大臣談話・大臣記者会見要旨

伊藤副大臣記者会見録(平成30年6月14日(木)11:33~11:56 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

 私のほうから、本日、皆さんにお伝えをしたいことを伝えさせていただきます。中間貯蔵施設予定地の用地取得についてでございます。6月11日の時点で、1,500人を超える方と契約をさせていただくことができました。現在、約944ヘクタール、1,502名の方と契約をさせていただき、全体面積の約59.0%、民有地面積の約74.3%に至ったわけでございます。ここに改めて、大切な土地を御提供くださった地権者の皆々様方に心から感謝を申し上げる次第でございます。環境省としては、残りの用地につきましても、引き続き地権者の皆様方の御理解と御協力をいただけるように丁寧に対応をしてまいりたいと考えているところでございます。

2.質疑応答

(問)NHKの松田です。日曜日に行われました新潟県知事選挙の結果についてなのですけれども、自民党が支援される花角さんが当選されて、柏崎刈羽原発については、検証作業、福島原子力発電所の事故の検証作業の結果を待って、県民の是非を問うてから判断をするというようなお考え、慎重な姿勢を示しておられますけれども、そのあたりについて原子力防災担当の副大臣としての考えをお伺いします。
(答)これは、あくまでも自治体の選挙の結果でございますので、私からコメントは差し控えさせていただきたいというふうに考えております。それから、内閣府といたしましては、柏崎刈羽地域の避難計画について、新知事を始め、新潟県や関係市町村とも密にコミュニケーションを図りながら、柏崎刈羽地域原子力防災協議会の枠組み等を通じて避難計画の充実と強化に向けて取り組んでまいりたいと、こう考えております。私は委員会でも答弁をさせていただきましたけれども、私どもの実行させていただいている原子力防災の訓練というのは、全国津々浦々、原発がございますところにあっては、そこに核燃料がある限り、地域の皆さんがいかに安心して暮らしていただけるかということをベースとして、この原子力防災訓練の精緻な訓練をしていくことが私たちの大切なことだというふうに考えての実行でございますので、そういう意味でこれからもしっかりと新知事さん並びに地域の皆さんと協力の体制を組ませていただいて、実行してまいりたいと考えているところでございます。
(問)ありがとうございます。今回の選挙の中で行われたさまざまな調査で、やはり、柏崎刈羽原発の再稼働については、反対の意見がかなり多いというような結果も出ています。住民なり県民の方が、やはり再稼働に不安な向きがあるというような結果だと思うんですけど、そのあたりについてもいかがでしょうか。力を入れていくようなお考えはあるのでしょうか。
(答)私たち、今申し上げたとおり、再稼働させるためにこの原防の訓練をいたしておるわけではございませんので、まずそこは、よくわかっていただければありがたいと思います。その上で、原発の存在が地域の皆さんにとって御不安であるということについて、それはすなわち、事故が起こったときにどうなるだろうか、どうしなければいけないだろかと。本当に福島のようなことが二度と起こらないようにしていくためには、どうしなければいけないかということを我々は一生懸命、地域の皆さん、そしてまた、県の皆さんともよく相談をさせていただきながら、そうした不安を取り除くことのできる訓練によって、皆さんに少しでも安心を感じていただけるようなことを、きちんとやり遂げてまいりたいと思っております。決して、この原防というのは終わりのない、安心を積み重ねていくための訓練というふうに思っておりますので、そこに努力をしてまいりたいというふうに思っております。
(事務方)訓練と副大臣おっしゃっていますけれども、計画をしっかりつくって、計画をしっかりつくって、訓練をやって、その計画を検証していくいという主旨です。
(答)まず、避難計画をきちっと自治体と一緒につくり上げていくということです。実際に私は現地対策本部長で飛んでいかなければいけないので、訓練、訓練と頭に出てきてしまうのですけれど、もともと言えば、それは避難計画を立てていくことが一番、まず基本となるところです。

(問)共同通信の藤井です。関連してなのですけれども、柏崎刈羽は地域だけに限らず、避難計画というものについて政府が了承するということを、独立した立場で原子力規制委員会の審査の対象にはなっていないということで、計画の実行性を疑問視する声もあるというのも前から指摘があったと思うのですが、この避難計画を政府が了承して、訓練をして、見直していくという現状の仕組みが十分機能していると考えられているのか、その辺の御認識をお伺いします。
(答)先ほど来申し上げましたとおり、原発が存在をし、そこに核燃料がある限り、稼働するか否かにかかわらず地域防災計画、避難計画の策定は、地域住民の安全と安心の観点から、どうしても必要なことだというふうに考えております。地域防災計画・避難計画は、地域の実情を熟知している自治体が策定することが最も適切であると。災害対策基本法においても、自治体は地域防災計画・避難計画を作成する責務を有しているということになっております。ただ一方で、万が一の事故が起きた場合においては、このような責務を有する自治体と国民の生命、身体、財産を守る責務を有している国が一致連携をして、一体となって的確に対応していくことが重要だというふうに考えております。このために、初期段階から国はきめ細かく関与をして、この地域の実情を熟知している自治体と一体となって策定することが適当であり、国が避難計画を法的に許認可するということだけが適当なことだというふうには思っておりません。実態的に、例えば、バス協会がどうやって人を助けていくかとか、そうしたことまで含めて、地域とのコミュニケーションの中には国が折々加わって話をしているわけですから。実際にそれが機能するかどうかといったときに、国と地域の一体感を持つことができるような仕組みというのは、私どもは十分醸成をしつつあることだというふうに思っております。ただ、これは極めて重要なことなのですが、先ほど来申し上げたとおり、安心とか安全というのに尽き果てることのない、漏れのないようにしていってもしていっても、まだそれでもいろいろなことがあるわけですから、やはり、それは国と地域が一体感を持って仕事をしているということが大事なのではないかというふうに思います。このような視点から、政府としては、地域原子力防災協議会において、具体的かつ合理的であることを確認するとともに、総理を議長とする原子力防災会議で了承するという方法で現行行っているわけでございます。
(問)規制委員会に審査の対象になっていないということを、プラントの中の安全性は審査するけれども、プラントの外の避難計画なんかは、検証を独立した立場でする機会がないということで、その仕組みのあり方について、何かお考えがあればお伺いできますでしょうか。
(事務方)今、副大臣から申し上げたとおりでございまして、避難計画の策定というのは、まさに地域を熟知している自治体、これが適切であり、災害対策基本法等に基づいて自治体がそういった計画を作成する責務を有しているという状況でございます。そういった上で、地域の実情を熟知している自治体と国とが一体となって策定していくという現在の仕組みというのが適当であるというふうに考えております。原子力規制委員会の規制において云々という話に関しましては、私どもとして直接お答えする立場ではございませんので、原子力規制委員会としてのコメントということが必要であれば、別途、確認をしていただけたらというふうに考えるところでございます。ただ、例えば、まさに国会等で、規制委員会のほうでどういった答えをされているかということについて、これは国会の議事録等で、あるいは中継でも確認ができると思いますけれども、大きいラインとして、こういったことは言われているということを、御紹介というふうに申し上げると、原子力規制委員会の役割の一つというのは、原子炉等規制法に基づいて原子力発電所の新規制基準への適合性等を確認し、必要な措置を講じるということだと。その新規制基準というのは、原子炉等規制法に基づき、原子炉等を設置しようとする者からの申請について、施設の構造等に着目して災害の防止上、支障がないかどうかを確認するための基準であり、避難計画は含まれていないと。そういったことで、原子力規制委員会として、こういったポイントでのお答えをされているというところでございますので、その点、御紹介はさせていただきます。

(問)毎日新聞の五十嵐です。よろしくお願いします。ちょっと話は変わって、先週のG7サミットで話題になっていました、海洋プラスチック憲章の件でお尋ねします。内容を読んでいますと、プラスチック包装について、2030年までに55%をリサイクルにするとか2040年に100%回収するとか、いろいろと数値の目標が書いてありますが、政府の公式見解としては、各省庁とか経済界との調整に要する時間が足りなかったということだと思うのですけれども、この数値目標を見ている限りだと、率直な印象としては、そんなに別に調整をするほどの内容なのかなというか、調整というか、とりあえずコミットした上で調整しても、そんなに大ごとにならないような内容なのではないかなと率直に思うのですけれども、そのことについて、どうお考えですか。
(答)海洋プラスチックごみの対策は、海洋環境保全のため喫緊の課題であるとともに、プラスチックの3Rの推進は、資源循環、廃棄物対策や地球温暖化対策の観点からも大変重要なことだというふうに認識をしております。今回の憲章は、年限つきの数値目標を設定する等の具体的な内容を含んでいるところ、生活用品を含め、あらゆるプラスチックを対象とした使用削減の実現に当たっては、国民生活や国民経済への影響は慎重に調査・検討する必要があることから今回の参加を見送ることといたしましたが、我が国としては、同憲章が目指すプラスチックごみを減らすとの方向性は共有をいたしているところでございます。環境省としては、国会で審議されている、今日も参議院でやっておられると思いますが、海岸漂着物処理推進法の改正案を踏まえまして、マイクロプラスチックを含む海洋ごみ対策を着実に進めてまいりたいと思っております。また、今月中に閣議決定を予定している第四次循環基本計画において、プラスチック資源循環戦略を策定することを盛り込んでいるところでございます。第四次循環基本計画の閣議決定後、有識者の皆さんや産業界を始めとするステークホルダーの意見を十分聞きながら、しっかりとこの検討を進めてまいろうと思っておりますが、資源・廃棄物制約、海洋ごみ問題、地球温暖化対策等の幅広い課題に対応するために、使い捨て容器包装などのリデュース、それから、使用済みプラスチックの徹底的かつ効率的な再生利用に関する施策や海洋プラスチック憲章における数値目標を含めた数値目標について、積極的かつ前向きに検討し、来年のG20までにはまとめていくということを今、考えているところでございます。私どもといたしましては、G7海洋プラスチック憲章で挙げられた事項も含めて、ただいま申し上げましたとおり、国内の議論を喚起し、海洋プラスチック対策とプラスチックの3Rに積極的かつ前向きに取り組んでいこうということで考え、実行してまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
(問)もう1問だけ。基本的に日本は、海岸漂着物の推進法をもう既に立ち上げておりますし、その背景としては、日本は島国で、海洋ごみ対策というのはもともと重要視せざるを得ない立場だと思います。それ以外のプラスチックも含め、ごみ対策、リサイクル対策というのは、当然、既にやっているという立場を理解しての上でお尋ねしますが。日本と一緒にアメリカも今回、署名をしなかったわけですが、これまでの日本の取り組みを鑑みれば、アメリカをも巻き込んだ上で、G7で全体として合意に持っていくということを日本の役割としてあってもいいのではないかなというふうに思う部分があるのですけれども、そのあたりについて、率直にどうお考えですか。
(答)アメリカの御判断は、私どもから何かを申し上げることではないと思いますが、この海洋ごみそのものも、実は、誰のごみが一番多いのだろうか、日本の周りで。やはり、日本そのものなのです。その次に、順番としては、中国ですとか韓国ですとかと、こういうことでありますので。私たち自身が、やはりどういう海洋対策をしていくのかということを、まず国内の議論として、自分たちのこの海洋プラスチックに関わる資源循環戦略というものをしっかりと立てて、実行せしめることができるように、早くさせていただくことが肝要なことではないかなと、こう考えているところでございます。それができて、堂々と世界に対しても、我々はこういうことをやっていくということを決めてた上で、また世界を醸成していくに当たって努力をする立場というものができてくるのかなというふうに思いますので。まずは、とにかく国内並びにやらなければならない自分たちの役目をしっかりとやっていく必要があるというふうに考えております。

(問)共同の藤井です。たびたびすみません。本日、東電の社長が福島県庁で知事と面会しまして、福島第二原発4基の全てを廃炉にする方向で検討していきますと初めて明言されたのですけれども、伊藤さんも福島に足しげく通われて、いろいろな方から御意見をお伺いしていると思うのですが、受けとめがあればお願いします。
(答)県民の皆さんのお気持ちを聞かれた東京電力の方々の御発言かと思いますが、その御発言そのものに対して私がどう思うかということは差し控えさせていただきたいと思います。その上で、関係者が合意をして進めていこうとしている福島県のあるべき姿に向けて私どももしっかりと一緒になってその思いを果たしてまいれるようにしてまいりたいものだと。それは担当の者として一言申し上げておきたいというふうに思います。
(問)東日本大震災の復興についてなのですけれども、復興庁の件なのですけれども、時限省庁で、でき上がってから10年でなくなるという省庁ですけれども、今後の復興庁というのはどうあるべきなのか。福島に事務所を置くとか、いろいろ案もあるみたいなのですけれども、伊藤副大臣は復興もずっと手がけていらっしゃるので、伊藤副大臣としてはどういうふうに、あり方がいいのかというのを考えていらっしゃるのか、教えていただけますか。
(答)もう残るところ2年と9カ月ということになってまいったと。そういうときに、この復興庁のあり方ですとか、これからどうされるかということをお聞きになりたいのだろうと思いますが、今のところ、私からそのことについて申し上げる知見を持ち合わせているわけではありませんが、しかし、復興はまだ道半ばで、なおかつ言えば、福島県というところにあっては、まだまだやらなければならないことが山積をしているのは間違いないことだというふうに思います。本当に我が国にあって大変不幸な出来事であった2011年の3月のあの震災から、本当に晴れてみんなが元気になったねと思う日まで、我々はただいまの思いを大事にしながらしっかりと貢献をしていかなければならないというふうに思っているところでございます。