大臣談話・大臣記者会見要旨

原田大臣記者会見録(平成31年2月1日(金)9:42~9:48 於:参議院本会議場議食側廊下)

1.発言要旨

 今日は1件、御報告をしたいと思っております。昨日、袖ヶ浦市で計画されております千葉袖ヶ浦火力発電所につきまして、事業者であります九州電力、東京ガス、出光興産の3社が、石炭火力発電所の計画を中止し、九州電力と東京ガスの2社で、改めて天然ガス火力発電所の建設の検討に着手するという発表を行ったところであります。脱炭素社会へ向かう国内外の潮流の中で、石炭火力発電所が置かれている状況は大変厳しいものがございます。我が国におきましても、パリ協定の下、脱炭素化を牽引していくためには、石炭火力の抑制というのは、これはどうしても必要だと私ども考えておりまして、今回の事業者の判断を高く評価したいと思っております。今後とも、石炭火力発電の問題に対しては、私どもとしては厳しい姿勢で臨んでいきたいと考えております。その上で、石炭火力については、脱炭素という大きな流れの中で、進めていかなければいけない一方、事業者、経営者の側からすると、石炭の持つまだまだ有用性、こういうことについて、当然のことながら悩みが深いと思いますけれど、今回こういう形でこの計画を中止していただいたと。私ども、政策的には十分高く評価をしたいなと思っております。せんだってには、同じ千葉県の蘇我石炭火力発電所、これは中国電力とJFEスチールが共同で計画していたのですけれど、これについても計画の中止という決定がなされたところでありまして、そういう意味では、それぞれの事業者が本当に真剣な検討をしていたということがよく分かるわけでございます。

2.質疑応答

(記者)フジテレビの加藤です。今日2月1日、世界遺産「奄美・沖縄」の申請期限になっていると思うのですが、申請の状況、あと登録の見通し、意気込みなどありましたらお願いします。
(大臣)御指摘のとおり、本日2月1日でございますけれども、「奄美・沖縄」の推薦書を、世界遺産条約の事務局でありますユネスコ世界遺産センターに提出いたします。その後は、世界遺産委員会の諮問機関(IUCN)による審査及び今年夏頃の現地調査を経まして、2020年夏頃に開かれます第44回世界遺産委員会において、世界遺産への登録の可否が審議される予定でございます。私どもは、前回のいろいろな反省を加えて、この準備には総力を挙げてオールジャパンで取り組んできたところでございまして、何としても、これからの審査でしっかりした結論をいただけるものと思っているところでございます。

(記者)日経新聞の安倍です。千葉の火力発電所の関連でお尋ねしたいのですけれども、最近、事業者は石炭火力からの計画変更とか、見直しとか、そういう動きが出てきました。ただ、今回事業者は、石炭火力から天然ガス、LNGの方にかえると。見方によってLNGも石炭火力と同じ化石由来の燃料ということで、それも、ちょっと踏み込みが足りないのではないかというような見方をしている人もいます。今後、石炭火力だけではなくて、そういうLNGについても、より環境省として圧力をかけていくべきとか、そういうお考えというのはあるのでしょうか。
(大臣)まずは、脱炭素の状況をつくり上げるためには、LNGは石炭火力の半分以下ぐらいの排出量だということでありますから、御指摘のように、そもそも化石由来のエネルギーは基本減らしていかなければいけないというのは、これは間違いない方針でありますけれども、当然のことながら、電気事業者等からすれば安定供給の立場から、もちろん最善の努力をしているのだろうと思います。そういう中では、やはりまずは石炭火力の削減ということを私どもは第一に考えておりまして、ゆくゆくは、やはり化石燃料全体についてもそういう方向で進めていかなければいけないかなと。これは、全体のエネルギー政策、また環境政策の中で、私どもとしても位置付けていきたいと思っております。

(以上)