大臣談話・大臣記者会見要旨

原田大臣記者会見録(平成31年3月26日(火)9:03 ~ 9:12 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日は私の方から、人事を1件だけ御報告します。独立行政法人環境再生保全機構理事長の福井光彦氏は、3月31日をもって任期満了となりますが、その後任として、小辻智之氏を4月1日付けで任命することについて、本日の閣議で了解が得られたところであります。小辻さんの略歴については、お手元にお配りしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2.質疑応答

(記者)幹事社・朝日新聞の川村です。福島第一原発の事故の関連でお伺いします。福島県内での除染で生じた除去土壌について、再生利用する上での技術的な注意点などを盛り込んだ再生利用の手引きというものが先日19日の検討会で提案されて、ほぼまとまったものと認識しております。今後、自治体などでこの再生利用の手引きというものをどのように活用してもらうということを望むのかということと、除去土壌の再生利用については、この手引きが整ったことで、仮にもし希望するところがあれば、県内外の公共事業などで使える状態になったという御認識なのか、その辺りお伺いします。
(大臣)非常に大事なところにやってきました。福島県内で発生した除去土壌等の県外最終処分の実現に向けては、最終処分量を低減するため、除去土壌等の減容・再生利用を進めていく方針を、政府として既に示しているところであります。先週19日に開催されました「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開戦略検討会」において、「福島県内における除染等の措置に伴い生じた土壌の再生利用の手引き(案)」をお示ししたところであります。この手引きは再生資材を安全に取扱う上で、主に再生資材化、再生資材の利用及び維持管理等に係る技術的な留意事項を整理、具体化したものであります。再生資材の取扱いを具体的にお示しすることにより、除去土壌の再生利用についての理解を深めていただければと考えております。
(記者)関連で。大臣も御承知のように、福島県内では除去土壌の再生利用の実証実験そのものに反対する方もいらっしゃるというような御認識だと思うのですけれども、改めて環境省が今後、この再生利用というのを推し進めるとすれば、どんな課題があるのか、反対されている方も含めて、あと、技術的な課題などもあれば教えてください。
(大臣)除去土壌等につきましては、それをまず減容化する、さらには、再生利用を進めていくという方針は、累次の閣議においても既に示しておるところでございます。ただ、実際にやる過程においては、当然のことながら、地元の関係者の十分な理解が得られなければこれはできないわけでありますので、そういう意味では、しっかりと方針を説明し、かつ具体的な案件について地元の関係の皆様に御理解いただけるよう丁寧な説明をしていくことが必要ではないかと思っています。その具体的内容については、お話がありましたように、さらに技術的な実証実験等を深めていかなければいけないと思っております。
(記者)あと、相手方のあることですし、どれぐらい再生利用を使うというところが出現するかによると思うのですけれども、大臣として、今の除去土壌について、どれぐらいの量を再生利用したいとか、そういう想定などありましたら教えてください。
(大臣)それはまた技術的な面もありますけど、とにかく地元の皆さんの御理解が得られるように、これはもう最大の努力をしていかなければいけないと思っております。

(記者)毎日新聞の五十嵐です。先ほど発言がありました環境再生保全機構の役員人事について、1点だけ教えてください。小辻さんの経歴についての資料を今拝見しておりまして、環境再生保全機構の業務とこれまでどのような関わりのあった方なのかということと、それに関連して、この方にどのような役目を期待しておられるのかということについて、言及をお願いします。
(大臣)小辻さんは全日空に入社後、本社総務部長や福岡支店長を歴任して、環境対策を含む組織マネジメントについて幅広い経験・知識を有しておられるというふうに考えております。特に人材育成や活用については深い識見を有しており、環境再生保全機構における組織マネジメントの強化や人材活用、育成に高い指導力を発揮してくれるものと期待しているところでございます。
(記者)一見して、環境再生保全機構の普段やっている業務とはかなり離れた業界からの人事かなという印象がありますけれども、この辺については、今説明ありましたけれども、民間からの登用という意味が大きくて、端的に言えば、業種だったり、これまでやってきたお仕事というのはそんなに大きく関係しないということなのでしょうか。
(大臣)こういうトップの人事というのは、もちろんその分野での専門的なということも大事でありますけれども、同時に、大きな組織でありますし、また何といっても、地元との関係、これは非常に大事なことであります。私どもは、こういう人事に当たりましては、当然のことながら具体的な知識等はしっかりまた勉強しなければいけませんし、させなければいけませんけど、同時に、組織の運営、管理、そしてまた何といっても、地域の皆さんとの関わりというのが大事でありますから、そういう意味では、十分にそれに値するというか、対応できる、そういう人材だというふうには考えているところであります。また、技術分野につきましても、全日空という飛行機の会社ではありますけど、様々そういう社会的な問題についても深い考え、知識も持っている、また、持ち得るというふうに、私どもは理解しているところであります。

(以上)