大臣談話・大臣記者会見要旨

原田大臣記者会見録(令和元年7月16日(火) 10:30 ~ 10:39 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 選挙中ということで、少し御無沙汰をしております。まず今日私からは1点だけでございますが、去る10日水曜日、先週でございますけれども、飯舘村の仮置場復旧等工事において作業員の死亡事故が発生したところであります。69歳の男性の作業員の方が亡くなられました。事故の詳細や原因については現在調査中でございますが、工事の作業員が重機と土のう袋の間に挟まれて亡くなったというものであります。亡くなられた作業員の御冥福をお祈りするとともに、御家族の皆様に対してお悔やみを申し上げているところであります。環境再生事業の実施に当たっては、安全が第一であるということはもう言うまでもないところであります。今回の事故の原因をしっかりと調査いたしまして、二度とこういう事故が起きないように再発防止を徹底してまいりたいと思っております。また、関係の作業の人々には、しっかりそのことを通達しているところでございます。取りあえず今日はその1件だけ御報告をさせていただきます。

2.質疑応答

(記者)日経新聞の安倍です。よろしくお願いいたします。福島の除染関連で1点お尋ねします。今、大臣からもお話があったように10日に死亡事故が起こりました。除染関連の死亡事故は今年2月にも1件起きていると思いますが、今年に入って2回目ということになります。去年は1件もこうした死亡事故はなかったと思いますが、続いている原因、そして今後の具体的な対策について教えてください。
(大臣)原因究明についても、関係行政とそれについて対応しておるところであります。御指摘のとおり、今年は2月ですか、こういう事故が発生したということであります。いずれにしましても、事故の原因をちゃんと調査した上で、またこういうものが二度と起こらないように努力をしたいと思っております。恐らく復旧工事がだんだん大きくなってきているというか、そういう部分もあるいは関係していると思いますけれども、であればますますやっぱり身を引き締めて作業に当たってもらうように、私どももお願いをしなければいけないと思っております。私どもはそれこそ直轄の仕事として皆様方にお願いしているところでありますから、当然私ども環境省としても、国としてもその辺については最大限気を遣わなければいけないと思っております。

(記者)朝日新聞の松尾です。ちょっとトピックは変わるのですが、今月7日から、象牙の全形牙の登録の際に炭素年代測定が義務化されましたけれども、今、わずか2週間余りですけれども、何らかの実績があるのか、あればどういう実績なのか、もし分かれば教えていただけると幸いです。
(大臣)7月1日より象牙の全形牙の登録審査等を厳格化したところであります。これらの措置により、出自の明らかでない全形牙が市場からシャットアウトされて、国内市場への全形牙の新たな流入は極めて限定的になると考えております。今後とも違法な国内取引が生じないように、引き続き関係機関と協力して、その規制に適切に取り組んでまいりたいと思います。この牙の取扱いは、国内で少しでもそういう緩みがあれば、結局、ゾウの捕獲等に影響を与えるということ、これは絶対ないように考えております。7月1日の施行以降、登録機関への全形牙登録の問い合わせはあるようでありますけども、実際に登録申請がされたものはないと伺っております。

(記者)共同通信の堀野と申します。よろしくお願いいたします。ライチョウの保全のことで1点伺います。先週、中央アルプスでふ化したライチョウのひなが全滅したということで、生息地復活の難しさが浮き彫りになっていますけれども、今後、天敵対策などで何か検討している具体的なことがありましたら教えてください。
(大臣)残念ながら7月11日に中央アルプスで実施したライチョウの調査では、ひなが一羽も確認されていないということで、全滅したというふうに残念ながら理解せざるを得ません。まずは残った雌親の見守りを継続して、生息環境に関する調査を行います。来年度は専門家の意見を踏まえながら、南アルプスで成果を上げているケージ保護および捕食者対策を検討して、ライチョウの保護の取組を更に進めていきたいと思っております。また、中央アルプスばかりではなく、温暖化の進行によってライチョウの生息地がだんだん少なくなっているということも発表されていることから、今回のように生息地を広げる取組を私ども環境省としても進めていかなければいけないと考えております。ライチョウというのは本当に貴重な我が国の自然遺産でありますから、何としてもここで食い止めて、トキのケースもありますから、やればできるというような雰囲気でこれからもこの問題に真剣に取り組んでいきたいと思っております。

(記者)NHKの金澤と申します。飯舘村の死亡事故の件で1点お尋ねしたいのですけれど、これまで期間がたった間に元請けの方で下請けなりに聞き取り調査をやっているとは思いますが、当事者からこういったことが原因だという具体的な聞き取りの結果は、環境省側で把握していますか。
(事務方)今回の事故原因は調査中ということですけれども、工事受注者からも確認をするということであります。詳細についてはまだ聞き取れておりませんけれども、今回の事故の原因、詳細等を聞いた上で、事業者からも再発防止策等を聞いて対応をしてまいりたいと考えております。
(記者)そうしますと、業者から一言も何も報告が上がっていないという理解でよろしいでしょうか。
(事務方)事故が起こったということで、こういう状況だという話は聞いております。ただ、その詳細な状況とか原因とかについては、またしっかりと調査をしていきたいと考えております。
(記者)復興や復旧工事の中で死亡事故が起きますと、他の工事もたくさん行われている中で足踏みになりますし、本末転倒だと思います。前に進もうとしている中で死亡事故が起きてしまったら。二度とないように、福島でもこれからどうなっていくかという大事な時期であるので、2月に続いての事故でもあるので、そこは徹底してもらいたいと思います。
(大臣)その辺は御指摘のように、私どももさらにしっかりと対応していかなければいけないと考えております。

(以上)