大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年5月15日(金) 8:40 ~ 8:50 於:衆議院前庭)

1.発言要旨

 昨日、39県におきまして緊急事態措置の対象から外されましたが、感染拡大を予防する新しい生活様式が前提とされておりますから、気を緩めず対応していくことが必要だと思います。一方で、夏が近づいてきて、今日は今比較的快適な気温でありますけども、熱中症がこれから増える時期でもあります。一昨年、2年前には熱中症による死者は1500人、救急搬送者数は9万5000人を超えています。熱中症の患者さんが病院に搬送されると、今このコロナウイルスで対応がかなり逼迫をしている、そういう地域もありますから、医療現場に大変な負担と混乱を招く可能性もあります。そこを熱中症の取りまとめ役としての環境省は心配をしています。熱中症対策取りまとめ役である環境省としては、国民の皆さまが熱中症にならないように、これからまた強く呼びかけていきたいと思います。これから外出の自粛が緩和されることに伴って外での活動が増えていく際には、こまめな水分補給や休憩をお願いしたいと思いますし、室内で過ごされる方も多いと思います。テレワークもだいぶん浸透していくこともありますので、こういったときには、適切なエアコンなどの使用、そして暑さに慣れるように涼しい時間帯で軽い運動をして汗をかいていただくなど、こういった健康管理も非常に重要な局面だと思います。
 また、廃棄物分野の新型コロナウイルスの対策としては、廃棄物処理法の特例省令を本日公布します。廃棄物処理業者や排出事業者は、廃棄物処理法上、一定の期限までに様々な行政手続きを履行することとなっています。このコロナの影響でその履行が困難になっている状況を踏まえて、手続きの期限の延長などの緩和措置を講ずることにしました。この特例は、緊急事態宣言がされた日、4月7日にさかのぼって適用されます。関係の皆さまには、今回の特例も活用いただきながら、安定的な廃棄物処理体制の維持に引き続き御協力をお願いしたいと思います。
 次は、ドギーバッグの件です。食べ切れなかった料理の持ち帰りを新しい文化として根付かせるために、環境省が消費者庁、農林水産省と共同で実施している「Νewドギーバッグアイデアコンテスト」について、3月に募集を開始して、既に一定の応募をいただいています。しかし、このコロナの影響を踏まえまして、十分な周知広報の期間を設ける観点から、応募受付期間を現在の6月1日から8月16日まで延長することとしました。応募作品の選定結果につきましては、今年の9月下旬から10月上旬ごろの公表を予定しており、10月の食品ロス削減月間に合わせて持ち帰りの促進に向けた情報発信を行っていきたいと思います。加えて、本コンテストでは、素材、形状を含むドギーバッグのデザインを募集していますが、今般、福島県、そして群馬県と連携をして、「福島県知事賞」及び群馬県からは「あっぱれぐんまちゃん賞」という二つの特別賞を設置することになったということです。両県は、これまでも福島県におけるテイクアウトボックスの製作や2050年に向けた食品ロスを含む「ぐんま5つのゼロ宣言」など、食品ロス対策について積極的な取組をされています。環境省としても、こうした地域の取組と連携をして、持ち帰り文化の定着やそれを通じた食品ロスの削減を図っていきたいと思います。
 最後に、おととい、13日の水曜日の夜にCOP26の議長となりますイギリスのシャルマ大臣とウェブ会談を行いました。来年のCOP26とコロナウイルスからの復興、そして気候変動対策との両立、これにつきまして議論をして、互いに協力をしていくことを確認しました。シャルマ大臣とは、私はこの前のドイツで開催されたペータースベルク、このウェブ会議以来でありましたけども、まだ直接フェース・トゥ・フェースでお会いしたことはありませんが、シャルマ大臣は日系企業にもお勤めだったということもあるのか、すごく和やかな雰囲気で意見交換をすることができました。今後、気候変動の対策、コロナと復興との両立、こういったことも含めて協力を深めていきたいと思います。冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)NHKの杉田です。昨日、石炭輸出の検討会が取りまとめられましたけれども、大臣として、どの点を特に注目されて、環境省としてはどの部分に今後力を入れていかなければいけないと思われたのかお伺いできればと思います
(大臣)まずは座長をお務めいただいた高村先生に心から感謝をしたいと思いますし、委員の先生方の精力的な資料、そしてまた意見の開陳、また、オブザーバーの各省からも本当に前向きな、建設的な御協力をいただきました。心から感謝をしたいと思います。そして、昨日は取りまとめということで、今までのファクトに基づくファクト集、これに加えまして分析レポートという形で案が示されました。こういった案の中には様々な要素が含まれていますが、一言で言うと、私の捉え方は、このファクト検討会というのは、今後の4省庁の調整に向けた基礎工事に当たると思っています。今後まさに基礎を各省で共有した上で、どのような調整をしていけるか、まさにそれが来月、インフラ輸出の骨子の策定に向けて非常に重要なことになりますので、そういった意味からすれば、基礎工事で基礎をしっかり固めるという、そこの部分においてファクト検討会が果たしていただいた役割というのは非常に大きな意義があるし、また、今後、この石炭のテーマに限らずに、こういったファクトをベースにして政策の議論をしていくという、よく今、EBPM、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングという言葉がありますが、そういった意味でも非常に大きな機会と、また一つの場ではなかったのかなというふうに思います。中には、今回、石炭の火力などのインフラ輸出を取り巻く状況が大きく変化してきて、世界の企業や金融の動きが世界全体の脱炭素化へ向けて変わってきているということをはっきりと指摘をいただきました。そして、脱炭素社会に向けて長期的な視点を持った移行を進められるように、多様な脱炭素技術を有して、同じアジアの国である日本がインフラ支援を行うと同時に、相手国との対話を進めながら、脱炭素社会への移行のための長期戦略の策定など、CO削減に資するあらゆる選択肢とともに政策支援も併せて行うことが必要だと、そんな御指摘もありました。最後の高村先生からのお話もあったと思いますが、これからいかに脱炭素移行ソリューション提供型、こういう形に支援をシフトしていけるかどうか、こういったことも重要だという御指摘もあったということですから、基礎固め、これをベースとして、今後、事務方ともしっかりと議論をしていきたいと思いますが、いい各省調整ができるように、このファクト検討会をベースにしながら議論を進めていきたいと思います。

(記者)毎日新聞の鈴木です。今の関連で、大臣はこれまで、昨年のCOPでも石炭火力の輸出要件について厳格化を目指すということをかねがねおっしゃってこられました。昨日のファクト検討会を受けて、今後の厳格化に向けた議論をどう進めていくかという思いをもう一度聞かせてください
(大臣)まず、今何度も言ったように、この環境省のファクト検討会は環境省が主催をしているファクト検討会で、そこにオブザーバーとして調整をこれからしていく各省の皆さんに入っていただいている。これは基礎工事です。インフラ輸出の骨子、これに向かっていくために非常に大事な基礎を一緒に作っていく。ただ、最終的に、インフラ輸出の骨子というのは、環境省のクレジットで出るものではありません。ですので、今後まさにこの基礎を前提として各省でどのような議論ができるのか、事務方も含めてこのファクト検討会をどのように生かしていくか、そういったことをやっていくのがまさにこれからと。まずは、そのスタートを切る上でファクト検討会は非常に大きな役割を果たしていただいたと心から感謝をしています。これからですね。

(以上)