とかしき副大臣記者会見録(平成30年2月8日(木)14:35~14:55 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

 今日は、私のほうから奄美のお話をさせていただたいと思います。奄美大島の海岸線に油状のものが漂着しているという事件につきまして、環境省としての対応を今日は御説明させていただきたいと思います。まず、先週の2月2日に、総理大臣官邸内に危機管理情報センター情報連絡室が設置されました。本省にも同じように、油汚染事故対策省内連絡会議を開催いたしました。それとともに、現地のほうでは、九州地方環境事務所におきまして、油汚染対策現地対策チームを設置させていただきました。そして、初動の対応としましては次の4点に取り組むことにいたしました。まず1つ目が、油状のものの漂着状況の把握、そして2点目が、水鳥等の野生生物への影響の把握、そして3点目が、環境モニタリング調査をすること、そして4番目に、回収・処理に関する技術協力及び財政支援体制の周知等を実施していくということで取組を進めることにいたしました。その後、2月2日後も、奄美大島の周辺の島の沿岸に油状のものが相次いで漂着するという状況が続いておりまして、鹿児島県では、本日より、この奄美大島地域海岸での油状のものの回収作業が開始されました。このような状況を踏まえまして、環境省といたしましても、本日よりこの事案に関して体制を強化していこうということになりました。まずは、漂着した油状のものの回収・処理を加速化すること。さらに漂着地域の野生生物や生態系への影響の調査、要するに対策と調査を同時進行で早く進めていこうと考えております。具体的にはどうするかというので、今日は資料でこちらのほうをお配りさせていただいております。実は白いところは今まで決まっていて、既に始めているものなのですが、黄色いところ、昨日も省内で会議をいたしまして、とにかく早く、スピードアップしようということで対策を強化させていただいたもの、本日より取り組ませていただくことを黄色で記させていただきました。本日、本省の職員1名を現地に派遣をいたしまして、現地の職員とともに自治体への支援強化や回収作業への参加を行うことになりました。もう出かけております。あと、回収作業のとき、これは健康上の注意事項に関する通達を出していくということも手掛けております。それから、海岸漂着物等の地域対策事業、要するに海ごみの補助金とかといったものを鹿児島県へ追加に緊急で配分させていただきました。これらを実施させていただきました。さらに来週に向けて、このほかには、自治体への支援の強化のため、それから回収作業への参加のため、状況に応じて職員を追加で配置できるように準備をしております。あと、漂着地域における野生生物への影響把握に関する海域からの目視の調査にも取り組むことにいたします。さらに、サンゴ礁とか藻場等の生態系への影響、把握に関する詳細の調査をできるだけ頑張っていこうということで今準備をさせていただいております。地元の自治体と、あと鹿児島県とか、関係省庁と連携をしながら、並行して、総合的に対策を講じられるように、とにかく野生生物の生態系の保全と良好な環境保全を維持していけるように最大限取り組んでいこうということで、とにかく早く早く動けるように対応していこうというふうに考えております。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)NHKの松田です。調査の体制を厚くするということなのですけれども、これまで被害というか、イソヒヨドリが1羽死んでいるのが見つかったということを前に聞いているのですけれども、それ以降何か、そういった個体がほかにも見つかっただとか、影響のほうは。
(答)イソヒヨドリは、実は調べたのですけれども、これは油による死亡の可能性は非常に低いということがわかりました。その後、実はウミガメの死骸が見つかりまして、これは獣医の方による死因確認で、オイルによる窒息で死んだということがわかりました。これは口の中を開けると、油が随分たまっていた状況で、油が原因による窒息であるということがわかりました。あと、イルカも死亡が確認されておりますが、これは油の漂着の原因ではないのではないかということを今考えられているということで、まだ順次こういった情報が入ってくるかと思いますので、その都度ちゃんと調査をしていきたいというふうに思っています。
(問)そうすると、ウミガメは、今回のタンカーの事故が原因で死んだということですか。
(答)そうですね。タンカーの事故でこのオイルが流れているかというのも、それはまだまだ調査中なのですけれども、少なくともオイルによって窒息死してしまったということは、これは因果関係がここは証明されたということです。
(問)今後もこういった同じような被害というのが懸念されると。
(答)そうですね。ですから、それをちゃんと注視していかなければいけないということで、目視で海の油状の物の漂着状況を見たりとか、あとサンゴの状態はどうかとか、そういったこともいろいろ見ていきたいと思います。
(問)すみません、あと1点。海ごみの補助金の関係なのですけれども、これは、補助金として出すのですか、それともタンカーの事故を起こした企業に請求するという。
(答)そうですね。だから、最終的にはどのタンカーも必ず保険に入っておりますので、こういった事故のときには対応できるようにということで。ただ、これはかなり長期化しますので、その被害総額も確定するまで時間がかかって、交渉してということで、その間全く財政的支援なく対応するということはできませんので、国のほうで順次それは対応していこうということで今考えております。
(事務方)補足説明です。本件に関する海ごみ補助金の活用につきましては、従来の海岸漂着物、従来と同様です。国から都道府県、自治体に補助をするというフレームでございます。
 今回漂着した油状の物につきましても、これを回収・処理するのは、主体としては自治体、海岸を管理している自治体になります。先週の時点から鹿児島県にはこの補助金が活用可能だということを周知させていただいており、本日追加の配分をさせていただいたということです。

(問)毎日新聞の五十嵐です。今の関連ですけれども、体制を厚くしたというのは、今お話があったようなウミガメのような実害が出てきたということなのか、それともほかに、どういった経緯があって体制を厚くされるのか、もう少し詳しく教えていただけますか。
(答)海岸線に今、油が漂着しているのは事実でありますし、それを放置しておくことは、ここは観光地でありますので、やはり生活基盤に結構影響が出てきますので、やはり一刻も早く除去していくこと。あとそれから、それを除去することによって生態系への被害も軽減できるということになりますので、対策を早め早めに打っていこうということで少し増員をさせて、パワーアップさせていただいたという状況です。
(問)関連ですけれども、この話、先週ぐらいから、本日、情報としては上がっていて、当初は環境省としては、海上保安庁が調査しているというところで、そんなに動きとして目立ったところはなかったと思います。それがここに来て急に体制を厚くされたというのは、今、副大臣がお話しになったような状況はわかりますけれども、それ以上に今後被害がかなり大きくなることを予想されていることなのか、その辺りについてはどのように。
(答)これは正直、どういう形で油が流れてくるのか、今後どうなっていくのかというのは、ちょっと読み切れないところもあるのですが、ただ、どんな事態になっても対応できようにやはりちゃんと人員を確保しておくことというのは、組織としてちゃんと対応できる柔軟性を持っておくことが大切であるということで今回増員をさせていただいたということです。
(問)さらに関連で。海保のほうでどんな油なのかというのを多分調べている最中だと思いますが、今の時点で、ある程度わかっていることはございますか。
(答)2つ種類の油があるのですが、事務方から説明してもらえますか。
(事務方)海上保安庁のほうからの資料によりますと、タンカーに登載されていたとされるコンデンセートというのは、揮発性が高いということで、一般的に島に漂着する可能性というのは極めて低いというふうに聞いております。海上保安庁において、引き続き、情報収集、調査等を行ってると我々のほうで承知しております。いずれにしましても環境省としては、現時点で漂着した油状のものがございますので、今、副大臣のほうから御説明があったとおり、影響調査の拡充と対策をしっかりとやっていきたいと考えております。

(問)読売新聞ですけれども、関連で。今のお答えなのですけれども、要は、海保の調べではタンカーに登載されていた油ではないだろうという可能性が高いということなのですか。
(答)まだ、それも含めてまだはっきりしていないのです。それで、だから、どこから流れてきた油なのかという原因追及するのも大切なことなのですが、私たち環境省とすれば、環境被害がもう既に起こっているわけで、原因追及するほうに注力するよりは、今あるこの現象を、何とか1日も早く、もとの状況に原状復帰していくことが大切であるということで対応させていただいております。ですから、原因については追及で、海上保安庁のほうに今お任せてしている状況であります。

(問)とかしき副大臣、明日午後から第2回ESG金融懇談会が開催されて、中川大臣とともに、とかしき副大臣が御出席というふうに事前に連絡をいただいております。また、第1回の、1月10日だと思いますけれども、このESG懇談会の、中川大臣はたしか福島へ出張ということで行けなかったということで、とかしき副大臣が御出席されましたけれども、また今回、第2回も出席するということで、副大臣は地球環境問題の御担当ですから出て当然だと思いますけれども、何かこのESG懇談会について、特に御関心のあるという、特にというか、御関心の理由をお聞かせ願えますでしょうか。
(答)やっぱり、金融と環境が今リンクを始めているという大きな流れが出てきているというのを私たちは感度よく捉え、その情報を国内にいかにフィードバックしていくのかというのが大切ではないかなというふうに思います。この感度が鈍いと日本に投資が集まらなくなって、日本に産業振興が起こらなくなる可能性もあるということで、ですから、そういう世界の流れをきちっとお伝えするのが私たち環境省の役割でもありますし、多分その象徴的なものがESG投資になってくるかと思います。今までは、環境に配慮している企業になるべく投資しましょうだったのですが、余り環境に配慮していない企業から投資をはがそうと、そういう動きに変わってきているので、環境にちゃんと配慮しているのだという企業が姿勢を示さないと、これから企業活動も厳しくなりますよと、世界から投資を促していくこともできませんよと。これは企業だけではなくて国も同じことが言えて、環境にやさしい取組をきちっとしているのだということを常に発信し続ける国でなければやはり投資も集まってこないと、そういう流れになっているのだということをやっぱりしっかりと知っておくべきですし、そのために金融の専門家の方々に集まっていただいておりますので、その最前線で今活動なさっている方々がどういう肌感覚で今そのお仕事をなさっているかということを聞きながら、それをいかにフィードバックしていくのかということを考えるために検討委員会というか懇談会にさせていただいているので、すごく重要だなと思って出させていただいています。
(問)副大臣、その件で、第1回金融懇談会というものの出席者もそうでしたけれども、メンバーが、全国銀行協会の会長だとか、地方銀行協会の会長だとか、まさに日本の金融界のトップを。
(答)そうですね。エキスパートの方々が集まってくださっていますので。
 この懇談会をやるというのは、私はパリのほうでも気候変動サミットのほうで発言させていただいて、日本としてもそういう情報共有をしながら、積極的にESG投資に取り組んでまいりますということを言わせていただきましたので、私もしっかりとその行方を見守って、その後、どういう活動に結びついたのかというのを、またどこかで発表する機会が世界に向けてあるかなと思いますので、勉強も兼ねて参加させていただいております。
(問)もう一つ、副大臣は厚労副大臣もやられていたし、自民党の厚労部会長もやられまして、厚労省の所管でGPIF、年金積立金管理運用独立行政法人、これが非常にESG、我が国のESG投資、世界でもそうですけれども、関係があるということもありますし、GPIFは厚労省の所管ですけれども、これに絡む関心もあったのでしょうか。
(答)ありました。ですからやっぱりGPIFがESG投資に対して積極的にやろうとか、あと環境の物差しをESG投資に対してしっかりとGPIFはやっぱり運用の金額が大きいですから、それに対して物差しをきちんとつくっていこうという姿勢を持って始めているので、これは多分役に立つだろうなということで、だからGPIFの役員の方にも入っていただいて、そのお話もこの間していただきました。やっぱり私もパリに行って思ったのですけれども、ESG投資をするという、その環境と金融をリンクさせていくのは皆さん、どこの国もいいねと、そういう動きでいいのではないかと言うのですが、ではどういう物差しでそれを評価し、それをどういうふうに投資家の人たちに説明していくのか、ここのところで結構各国、それから金融界の人たちも悩みを抱えているなというのはすごく私も共通の悩みを抱えているというのはすごくよくわかりましたので、そういう意味では我が国はGPIFという強力な投資機関があるわけで、そこが音頭をとりながら物差しをつくっていくというのはやり方としては我が国はありかなというふうに思っています。
(問)GPIFで、世界のGPIFというか、年金資金なんかでは、化石燃料、特に石炭への開発をしている企業への投資を引き上げたらいい、そういうこともありますので、アクサとか仏アクサだとか、こういうところもありますし、この懇談会というのは、今度のESG懇談会というのは、そういうふうな化石燃料、特に石炭を念頭に置いて金融機関から投融資を引き上げる方向性だとか、そういうふうな意向があるのでしょうか。
(答)まだそこまであれですけれども、ただESG投資に関して、そういう世界の大きな流れがあるのだということをきちんとお伝えしていくことが大切ですし、そういう大きな流れ、まだまだ経団連の中では、そうではないよ、そんな流れはないよという方もいらっしゃったりとか、当然温度差はあって私は当たり前だと思いますし、携わっている業種によって、仕事によって、その温度差が出てくるのは当たり前なのですが、ただ、私たち環境省としては、その全体の世界の大きな流れをきちんと捉えて、情報発信をしていくことが私たちの役割ではないかなと。さらに環境意識を持ってもらうことがいかに事業を進めていく上で重要になってきているかという、ここの認識をきちんと持ってもらうことが大切ではないかなというふうに思います。その一例がESG投資になってくるかと思うので、それを積極的に象徴としてちゃんと捉えて、情報発信していこうというふうに考えています。
(問)また別の質問でもう1点だけいいですか。大阪万博なのですけれども、たしかフランスが日本を含んで4カ国が候補にしていますけれども、フランスがおやめになったということで。
(答)びっくりしました。
(問)この辺についても含めて、大阪万博に対する、副大臣、大阪府吹田の、万博の発祥地の御出身ですから。
(答)本当ですね。万博のおかげで発展した街ですから。
(問)大阪万博について、何か一言。また、環境絡みが余り少ないのではないかと思うのですけれども。
(答)ええ、そうですね。前にも御提案いただいてね。
(問)この辺についてもう一度一言。
(答)そうですね。だから万博はやっぱり、そのそれぞれの国でこうやって情報発信していくことになりますので、国の取組はやっぱりしっかりとPRする場にしていただきたいなというふうに思います。ですから、私にすれば当然、今、環境副大臣ですので、環境に対しての政策をきちっと体験できるように。オリンピックもまたそういった場で、水素社会ということで体験できる場を設けておりますので、万博にもそういったエッセンスをきちんと入れていきたいなと。やっぱり世界の中で我が国は環境技術が進んでいるというのを評価されているわけでありますので、そこをしっかりとアピールできる場として、その万博という場所もしっかり活用していきたいなというふうに思っております。パリの件は、ちょっと私もびっくりいたしまして、マクロン大統領、すごい気合い入っていらしたし、気候変動で、環境で万博なさるとおっしゃっていたので、かなり強力なライバルだなと思っておりましたら、まさかのまさかでございますが、大阪もしっかりとアピールをして、賛同が得られるように頑張っていきたいなと思います。

(以上)

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