大臣談話・大臣記者会見要旨

平口副大臣記者会見録(平成28年3月31日(木)11:34 ~11:43  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.質疑応答

(問)共同通信の川口です。先日発表されましたアクション50-80の関係なのですが、その中で炭素税ですとか、排出量取引ですとか、いわゆる炭素に値段を付ける「カーボンプライシング」について検討しているということが書かれていましたけれども、そのあたり副大臣はどのようなご認識でいらっしゃって、どのように進めていけばいいとお考えでしょうか。
(副大臣)炭素税や排出量取引制度といった「カーボンプライシング」の施策については、経済的インセンティブによって企業や消費者による効率的なCO2排出削減を促す有効な政策手段であると認識しております。昨年のG7エルマウサミット首脳宣言において、「炭素市場ベースの手法」について言及され、COP21の決定においても「カーボン・プライシング」の重要性が位置付けられました。昨年、国レベルでの排出量取引制度の導入を発表した中国を含め、近年世界では、カーボンプライシングの考え方や、それに基づく政策の実践というものが広まりつつあります。環境省としては、こうした世界の動きを注視しながら、2050年の社会の姿もしっかりと見据えつつ、長期大幅削減を実現するために必要な施策について、検討を進めていきたいというふうに考えています。
(問)2点目なのですが、同じアクション50-80の中で、長期低炭素ビジョンというものを今年の夏から議論を始めて、16年度中にまとめるという大臣のご発言がありましたけれども、こちらは環境省としてのビジョンをまとめた上で、政府全体としてどのような戦略を作っていくのかというところは、副大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
(副大臣)環境省としてというのと政府としてというのは何か違いますか。
(問)おそらく違うかと思っているのですが、違いませんか。
(事務方)今回、策定に着手すると発表させていただいたのは、環境省としてのビジョンということでございまして、政府としてパリ協定で求められております長期の低排出戦略といったものにどう対応していくかということについては、我々としては議論の素材として生かしていただきたいと思っておりますけれども、政府の中で調整していくということです。
(問)そうするとせっかく作ったビジョンがどういうふうに生きていくのかというのは今の段階ではまだわからない段階ですか。
(事務方)環境省としては、今後の政府の議論に生かしていきたいというふうに考えております。

(問)朝日新聞の香取です。先ほど共同通信の話にもあった炭素の価格化の話なのですが、副大臣がおっしゃられたように非常に有効な手段だということで、G7エルマウサミットで言及があったっりとか、COP21での決定があったりとか、各国に広がっています。その中で、日本ではあまり議論が進んで来なかったというのは、何が原因だと思いますか。
(副大臣)受け止め方がそれぞれのところによって違っていて、我々からすると、こんなものではとてもカーボンプライシングとはいえない。けれどもカーボンプライシングがある程度入っているというふうに説明する人たちもいます。ですから、特に税については大きな議論があると思います。
(問)今おっしゃった、我々からすれば、カーボンプライシングとはいえないというのはどういう意味なんですか。
(副大臣)桁が少し少ないということです。
(問)税率が低いということですか。
(副大臣)はい、そうです。
(問) 実際、どのくらいの税率が効果があると思いますか。
(副大臣)10倍とか、最低でもそれくらいはないと、カーボンプライシングとは言えないのではないですかね。

(問)共同の川口です。今の朝日新聞の質問の関連なのですが、そうすると、特に抵抗を示している産業界なんかの方々を説得されて、こういう方法というのは有効なんだというふうに、どういうふうに会話のキャッチボールをしていけば良いと、副大臣はお考えでしょうか。
(副大臣)難しいところですけれども、地道にやっていかなくてはいけないと思います。世界の動向を見ながら、こっちでも説明していくけれども、向こうも判断があるでしょうし。

(問)NHKの橋本です。明日から始まる家庭向けの電力自由化について、少しコメントを頂きたいんですけれども、電力をたくさん使う人はかなり安くなるというプランが出ている一方で、あまり使わない人や、あるいはこれまで節電を頑張ってきたという人にとっては、恩恵が薄いということが指摘されていまして、節電マインドに水を差しかねないのではないかというふうな指摘が一部から出ているんですけれども、環境省として国民運動を所管している立場から、このことについて、どういうふうな認識なのでしょうか。
(副大臣)電力の自由化はそれなりに意味があってされることですから、それはそれとして尊重はしたいと思います。微細にわたってそういう問題が出てくる可能性も危惧されてはいますけれども、そこら辺については慎重に見ていきたいと思っております。
(問)それはCOOL CHOICEですとかいろんな国民運動をされている中で、改めて自由化の中で、こういうふうに節電を呼びかけていくんだというものが何かあれば教えてください。
(副大臣)電力自由化の中では、電力自由化の線に沿って、やっていくということですね。

(問)朝日新聞の香取ですけれども、先ほどの炭素税の話で追加なんですけれども、今後検討されるということで、アクションプランに入っているんですけれども、これはどのくらいの期間を見ているのか教えていただけますでしょうか。
(副大臣)それはちょっとまだわからないですね。
(問)消費増税の見送りと絡めてという人もいるんですが。
(副大臣)それは関係ないと思います。カーボンプライシングの問題はカーボンプライシングの問題として処理しなくてはいけないと思います。

( 以  上 )