大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年2月18日(火)9:00 ~ 9:30 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

まず、新型コロナウイルス対策について触れたいと思います。国内において新たに確認された事例が複数報告されたことなどを踏まえまして、環境省新型コロナウイルス感染症対策本部を先週2月14日の金曜日に開催しました。今回の2回目の環境省での対策本部は、会議室に集まらずにウェブ会議で行いました。環境省においては、人的派遣として職員を厚生労働省へ5名、そして武漢からの帰国者やダイヤモンド・プリンセス号からの下船者の宿泊支援として、内閣官房へ3名の派遣を行っております。国立公園、国民公園等の環境省直轄施設においては、消毒液の設置、手洗いや咳エチケット等の徹底や感染の恐れがある場合の帰国者・接触者相談センターへの相談を呼び掛けるチラシを日英中3カ国語で作成し掲示、国立公園公式SNSにおいても最新情報や基礎的な対策などを定期的に発信しています。廃棄物処理の対策については、各都道府県知事、各政令市市長に対して、使用したマスクなどが廃棄物となって処理される際に、廃棄物処理事業者において実施すべき感染防止策を通知しています。環境省内においても、今後の事態の悪化に備え、テレワークや時差出勤を最大限活用して、感染リスクを低減しながら業務継続を確保していくための勤務体制構築のため、必要な準備を進めています。先日も触れましたが、今、回線の方は300台から1000台に3倍強、増強作業もできたところであります。そして、今日、役所の職員の皆さんも座っていますが、指定職クラスのテレワークの実施も鋭意進めているところであります。今後ともしっかり状況を注視して、政府一丸となって環境省が対応できるように取り組んでいきたいと思います。
 2点目は、海洋ごみ対策に関する日本財団との連携について御報告をします。今日は配布資料の1ページ、お配りしていますが、昨年に続いて海洋プラスチックごみ対策を目的とした全国一斉清掃キャンペーンを5月30日から6月8日の期間に実施します。本日、特設サイトを開設し、参加受け付けを開始します。配布資料の2ページにありますが、国内の対策の優良事例を募集して、5月13日まで受付、審査、表彰を行います。こちらも本日、特設サイトを開設して応募受付を開始します。どちらもぜひ積極的に参加をいただきたいと思います。配布資料の3ページには、環境省として特に着目して取り組んでいきたい3点を書いてあると思います。4ページには、一つ目として様々なセクターとの連携強化、例えば海をなりわいの場にしている海洋プラスチックの問題に悩まされている漁業者の皆さんとの連携とか、スポーツやレジャーやファションなど、一人一人のライフスタイルと関わりの深い分野との連携が考えられます。二つ目、これが配布資料の5ページだと思いますけれども、「〇〇×ごみ拾いの創意工夫」ということで、陸のごみが海のごみになる、こういったこともしっかりと認知を広げていくということもそうでありますが、〇〇×ごみ拾いの創意工夫で、内陸を含めて取組を広げていきたいと考えています。今、既に海なし県における海ごみゼロ宣言なども、例えば群馬とか栃木とかいろんなところで取組がされていますが、そういった取組を広げていきたいと思います。ごみ拾いは、丸一日汗だくになって取り組むスタイルということだけじゃなくて、例えばジョギングをしながらごみ拾いをするプロギングといったスタイルもあります。何かをしながらごみ拾いをするという形も含めて、創意工夫で参加の輪を広げていきたいと考えています。そして、配布資料6ページには、530、ゴミゼロへの理解促進とありますが、海洋ごみの発生源になっている不必要なプラスチックの使用を減らしてごみの量自体を減らしていくこと、もちろんごみの不法投棄やポイ捨てなどは許さない、このようなメッセージを国民の皆さんとしっかり共有し、共に行動を変えていきたいと思います。ごみの清掃活動も、回収したごみの量や中身をできるだけ見える化して、メッセージを感じ取ることができるようにしたいと考えています。配布資料の7ページには、かねてから申し上げていますが、このまま対策が進まないと30年後、2050年には世界の海は魚よりプラスチックごみの方が多くなってしまうかもしれないという、そういった研究もあります。このまま気候変動が進めば、これも2100年には、80年後には日本の砂浜の9割がなくなるかもしれない、そういうふうに言われている中でこの問題に取り組むことの重要性、意義というものを多くの方に感じてもらいたいと思います。今回の取組は、ごみ拾い活動などをきっかけに、海洋プラスチックごみ問題への理解を深めてライフスタイルが再設計、リデザインされることを広めることが目的であります。国民の皆さんとの協力を深めて、国を挙げた海洋プラスチックごみ対策を一層進めていきたいと思いますし、G20の場で大阪ブルー・オーシャン・ビジョンという、世界的にこれはリーダーシップを取ってまとめたものを、今年はサウジアラビアでG20がありますが、更に国民運動としても多くの方に参加していただけるように後押しをしていきたいと思います。冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)テレビ朝日の中村です。育休の関連でお伺いします。昨日職員との懇談の場では、この1カ月で既に12日分の育休を取得されたとお話しされていましたが、当初お話しされていた3カ月で2週間分という目安からするとかなり速いペースで取得されているかなと思いますが、その要因も含めて、この1カ月の御自身の取得状況についてどう評価されているのかというのと、あと、その2週間分という目安の数字を変更される考えなどがもしあれば、併せてお願いします。
(大臣)まず、このペースで順調に取得ができているということについては、まず環境省の職員の皆さんの協力、そこに感謝をしたいと思います。そして、結果として、やはり職員の皆さんからの大臣も取ってくれという、ボトムアップだけじゃなくてトップダウンも必要だという温かいエールもあってこういったことになっていますので、まず環境省の職員の皆さんに感謝をしたいと思います。そして、併せて、よく閣議の前とかに他の大臣とかとお話しします。特に育休原則1カ月の旗を振っている武田大臣とか、そしてまた少子化担当の衛藤大臣など、そしてまたもともと少子化担当大臣の経験者でもある森法務大臣、様々な方に声を掛けていただきますが、閣内でももっと取れもっと取れと、そういった声というのが結果として取りやすい雰囲気というか、そういったことをつくってくれているような気もします。そして、野党の方でも立憲民主党、国民民主党の取組が広がって、自民党内でも更なる動きがあるというふうに聞いていますので、もちろん賛否はありますけど、周りの中で温かく応援してくれる方々、特に民間の世界でもこの前、男性育休の緊急フォーラムを民間の皆さんで開催されたと聞いておりますが、そしてまた、三重県の鈴木英敬知事をはじめとする政治家の世界での男性育休取得の先輩、そういった皆さんからの温かいエールのおかげじゃないかなと、そういうふうに私は感じています。今、環境省の職員の中でも育休を取得した職員、そして育休を取得する予定の職員と昨日も意見交換をしました。ぜひそういった皆さんにもそういった追い風が結果として進んで、8割の人が取りたいと思っているけど、6%の人しか取れていない、こういった現状が、8割の人が取りたいから8割の人が取りましたという、そういう現状になっていくようなことにつながっていくように後押しをしていきたいと思いますし、今後、衛藤少子化担当大臣の下で、少子化対策大綱の取りまとめの方もあると思いますが、この男性育休の施策後押しについても、引き続き、私も所管は違いますが、後押しをしていきたいなと、そういうふうに考えています。あとは、特に私のいわゆる育休の取得というニュースとかをきっかけに、やはり昨日の職員との意見交換の中でも、実は産後の妻の死因の1位が産後うつであるという、そういった事実だったり、産後2週間から1カ月ぐらいがそのうつのピークになっている。だからこそ、夫婦共に育児に関わる、一緒にやるということが大事だということもあまりまだ伝わっていない。そういったことなども、併せて世の中の方に知ってもらえるような機会になれば、私は社会全体にとってもいいのではないかなと、そういうふうに思います。期間については、当初から言っている通り、上限が2週間分というわけではないので、積極的にこの限りあるかけがえのない生まれたばかりの子どもとの時間、家族との時間というものもしっかりとかみしめたいと、そういうふうに思います。そして、私自身、本当にプラスの面も感じているのは、自分自身の働き方、また仕事の在り方、この選択と集中に結果としてつながっています。今まで以上に私自身がやることはやる、そして任せることは他に任せる、そういったこともできていますので、仕事の面においても、そして育児というものに対する自分の中のスキルアップも含めて、相乗効果が起きているなと思います。

(記者)TBSの守川です。気候変動対策についての質問なんですが、国会内で超党派の議員で気候非常事態宣言の決議を目指して議連の動きが出ていることについての受け止めを改めてお伺いしたいということがひとつと、もう1点が、この関連で、昨日在京のイギリス大使館で開かれた温暖化関連のイベントで、これはかねがね大臣が指摘されていることでもあるんですが、ヨーロッパの外交官から日本の気候変動対策について厳しい批判の声が上がりました。特にCOP26の特使を務めるマートン氏から、日本の気候変動対策について厳しい声が出ておりまして、温室効果ガスの削減目標に関して低いのではないかというのと、もう1点がかねがね議論のテーマになっている石炭火力について、日本の途上国支援の額についてやはり高いということで、日本の資金が世界の気候変動を悪化させているんだという直接的な批判もありました。今回のマートン氏を含め、ヨーロッパの外交官の指摘についての受け止めというのも伺えればと思います。
(大臣)まず、このジョン・マートン氏の指摘、またイギリス大使館でのイベントでも様々御指摘があったと思いますが、それこそまさに、今、COPという場で日本が見られている現実そのものだと思います。ですので、そういった指摘や石炭のことを含めて、これだけ表で議論になるということ自体が、私は日本が変わるきっかけにしたいというふうに考えています。今日もこの後、予算委員会に呼ばれていますから、午後出席をしますが、石炭のことについての質問通告がありますので、まさにこういった議論が与野党を通じて広がっていることで、このままCOP26に行けるわけがないだろうと、そういうことがより広がって具体的な第一歩、一歩でも前に進める形を記したいと私は思います。ジョン・マートン氏が、日本の温室効果ガスの1人当たりの排出量が1990年から減らず、2011年の福島の原発事故以降は増えているなど、そういうデータも提示されているということですから、まさに様々なデータを見ていると、日本の中で行われているまことしやかな議論というのは、20年ぐらいデータが更新されていない、もしくは思い込みの中でされている議論が相当あるなと思います。併せて言えば、最近、自然エネルギー財団から「日本の石炭火力輸出政策5つの誤謬」という、私にとってはその通りだと、そういうリポートが発表されている中にもある通り、日本の中では結構、日本の高効率なものを世界に輸出すれば、世界全体のCO2削減につながるんだという、それを相当の方が思っていますよね。だけど、こういったこともデータを見れば、高効率な石炭火力というふうに言われているものでさえ、従来型の石炭火力と比べたら1割も変わらない。そして、クリーンコールという言葉がありますけど、これも日本と国際社会の差をすごく表しているのが、国際社会からするとコールにクリーンはないんですよね。だけど、日本はコールはクリーンなものとクリーンじゃないものがあると思っている。そのクリーンなものは従来型から比べれば1割ぐらいしか違わないということをほとんどの人は知らず、3割から4割ぐらいは違うんじゃないかと思っている節もある。だけど、そういうものは違うということを、私は様々なデータがしっかりと証明してくれているんではないかなというふうに思います。また、よくある、これは世界で高効率で、広げれば削減につながるという話も、実際に経産省の審議会の中でも委員の方が、その理解はあまりにも安直ではないかということも指摘をしています。つまり、日本が助けなければ石炭以外の選択肢を取っていたかもしれない国に、今支援できるからといって石炭火力を輸出して支援をしたとしたら、今後30年から40年間、その国を石炭でロックインしてしまう、そういったことにもつながるとしたら、結果として日本の支援が排出量を増やしてしまうということにつながるという指摘もあるということですから、こういったことも含めてしっかりと認識が、今の現実がどうなっているのかということも含めて広がっていく努力を私はやっていきたいというふうに思っています。そして、日本の最高効率といいますけど、残念ながら、今、技術を見ると、日本と中国の石炭火力、これは技術力ではもう同等です。中国は日本の60倍以上建設実績を持っていますから。そして、これは様々なデータ、数字を見てもそういうことが表れていますね。あと、よく言われるのが、インフラ輸出の戦略の中でも重要だというふうなことを言われますが、石炭火力は今、今年インフラ輸出目標を30兆円掲げていますが、そのうち石炭火力の輸出は1%程度です。つまり、柱ではありません。そういったことを含めて、しっかりこういった客観的な事実に基づく議論がされて、COP26、その場が日本が一歩前に進んだと、そういうふうに思われる環境整備を進めていかなければいけないなと。環境省の中でも様々な議論をやっていますが、思いは同じで、今、関係省庁と様々な議論をやっていますから、しっかり前に進めていきたいですね。
(記者)一つ目の、超党派の気候非常事態宣言の動きへの受け止めを、改めてお伺いします。
(大臣)これは間違いなく後押しになると思います。しかも、すべての党が参加をされるということですから、これからますます自治体でも気候非常事態宣言、そしてゼロカーボンが増えていくと思いますが、国会という場で同じような議決がされるような方向に各党が動きだしたというのは、私はこれも日本にとっては前向きな動きだと思っています。

(記者)時事通信の木田です。冒頭発言の新型コロナ肺炎の関係でお尋ねします。テレワークの準備に関して言及されましたけど、何か他の省庁に先駆けて環境省独自で検討されていることなどがありましたら詳しく御説明いただきたいのと、併せて、時期のめど等がありましたら教えていただければと思います。
(大臣)時期のめどというのは何の時期のことですか。
(記者)テレワークのこと。
(大臣)さっき言ったように、300回線分を3倍以上にして1000台規模にしたというのは、もう既にそれは先週発表した段階から進めていましたので、現時点でもその移行は完了しているということであります。私から次官にも、私の育休ではないですけど、次官がテレワークやらなきゃ駄目だよということを言ってありますので、次官は今日テレワークです。そして、テレワークは職場にいないといけないと思い込んでいる人が結構多いので、違うよという意味も込めて、これは新型コロナの前ですけど、うちの秘書官にもテレワークをやってもらって、秘書官は付いていなきゃいけないというのも、これも違うと。いなくたってできることはいっぱいあるということを含めて、やってもらったりしました。ですので、今日いろいろ指定職の皆さんを含めて、私に、いつテレワークを取るのかリストで出すようにと言ってありますので、これはリストが今日来るんじゃないかなというふうに思っています。そして、この前、本部もテレワークでやったというのがありますが、最近様々なイベント、こういったことの中止とか、企業とかでも何人規模以上の会合は見合わせるとか、そういったことがありますが、通勤のこととかも想像すると、それだけでリスクはありますよね。そして、霞が関の皆さんも記者の皆さんも通勤してここに来ているわけですから、そうするといつだってリスクはやはりあると思いますから、私から環境省の危機管理担当に言ってあるのは、その感染というのが職員の中でも、そして我々政務の中でも仮に出た場合、どういうことになるか、どういう対応が必要かというのは今からシミュレーションをしておいてほしいと、そういうふうに私は伝えてありますので、この機会に今までの事業の見直しを、そして属人的に職場にいないとできないという仕事をずっと抱えていた人の中でも、属人的である仕事というのは間違いなくあると思いますけど、その人にしかできない仕事、だけど、本当はその人じゃなくてもできる仕事をちゃんと見直していく、そして職場にいないとできないと思い込んでいる仕事も、いや、職場にいなくたってできるよということも必ずあると思いますので、そういう機会につなげていくことが、このテレワークの推進も含めた中での重要な意義ではないかなと考えています。

(記者)朝日新聞の菊地です。関連で、新型肺炎について続けてお伺いしますが、大臣も連日、対策本部会合等で出席されていると思いますが、政府の対応をめぐっては国際的にも、特に大型クルーズ船の対応をめぐっては批判も高まっております。これまでの政府の対応について、大臣として十分適切に対応されているというお考えかどうかというのが1点と、今出た話についてなんですが、大型イベントですとか人が集まるイベントを自粛する動きもありますけども、大臣として、こういった自粛の動きについてはどのような御見解をお持ちでしょうか。
(大臣)自粛の動きが東京マラソンなど、そしてまた宮中の一般参賀も含めて行われているというのは承知もしていますし、私の地元でも、三浦市で国際マラソンという、ホノルルマラソンの姉妹レースというのがうちの地元の大イベントの一つなんですけども、3月1日に行われる予定だったものも、今回、中止を発表されたというのを地元からも聞きました。そういったことというのは、様々なリスクを考えて、主催者の判断ということはあったと思います。ただ、一方で、昨日の育休の職員たちとの意見交換でも私は言ったんですけど、何がリスクかということを冷静に判断しなければいけないし、恐らく今の状態の中で、ゼロリスクとかってなかなか難しいと思うんですね。極端な話、何人規模だとかいったら、予算委員会だって傍聴者もいますし、そして国会の本会議だって特定多数プラス不特定多数ですよ。ですから、こういったことも含めて考えると、この判断というのは、今までなかなか直面したことのない事態の中で、それぞれ関係省庁、そして様々なことに当たっている当事者、必死に何が最善かを考えている中での対応だと思いますので、御指摘はいろんなことがあると思います。しかし、今、全力で何とか終息に向けて、そして少しでも重症化しないように、こういった対策を全力となって前向きに進めていく、それに尽きるのではないかなと思っています。

(記者)産経新聞の奥原です。石炭火力に絡めて改めて伺いしたいのですけれども、日本のエネルギーミックスについて、現状、2030年度に原子力発電の割合は20から22%と数値を出されていると思うのですけれども、これがまだ現状の段階では再稼働が進まずに5%程度にとどまっている。大臣としては、就任直後に、原発に関してはグラデュアルに止めていくべきだという考えを出されましたけれども、改めてこの原子力発電の稼働が滞っている状況についてどういうふうに思われますでしょうか。
(大臣)まず、国民の信頼が必要だと思いますね。そして、福島の復興に携わっている者としても、やはりあれだけの原発事故が起きた後に、何が起きているのかという、そこを痛感していますし、その中で単純に、他の国が気候変動対策の中でゼロエミッション電源と言われる原発と、そして再生可能エネルギー、こういったこっちの方向に進めていく国も一部あると思いますが、日本はそんな単純なものじゃないというふうに思います。だからこそ、この原発事故以降、日本は原発が稼働がなかなかしない、国の政策の方向性としても、できる限り依存度を下げていく、かつ、石炭も依存度を下げていく、減らしていく、そして再生可能エネルギーの主力電源化を進めていく、このナローパスをどのように着実に進めていくことができるのか、これは世界も注目をしていると思います。その中で私の問題意識としては、原発というのはできる限り減らす方向で、今、国を挙げてやっていますし、国民の理解がなければなかなか前には進まない。そして、この石炭についても、今まで国際社会では、気候変動というと石炭、しかし日本の中でいうと、エネルギー政策というと原発、こういったフォーカスだったものが、私、12月のCOPに行って以降、相当この日本の国内の政治の世界の中で、エネルギー政策の中でも石炭に対する議論というのが、もしかしたらこの国会の中でも、原発に対する議論以上に石炭に対する議論の方が増えてきたんじゃないですか。これこそ、今後、今の時点だとエネルギー基本計画の見直しというのは来年予定されていますが、今後のエネルギー基本計画、そしてまたエネルギー政策、それに対しても、この議論の積み重ねというのが間違いなく変化をもたらすのではないかなと、私としては期待をしています。
(記者)石炭火力を減らす大きな流れになってきているということなんですけれども、実際、原発に関しても今後減らしていくというお考えで、このベースロード電源の二つの分をマイナスした分を、小泉さんとしましては再生可能エネルギーに充てていくべきだというお考えなんですか。
(大臣)再生可能エネルギーを増やさなきゃいけないし、増やせると思っていますし、これも何か日本というのは、再生可能エネルギーにあまり力にならない、コアにはならないというふうに思っている人、結構いるんじゃないかなと。でも、国際社会各国、そして今、途上国でも、東南アジアなどでも起きている現実は、むしろそんなことはないと。この前も、東南アジアに対して進出をしている日本法人に対して、どういう電源構成になっているのかというのを私も聞きましたけど、東南アジアに進出している法人の中で、もう再生可能エネルギー100%でやっている日本法人が相当多い。そのことは何でなのかと聞いたら、いや、すごいシンプルです、石炭火力よりも安いからですと。そういう現状があることを、なかなかかつての状況からの情報更新がされていないことで、石炭が一番安い、再エネはもっと高いというふうに思い込んでいる人は結構いる。でも、そんなことはない現実があって、ただ、日本の中で再エネはまだ高い部分もあると。それをどうやって安くして、需要を増やしていくのか。そういったことは、まさに需要側に対しての働き掛けというのは、環境省としては、自治体、そして企業、そしてわれわれのRE100、そういったことも含めてできるツールはあるので、まさにそれこそエネルギー政策を所管している経産省エネ庁がサプライサイドに対しての影響力だとすると、環境省というのはまさにデマンドサイド、需要サイドからの需要創出、そういった形で現実を変えていくというのは非常に大きいことではないかなというふうに思っています。

(以上)