小泉大臣記者会見録(令和元年11月22日(金)9:22~9:43 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず、台風第19号の対応についてアップデートをしたいと思います。環境省においては、市民の皆さんの身の回りから一日も早く災害廃棄物の撤去を進めるべく、年内を目標に生活圏からの災害廃棄物の撤去の完了を目指して取り組んでいるところであります。防衛省・自衛隊と連携した災害廃棄物の撤去活動については、7県23市町村というのがピークでありましたが、現在、残すところは福島県いわき市のみという状況になりました。いわき市におきましても撤去活動が着実に進んでいくように、引き続き防衛省・自衛隊とも連携を進めていきたいと思います。災害廃棄物の広域処理につきましては、環境省において調整支援を行うとともに、受け入れ先となる自治体や事業者において地元住民への説明や運搬車両の手配等を行っています。その結果、県を越える広域処理につきましては、千葉県から神奈川県内の処理施設へ、長野県長野市から富山県及び三重県内の処理施設へ、長野県千曲市から三重県及び愛知県内の処理施設への搬出を既に行っています。更に、19日から栃木県栃木市から和歌山県内の処理施設に向けた搬出を行っていまして、来週から従来の陸上輸送、海上輸送、これに加えまして鉄道輸送を開始します。鉄道輸送は、宮城県の仙南地域の身近な仮置場から横浜市内の処理施設に向けた鉄道輸送を開始します。丸森から横浜ということであります。この陸上輸送、海上輸送、鉄道輸送、このような拡大を更に進めまして、引き続き年内の生活圏からの災害廃棄物の撤去、この実現に向けて更なる広域処理に向けた調整支援を行ってまいりたいと思います。
 次は、この週末、明日からでありますが、日中韓三カ国環境大臣会合についてであります。明日、あさって、23日と24日に第21回日中韓三カ国環境大臣会合に出席するため、北九州市に出張いたします。また、翌日の11月25日月曜日には東京で開催される第3回日中環境ハイレベル円卓対話、こちらにも私が出席をする予定です。この日中韓三カ国環境大臣会合、通称TEMMと言われますが、TEMMは1999年以来、毎年開催されてきておりまして、3カ国の環境大臣が一堂に会して、日中韓の環境対策及び協力について率直に意見交換ができる重要な場であります。今回の会合では、現在の3カ国共同行動計画における活動について振り返り、また来年2020年からの次期共同行動計画における優先分野についての提案を行いたいと、そういうふうに考えております。前回の行動計画策定から5年がたとうとしていますが、その間、SDGsの策定、パリ協定の成立・発効など、世界の大きな動きがありました。更に、今年のG20大阪サミットで共有された大阪ブルー・オーシャン・ビジョンや来年の生物多様性条約におけるポスト2020年目標など、環境をめぐる世界の動きを踏まえて議論に臨みたいと思います。生物多様性条約の会合は来年は中国がCOP15開催国でありますので、この点も重要だと思います。更に、日中韓の3カ国に加えまして、両国とのバイ会談を実施して、大気汚染対策など個別の課題も含め、中韓両国の大臣との間で議論を深めてまいりたいと考えております。
 次は、ヒアリについてであります。東京港青海ふ頭のコンテナヤードでは継続的に駆除とモニタリングを実施中です。防除の徹底のため緊急手配した殺虫餌の面的散布を11月10日に開始しました。3月まで月2回継続する予定であります。青海ふ頭周辺では、道路、都立や区立の施設、商業施設等の調査を実施中で、11月末をめどに一通りの調査を終了予定ということであります。ヒアリの活動が活発なのはこの暖かい時期ということでもありますので、11月末で一通りの調査は終了予定だということです。関係各所には立ち入りやスムーズな調査の実施に御協力をいただいておりますので、心から感謝を申し上げたいと思います。現時点ではヒアリは見つかっておりません。全国の港湾における調査実施状況について点検を終え、追加調査を実施中でありまして、こちらも11月末までをめどに実施いたします。広報については閣僚会議が開催された10月21日以降、青海、お台場、有明地区の住宅、学校、交通機関や大規模商業施設等約70カ所に注意喚起のポスターを掲示いたしました。また、青海ふ頭を利用する物流関係事業者に注意喚起のチラシを配布しているほか、東京港湾関係者向けヒアリ講習会も11月25日、来週月曜日に行う予定であります。
 次は食品ロスの関係です。11月25日月曜日に食品ロス削減推進法に基づく推進会議が開催され、環境大臣として出席をする予定です。食品ロスの問題については、2030年までに食品ロスを半減するとの目標の達成に向けて、環境省としても省内で主要なプロジェクトと位置付けまして、これは私から加藤政務官にお願いをして、加藤政務官を中心に今後の施策についての検討をしているところであります。年内をめどに今後の方向性をお示ししたいと考えています。なお、昨日の報道で、ファミリーマートが食品ロス削減の観点から今年のクリスマスケーキの販売を予約のみにするという発表をしたと聞いております。ファミリーマートでは既に夏の土用の丑の日にウナギの予約販売で同様の取組を実施されておりまして、売り上げが縮小した一方で、廃棄の減少により加盟店の利益は増加したと、そういうふうに言われております。こうした取組が消費者の積極的な活用の下で定着をして、それが食品ロスの削減につながって2030年まで食品ロスを半減すると、こういったことにつながることを私としても期待し、環境省としても後押しをしていきたいと考えております。
 最後になりますが、これも来週月曜日、11月25日に環境大臣が議長を務めます第2回気候変動適応推進会議を開催いたします。この会議は気候変動適応計画に基づいて関係行政機関の連携の下、気候変動の適応に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図ることを目的としています。今年の台風15号、19号など最近の気象の激甚化も受け、月曜日の会議では気候変動に対応した防災、いわゆる「気候変動×防災」、これは私の所信でも何度も言いましたが、この「気候変動×防災」の重要性を共有するとともに、政府における気候変動適応の取り組み状況の報告をし、今後の連携強化を図る機会としたいと思います。なお、気候変動は安全保障上の脅威でもあるとの考え方から、私から河野大臣にお話をして、今回初めて防衛省にもこの会議に新たに構成員として御出席をいただくことになりました。 私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)幹事社の朝日新聞の松尾です。明日からTEMMということで、出張御苦労さまです。一方で、あと十数時間でGSOMIAの期限がまいります。大臣が言われたように、明日から活発な議論をバイも含めてなさると理解しておりますが、信頼醸成という意味では時に日韓につきましてはどのような気持ちで向かわれるのか、できるだけ詳しく教えていただけますと幸甚です。
(大臣)GSOMIAのことを含めまして、最近の日韓の様々な課題についての状況というのは大変残念であります。一方、この日中韓三カ国の環境大臣会合は、前回もお話をしている通り、1999年以来21年間、いかなる政治状況であろうとも継続をしてきた一つの日中韓の協力というところの重要な場でもあります。私としては、そういった機会にどのように前向きな取組をできるところをお互い共有できるか、そういったことに私としてはフォーカスをしたいというふうに思っております。特に中国は最大のCO排出国でもありますし、海洋プラスチックの最大の排出国でもあります。この気候変動の取組、海洋プラスチックのごみの抑制、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの目標の達成、これは中国が前向きな関与をしてくれれば、世界の状況は前向きな方向に動いていきます。先月、G20のフォローアップ会合が国連大学で行われまして、私もそこに出席をしましたが、その場で各国から海洋プラスチックごみのそれぞれの国の最近の取組、そういったことのリポートもありました。今回、中国も含めまして、そういったことについても前向きな決意というか、取組というのが紹介されるような機会としてTEMMが活用されることを私は期待していますし、そうなるようにコミュニケーションをしっかりしたいと考えております。

(記者)毎日新聞の鈴木です。気候変動対策についての考えについてお聞きします。自治体による温室効果ガスの実質排出ゼロ表明について、大臣御自身もその取組について支持されていると前回の会見でおっしゃっておられました。これはうがった見方になってしまうかもしれないのですけれども、その取組というのは政府から見ると間接的な部分があるのかなと思います。個人的な見解かもしれませんが、やはり50年まで実質ゼロを進めるに当たっては、政府主導でトップダウンでやるやり方の方が早く進むのではないかと思っております。ただ、政府全体で政策を進めるときに、環境省だけでは決定できないという現実もあるのかなと思っています。その点について、大臣御自身、今どのように思っていらっしゃるのか率直にお聞きできたらと思います。
(大臣)マイボトルをお持ちの鈴木さん、ありがとうございます。ここは許可なく中に何を入れても構いませんから、好きなものを飲んでいただきたいと思いますが。率直に大臣になってからいろんな海外の方と意見交換をする中で、昨日もスウェーデンの大使が来られました。そして、今日はこの後はアゼルバイジャンの環境大臣が来られますし、シンガポールの外務大臣、この外務大臣の方は環境大臣経験者でもありますのでお会いをしたりします。各国の環境大臣経験者とお話をしたり大使などともお話をしたり、また先日のマーシャル諸島の大統領、またニュージーランドのアーデーン首相、そういった方々とお会いをして、ああ、なるほどなと。これはみんな世界万国共通の環境大臣が抱えるジレンマなんだなということを感じたのは、それぞれの国、みんな政府の中で苦労していますね。 環境省という組織の実力と、そして政府の中での立ち位置。よく経産省対環境省という言われ方をするときもありますけど、今、日本は環境と経済の好循環を実現するということで、今までのように対立ばかりではない、そういった環境にはなってきつつあります。 しかし、どこの国のカウンターパートと話しても、同じような側面があるそうですね。その中でいかに環境省の思いと政府全体のアクションの、この理想と現実のはざまの中で最大限の可能性を追求できるかという中で腐心をしているのが世界の環境大臣なんだろうと。だから、バイ会談などで環境大臣と交流、意見交換をする中で、何か戦友のような、頑張ろうな、お互い大変だよな、そういうような形になるのはそういったことも関係しているんだろうと思います。だから、今、自治体に呼び掛けて、2050年ネットゼロ、これが増えていっているのは、そういった環境大臣が、限りある中で限りない可能性の追求をするという観点で言うと、一つの私はこれからも追求すべきところであろうと思うし、早速この徳島県の宣言も含めて、国連の方からも関心を示されていますので、今環境省で英語の資料を作って国連に届けるような準備をしています。これからも増えていく予定でありますから、私はこの部分はすごく国際社会に届くメッセージだと思っています。特にこの気候変動の関係のニュースというのは国内のメディアの報道と海外の関心が一致していない部分もありますので、私としてはこれからCOP25も踏まえる中で、いかに国際社会に届く、そういった発信をするか、そしてそのタマは何なのか、そういったことについてこれからも自分の中で様々考えながら、環境省の職員とも意見交換をしながら、いい発信をしていきたいと思います。

(記者)産経新聞の奥原と申します。小泉さんが就任されて以来、今回アゼルバイジャン、シンガポールなど各国の環境大臣クラスの方々とよく面会されるということで、それは小泉さんの特徴でもあるのかなと思うのですけれども、昨年のG7や横須賀火力の発電などの問題で、日本の気候変動に対する取組が後ろ向きだと世界でやゆされるような見方もありましたけれども、今後、日本が世界の環境行政をリードしていく上で、御自身の世界の首脳同士のつながりをどう生かしていきたいかということを教えてください。
(大臣)ありがとうございます。間違いなくこのように各国の主要なプレーヤーの方々とお会いしている中で、日本の取組を紹介したり、また日本をどう見ているかということを伺う中で理解が深まっていると思います。私は一つここで成果が出たなと思ったのは、この前、毎日新聞さんが元アイルランドの大統領のロビンソンさんと元気候変動枠組条約事務局長のトゥビアナさん、フランスの大使が共同で記事を寄稿されましたよね。あのときに、日本の気候変動の取組で評価をするというふうに明確に書いていただいたのは、私がニュージーランドのアーデーン首相と会ったときにお伝えをした炭素中立性連合への参加表明、これを評価すると明確に書いていただきました。そういったことも含めて、今まで日本の中で恐らく炭素中立性連合という言葉が出たことはなかったと思いますよ。そういったことが、私はよく気候変動コミュニティーというふうに言いますが、この世界の中のコミュニティーの中で確実に日本の前向きな意思が伝わっていると思います。ですので、昨日のスウェーデンの大使ともお話をしたときにもそういったことも伝え、今日もこれからアゼルバイジャン、シンガポールを含めてそういったことを伝えながら、日本がこういった取組をやっているらしいぞというのが、あのコミュニティーはばあっと広がるので、それは私は非常に有効だと思いますから、今後ともこういったことは生かしていきたいと思います。

(記者)時事通信の武司です、先週、国会の外の庭で行った大臣会見についてなんですが、大臣会見は記者クラブが主催しておりまして、国会の審議日程が朝に入っているときに会見の時間を確保できるようにということで院内の移動経路上で開いているものなのですが、大臣は外が好きだからというふうに言われていましたが、そういう理由であの場所で会見をされたのは適切だったとお考えになっていますでしょうか。
(大臣)最高でしたね。

(記者)適切かどうかというのはいかがでしょうか。
(大臣)最高でした。

(記者)TBS守川です。冒頭の質問の関連ですが、大臣は今日もお話の中で気候変動であるとか環境問題というのは安全保障、危機管理の面でも非常に重要だというお話でした。日韓に関しては安全保障の足元がこのGSOMIAの問題で非常に揺らいでいるという状況があります。環境分野の協力においても、この現状というのがどのような影響を与えると思われるのか。今、日韓の外交当局を中心にぎりぎりの調整を最後まで、明日の0時まで続けています。このことについてどのように受け止めておられるか、意見をお願いします。
(大臣)先ほども言いましたが、21年間全く絶えずに続けてきたわけです。先日も、私の父が総理のときに、毎年靖国神社を参拝している大変な日中韓の、そういった政治状況の中であっても変わらず、いかなる政治状況でも続けてこられたと。そういう場が日中韓の環境大臣会合TEMMであると。これは参加される国は分かっていると思いますので、そのような協力の精神の下に、明日、あさって、TEMMが行われることを私としては期待をしています。

(記者)今、日韓の外交当局が努力していることについては。
(大臣)それは努力をしている外務省をはじめとする関係の省庁の皆さん、日本の国益のために全力を尽くしていただきたいと思いますし、環境省としても同じ方向で取り組んでいきたいと思います。

(記者)テレビ朝日の中村と申します。気候変動の取組に対する質問に戻ってしまうのですが、パリ協定に基づく温室効果ガスの削減目標について、目標を据え置く方向で日本政府は検討を進めていると一部で報じられていますが、この点に関して大臣の認識をお願いします。
(大臣)まず、報道の内容は承知していますが、NDCというふうに言うんですけども、この内容について今関係省庁も含めた議論を行っている最中でありますので、報道のような事実はありません。

(以上)

会見動画は以下にございます

https://www.youtube.com/watch?v=ZKIO0FaAHaE

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