大臣談話・大臣記者会見要旨

原田大臣記者会見録(平成31年1月15日(火)10 :33 ~10:44 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

私からは、今日は3点御報告させていただきます。まず、今日、閣議で、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令」を決定いたしました。この政令は、現在259種の国内希少野生動植物種に36種を追加指定する、併せて、2種の指定を解除すると、こういうものでございます。国内希少野生動植物種の種数も増加していることから、予算・体制の充実を含め、希少種の保全の取組を加速していきたいと考えているところであります。この問題は、いずれにしても、環境省の一番大事な分野でもございますから、今申し上げましたように、これからもしっかり取り組んでいこうと、こういうふうに思っております。
 2点目でございますけれども、先週、私、アラブ首長国連邦において開催されました国際再生可能エネルギー機関IRENAの第9回総会に出席してまいりました。現地では、政府代表ステートメントや各国とのバイ会談を通じまして、我が国の気候変動対策や再エネの主力電源化、IRENAを通じた途上国支援の取組等について演説を行ってきたところであります。また、世界最大のスウェイハン・メガソーラー発電所がアブダビの郊外にありましたので、そのソーラー発電所を視察もしてきたところであります。資料はお手元にお配りしていると思います。今回の出張の成果も踏まえまして、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、その需要拡大や、国内外における再生可能エネルギーの導入支援等を行ってまいりたいと思います。このUAEという国、アブダビを中心としてでありますけれども、石油生産国でありながら、先々のことを考えて、この国自身が大変前向きといいますか、再エネの問題についてもしっかりと取り組んでいるという、そういうことを感じてきたところであります。
 3番目でありますけれども、今日、私、国立環境研究所を、時間をいただいて視察してこようと思っております。今回、気候変動対策や、温室効果ガスの衛星観測、資源循環・廃棄物処理に関する研究施設などを視察してくるつもりであります。昨年10月に「いぶき2号」が打ち上げられたところですが、衛星から得られる観測データが、温暖化防止のためにどのように活用されるか等についても視察をしてこようと思っております。また、昨年12月に気候変動適応法が施行されまして、国立環境研究所が気候変動適応に関する情報基盤の中核機関として位置付けられました。関連の研究や情報発信の取組などについてお話を伺うとともに、さらに取組を充実強化していただくように激励をしてきたい、こう思っております。

2.質疑応答

(記者)読売新聞・安田です。まず、IRENAの総会出席についてお尋ねします。環境大臣として初めて今回総会に出席されたということで、その意義というか、御自分でどう考えていらっしゃって、初めての環境大臣出席ということで、IRENAの総会、世界に向けて何をアピールしていきたいというふうに考えていらっしゃるのかというのがまず1点。
 それから、その中に、バイ会談として米国の国務省次官補が書いてありますが、アメリカとどういう意見交換をして、日本としてどういうことを伝えてきたのかというのをお聞かせいただければと思います。
(大臣)まず、IRENAは、おっしゃるとおり環境大臣としては今回初めてだということであります。エネルギー政策と環境政策がどう関係するかでありますけれど、エネルギー政策で、まずは省エネをしっかりやるということ、併せて、石油などの化石燃料にかわる代替エネルギーを、再生エネルギーをしっかりまた普及するというのが大事だろうと思いますが、同時にこのことは、環境政策、脱炭素社会をつくるためにはちょうど裏腹な関係になるものですから、私が今回、環境大臣としても出席したところであります。日本の現状についてお話をいたしましたし、また、日本としても、これからそのことをしっかりまた強化をしていくということと、同時に、発展途上国との協力を進めるというようなことも、お話をしてきたところであります。併せて、各国がこの問題を大変真剣に捉える、また真剣に進めているということについては感じましたので、やはり国内での扱いを、さらに私どもも強化していかなければいけないなと、こういうふうに感じたところであります。
 時間があまりありませんでしたけれども、何カ国かとバイの会談もいたしました。特に、アメリカともお話をいたしました。私は前回COPでも申し上げましたけれど、パリ協定の中に、アメリカについては、しっかりまた戻ってくれないかというようなことも含めて、はっきり申し上げたところであります。アメリカ自身は、御承知のように、今、そういうこととは別に、非常にこの環境対策、さらには今回のIRENAへの取組も真剣というか、非常に積極的でございました。アメリカの石炭の扱い等についても、いろいろそれ以外のツールがあるんだという観点から、彼ら自身、再生エネルギーへのいろいろな扱いについてもしっかり努力しているということもお話があったところであります。
 なお、先ほど申し上げるべきでしたけれども、UAEと我が国の協力関係でありますが、昨年4月に安倍総理がUAEアラブ首長国連邦を訪問したときに、日本とアラブ首長国連邦との協力関係が非常に大事になっております。また、アブダビの皇太子が今年、いずれかの時点で来られるというようなことになっているようであります。その前に、安倍総理が行かれたときに「戦略的パートナーシップの深化及び強化に関する共同声明」というのを出されまして、これからの協力戦略をとろうということでありますが、その署名をやろうということについても話をしたところであります。いずれにしましても、実質2日間の私の滞在でございましたけれども、こういう分野についての協力関係、また日本としても積極的に取り組まなければいけないなということについて感じたところであります。
(記者)追加で1点。アメリカの話で、先ほど、COPと同じようにパリ協定にしっかり戻ってきてくれないかということを改めておっしゃったという話ですが、それに対してのアメリカはどういう反応だったのですか。
(大臣)これは直接にはもちろん答えはありませんけれども、しかし、まずはアメリカとして、いずれにしても環境対策にしっかり取り組んでいくんだと、こういうことを言われました。かねがね、国益を大事にしながらということを、アメリカとしては常に発信しておられるところであります。

(以上)