大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成29年7月28日(金)11:12~11:30 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私の方から2点御報告したいと思います。始めに、九州に行ってまいりました。大分県日田市、そして福岡県東峰村、朝倉市へ行ってまいりました。各地でお亡くなりになった方がいらっしゃいまして、改めてお悔やみを申し上げてまいりました。そしてまだ行方不明の方もいらっしゃると、朝倉市に。1日も早い救出に全力を挙げていただきたいということも申し上げてまいりました。今後、災害廃棄物処理が本格化することになります。災害廃棄物の発生・処理状況等を私の目でまずは確認をさせていただきました。率直に申し上げて、通常の自然災害と違って、流木というのがよく取り上げられますけれども、自分の目で見てまいりまして、流木の量の多さ、そしてすさまじさというのを確認いたしました。これから環境省がやっていく災害廃棄物処理の中で、流木の処理というのが新しい分野として入ってくるだろうと思って緊張感を覚えて帰ってきたような次第でございます。日田市もそれから東峰村も朝倉市も、福岡県の知事もおっしゃっておられましたけれども、技術的支援もさることながら、財政的な支援も含めて御援助願いたいというお話がございました。環境省ができることを全力を挙げて今後とも取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、ヒアリの調査の実施について御報告申し上げたいと思います。御承知のように、中国からの定期コンテナ航路を有する68港湾において、調査及び殺虫餌の配備を順次実施することとしております。68港湾における調査として、8月1日に専門家による講習会を開催し、8月2日に横浜港での現地調査を皮切りに順次実施することにしました。また、ヒアリ確認地点の周辺2キロ程度に規模を拡大した調査については、7月31日に兵庫県神戸市から順次調査を実施いたします。詳細はお手元の資料を御覧になっていただきたいと思います。また昨日、福岡市で作業員の方がヒアリに刺された事例が発生をいたしました。症状は軽微でありまして健康上の問題は生じていないとのことですが、作業に当たる方々に改めて注意を促すようよう事務方に指示をいたしました。国民の皆様におかれましては、正確な情報に基づき、ヒアリに対して必要以上に怖がらず、しかし侮ることなく冷静に対処をしていただくように改めてお願いをしたいと思います。

2.質疑応答

(問)毎日新聞の五十嵐です。昨日の九州の視察の関連で1点お尋ねいたします。流木の処理というのは大臣も御覧になったとおりで今回の災害の特徴だといえると思いますが、一方でこれだけの流木の処理というのを、これまでに経験がないとまで言っていいか分かりませんが、取り組んでいかれるに当たりましては、技術的な面でまず環境省としてどんな取組から進めていくべきだとお考えでしょうか。
(答)まずは現場から取り除くことが第一番の課題だろうと思っております。その際、環境省が災害廃棄物の処理ということにかかわらず、木材の利用方法というのを環境省なりにバイオマス発電等々で今まで知見を有してきております。したがいまして、処理をすることにおいて最終処分の方法も視野に入れたやり方があるのだろうと、取り除き方があるのだろうと思っております。従来のいわゆる材木として活用したいという向きがある方にはやっぱりある程度の容量も必要だろうと思っておりますけども、環境省がいつも言っているバイオマスで、こうしよう、ああしようと言ったときには、搬出するときには容量は小さくてもいいわけです。それからチップにしていくというようなことが作業としてあるわけです。そういうことを、最終的な処分の仕方を視野に入れた搬出方法というのを考えなければいけないなということを、昨日バスの中から考えておりました。それほどの量でございまして、全く想像しないような高さにまで流木が上がっておりました。通常ならこんな川なのに、何でここまでというような、橋の欄干に流木が引っ掛かっているという状況を目の当たりにしたときに、なかなかこの搬出の方法は難しいなと。難しいならば、最終的にどういう処分をするかということを視野に入れて搬出方法を考えていくというのがやっぱり現実的かなということを考えました。流木に特化した仮置場の設置ということも県の方で考えていただいております。地元の方々も流木の処理ということについては様々なお考えをお持ちだということも私も聞いてまいりました。そういう中で環境省が持っている最終的な利用方法の知見というのは必ず役に立つんだろうと思っておりますから、含めて流木の処理に当たっていきたいなと思っております。

(問)朝日新聞の小坪です。2点お伺いいたします。1点目ですが、小笠原の空港についてです。都の方でまた本格的な検討が始まったというような報道がありましたけれども、環境省として現在の受け止めはどのようになっていますでしょうか。
(答)27日に小笠原の航空路協議会が行われたということも承知しておりますし、三つの案が検討されたということも承知しております。そしてその結果、洲崎地区活用案を中心に具体的な検討が進めていかれることになったということも承知をいたしております。まず第一には東京都が検討されるものと考えておりますけども、環境省としてはこれまでも申し上げてきたとおり、世界自然遺産であったり国立公園という日本の宝ともいうべき小笠原の自然環境を守る中で、まずは東京都でございますから東京都に協力をしていきたいとは思っております。私、一政治家としては、小笠原の地理的なことを考えたときに、小笠原島民の方々の悲願でもあるということは重々承知をいたしております。
(問)今一点は環境省とは別の話になるのですが、今朝方、稲田防衛大臣が辞任を表明されました。閣僚の一人としての受け止めをお聞かせいただけないでしょうか。
(答)1年間、一緒に閣僚としてやってきた同僚でございますので、辞任をされるということは私自身は寂しい気がいたします。いろいろなことがあったのでしょうけど、それ以上は同僚として逆にコメントは差し控えさせていただきたいなと思っております。
(問)ちょっと不しつけな質問かもしれませんが、稲田大臣は発言などでかなり批判を浴びていたように思うのですけれど、山本大臣自身もいろいろと個人的見解は表明されていると思うのですが、特に問題もないといいますか、そうだなというふうに受け止める場合も私は個人的には多いのですが、どこが違うのでしょうか。
(答)私自身も去年ここに着任した早々のこの部屋に来るときの心境は、大臣室を出るときに「戦場に行ってきます」と言ってここの部屋に現れたんです。ある種の覚悟を持ってこの部屋に現れた。それほど怖い部屋だったのが率直な感想でございます。ただ、私はいつも申し上げますけども、私の思っていることをできるだけ申し上げたいという気持ちで今日までやってまいりました。いろんな御批判もあったやに聞いておりますけども、私は私の思ったことを言わせていただいたということに尽きるのだろうと思っております。

(問)共同通信の堀口と申します。他の政党のことで恐縮なのですけれども、民進党の蓮舫代表が同じく昨日なのですけれども、都議選の惨敗などを受けて辞任を表明されました。このことについても、すみませんが一言御所見をお願いいたします。
(答)あんまりよく分かりません。他党のことですし、それぞれのお考えがあるんだろうと思いますけれども。お辞めになったという報道は知っておりますけど、改めての感想はありません。

(問)環境新聞の小峰です。ちょっと唐突な質問になるかもしれませんけれども、先の通常国会で成立したいわゆる共謀罪法案と、去年の臨時国会で採択されたパリ協定の採決の仕方の関連性についてお聞きしたいのです。というのは、山本大臣は先のモロッコでのCOPにおいてリーダーシップを持って、確かに協定はモロッコのCOP中に締結しました。しかし、大臣は昨年の10月の何回かの記者会見で、11月4日の発効に間に合わせるために荒技を使いたいということを言ってましたけれども、ひょっとして内閣改造で替わる可能性もあります。これは誰にも分からないことなので。歴史的にこの荒技の内容を改めてお聞きしたいのです。というのは、共謀罪法案は委員会審議をすっ飛ばして本会議で採択しました。これが安倍政権の支持率を下げる一つの要因だったとも言われていますけれども、もし仮にあのとき委員会審議をすっ飛ばして本会議採択をしていれば11月4日には発効まで間に合ったはずなのです。大臣のお考えの中には、あの荒技というのはそういういわゆる共謀罪法案でやったときと同じようなあれがあったのではないでしょうか。共産党を含めて反対する政党はいなかったのですから。歴史的な証言として教えてほしいのですけれども。
(答)共謀罪のいわゆる中間報告という手段をとっての採決というのは、私もこれは思いはつかなかったので。聞いてみると昔もあったというけども、私自身は経験したことがなかったので、なるほどなと後で思いました。パリ協定のときには私は国会のうんぬんではなくて、違う要素が働いて少し遅れた可能性はあるのかなと思っております。あのときは血気にはやって荒技という言葉を使いました。つまりモロッコに行くならば、行くならばこういう形で行きたいという思いがあったので、血気にはやってああいう言葉を使いましたが、国会のルールによって通常ならば衆議院先議であるというのがああいうものでございますが、それを参議院先議とする方向だったのです。それをやはり衆議院先議でできないかと。私も衆議院議員ですから、衆議院であるならば短時間でやられる自信があったことは事実なのです。それは事実。であるからこそ荒技という表現を使ったのですけども、血気にはやっておりましたので、いささか勇み足のところがあってお叱りを受けたところもあったことは事実なんです。ただ、結果的に非常にいい形で我々もパリ協定に参画することができましたので、物事は結果よければ全てよしで、小峰さん、そういきませんか。
(問)了承しました。

(問)エネルギーと環境の大村です。今日の午後、経産省の方で高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する科学的特性マップが発表される見通しになっていますけれども、かなり自然環境の観点からも重要な地点がいわゆるグリーンといわれる地点に含まれる見込みになっていますが、これに対して環境省としてはどのように対応していくのか、その考えをお聞きしたいと思います。
(答)基本的に所管外と言ったらそれまでの話なんですけども、国民的に関心の高い事項でありますので、私も実はあまり早くから情報を得ていたわけではないので頭の整理がついておりませんけども、いずれにしてもそういう段階に至ったということは近々聞きましたので、ある種の感想は持っておりますけども、冒頭申し上げたように基本的にはやっぱり所管外ということでコメントは差し控えさせていただきたいと思ってはおります。ただ、国民的関心の高い作業が行われて発表されようとしているというくらいの認識しかまだございません。

(問)環境新聞の小峰です。内閣改造、これは直前まで分かりませんけれども、大臣のライフワークである温暖化問題、CO2を抑えるということで武豊火力、これが近く近々に、大臣の意見表明がされるという毎日新聞の報道等もあります。ほとんど3日に改造されると思うのですけれども、今日、大臣からその意見提出の言及がなかったもので、残りは8月1日の閣議後会見しかないのですけれども、我々記者としては8月1日に原稿を準備しておけばよろしいのでしょうか。
(答)確かに3日と言われておりますけど、確定したわけではないので、今まで我々に3日には改造するぞという、いわゆる通達があったわけでもありませんから、予断を持って言うのはおかしいのかなと思いますけども、私自身は1日の日が最後の記者会見になるのではないかなという予感がいたしております。その予感の範疇において申し上げたようなことがあるかもしれないということでございます。

(以上)