状況ですので、影響はもちろんそういったところでは受けています。開催の延期とかもありますし。ただ、その代替として5月25日に制度の概要を説明する動画を作成して、これは経産省のホームページに掲載をしたというところであります。今後は、今日紹介したテレビのCMをはじめとして電車の広告、そしてインターネットなどの各種メディアを通じて、また波及効果のあるインフルエンサーとの連携をしまして、情報発信や普及の啓発を行って円滑な施行と国民の皆さんの一人一人の行動変容につなげていきたいというふうに考えています。そして、2点目のペットの譲渡会が開催をされていない、そういった中での殺処分の増加の懸念ということでありますが、今このコロナの影響で各地で自治体や保護団体が人を集めて譲渡会を開催することが難しくなっている、そういったことは承知をしています。厳しい状況の中でも、全国の自治体、動物愛護団体では予約制による譲渡の相談会の開催、そしてインターネットを活用したオンライン譲渡会の実施、そして保護犬、保護猫の動画配信などの情報発信の強化、こういったことを様々な工夫を凝らして譲渡に取り組んでいただいていますので、まずはその関係者の皆さんの御努力に心から感謝を申し上げたいと思います。一方で、コロナの影響で自宅で過ごす時間が増えて、ペットを飼うことへの関心が高まっている、そういうふうにも言われています。海外では保護犬、保護猫の譲渡が増えている、そういう報道もあります。ペットを飼うことを考えていらっしゃる方には、最後まで責任を持って飼うことができるのか事前にしっかり調べて検討いただくことが重要ではありますが、その上でぜひ、保護犬、保護猫を引き取るという選択肢も考えていただきたいと、そういうふうに思います。なお、全国の犬、猫の殺処分数はこの10年で27万6000頭から3万8000頭と、約7分の1まで減少してきたところでもあります。引き続き殺処分数を減らしていくためにも、関係自治体と連携をして、動物の適正な取り扱いの普及と譲渡などの必要な体制の確保に努めていきたいと思います。

(記者)朝日新聞の水戸部です。COP26が来年11月に延期ということが決まりました。3月末にNDCを出されたときは、COP26までに追加情報を出して、エネルギーミックスと整合的な形で数値目標は5年を待たずに見直すとされていたと思うのですが、来年の夏のエネルギー基本計画の見直しの議論を反映してNDCを出し直すことも可能になってくるのかなと思うのですが、数値目標をCOP26までに引き上げるということを目指すことは考えていらっしゃるか、その見通しを教えてください。
(大臣)来年11月ということで報道があったと承知しています。この与えられた時間を最高の追加情報にすべく努力をしたいと、そう思います。

(記者)日本経済新聞の安倍です。冒頭のプラスチックのブルー・オーシャン・ビジョンの件なんですけれども、6月中旬にOECDと共催される会議というところで、ここをもう少し教えていただきたいと思います。ビジョン達成の道筋を各国と議論しということですけれども、これは各国の今の進捗状況を報告し合うとか、どういうものなのか、イメージをもう少し伺えればと思います。
(大臣)OECDと共催の会議の中身ですね。これは詳細、分かりますか。
(事務方)OECDのワークショップにつきましては、各国の現状の政策の取組ですとか、専門家による将来の社会がどのようになっていくか、そしてどういう対策が海洋プラスチック汚染ゼロの世界まで必要かといったことを議論するような場ということで、OECDと今調整をしているところでございます。
(大臣)その成果を今年の秋、予定されているG20の環境大臣会合にもインプットをしていくと、そういったことです。

(記者)NHKの吉田です。同じような質問になってしまうかもしれないんですけれども、レジ袋の有料化についてもう一度お話を伺わせてください。レジ袋の有料化については、経産省で今年の3月ごろから事業者向けの説明会も予定されていたと思うのですが、それもコロナの影響で延期しているなどありまして、やはり周知ですとか、事業者、消費者の方の理解の部分でまだ課題といいますか、懸念が残っているところかと思います。最近ではテイクアウト需要によって、新しくレジ袋の使用を始めた飲食店なども多くなっている状況かと思うんですが、有料化まであと1カ月を残す中で、周知の面、どういったところを強調していきたいのか、誰に対してどういうアプローチを取っていくのか、御見解をお願いします。
(大臣)遅れの部分というのは、今のところそんなに混乱とかは私も聞いてはいませんが、既にはるか前からこのレジ袋の有料化は自主的に取り組まれている企業の皆さんもいます。そして、私の様々見聞きする情報とかの中でも、相当マイバッグとかも前に比べたら普及をし始めてきたと、そういうふうに感じています。ただ、一方で、7月からはみんな有料化になりますよと、そういったことについてまだまだ情報が行き届いていないところはあるかもしれませんので、そこはしっかりと周知、広報をやりたいと思いますし、さっき見ていただいたテレビCMもそうですけど、NHKさんでも何かやっていただけたらと、そういったことも思いますが、しっかりとインフルエンサーの方、環境省だけでやるということよりも、経産省ももちろんいますけど、様々な方を巻き込みながら、環境省はアンバサダーの皆さんも多くいらっしゃいますので、そういった方にも御協力をお願いしながら、有料化になるということをお知らせするというその前に、なぜ有料化が必要なのか、そういったことが、その理由の部分がしっかりと伝わって多くの皆さんの腹に落ちるようにしなければいけないなと、そういうふうに考えています。

(記者)熊本日日新聞の並松です。水俣病の原因企業のチッソの業績悪化に関連して、2点お尋ねします。政府がおととい、27日付でチッソに業務改善に向けた計画の提出を要請しています。政府の金融支援策が2000年に始まっていますが、それ以降は初めての措置ということになるのですが、チッソの近年の業績低迷について大臣の所感をお願いしたいというのが1点です。もう1点が、患者補償と並ぶ命題になるんですけれども、チッソが抱える2000億円の公的債務の返済なんですが、これまでの金融支援の結果にもかかわらず、一向に進んでいないというのが現状かと思います。この点で公金を投入し続ける支援策は破綻しているという指摘もあったりもしますけれども、大臣として支援策は現状のままでよいとお考えでしょうか。以上2点お願いいたします。
(大臣)JNC株式会社の2020年3月期決算を踏まえて、おととい、今御指摘があった27日、チッソに対する支援措置に関する関係省庁の連絡会議幹事会を開催して、要請事項を取りまとめて政府として要請を行いました。この要請の中で、JNCの経常利益が閣議了解において目標としている53億円を上回るまでの間、現在実施している役員報酬の削減を継続すること、中長期的に安定した患者への補償支払いなどが実施できるよう複数年にわたる業績改善のための計画を策定すること、そして策定した計画の期間内に業績改善が達成できない場合には、更なる厳格な経営責任を果たすこと、これを求めました。今回、このような要請を行ったのは、今般の決算内容はすぐに患者への補償支払いに影響がある水準ではないものの、近年、継続的な業績の低迷が見られる中で経営者責任の明確化と継続的に安定した患者補償等を実施していくための業績改善を求めていくことが重要である、そういう認識に立ったものです。環境省としては、昨日の委員会でも水俣病の原点であるという話が出ましたが、水俣病患者への補償金支払いなどを今後とも確実に実施していくために、一層の経営努力を求めていきたいと考えています。
(記者)2点目の、支援策はこのままいいのかを、お願いしたい。
(大臣)支援策については、まずはこのJNCを取り巻く経営環境というのは大変厳しい状況であると認識しています。チッソからは、引き続き水俣病の原因企業としての責任を果たし、水俣病患者への補償金支払いを継続して確実に実施するということを確認しています。環境省としては、水俣病患者への補償金支払いなどを今後とも確実に実施していくために、一層の経営努力を求めていきたいというふうに思います。

(記者)新潟日報の遠藤です。水俣病の関連でお伺いします。新潟水俣病についてなんですけれども、5月31日で公式確認から55年となります。改めてお伺いするんですけれども、半世紀以上たっても認定を求める患者が多数いる現状について、大臣としてどう考え、被害者の救済にどう取り組むお考えでしょうか。認定基準が厳しいとして患者側からは見直しを求めてますけれども、大臣として現行の基準に対する認識を教えてください。大臣は昨年、熊本県を訪れてますけれども、新潟水俣病の発生地域である新潟県の視察や、患者の方々の話を伺う機会をつくるお考えはありますでしょうか。
(大臣)私が大臣に就任して以降、環境省の原点は水俣にあると、これはたびたび申し上げているところであります。その中で、熊本だけではなくて新潟の皆さん、様々な関係者、そして当事者、そういった皆さんの声を受けて環境行政を信頼あるものにしていくことは不可欠なことだと思います。私も日ごろからこの水俣病の取組に対して環境省は、あれから55年という話がありましたが、私が大臣に就任して以来、どれだけ多くの方と、この職員の中も含めて、水俣病に対することを意見交換したか分かりません。環境省も時間が経過する中で水俣病に対する思いとか取組が何か風化するとか、そういったことを心配されている方が新潟の中でもしもいらっしゃるとしたら、決してそんなことはないと、それを忘れずに、これからもまさに環境行政というのは公害との闘いの歴史でありますから、そういったことを忘れずに信頼ある環境行政を努めていきたいと思います。
(記者)新潟の方に話を聞く機会とかその辺りのお考えというのは。
(大臣)残念ながら、今、県外に行くということがかなわない中ですから、熊本もこの前の慰霊式ができなかった、そういったこともありますので、それが許される環境になったときに、改めて検討してみたいと思います。

(記者)北海道新聞の竹中です。国会改革について伺います。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、衆議院は採決時以外は本会議の出席者数を半減させるなど対策を進めておりまして、会期末までは続ける予定です。緊急事態宣言が解除され少し議論がしぼむかと思われる中で、オンライン審議の必要性についてどう思われるかということと。大臣はかねてから発言されていると思うんですけれども、首相や大臣の委員会への張り付けについてどうお考えになりますでしょうか。
(大臣)今、閣僚という立場ですから、国会のことは国会でお決めいただくことだというのが大前提ということで一言申し上げさせていただくのであれば、これから、総理が言っているように対面原則という原則を撤廃する、そしてまた、はんこ含めて押印原則とかも無くしていく、様々な今までの当たり前と思われたものを変えていくことも、これは感染拡大のリスクをいかに下げるかということと経済社会の活動、これを両立させていく、そういう中では不可欠なことだと思っていますので、これは国民の皆さんに対してそういった社会をつくっていく、ウィズコロナの時代というのはそれが当たり前なんだということの中で一般論として申し上げれば、そういう姿を国会で見せる、これは私は一国会議員としての立場で言わせていただければ、それは当然のことだと思います。現に、これから100人以内のイベントであれば再開可能だということを言っている中で、国会はその4倍いるわけですから、それを考えたときに、やはり最近、毎回本会議など出席をしていても周りの議員さんたちと話になりますけど、これどう考えても密だよねと、そういうふうに思います。ですので、やはり国会は国会改革というものに私取り組んできましたから、改革が必要のない世界というのはないんじゃないでしょうか。引き続きその思いを持ちながら、今はしっかりと環境省の改革に取り組んでいきたい。環境省も相当そこの部分はねじ巻いてやっていますし、これが巻き戻ることがないようにしたいなと、そう思います。

(記者)環境新聞の小峰です。今日は環境大臣としての小泉進次郎さんではなくて、内閣の一員である国務大臣としての小泉進次郎さんにお聞きしたいと思います。昨日、中国の全人代で香港国家安全法の制定方針がほぼ満場一致で採択されました。香港の一国二制度の崩壊の危機になっております。これは台湾の民主主義社会及び国家安全保障にも関わるし、ひいては日本の国家安全保障にも大きく影響するはずです。将来の総理総裁候補として注目されている小泉さんの見解を、国民はぜひ聞きたいと思っております。
(大臣)国際社会や香港市民が強く懸念をしている中で、今小峰さんがおっしゃった全人代において香港に関する決議が行われたこと、そしてそれに関連する香港の情勢について日本としては深く憂慮していて、昨日外務次官が在京の中国大使を呼んで我が国の立場を伝えたと承知をしています。環境大臣の立場でこれに追加して申し上げることはありませんが、環境問題という絡みで言えば、気候変動にとっても最大の排出国は中国です。そして、先ほど海洋プラスチックの話もしましたが、世界的に有名な推計でも、最大の海洋プラスチックを海に流出しているそのもとは中国でもある、そういうことも言われている中で、この地球規模の課題を解決する上で中国の責任ある行動というのは不可欠なものであります。私としても国際社会の一員としての行動を求めたい、そう考えています。

(記者)NHKの吉田です。COP26なんですけれども、来年の延期につきまして改めて所感と、環境問題が後退するのではないかという懸念もある中なんですが、どのように向き合っていきたいのか、御所感をお願いします。
(大臣)まず、この延期というのは、先ほど水戸部さんの質問にもお答えをしましたけど、日本はCOP26までに追加情報を提出する、その意味においては、この追加情報を最高の追加情報にするための時間が与えられたと前向きに受け止めた上で、関係省庁、政府全体挙げてこのCOP26に向かってしっかりとした戦略を描くべきだと、その時間が与えられたと前向きに評価をしたいと思います。ただ、一方で、今御指摘をされたような、それだけCOP26の開催まで時間が空くことによって気候変動の取組がおろそかになるんではないかと、そういったことをまさに招いてはいけないという思いで、先日のペータースベルクの対話で、私から今年の夏の終わりのころにオンラインでのCOPの開催のようなイメージで場を設けたらどうかと、そしてそれがまさに今実現に向かって様々な調整、国連サイドでもやっていますが、進み始めました。ですので、こういった制約が様々ある中でもできることをやって、この気候変動の取組と、そして生物多様性の保全、経済社会の再開、これを同時達成をしていくんだと、これを環境省が引っ張っていく、リードしていく、そういったことを一つ一つ考えて取り組んでいきたいと思います。

(以上)

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=mEsY8rc3mXM