小泉大臣記者会見録(令和元年12月6日(金)9:35 ~10:00 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 昨日閣議決定された「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」について御報告します。今回の経済対策では、気候変動をはじめとする環境政策について、環境と成長の好循環という観点から、これまでになくしっかりと位置付けていただくことができました。具体的には、環境省の政策が大きく2点位置付けられました。一つ目は、気候変動×防災。気候変動への対策が防災にも資するという気候変動×防災の考え方に立ち、自立分散型エネルギー設備の導入や災害廃棄物処理体制の構築等を通じた気候変動に強靱な地域づくりを推進していくこと。二つ目は、気候変動×社会変革。地球環境と両立した持続的な経済成長に向けては、非連続的なイノベーション、そして社会変革が不可欠です。環境省としては大幅省エネに貢献する革新的技術、素材の社会実装やグリーンボンド、グリーンローンの発行支援によるESG金融の加速化など、社会変革につながるビジネスを気候変動という観点から積極的に後押しします。このような経済対策を通じて、脱炭素社会とSDGsの達成に向けて環境と成長の好循環を実現していきたいと考えています。
 二つ目は、ここ合同庁舎の5号館というふうに言いますが、この5号館におけるレジ袋の配布の取りやめについてお知らせをします。海洋プラスチック問題等の課題の解決に向けたライフスタイル変革の第1弾として、国民に身近なレジ袋の有料化を来年実施すべく、準備を今進めているところでありますが、国民各界各層を挙げた取組を着実に進めるためには、まず隗より始めよとして、政府が率先垂範することが重要だと考えています。このため、環境省ではこの庁舎を管理している厚生労働省と連携をして、今日12月6日から、合同庁舎5号館に入居するコンビニエンスストアなどのすべての店舗においてレジ袋の配布を取りやめ、マイバッグ使用に全面的に切り替える取組を開始しました。また、本日の閣僚懇談会において私からこの取組を御紹介し、政府一丸となってレジ袋削減を推進すべく、各府省においても率先して取組を実施いただくようお願いし、御理解をいただきました。河野防衛大臣からは、防衛省においては1月20日から、コンビニ、お弁当屋さん、すべてにおいて環境省と同じようにやると、そういう御発言をいただきました。大変ありがたいことであります。こういうように社会全体の景色を変えていく起点として、今後も環境省が率先して取組を進めていきたいと思います。なお、別途御案内をしておりますが、取組の開始に当たり、今日の14時、午後2時に厚生労働省の加藤大臣及びセブン―イレブン・ジャパンの永松社長と共に私も地下1階のセブンイレブンを実際に訪問することを予定しているので、併せてお知らせをさせていただきます。
 三つ目は、COP25への参加についてであります。12月2日からスペインのマドリードにて国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が開催をされています。国会の事情が許せば私も来週より現地に赴き、閣僚級の交渉に参加をする予定です。COP25では、昨年のCOP24で合意を得られなかった市場メカニズムの実施指針策定に向けて国際的な議論を促進します。市場メカニズムは途上国への技術移転を促し、全世界でイノベーションを進めるために重要な取組ですから、世界の脱炭素化に向けて交渉に全力を尽くしていきます。また、日本の取組の広報スペースとして設置しているジャパンパビリオンなどの場を活用し、我が国の脱炭素で強靱な社会の実現をするための具体的な取組や先進的な技術を発信します。
 最後に、2050年ゼロカーボンを表明する自治体が更に増えました。火曜日の朝時点の21自治体から25自治体になりました。12月3日に、栃木県那須塩原市の渡辺市長が宣言、表明をされ、そして4日水曜日には、三重県知事の鈴木英敬知事、そして熊本県の蒲島知事、そして愛知県みよし市の小野田市長が、二酸化炭素の排出を2050年までに実質ゼロにするとの方針を表明されました。このことによりまして、累計の人口ベースで、私の中でも一つの目標だなと思っていたCOPの前に4000万の大台超えと。この4000万人を超えまして、日本の総人口の3割を超える地域でゼロカーボンを目指すという、そういう大変意欲的な形まで引き上げることができました。また、今回はとうとう初めて九州の熊本県知事が表明されたことによりまして、ゼロカーボンを表明する自治体が北は岩手から南は熊本、東北から九州まで拡大したことになります。ちなみに、この4000万超えというのは、とうとうカリフォルニア超えでありまして、あともう少しでCOP25開催国のスペイン、大体4700万人ですか、それぐらいを目指してまた進めていければと思います。パリ協定の目標達成に向け、このような動きが今後多くの自治体に広がることを期待していますし、私自身も更に様々働き掛けをしていきたいと考えています。また、本日この後、複数の首長との面談、ウェブ会談を予定しています。私としてはCOP25などの場においても、こうしたノンステートアクターの力強い動きについてしっかりと発信をしてまいりたいと考えています。私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)朝日新聞の桑原と申します。COPについて、環境団体から先日「化石賞」という不名誉な認定をされて、その一方で経済界からは、先日の経団連の会長との会談の中で、石炭火力をやめるのは難しいとか、原発がいいのではないかといったような発言もあったと思うのですけれども、そういうもろもろの状況の中で、大臣はCOPの場で日本としてどのようなメッセージを発信するのか、姿勢をお尋ねできればと思います。
(大臣)まず、化石賞、こちらについてでありますが、様々報道でももう既に経産大臣が受賞されたということで、私も経産大臣に、早速受賞されていましたねというふうにお話をさせていただきましたが、これは報道を見ていても、随分、日本の中で化石賞の授与の在り方、こういったことのファクトというのが正確に伝わっていない部分もあると思うので、改めて私から少し、こういうものなんだということをお知らせしたいと思います。これはCOPの期間中、毎日発表されるんですね。そして、今回のCOP25については12月3日、これはいわゆる初日に当たりますけど、この化石賞受賞国、これは同列1位で三つの国が、オーストラリア、ブラジル、日本、こういう形になりました。そして、12月4日、これは1位がボスニア、スロベニア、そして2位がオーストラリア、3位がベルギー。5日、これは日本時間の6日朝8時半ということですけども、最新のあれだと、もしかしたらまた加わったりするのかもしれませんが、今のところアメリカとロシアという形になります。ですので多分、今まで化石賞というのは、COPで1回、このCOPでは日本みたいなことが結構イメージとして報じられることがあったことがほとんどじゃないかなと思いますが、そういうことではないというふうに思います。ただ、こういった化石賞というものを与えられることが珍しくなくなってしまっているということを私は大変残念に思いますし、これは期間中1回もらったらもうもらわないということではないので、可能性としてはもう一回ということも私はなくはないだろうと。仮にそういったことがあった場合には、私がむしろ化石賞の受賞に伺いまして、こんなことは誰もやったことがないと思いますけど、日本の取組を正確に発信したいと、それぐらいに思っております。今回あっちでステートメントをやりますけど、各省との調整も必要です。そして、その中には環境省が主張したいことが全てかなうかと言えば、そういったわけではないことも正直言って現実としてはあります。そういった中の様々な思いはありますが、ステートメントとしての政府としての発言、そしてまたサイドイベントなどを通じた私の思いの発信、そういったこともしっかり考えながら、日本が気候変動に対して更なる前向きな意欲を様々な制約の中でも必死になって取り組もうとしているんだと、そういったことも含めて的確に発信できるようにしたいと考えております。

(記者)産経新聞の奥原です。就任から3カ月近くがたちまして、以前おっしゃられていたブートキャンプの進み具合、成果はいかがかなということと、この3カ月間、ノンステートアクターのネットの推進や屋外会見などいろいろ発信をされてきたと思いますが、骨太の政策というところでまだ打ち出しが見えていないと、実際3カ月ではそこは難しいと思うのですけれども、今いろいろタマ込めされているのかと思うのですけれども、その辺りについていかがか教えてください。
(大臣)環境省の皆さんとの仕事は楽しいですよ。私は本当に心から環境大臣になって良かったと思っています。そして、環境省の皆さんと仕事をすることで、幅広い分野でこんなにもできることがいっぱいあるんだと。そのやりがいを感じながら、そしてまさに環境省の職員の皆さんのおかげで実りあるブートキャンプの日々を過ごさせていただいている中で、環境省の職員の皆さんの方から本音を、実は我々もこうしたいと、こういったことをやってみたいと、そういったことが上がってくるようになったことをすごくうれしく思っていますし、まさにこの年内、やはりCOP25に備えて、そしてこの前の日中韓三カ国の環境大臣会合に備えてとか、そしてまた私が大臣として初めてとなる予算委員会など、そういった国会対応に備えてとか、そういった中で、私は本当に環境省の皆さんのおかげでここまでやってこられているというふうに思います。来年、また年もすぐ明けますけども、そういった方向に向けて環境省の将来、そしてこの仕事がより重要であるということの時代に、気候変動時代に入った中で、まさに今、奥原さんの言った骨太のという話がありましたけど、骨太の環境省になっていくために、私が皆さんと一緒になって何ができるかということを今様々な意見交換をしているところなので、そういったことが形として表れてくるときに、皆さんと一緒にまたお話しできればと思います。

(記者)二つ質問があるのですけれども、一つは、12月で大臣になって3カ月がたちました。この1年間を振り返って、御自身の成果、評価が1問目の質問です。もう一つは、大臣就任以来、国内外で様々な発信をされたました。実際に発信をしてみて、自身の中で発信力の課題がもし何かあるようでしたら、教えてください。
(大臣)12月だから1年を振り返るということもよくあると思うんですけど、私の中では振り返るのはまだ早いというふうに思いますね。週明けから、国会が許せば、COP25という大変重要な国際会議も交渉も控えていますから、振り返るのは、少なくともそれが終わってからでいいのかなと、そういうふうに思っています。2点目は発信の部分ですね。これは間違いなく成果が出ていると思います。まず、炭素中立性連合、こういった取組に日本が、私が大臣就任直後に参加をして、そのことが国際的に気候変動コミュニティーの中では響いています。ちゃんと伝わっています。そして、最近もある外国の大使の皆さんなどとも意見交換をしたんですが、私の部屋に今、自治体の2050年ネット・ゼロ、この「Carbon Zero Cities」という英語も含めて日本地図を大臣室に貼ってあります。日本に来られる外国の要人、そして大使の皆さん、私の環境大臣室であのマップの前で写真撮影をしたりもするんですけど、再度お会いをした方に、この前行ったけど、あの部屋のあのマップいいねというふうに言っていただいたり、このノンステートアクターの様々な取組が今急激に伸びているということに対しても、これは発信をしっかりできつつあるというふうに思っていますので、これはしっかりと進めていきたいと思います。ただ、もちろん、発信はまだまだ必要なところもありますので、COP25もそういった機会として生かしていきたいと考えています。

(記者)時事通信の木田です。先ほどから就任3カ月というお話がありましたが、国会に関しても臨時国会の会期末が迫っている状況にあります。入閣されて初めての国会となり、初めての経験もいろいろあったかと思いますが、今国会、これまでを振り返っての感想はいかがでしょうか。

(大臣)国会最終日とCOPに行く予定の日が重なっているということもありますので、私もまだ国会の状況によっては予定通り行けるかどうかというのもまだ不明です。そういった状況ですので、国会がどうだったかということも、振り返るのは12月9日が終わった後の方が適切かなと思っています。

(記者)共同通信の松浦です。本日12月6日は菅官房長官の誕生日です。そこで2点お尋ねします。昨年は官房長官のところに横須賀の柿ピーをお持ちする機会がありましたが、今回、何かお祝いをされる機会はあられるのかどうか。もう一点は、官房長官は大臣から見てどのような存在なのかお聞かせください。
(大臣)いいことを教えてくれました。今年はどうしようかな。私はなかなか認めてもらっていないけど、マイボトルを持っていこうかな、もしくはマイバッグをプレゼントしようかな。はい、考えたいと思います。
(記者)大臣にとって官房長官はどんな存在か。
(大臣)そうですね。横浜、横須賀という地元が隣同士ということもありますし、今まで党の中で、時には造反仲間としても一緒に闘ってきて、今は一緒に政府の中で御指導いただいているという立場で、常に変えられるところ、改革できるところ、闘えるところ、そこはどこかという目線でいろんなものを追われている、そういったことに対しての共感を持っていますし、長い時間、長い期間、官房長官という大変な重責を政権運営にとって不可欠な存在としてまとめ上げている、そういった先輩としていろんなことを御指導いただいて、学んでおります。

(記者)NHKの吉田です。冒頭の質問にもあった石炭について、もう一度お考えを詳しく伺いたい部分があるのですけれども、日本の中でも石炭火力発電の在り方をめぐっては、温暖化全体も含めてなんですけれども、各省庁間で調整や議論が必要で、その中では環境省の要望がすべてかなうわけではないというふうに先ほどお話があったと思いますが、COP25に参加を予定されている大臣は、政府の代表として声明を表明する場もあるわけでして、日本の取組に対してまだ十分理解していない国や団体に対して、石炭火力についてどうするのかという質問に何かしらの説明を付けなければいけないと思うのですけれども、理解が十分得られていない石炭火力の問題に対して、COP25に参加する場合には、その場でどういう表現でどういう声明をするのか、お考えをお聞かせください。
(大臣)おっしゃる通り、今回のCOP25で日本が苦しいけども説明を避けては通れない一つがまさにその石炭という部分だと思いますし、もう一つはNDC、この目標の引き上げ、こういった部分について今、日本の状況、そういったことに向き合わなければいけないと思っています。そして、ここは何か獲得できるプラスの側面以上に、やはりディフェンシブにそういうふうな局面に置かれるということは、やはりその通りなんだろうというふうに思います。率直に申し上げると、何とかして一歩でも前向きな発信ができないものか、様々調整の中で環境省なりの努力はしました。しかし、なかなかそれが政府全体としてそういった思いがどこまで反映できるかというのは難しい状況もあることもやはりあります。そういった中で、ステートメントの時間は政府代表として、今、関係の省庁とまさにステートメントの文言の最終調整をまだやっています。そして、それ以外、サイドイベントといわれるパビリオンでの日本主催のイベント、そして他国の主催のイベント、民間主催のイベント、いろんなところに私は出ます。そういったところで私なりの思いをどのように伝え、そしてディフェンシブにならざるを得ない部分に対しては誠実に説明をし、そしてむしろ日本として前向きな成果として、また他国にはまねできない、いい取組としてこういう部分はやっているんだということをいかに的確に伝えることができるかということもこのCOP25では大切なことだと思って、しっかり臨みたいと思います。

(記者)環境新聞の小峰でございます。先週29日金曜日に、自民党の党本部で環境部会等の合同会議が開かれたんですけれども、そこで、小泉大臣が進める自治体のネット・ゼロ宣言について話題になりました。その中で、秋本真利衆議院議員、井上信治衆議院議員、井林辰憲衆議院議員等から、この自治体のネット・ゼロ宣言の達成率に応じて、予算措置を引き上げる検討も必要なのではないかと。単にゼロ宣言を宣言しただけでおしまいというのではなく、例えば、予算措置を引き上げるとか、そういう何らかのインセンティブを政府で検討すべきではないかという意見が出たんですけれども、小泉大臣はどう受け取りますか。
(大臣)まず、この自治体のゼロカーボン、ネット・ゼロ宣言に自民党の部会がここまで関心を示していただいているということは大変ありがたく思いますし、このことというのは、そうやって関心を持つきっかけになりますよね。そして、さっきゼロカーボン宣言をして終わりかという話がありましたけど、それは終わりではなくて、例えばこの前、岩手県の話をしましたが、このゼロカーボン表明をして、これから県の計画を変えていくわけです。そして、これから県の計画を変えて、このゼロカーボンの達成の過程では、例えば再エネの更なる導入とか、こういったことを含めて様々な施策を打ち込んでいく中で、環境省が支援できることは多くあるはずです。そういったことについてはしっかり打ち込んでいきたいし、今、この数を積み上げていますけども、今後数だけに限らず、様々な展開を私としても期待をしているし、その可能性はあるんだと思います。例えば、一つ言えば横浜市、横浜市はいち早くこのゼロカーボン表明の先駆けの自治体でもありますが、横浜市はその達成に向けても、東北から再生可能エネルギーを調達するという、12市町村と横浜、そういう形で今やっています。再エネの広域連合、こういったことというのは横浜に限らず、他の都市と地方、こういった形の動きも今後ゼロカーボン自治体同士でのそういった連携というのは大変楽しみだなと思いますし、このゼロカーボン表明によって自治体がそういう思いを持っているんだ、もう人口規模で3分の1を超えているんだ、そういったことが他の国会議員の先生方にも伝わることで、こういった気候変動の取組というのはさらに進んでいくものであると考えています。

(以上)

会見動画は以下にございます

https://www.youtube.com/watch?v=XpKPrGukdyI

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